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00. 魔王に召喚された夜
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「ふぁー···」
深夜、時計を見れば既に午前3時を過ぎていた。何故こんな時間に起きているのかと言えば、真夜中の雷雨の音に起こされてしまったのである。
ゴロゴロ、ピシャーン!!
空を割るような激しい嵐に、「うるさいなぁ」と内心愚痴るものの、雷は別に怖くはない。
ただ、眠れない事にイライラしているのは事実で、仕方なしに電気をつけてDVD鑑賞をしようとした瞬間、地鳴りのようなエグい爆発音と共に部屋の電気は消え、ビックリした私は慌てて耳を塞ぎ目を瞑った。
(うわぁ···エグっ。絶対どこかに落ちた音だ)
「はぁー···すごかっ···、た?」
私はゆっくりと目を開いた。
そして目の前に広がる風景に、頭に「?」が沢山浮かんだ。え、何。ちょっと何···え?
寝起きで思考が回ってない訳では無く、本当に意味が分からなくて思考が停止した。仕事でミスった時よりも、衝撃は大きかった。
(···、ここ何処?)
私は石作りの床にペタりと座り込み、私の周りには丸い魔法陣が書かれていた。某白い悪魔が登場する魔法陣に似ている気がする。まるで、アニメや漫画の世界のようだ。
「···。夢?」
思わずムギュってほっぺたを強く握った。
うん。痛い。夢にしてはヤケにリアルだ。残業のし過ぎて私の思考回路爆発したんだろうか。
あ、ちょっと待って···今、巷で流行りのトリップとか言うやつ?それとも異世界移転?そもそもここ牢屋みたいな部屋だし···。何かのもらい事故だったら即刻元に戻して欲しい。
キャパオーバーした思考で考えていれば、重い扉の開く音がした。コツコツと革靴を鳴らし、入って来たのは黒髪に、ガーネットの様な深い色の赤い瞳に、すっと筋の通った鼻筋、唇は薄く血色の良い唇。高身長の、冷たく涼し気な印象のイケメンが入って来た。
「お前が俺の花嫁か」
「···、は?」
イケメンから発せられた台詞に間抜けな声が出てしまったのは、言うまでも無い。今何と···?「俺の花嫁」いやいやいや。
「お前が俺の花嫁かと聞いている」
(そんなん知らんがな···!)
「えーと、ち、···違うんじゃないでしょうか··?」
(て言うかここ何処!!ファンタジー?ファンタジーなの?)
「···ふーん」
「···ひっ」
イケメンからのジリジリ焼け付く様な視線に、思わず顔を背けた。
「顔を逸らすな、よく見せろ」
「わわっ!?」
イケメンの顔のドアップ!?
いやぁー!!?ヤバイヤバイヤバイ···。
顎に手が!、赤い綺麗な目に射抜かれるっ!!
説明しよう。
産まれてこの方、年齢=彼氏無し(23歳)喪女の私は、イケメンは遠くから眺めるのが至福であり、近くで見ると拒否反応が出るのである。
「顔見ただけじゃ分からんな。···女、来てもらう」
「へ、ちょっ、何処に···ひえぇぇ!」
「先程から煩い。静かにしていろ」
一気に視界が高くなったと思ったら、イケメンに横向きにお姫様抱っこされていた。これはもうよく出来た夢なんじゃないかなっ、と疑いたくなる。
通された部屋は、どっかのお城の王族が住んで居そうな部屋だった。豪華なロココ調を思わせる家具が並び、黒い薔薇の花が花瓶に活けられ、テーブルの上に飾られていた。
部屋の主であろうイケメンはやたら広い寝台に近付くと、私はコロンと転がされすかさず覆い被された。両腕は意図も簡単に寝台に縫い付けられてしまった。逃げようがない··。
「へ···!?あのっ···!?」
「静かにしろ。お前を呼んだのは、俺がお前を必要としたからだ」
「は、はぁ···。本当に私なんですか?」
「花嫁と判明した暁には、俺の子を産んでもらう」
(聞いてないし!!しかも···子供が欲しいと!?)
「はぁ!?いや、う、産むぅー!!?」
事の展開にそろそろ目眩を覚えて来る。
「あぁ。代々、魔王の子を産ませるのは異世界の女と決まっているのだ。魔族同士で、··特に王族は魔力が強過ぎる為、血を丁度よく薄める為に異世界から女を召喚している。そして今回はお前が選ばれた。俺の花嫁として···さぁ、“花嫁の証”を見せてもらおうか」
深夜、時計を見れば既に午前3時を過ぎていた。何故こんな時間に起きているのかと言えば、真夜中の雷雨の音に起こされてしまったのである。
ゴロゴロ、ピシャーン!!
空を割るような激しい嵐に、「うるさいなぁ」と内心愚痴るものの、雷は別に怖くはない。
ただ、眠れない事にイライラしているのは事実で、仕方なしに電気をつけてDVD鑑賞をしようとした瞬間、地鳴りのようなエグい爆発音と共に部屋の電気は消え、ビックリした私は慌てて耳を塞ぎ目を瞑った。
(うわぁ···エグっ。絶対どこかに落ちた音だ)
「はぁー···すごかっ···、た?」
私はゆっくりと目を開いた。
そして目の前に広がる風景に、頭に「?」が沢山浮かんだ。え、何。ちょっと何···え?
寝起きで思考が回ってない訳では無く、本当に意味が分からなくて思考が停止した。仕事でミスった時よりも、衝撃は大きかった。
(···、ここ何処?)
私は石作りの床にペタりと座り込み、私の周りには丸い魔法陣が書かれていた。某白い悪魔が登場する魔法陣に似ている気がする。まるで、アニメや漫画の世界のようだ。
「···。夢?」
思わずムギュってほっぺたを強く握った。
うん。痛い。夢にしてはヤケにリアルだ。残業のし過ぎて私の思考回路爆発したんだろうか。
あ、ちょっと待って···今、巷で流行りのトリップとか言うやつ?それとも異世界移転?そもそもここ牢屋みたいな部屋だし···。何かのもらい事故だったら即刻元に戻して欲しい。
キャパオーバーした思考で考えていれば、重い扉の開く音がした。コツコツと革靴を鳴らし、入って来たのは黒髪に、ガーネットの様な深い色の赤い瞳に、すっと筋の通った鼻筋、唇は薄く血色の良い唇。高身長の、冷たく涼し気な印象のイケメンが入って来た。
「お前が俺の花嫁か」
「···、は?」
イケメンから発せられた台詞に間抜けな声が出てしまったのは、言うまでも無い。今何と···?「俺の花嫁」いやいやいや。
「お前が俺の花嫁かと聞いている」
(そんなん知らんがな···!)
「えーと、ち、···違うんじゃないでしょうか··?」
(て言うかここ何処!!ファンタジー?ファンタジーなの?)
「···ふーん」
「···ひっ」
イケメンからのジリジリ焼け付く様な視線に、思わず顔を背けた。
「顔を逸らすな、よく見せろ」
「わわっ!?」
イケメンの顔のドアップ!?
いやぁー!!?ヤバイヤバイヤバイ···。
顎に手が!、赤い綺麗な目に射抜かれるっ!!
説明しよう。
産まれてこの方、年齢=彼氏無し(23歳)喪女の私は、イケメンは遠くから眺めるのが至福であり、近くで見ると拒否反応が出るのである。
「顔見ただけじゃ分からんな。···女、来てもらう」
「へ、ちょっ、何処に···ひえぇぇ!」
「先程から煩い。静かにしていろ」
一気に視界が高くなったと思ったら、イケメンに横向きにお姫様抱っこされていた。これはもうよく出来た夢なんじゃないかなっ、と疑いたくなる。
通された部屋は、どっかのお城の王族が住んで居そうな部屋だった。豪華なロココ調を思わせる家具が並び、黒い薔薇の花が花瓶に活けられ、テーブルの上に飾られていた。
部屋の主であろうイケメンはやたら広い寝台に近付くと、私はコロンと転がされすかさず覆い被された。両腕は意図も簡単に寝台に縫い付けられてしまった。逃げようがない··。
「へ···!?あのっ···!?」
「静かにしろ。お前を呼んだのは、俺がお前を必要としたからだ」
「は、はぁ···。本当に私なんですか?」
「花嫁と判明した暁には、俺の子を産んでもらう」
(聞いてないし!!しかも···子供が欲しいと!?)
「はぁ!?いや、う、産むぅー!!?」
事の展開にそろそろ目眩を覚えて来る。
「あぁ。代々、魔王の子を産ませるのは異世界の女と決まっているのだ。魔族同士で、··特に王族は魔力が強過ぎる為、血を丁度よく薄める為に異世界から女を召喚している。そして今回はお前が選ばれた。俺の花嫁として···さぁ、“花嫁の証”を見せてもらおうか」
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