42 / 46
6.これからもよろしくね
6-2
しおりを挟む
「こういうのって、よくわかんなくてねー。まぁ四人いればだれか案持ってきてくれるかなぁって思って」
「ズルいっ。ズルいよ、衣緒ちん。わたし、一生懸命考えてきたのに」
「本当? さっすが彩花! どんな案? 教えて、教えて」
ぐいぐいと前のめりで聞いてくる衣緒ちんの迫力に負けて、二人を問い詰めることをせず、自分の案を発表することにした。
「あのね。学校っていっぱい植物があるじゃない? 正門の桜や、花壇はもちろんなんだけど。校舎西のすくすく広場の木とか、学年で育てている植物とか。それらを調べてマップを作るのはどうかな?」
「マップ?」
キョトンとする衣緒ちんに、わたしはさらに説明を続ける。
「高学年になると、すくすく広場ってなかなか行かないじゃない? でもそこにも植物はあって、あの木は何て名前なんだろうな? とか。花は咲くのかな? とか」
この案が思いついたのは、サラちゃんのおかげだ。
サラちゃんと仲良くなるきっかけになった場所であるとともに、あの時、蒼梧くんが紅葉の木に精霊がいるって教えてくれて。
そういえば紅葉、あったなぁ。忘れていたなぁって。
「へぇー。確かに発見がありそう! なんなら、そこで昆虫とか見つけたら、それものせればいいんじゃない? 男子好きでしょ、昆虫」
話を振られて、蒼梧くんと愁人はぎこちないながらも顔を見合わせる。
「ま、そりゃあ、好きな奴はいると思うけど、花の話をしていたのにいきなり虫かよ」
「いいでしょーっ。なんか理科っぽい発表になりそうじゃん。私、イラスト得意だから、解説の横にイラスト描いたりとか頑張るよ!」
「イラストいいね! 蒼梧くんは、どう思う?」
わたしたちで盛り上がっちゃって、気づけば蒼梧くんが話に入ってきていないのが、気になっていた。
ひょっとして置いてけぼりみたいになっちゃってた?
なんて思ったけど、蒼梧くんはニコニコしていて、なんだか楽しそうな顔をしていた。
「ズルいっ。ズルいよ、衣緒ちん。わたし、一生懸命考えてきたのに」
「本当? さっすが彩花! どんな案? 教えて、教えて」
ぐいぐいと前のめりで聞いてくる衣緒ちんの迫力に負けて、二人を問い詰めることをせず、自分の案を発表することにした。
「あのね。学校っていっぱい植物があるじゃない? 正門の桜や、花壇はもちろんなんだけど。校舎西のすくすく広場の木とか、学年で育てている植物とか。それらを調べてマップを作るのはどうかな?」
「マップ?」
キョトンとする衣緒ちんに、わたしはさらに説明を続ける。
「高学年になると、すくすく広場ってなかなか行かないじゃない? でもそこにも植物はあって、あの木は何て名前なんだろうな? とか。花は咲くのかな? とか」
この案が思いついたのは、サラちゃんのおかげだ。
サラちゃんと仲良くなるきっかけになった場所であるとともに、あの時、蒼梧くんが紅葉の木に精霊がいるって教えてくれて。
そういえば紅葉、あったなぁ。忘れていたなぁって。
「へぇー。確かに発見がありそう! なんなら、そこで昆虫とか見つけたら、それものせればいいんじゃない? 男子好きでしょ、昆虫」
話を振られて、蒼梧くんと愁人はぎこちないながらも顔を見合わせる。
「ま、そりゃあ、好きな奴はいると思うけど、花の話をしていたのにいきなり虫かよ」
「いいでしょーっ。なんか理科っぽい発表になりそうじゃん。私、イラスト得意だから、解説の横にイラスト描いたりとか頑張るよ!」
「イラストいいね! 蒼梧くんは、どう思う?」
わたしたちで盛り上がっちゃって、気づけば蒼梧くんが話に入ってきていないのが、気になっていた。
ひょっとして置いてけぼりみたいになっちゃってた?
なんて思ったけど、蒼梧くんはニコニコしていて、なんだか楽しそうな顔をしていた。
3
あなたにおすすめの小説
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
【奨励賞】花屋の花子さん
●やきいもほくほく●
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞 『奨励賞』受賞しました!!!】
旧校舎の三階、女子トイレの個室の三番目。
そこには『誰か』が不思議な花を配っている。
真っ赤なスカートに白いシャツ。頭にはスカートと同じ赤いリボン。
一緒に遊ぼうと手招きする女の子から、あるものを渡される。
『あなたにこの花をあげるわ』
その花を受け取った後は運命の分かれ道。
幸せになれるのか、不幸になるのか……誰にも予想はできない。
「花子さん、こんにちは!」
『あら、小春。またここに来たのね』
「うん、一緒に遊ぼう!」
『いいわよ……あなたと一緒に遊んであげる』
これは旧校舎のトイレで花屋を開く花子さんとわたしの不思議なお話……。
レイルーク公爵令息は誰の手を取るのか
宮崎世絆
児童書・童話
うたた寝していただけなのに異世界転生してしまった。
公爵家の長男レイルーク・アームストロングとして。
あまりにも美しい容姿に高い魔力。テンプレな好条件に「僕って何かの主人公なのかな?」と困惑するレイルーク。
溺愛してくる両親や義姉に見守られ、心身ともに成長していくレイルーク。
アームストロング公爵の他に三つの公爵家があり、それぞれ才色兼備なご令嬢三人も素直で温厚篤実なレイルークに心奪われ、三人共々婚約を申し出る始末。
十五歳になり、高い魔力を持つ者のみが通える魔術学園に入学する事になったレイルーク。
しかし、その学園はかなり特殊な学園だった。
全員見た目を変えて通わなければならず、性格まで変わって入学する生徒もいるというのだ。
「みんな全然見た目が違うし、性格まで変えてるからもう誰が誰だか分からないな。……でも、学園生活にそんなの関係ないよね? せっかく転生してここまで頑張って来たんだし。正体がバレないように気をつけつつ、学園生活を思いっきり楽しむぞ!!」
果たしてレイルークは正体がバレる事なく無事卒業出来るのだろうか?
そしてレイルークは誰かと恋に落ちることが、果たしてあるのか?
レイルークは誰の手(恋)をとるのか。
これはレイルークの半生を描いた成長物語。兼、恋愛物語である(多分)
⚠︎ この物語は『レティシア公爵令嬢は誰の手を取るのか』の主人公の性別を逆転した作品です。
物語進行は同じなのに、主人公が違うとどれ程内容が変わるのか? を検証したくて執筆しました。
『アラサーと高校生』の年齢差や性別による『性格のギャップ』を楽しんで頂けたらと思っております。
ただし、この作品は中高生向けに執筆しており、高学年向け児童書扱いです。なのでレティシアと違いまともな主人公です。
一部の登場人物も性別が逆転していますので、全く同じに物語が進行するか正直分かりません。
もしかしたら学園編からは全く違う内容になる……のか、ならない?(そもそも学園編まで書ける?!)のか……。
かなり見切り発車ですが、宜しくお願いします。
悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~
橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち!
友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。
第2回きずな児童書大賞参加作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる