クールなサイボーグ部長の素顔

織原深雪

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溢れる愛におちる~部長の甘くて過保護な溺愛~

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それを取り出し、ソファーに戻ると

「こういう、本があるんだな」

そう言うと、手渡した本を読み始める。
最初の方にお母さんのお腹と中の子の大きさを描いた物があり初期から臨月までのサイズ感の変化が描かれている。

「ほら、今はこの週数だからお腹の子もまだ大きくないでしょう?だから私のお腹もそこまでは目立ちません」

クスッと笑って言えば

「そうか、ほんとだ。じゃあ千波が細すぎるとか、赤ちゃんが小さすぎるとかではなくて…」
「赤ちゃんは順調です!ちなみに私、つわりが無いみたいで気持ち悪さも吐き気も無いんです!強いて言うなら眠気が強いくらいかな?」

そう笑って返せば

「それは、千波としては体に負担が無くて良いことになるのかな?」
「うん、私もそう解釈してる」

と笑って答えて、冷めたお茶を入れ替えようと席を立つ。

「千波、お茶なら俺が入れるから座ってろ」

慌てる和臣さんに

「大丈夫!少しくらい動かないと。過保護すぎてもダメなんだからね?それより、私はそれ読み終わってるから和臣さんも読んどいて!」

そう言ってキッチンに向かいお湯を沸かしてお茶の準備をする。
和臣さんには、コーヒー。
私にはさっきと同じほうじ茶。
でも、なんでほうじ茶があったんだろ?
貰い物?不思議に思いつつもお茶が入ったのでソファーの和臣さんの元に戻った。

「ねぇ、和臣さん。前にはなかったほうじ茶があるのは何故?」

そう問うと

「実は山野辺さんに出張中の千波の様子を聞いたんだ」

うん、それがどう結びつくのだ?と続きを待つと

「山野辺さんがな、聞いた訳では無いが様子を見ていた限り千波は妊娠してるんじゃないかと思うと言われてな。コーヒーも紅茶も飲まなくなって、ヒールの高い靴も全く履かなくなったからと言っててな」

そうした少しの変化で気付いた山野辺さん、凄い。

「経験者は何となく分かるんだそうだ」

私の考えに気付いたのか、そう付け足してきた和臣さん。

「それでも、本人に聞いたわけでもないからしっかり本人から聞けと釘を刺された。それに動転して慌てながらも昨日は会えるものだと思ってたのに、連絡も付かなくなって俺も頭真っ白になった。大口さんの所にいると知るまで生きた心地がしなかったよ」

苦笑しながら言われた言葉に

「うん。勘違いから落ち込んで悩んでって話を聞けば良かった事なのにごめんね。美咲に、話したら妊婦だから気分の浮き沈みが激しいんじゃないの?気にしすぎちゃダメよって言われちゃった」

と、私も苦笑いで返す。
すると、和臣さんはハッとして

「そうだよな、千波は妊娠してるんだ。気持ちや身体の変化で大変なんだから色々あるよな。不安にさせて本当に悪かった」

そうして、仲直りして私たちは本を読んだりしながらこれからの事を話し合った。

その日のうちに、とりあえずの生活に必要な荷物を取りに私の家に戻ると、あれこれとまとめた荷物を車に乗せて、和臣さんの家に戻り、和臣さんと暮らす事が決まった。
本格的な引越しは私の体調が安定期と言われる五ヶ月に入ったら。

親に妊娠と結婚を電話で伝え、来週末に両家顔合わせと言う段取りまでを和臣さんは夕方までに終わらせた。

私はほとんどあまり動かず座ってることが多いままに、和臣さんが動いて準備をしてしまったのだった。
仕事のデキる男はこういう時も行動が早いんだなと思った。

そして、従兄弟で専務の小池さんにも現在電話をしている。

「あぁ、結婚する事になったから。十二月には子どもも産まれる」

そう、伝えれているその向こうからは、驚きの叫び声が聞こえてきた

『はぁぁ!!付き合うかもって話からどう、カッ飛んだら結婚に子どもが産まれるって話になるんだ?!』

そうですよね、二人の間のことを知らなきゃ驚きでそうなりますよね…
なんだか、こちら側で驚かして申し訳ない気持になる。

『とりあえず、両家の顔合わせが、済んでからでいいか、家にも連れてこいよ』

そう話して、電話は切れた。

連絡やら片付けらやも済んで夕飯も二人で食べて、お布団に入るまで。
私達はそれまで以上に仲睦まじく過ごした。
穏やかに流れる時間にこの先の幸せを感じながら。
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