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第一部

【5】吸血鬼ばぶちゃんとお風呂。

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「はぁ~~。食事美味しかったぁ~」
こんな美味しい食事は初めてだなぁ~~。俺、何でばぶちゃんにご馳走になってるのか分からないけど。太らせて食べる気……?いやいや、そんなことないよね!?

「ばぶ、マミー、ばぶばぶ」
ばぶちゃんが不意に立ち上がり、俺のTシャツをちょんちょん引っ張っている。

「どこか行くの?」
「ばぶっ!」
そうらしい。そして俺にも来て欲しい感じなのかな。

ばぶちゃんに連れられて部屋を出れば、またまたど広い空間に連れて来られた。

「ばぶっ!」
……って、ばぶちゃんが服を脱がせて……っ!?

「あ、ちょ……っ!?」
しまいにはおぱんつまで脱がされたんだけど……!?あうぅ、でもばぶちゃんが嬉しそうだし、俺もあながち嫌ではない……?って、何考えてるの、俺っ!!

そしてばぶちゃんが俺の服を用意してあった籠に入れる。もしかしてここ、脱衣場?

さらにばぶちゃん、俺の首筋の絆創膏の上に、何だか透明なシールをぺたぺたとはっつけてくる。防水ってことなのかな?

そしてばぶちゃんが俺の手をひょいっと取り、自身のスーツのボタンに重ねる。

「ひょっとして……脱がして欲しいの……?」
「ばぶ……!ばぶ!」
こくこくと嬉しそうに頷くばぶちゃん。うーん、仕方がない、やるか。

ばぶちゃんの高そうな服に傷などつけないよう、慎重に脱がしていくが……なんだろう。高そうな服の脱がせ方が分かりませえぇんっ!?ボタンとか紐とかいろいろありすぎて……!!

「マミー、ばぶっ!」
あ、でもばぶちゃんが指差してくれるので、それにそってボタンや紐を外していく。

服にシワをつけないよう慎重に籠の中に入れていき、最後おぱんつを脱が……。

「ばぶ?」
「……」
ばぶちゃんっ!!ばぶなのに股間はご立派あぁぁ――――――っ!!

「ばーぶ?」
おっと、いけない、いけない。ばぶちゃんのおぱんつを籠に入れて、2人とも真っ――――っ!ミッション大成功!

しかし……ばぶちゃんのお洋服脱がすのはどうしてか……楽しかったかも?他人の服を脱がしたことなんてないから、分からなかったけれど。どうしてか、楽しかったのだ。

「マミー、ばぶっ!」
えっと、次はあっち?ばぶちゃんが手首を掴んで誘導してくれるので、後ろについて、てくてくてく。

「ばっぶば~ぶば~ぶっ!」
本当に楽しそうだなぁ。微笑ましく眺めていれば、ばぶちゃんが横開きのドアをガラガラと開ける。そして予想していたとは言え、その中から漂ってきた湯気に、思わず感心した。

「お風呂だぁ――――――!」
しかもこんなに広いとは思わなかった!洗い場もシャワーがいくつもあるし、広々としている。

早速ばぶちゃんがお風呂チェアーに座ってシャワーを持たせてくる。洗えってこと?まぁ、いいけど……。

てか、シャンプーどれだ。

「ばぶ」
ばぶちゃんが差し出してくれたものでまずは髪をわしゃわしゃわしゃ。
こんないかにもなお坊ちゃんの髪を俺が……いいのかなぁ?でも、ばぶちゃんがやって欲しそうだもんなぁ。

ザアァ――――。と、シャワーで流せば。

次に差し出されたのは……コンディショナー、だな。男性なのに、髪質ケアすごいんだなぁ。ますます俺がやっていいのか不安だが。裏面にある記載通りに髪に塗り込み、シャワーで流す。

「ばぶっ」
え、3本目?次はヘアートリートメントだそうだ。次も裏面の説明通りにぬりぬりぬり。シャーッと流す。ば、ばぶちゃんんんっ!!?あのふわふわうるつや髪はこうしてできていたのかぁ~~~~っ!もう、洗っただけで、水に濡れていてもつやっつやなの指で触っただけで分かるぅぅっ!!

そしてばぶちゃんが差し出してきたシャンプーヘッドで髪を包んであげて……。ん?次は泡洗顔料……?イケメンは……ここまでするのか……!していたのか!それゆえの、きめ細かい肌!イケメンすべすべ肌あぁぁぁっ!

うん……ばぶちゃん髭は全く生えてない……よな。だから泡立ててお顔を洗って……シャーッと流そうとすれば……その手をガチッと掴まれる。えっ、誰……っ!?

見れば先程のお兄さんが濡れても大丈夫な全身水着パーフェクトスーツでそこにいたぁ――――――っ!?そして携帯ホワイトボードを見せてくる!水場でも文字が書ける特殊なマジカルペン。水でこすれば落ちるやつぅ――――――っ!何故そんなことを知っているかと言うと、お兄さんがホワイトボードに書いてくれたから。そして水で解説を消すと、洗顔を落とすときは、洗面器にお湯を貯めてちゃぷちゃぷと書いてあった。なるほど、シャワーで直は、ダメだったか。

そしてお兄さんのホワイトボードでの指示に基づき、次は身体も洗ってあげた。まぁこれはこれで楽しいのだけど。

でも何でお兄さんたちは俺に向けてしゃべってくれないのか、よく分からない。無視は……されていないんだけども。ホワイトボードで指示くれるし。

そしてばぶちゃんを洗い終われば。

「ばぶ、ばーぶ!」
ばぶちゃんが合図をだしてる……?その、瞬間。浴場に全身水着パーフェクトスーツのお兄さんたちが押し寄せ、俺は、俺はあぁぁぁ――――――っ!!

「あぎゃ――――――――っ!?」
徹底的に、洗われた。傷んでいた髪も艶々、顔も艶々、お肌も見違えるようにすべすべになったけどぉ――――――っ!?

ばぶちゃんが嬉しそうに俺の腕を指でつんつんして喜んでいるけどぉ~~っ!

「ばぶ、ば~ぶっ!」
ほんと、わっかんねえぇぇ~~~~っ!

まぁ、その後何十人用だと言いたい大きな湯船でゆっくりまったりできたのは……いいのだけど。
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