クールなサイボーグ部長の素顔

織原深雪

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酒に呑まれた末に……~朝から慌てふためく~

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朝と言うより、もはや昼過ぎの遅いであろう時間に目が覚めた。
起きたそこは、シンプルだけど広さもある綺麗に整った寝室。
窓の外を見れば既に日は真上より傾いている。
そんな時間だ。

起きて早々、自分の身体につく小さな赤い幾つもの痣と身体に残る倦怠感に頭を抱える。
やってしまった。
文字通り色々含む…
酔ってお持ち帰りされた挙句に一夜の過ちである。
いい大人のすることじゃない。
いい大人だからやらかす?
どっちにしてもダメだろう。
自らの思考回路に自ら突っ込む。
まだまだ冷静でない私だが、どんだけ飲んでも二日酔いにはならず記憶もなくならないこの体質を初めて憎く思う。
いっそ記憶が無い方がどうにかなっただろうに。

お酒飲んで愚痴りまくったところから!めくるめく官能の時間までたっぷり記憶に残ってる。

無かったことにしたい。
そうだ!なかったことにしよう!名案だ!と手を打つと私は自分の服を探して視線を巡らせるも部屋のどこにも見当たらない。
そして、私を潰すほどあれこれしてきた相手も見当たらない。

「さて、どうするか」

呟くものの、とにかく服を見つけて着替えて撤退したいのが紛うことなき本音である。
逃げ出さねばならぬと言う思いが大きい。

とりあえずベッドから出るかと動き出した時に、こぼれ落ちる感覚に動きを止めた。

その違和感に、再び頭を抱える。
ホント、酔って迷惑かけて。
そしてこの現状だ。
どうしよう。
とりあえず、帰る。
そして、このことは無かったことにする。
やっぱり、それしかない。
とりあえず、服探さないと。
そういて、もう一度動き出そうとした時

「コンコン」

ノックからすぐ部屋のドアが開く。

「千波、起きたんだな?気分はどうだ?」

そう言って入ってきた課長は既にラフな部屋着を着て、その手にはミネラルウォーターのボトルを持っている。
すたすたと歩いてきて、私に近くに腰を下ろした。

私は、慌ててシーツを引き上げる。
それを見て、クスッと笑う課長の笑顔に思わず、ポカンと口を開けて固まってしまった。

「そこまで慌てなくていいだろう?昨日、見てるけど?」

会社では見ない、柔らかい表情で話しかけてくる課長にまだ、思考が追いつかない。

「そうだとしても、そこは恥じらい?とか?」

といえば、クスクスと笑って

「そうか、お腹空いてないか?起きてこれるなら服貸すから着替えてこっち来てくれ」

そう言うとハーフパンツとロンTを取り出して持ってきてくれた。

「とりあえず、シャワーも浴びたいだろう?連れてくから」

その発言に慌てる。

「いえ!歩けますから!」

そう言って、持ってきてくれてたタオルをササっと巻いてベッドから下りると、足が立たず、ペタンと座ってしまった。

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