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婚約未遂連続殺人鬼
婚約未遂連続殺人鬼①
しおりを挟む「うふふふふ……さぁ、みんなぁ……新しいお友だちが出来たわよぉ……?」
美しく清楚そうなアリア王女殿下が、不気味な笑みを浮かべているのだけど……!?
え……しかも……『みんな』……?
次の瞬間、アリア王女殿下の足元からのっそりと3つの影が沸き立つ……。
――――――ってヒイイィィィィ――――――――っ!!?
そこから、嫌に肌色の悪い腐乱死体が湧き出てくる~~っ!いや……でもみんな……いやに顔立ちがきれいね。腐敗臭満載、腐りかけだけども元々の顔立ちのよさは分かるし、生前身に付けていたと分かるその衣装はほつれ黒ずんでいるものの、確実に上流階級のもの。
まさか……この人……っ!
「うふふ……どうかしら?私の自慢のコレクションたち。ほら見て?ステキでしょう?私のアンデットちゃんたち……!見ての通りみ~~んな、死んじゃったっ♪」
笑顔で言うことじゃねえぇぇっ!
まるでメルヘンの国のお姫さまみたいな背景流れてるけど、足元にはアンデット、セリフが黒すぎるうぅぅっ!
「あの……彼らは……」
「彼らは……私を愛したが故に、死んでしまったの……。あるものはメイドに色目を使ってナンパしやがったから縄で首を絞めている途中で……。あるものは貴族の夫人と不倫の上八ツ股かけてたから、王宮のバルコニーから飛んでって命じたら……。そしてあるものは貴族令嬢と朝チュン浮気したから、罰にナイフでめった刺し、その上仕上げに串刺しにして飾り付けてあげたの。なのに……どうしてかしら。みんな……何故か私との婚約直前で死んじゃったのよねぇ。不思議だわぁ~~」
何故か……じゃねええぇぇぇっ!完全犯人このひとじゃんっ!とんだ殺人鬼王女だよコレえぇぇぇっ!王太子殿下も何つー殺人鬼王女引っ掻けてきたの!
そして陛下よく婚約許可したわね……!?それとも隣国では国家機密として隠されてきたのかしら……!?公爵令嬢の私でも隣国にそんな危険人物がいるなんて聞いたことないいぃぃっ!
「だけど……みんなアンデットとして蘇ってくれたの……!私のこと、こんなに愛してくれている上に……とっても従順なの……!」
アンデットとして蘇ったのはただの未練んんんっ!そして従順ってことは飼い慣らしたの!?アンデット飼い慣らしたのかこの殺人鬼王女ぉっ!ネクロマンサー?まさかネクロマンサーの天賦の才能を持っているとでも言うのか……!?
まさか……自然に蘇ったのではなく、王女が無意識にアンデット生成したとでも言うのかしら……っ!?
「……うーむ」
その時、隣でトールが首を傾げる。は……っ!そうよ……ここにはもうひとり、プロのネクロマンサーがいるじゃない!もしもの時は……頼ってもいいのよね!?一応免許持ってるのよね……っ!?
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