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第一部
【6】吸血鬼ばぶちゃんとエステ。
しおりを挟むお風呂から上がれば……。
ばぶちゃんの髪と身体をタオルで拭いてから、用意されていたバスローブをばぶちゃんに着せてあげる……。バスローブまで、高級やっ!!
そして俺は水着お兄さんズに髪と身体を拭かれ、バスローブを着させられた。これ、ばぶちゃんと同じ、すっごい肌ざわりいいやつ~~っ!いや、何で俺にまで!?俺にもそれ着せていいの!?何で俺にも着せてるの!!
でもばぶちゃんも満足げだしなぁ~~。
「ばぶー♪ばぶー♪」
うん、超嬉しそう…、!あのばぶばぶには俺、抗えないっ!!
そしてばぶちゃんの髪を乾かしながら、俺もお兄さんに髪を乾かされていた。しかも、ヘアオイル塗るんだぜ?
乾かす前に俺も塗ってもらえたから、やり方分かった。俺も真似してばぶちゃんの髪にぬりぬりして、お次はドライヤーである。
しかもその後は……なんか磨かれた。うん、ばぶちゃんと一緒に顔も身体も全身……メンズエステ――――――っ!!!
ひぃ~~~~っ!?
何これ初めて!しかも気持ちいいよぉぉぉ~~~~っ!!?
――――――こうして、お肌もちもち、すべすべ俺ができましたよっと。もちろんばぶちゃんもなのだが……。
「ばぶばーぶ!マミー、ばぶぅ~~~~っ!」
俺のもちふわほっぺたを指でつんつん、むにむにしながら、とっても幸せそうである。んもぅ……ばぶちゃんったら。
その後、ばぶちゃんの歯磨きおねだりに、歯も磨いてあげた。ばぶちゃんの口の中をよく見れば……。
――――――うん。しっかりありましたとも!人間の犬歯よりも明らかに尖っていて長い牙~~~~っ!やっぱり……吸血鬼ばぶちゃんなんだよなぁ~~?
その後は俺が自分の歯磨きをしようとしたら、颯爽と手を伸ばしてきたばぶちゃんに歯ブラシを奪われた。
「あっひゃ……あひゃあぁぁぁ~~~~っ!?」
ばぶちゃんにより、繊細に、そしてムラムラしちゃうほどに磨かれたあぁぁ~~~~っ!
歯磨きされるって……なんだろね。うん、ムラムラしちゃう。ドキドキしちゃう……!俺、初めて知ったあぁぁぁ~~~~っ!
因みにその後着替えたパジャマはっと……。
「ばぶはーぶっ!ばぶばぶっ!」
ばぶちゃんが嬉しそうに差し出してきた。
それは着物のように袷のある、一枚の長衣。腰にウェスト縛る紐がついていたので、ばぶちゃんにも簡単に着せてあげられた。
うん、触っただけでも分かる、高級そうな布である。
「マミー、はぶばぶ!」
そして俺のパジャマもばぶちゃんが差し出してきた。こちらはばぶちゃんが着せてくれるようである。ばぶちゃんとお揃いのような着物風な長衣である。んー……、だけど何だか胸元がすーすーするような。こう言う服ってそう言うものなのか……?伯父夫婦の元でも着ていたのは庶民のパジャマだだたし、よく分からないなぁ。
先程のバスローブも袷はあったけど、湯上がり用でふわふわ生地だったから、胸元はすーすーしなかった。これは寝巻き用だからなのかな……?でも何のためだろう。寝汗の蒸れ防止かな?
俺、そんなに寝汗はかかないと思うが……。まぁ、せっかく着せてもらったのだからいいか。
俺に着せてくれたばぶちゃん、かわいかったし。
そしてばぶちゃんと元の寝室に戻ってくれば、当然のようにベッドの上へ座らされる。もちろんばぶちゃんはその隣に腰掛けてかれる。
「ばーぶー♪マミー、ばぶばーぶっ!」
ばぶちゃんは足をパタパタさせながらご機嫌な様子。
……あれ?俺もここで寝る流れ?ばぶちゃんと一緒に……?え、ちょま……ちょまって!?
いや、気のせい?気のせいだよね……!?でもこの流れで、ここまで来て一緒に寝ないって言うルートあるうぅぅ――――――っ!?
アンケートとっても100%【一緒に寝る】に票入るわあぁぁっ!!!
うぐぅ……しかし何で俺、ばぶちゃんと寝る流れに……。
でも何だろうなぁ。もうそう言う流れでいいような気もするんだ。雰囲気って恐ろしい。
――――――その時、指を胸元でいじっていてふと気が付いた。
別に雄っぱい揉んでたわけじゃないよ!?雄っぱいさわってたわけじゃない!セルフパイ揉みしていたわけじゃない!断じて……!!
しかし……気が付いてしまったんだ。俺のパジャマ、ばぶちゃんのと同じだと思っていたけど、デザインが微妙に違う。
俺のだけ胸元に蓋のような布がついている……?それをぺらりとめくってみれば……。
……その下が直に胸元オープンっ!つまりは雄っぱいオープンんんんんん――――――――っ!?みんな大好き雄っぱい、おっぴろげや~~~~んっ!!
え、何これ……!目を見開きぱちくりしていれば、不意にばぶちゃんが……。
「ばぶっ!マミー、ちゅーちゅ!」
え、ぢゅーぢゅじゃなくて、今度はちゅー……、
ばふっ
ばぶちゃんにお布団の上に押し倒されて……。そのままばぶちゃんの口が、俺の雄っぱいに……近付いてくるうぅぅぅ――――――――っ!!?
……すごい、吸われた。
雄っぱい、吸われました。うぐうぅぅ!!!
しかしばぶちゃんは……。
「ばーぶぅ~~~~っ」
げぷっ
げっぷするほど、満足してるしいぃ~~~~っ!
そしてばぶちゃん。
俺の首筋の絆創膏をすべて剥がして消毒。ぱぱっと絆創膏を付け替えると……。
俺の身体をささっとベッドの上に横たえる。あの、俺の身体をひょいひょい持ち上げるばぶちゃん、やっぱり力持ち?そんなにほっそりしてるのに。吸血鬼だからかな?
そして当たり前のように俺の隣に横たわったばぶちゃんに、毛布と掛け布団を被せられ……ぎゅむーっと抱き締められて、部屋の灯りが消された。
「ばーぶ、マミー、ばぶはーぶっ!」
何だか分からんが……しかしながら、今日出会ったばかりのばぶちゃんと、一晩を共にすることは間違いないようである。そしてぎゅむぎゅむ抱き付かれているため、抜け出すことは困難。
――――――ならば。
寝よう。そしてこれからどうするかは、明日起きてから考えよう。そう、心に決めた、俺だった。
「お休み、ばぶちゃん」
「ばーぶぅ……」
何だかひどく優しいような、満たされるような。そんな安心感に包まれて、俺はいつの間にかすやすやと寝入ってしまった。このベッド……寝心地さいこおぉぉ……。
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