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ヒロイン殺人事件
ヒロイン殺人事件②
しおりを挟む「実はベラドンナ……が、ぼく……っ、ざ……っ」
……え?何かノイズが混じっていてよく聞き取れない。しかもベラドンナって……誰?
「お、よ……よよよおおぉぉぉ……っ、よげいなこと言うんじゃないわよおぉぉぉっ!今の……今の何でもないのよ!オーッホッホッホッ!」
「いや、明らかにおかしいでしょうが!そもそもアマリリスちゃんとは性格違わないかしら?」
普段のアマリリスちゃんはもっと清廉潔白なヒロインちゃんっぽかったわよね。いや……確か2年の王太子たち侍らし始めた頃から魔性のヒロインっぷりを見せ付けていたやうな気がするのだけど。
「それはベラドンナが……っ、よよよ、よげいなごど言うなぁぁぁっ!あ、これは演技でぇすっ!」
まともな方を演技って言ってきたぁ~~っ!それ本性ヤバいって言ってるようなものでは……!?
「んー、面白いなこの死体。中に魂が2つ入ってる」
「あー、本当だ。何か変だと思いましたよ。いやぁ、さすがはマッドドクター・ブラッドストーン」
遂にぶっちゃけたわね、エンジェルウィング検視官……!やっぱりトールはマッド……いやいやそれよりも……!
「魂が2つってどういうこと……?」
「その言葉の通りだ。しかし……魂が2つも入ってるとややこしいなぁ……よし、ひとつ出すか!」
「出せるの!?」
「うんうん。ほらよっと」
トールは何もない空中に手を翳すと、そこから毒々しい何かが湧き出てくる……。
「いや、あれは産み出していいものなの……!?何かヤバいもの産み出そうとしていない!?」
「問題ない。魂の入っていない……空っぽのアンデットホムンクルスだ……!」
何そのよく分からないホムンクルス!普通のホムンクルスじゃあかんのかいっ!!
そして出来上がったアマリリスちゃんそっくりなホムンクルス……ただしアンデット。
「そして……魂をいっこ移す。えいっ」
トールはアマリリスちゃんとホムンクルスアマリリスちゃんの後頭部をそれぞれ掴み……勢いよく2人よおでこを……カチ合わせた。
ガチコーンッ
ギャ――――――っ!?何あの荒治療は~~っ!いや、つーか治療行為に入るんだろうか、あれ。
「よし、移った~~」
「そ、それなら良かったけど……」
「あ、私……自由!?ついにベラドンナから自由になったんだわ!」
しゃべったのはアンデットホムンクルスのアマリリスちゃん。
「ぎゃっはははははっ!これで私は本物のアマリリスよおぉぉぉっ!!!」
元々のアンデットアマリリスちゃんが叫ぶ。
「ちょまーっ!?トールったら、何となくだけど……何となーくだけど、本来のアマリリスちゃんを本体から追い出してないかしら……っ!?」
「いやー、これね、本来の黒魔法では移し替える方の魂を選択できないから、確率五分五分」
「ダメじゃねぇかっ!!」
「でもこれで楽になった。魂がひとつなら……うるさい方を黙らせればいい」
そう告げたトールはアマリリスちゃんの偽物(多分)の顔の前に手を翳す。
「ほい、しゃべれなくなる呪い」
……呪い?今こやつ呪いって言った!?
いや、黒魔法使いってそう言うの得意だけども、ノリかっるぅっ!こう言うのってそう言うノリでいいの!?しかし呪いは発動しているようで、ニセ(※仮)アマリリスちゃんはパクパク口を動かしているが何も声が聞こえない。
すご……本当に効いてるわ。
だけどしゃべれないことに業を煮やしたのか……アマリリスちゃんがカッと目を見開きトールに襲い掛かる!?
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