人生三度目、今度こそ君と。

ルジェ*

文字の大きさ
7 / 23

7.初の謁見②

しおりを挟む
「わたくしが死んだところで誰も何も困りませんから。」
「「「っ…⁉︎」」」
「シャ、シャル…⁉︎」

私が言うと皆驚いたように私を見た。…まぁ、よく考えれば皇帝も母に大切な人を殺されかけたんだから怒って当然よね…。ジゼル様はお母様は無実だと思っていらっしゃるようだったけど、一応私からも謝っておきましょうか。まぁ私を殺さなかった彼らが悪いとは思うけれど。

「…わたくしは生まれてきてはいけなかった。わたくしは皇族の恥であり汚点です。存在してはいけなかった。…生まれてきてしまった事を心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。」

私が頭を下げると辺りはしん、と静まり返った。……あの、ふざけんな死ねでも良いからせめて何とか言ってくださらない…?足がプルプルしてきた。

「…シャルロット。」

勝手に発言する訳にもいかずジェラールが何か言いたげな視線を私に向けていると、皇帝は低い声で私の名を呼んだ。私は顔を上げる。

「はい。」
「…誰だ。」
「…はい?」
「誰がお前に、お前は皇族の恥だと教えた?お前はなんと教えられた?」

顔を上げると皇帝はとても恐ろしい表情で私達を見下ろしていた。…え、なんで?なんで怒ってるの?もしかして嫌いな奴からは謝られても何されてもムカつくみたいな?そういうこと??私そこまで嫌われてたの??あらら…、それは気づかなかったわ…。申し訳ない。

「…アケルナル公爵家の離れの者達に…。皇妃陛下を害そうとした女の娘だから私の母は全帝国民の敵であり、その娘である私にも人権はないと…。それから罪人と皇族の血を継いだわたくしの存在は迷惑だ、とも。…それに、それがこの国の常識なのでございましょう?ですので申し訳なく思いお詫びをさせて頂いたのですが…。それもご不快でいらっしゃいましたか?それなら大変申し訳ございませんでした、ご無礼をお許し…」

ください、と続けようとしたところで皇帝はガンッと玉座の肘掛を拳で殴った。私達は驚いて肩を揺らす。

「「っ!」」

(え、待って、私怒らせた?なんかまずい事言っちゃった?地雷踏んだ⁉︎)
(な、何にこんなに怒ってるんだ?皇帝はシャルに興味はないようだし、子どもにそんな事を言う事に対して怒るはずないよな?それに俺もお前も何も悪い事はしてないはずだが…⁉︎)

「スタン…!!!」
「…重ね重ね本当に申し訳ございませんでした。全て私の責任です。」
「??お待ちください、公爵1人の責任ではありませんよね?我が母がエスパス帝国の母とも言える皇妃陛下を消そうとした事は事実なのですよね?でしたらあの侍女達の言う事は正論では?罪人が産んだ皇女など扱いが面倒にも程がありましょう?まぁ赤子の突然死を装って殺さなかった事は大いに疑問ですが…。」

私が言うと大人達は唖然としたように私を見る。…また変な事言ったかしら…?ここは恐らく18世紀頃のフランスとよく似ているし、マリーアントワネットとルイ16世の息子、ルイ17世も革命で再教育という名目のもと散々虐待された挙句たったの10歳で結核で亡くなったそうだから、私が…しかもルイ17世と違って父親にも見放されている私が虐待を受けるのはある意味当然のような。それに皇帝が止めないならそれは皇帝の意に反していない、つまり黙認はしているって事でしょ?この娘は皇帝からも…あぁいや、そうね、子どもらしくはなかったわね。まぁでも今更もう良いか。

「…だが、親の罪と子どもは無関係だろう。」
「えぇ、それはもちろん。ですが世の中そう考えない者も多いのですよ。特に罪人が死亡した場合、憎悪はその肉親に向く。…となればわたくしが斯様に言われるのも予想の範疇でしょう。更に陛下が生まれた皇女に一度も会わず公爵家に放置しているともなれば、他の者達はそれが陛下のご意向と捉えるでしょうね。」
「むしろ、あの離れの中だけで済んでいたのは良かったかもしれないな。外に出ていれば最悪刺されていたかもな。」
「そうね。」

しれっとジェラールとそんな話をしていると、誰かが「…神童…?いやまさか、星渡り…?」と呟いた。…星渡り?

「…あの、」
「…はぁ…。…よし、これより皇女は皇宮に移ってもらう。スタン、後ほどこちらに姫の私物を送れ。」
「へ、陛下⁉︎」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

あなたが残した世界で

天海月
恋愛
「ロザリア様、あなたは俺が生涯をかけてお守りすると誓いましょう」王女であるロザリアに、そう約束した初恋の騎士アーロンは、ある事件の後、彼女との誓いを破り突然その姿を消してしまう。 八年後、生贄に選ばれてしまったロザリアは、最期に彼に一目会いたいとアーロンを探し、彼と再会を果たすが・・・。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に

ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。 幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。 だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。 特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。 余計に私が頑張らなければならない。 王妃となり国を支える。 そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。 学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。 なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。 何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。 なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。 はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか? まぁいいわ。 国外追放喜んでお受けいたします。 けれどどうかお忘れにならないでくださいな? 全ての責はあなたにあると言うことを。 後悔しても知りませんわよ。 そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。 ふふっ、これからが楽しみだわ。

愛のゆくえ【完結】

春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした ですが、告白した私にあなたは言いました 「妹にしか思えない」 私は幼馴染みと婚約しました それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか? ☆12時30分より1時間更新 (6月1日0時30分 完結) こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね? ……違う? とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。 他社でも公開

【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 前世持ちのファビアは、ちょっと変わった子爵令嬢に育っていた。その彼女の望みは、一生ケーキを食べて暮らす事! その為に彼女は魔法学園に通う事にした。  継母の策略を蹴散らし、非常識な義妹に振り回されつつも、ケーキの為に頑張ります!

失踪していた姉が財産目当てで戻ってきました。それなら私は家を出ます

天宮有
恋愛
 水を聖水に変える魔法道具を、お父様は人々の為に作ろうとしていた。  それには水魔法に長けた私達姉妹の協力が必要なのに、無理だと考えた姉エイダは失踪してしまう。  私サフィラはお父様の夢が叶って欲しいと力になって、魔法道具は完成した。  それから数年後――お父様は亡くなり、私がウォルク家の領主に決まる。   家の繁栄を知ったエイダが婚約者を連れて戻り、家を乗っ取ろうとしていた。  お父様はこうなることを予想し、生前に手続きを済ませている。  私は全てを持ち出すことができて、家を出ることにしていた。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

処理中です...