クールなサイボーグ部長の素顔

まとまり、落ち着き大団円？～終わりよければすべてよし！幸せはすぐ近くに～

7

エコーを当てると、底にはこの間よりさらに大きくなった赤ちゃんが映る。

しかも起きてるのか動いている。

「可愛いな」

初めてみるエコーに和臣さんが呟いた。

「ね、動いてるね」

そう話してると

「お父さんは初めてご一緒の来院ですね。心音お聞かせしますね？」

すると、私が前に聞いた力強い音が聞こえてくる。

『バクーバクーバクーバクー』

「すごい、早い音だな」
「うん、すごいよね。元気みたいだね」

ニコニコと二人で話してると

「えぇ、元気ですね！あ、今日はもしかしたらこの角度なら性別わかるかも知れませんね。どうしますか？」

そう聞かれて、びっくりする。

「え、先生もう分かりますか？」

「もう、ハッキリはしてるんですよ。ただ、赤ちゃんの向きとか角度で見えやすい見えにくいってあって。今日は向き良さそうなので見る事出来ると思いますよ」

先生の言葉を聞いて、和臣さんを見ればとても興味津々になっている。

「先生見えたら教えて下さい」

そう伝えて、先生がエコーを動かすと

「あぁ、見えましたね」

「どっちですか？」

声を揃えて聞くと

「ほら、ここ見てください。縦にせんが入ってるでしょう？女の子ですね」

そう言われた。
私はやっぱり女の子だった事に満足していると。

「先生、確定ですか？」

そう聞く和臣さん。
確かに性別聞いてたのと違うというのは本等に載っていた。

「僕ね、産婦人科医としてそろそろ三十年になるんだけど、性別判定一度も間違えたことないんだ。確実に女の子だよ」

そう言われると、ホッとした顔をした。

「そうですか！千波、楽しみだな」

笑って本当に嬉しそうにする和臣さんを見て、私も嬉しくなった。

「うん、楽しみだね」

「うん。それじゃあ次回は一ヶ月後にね。前回の採血の結果は感染症等の異常はなし。子宮頸がんの検査も陰性でした。血液型カードもどうぞ。下腹部と足の付け根の痛みは子宮が大きくなるための痛みですね。でも無理は良くないので痛んだら身体を休めてくださいね。次回までに体調に変化や出血や激しい腹痛があれば何時でも電話して来院して下さいね？うちは産婦人科なので２４時間受け持ち患者は受け入れますから」

そうにこやかに告げてくれた先生に

「分かりました、ありがとうございます」

そう言って診察室を出た。

「女の子か。とにかく元気に生まれてくれれば良いな。楽しみだな」

そう言って病院が終わったあと、早速本屋に行って子供の名付け辞典を買った。

この日以来、和臣さんは毎回検診には付いてきたし、病院主催の両親学級にも参加した。
そして、名付けは臨月まで迷いに迷っていたが、三十七週の頃にやっと決まったと教えてくれた。