33 / 34
まとまり、落ち着き大団円?~終わりよければすべてよし!幸せはすぐ近くに~
8
しおりを挟む
そうして、準備も万端に整えて後は産まれてくるばかりと待っていた三十九週のある日。
朝から不規則に痛みが出ていたが、お昼頃から規則的な痛みになってきた。
シャワーを浴びて、着替えて、入院グッズを確認した頃痛みが10分~7分になって来たので病院に連絡。
シャワーを浴びる前に電話したので、その頃に和臣さんも会社から帰宅してくれた。
「はい、○×産婦人科医院です。診察券番号をどうぞ」
「17685 木島千波です」
「陣痛ですか?週数は?」
「はい、いま大体七分になってます。三十九週です」
はぁはぁはぁ、痛みの波が来た。
「今痛いのね?ゆっくり深呼吸してね?」
「はいぃ」
ふー、すぅー、ふぅー
「はい、誰かの運転で来れるのかな?破水して無ければ自家用車かタクシーで入院グッズを持って来院して下さい。どれくらいで来れますか?」
「三十分程で着きます」
「準備しておきますので、気をつけてご来院ください」
そうして、バタバタと荷物を持ち、万一の破水に備えてレジャーシートとビニールを敷いてそのうえにタオルを敷き、私はナプキンも当てつつ病院へと向かった。
車で移動中、どんどん増してくる痛み。
痛みを逃すたびにどんどん荒くなっていく呼吸。
そうして病院につく頃には、四度目の痛みが襲って来た。
何とか立ち、病院の入口へと向う。
病院の入口手前で、パチンと音がすると股から水が漏れてくる。
すると急激に襲ってくる痛み。
車の中で感じていたものの倍近い痛みが襲う。
蹲りそうになる私を、支えてくれる和臣さん。
「千波、大丈夫か?!」
「和臣さん、パチンって音がして、股から水が漏れてくるの。破水したと思う!!はぁはぁ」
それを伝えた途端、一気に抱えて病院の入口を潜ってくれる和臣さん。
「木島さんですね、どうしました?」
出てきたのは両親学級でも説明していた助産師さん。
「どうも、ここに着いてすぐ破水したみたいで」
そう伝えてくれる和臣さん
「歩いてる途中でパチンて音がしたあと、水が漏れてくる感覚が、ナプキン当ててきたけど、漏れてきてると思います」
そう、伝えれば
「内診しますので、陣痛室へ」
案内されて陣痛室へ行くとベッド横になる前に着替えて、そのタイミングで内診してもらう。
「破水してますね、もう赤ちゃんの頭に触れます。子宮口八センチ空いてます、これ次の陣痛室で子宮口全開になりますから今のうちに分娩室へ移動しましょう!」
そうして、助産師さんと和臣さんに支えられて分娩室へと移動して、分娩台へと上がる。
準備しているあいだにも、間隔は無くなってくるし、痛みが次々襲ってきて呼吸するだけで精一杯になっている。
和臣さんも立ち会い分娩の準備で離れてしまって心細い。
それでも、この痛みの中我が子は外に出ようと頑張ってるんだ。
私も頑張らなきゃと、決意も新たにした頃、医師に助産師さんに看護師さん、そして和臣さんが来た。
「千波、痛いよな?ごめんな、でも頑張ってくれ!」
励ましながら汗を拭って、手を握ってくれる和臣さんに
私もニコッとして一言返した。
「うん、頑張るから見てて!」
そうして、準備も整い、いきむ事数回でスルンっとした感覚がしたら
「んぎゃー、ふぎゃー」
「木島さん、おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」
見せてもらったのはまだ、血で汚れながらも顔を真っ赤にして泣く我が子。
「いま、綺麗にしますからね」
そうして、少し経つと綺麗にしてもらった我が子とご対面。
「和臣さん、産まれましたね」
「うん、千波お疲れ様。ありがとう」
そう言って私のところに来た娘と私を見て、涙ぐむ和臣さん。
「ふふ、パパが嬉しいって良かったね?千和ちゃん」
そう、娘の名前は私と和臣さんから一文字ずつ取って、ちわと名付けた。
「千和、産まれてきてくれてありがとう」
私と千和を見つめて。とても嬉しそうに微笑む。
あぁ、幸せだなと思う。
お酒の勢いから始まった関係だったけど。
サイボーグと呼ばれていた彼は本当はとても優しく暖かな人だった。
きっと、これからも彼は優しく甘く私と千和を包んでくれるだろう。
彼の素顔は優しさと愛に満ちている。
Fin
朝から不規則に痛みが出ていたが、お昼頃から規則的な痛みになってきた。
シャワーを浴びて、着替えて、入院グッズを確認した頃痛みが10分~7分になって来たので病院に連絡。
シャワーを浴びる前に電話したので、その頃に和臣さんも会社から帰宅してくれた。
「はい、○×産婦人科医院です。診察券番号をどうぞ」
「17685 木島千波です」
「陣痛ですか?週数は?」
「はい、いま大体七分になってます。三十九週です」
はぁはぁはぁ、痛みの波が来た。
「今痛いのね?ゆっくり深呼吸してね?」
「はいぃ」
ふー、すぅー、ふぅー
「はい、誰かの運転で来れるのかな?破水して無ければ自家用車かタクシーで入院グッズを持って来院して下さい。どれくらいで来れますか?」
「三十分程で着きます」
「準備しておきますので、気をつけてご来院ください」
そうして、バタバタと荷物を持ち、万一の破水に備えてレジャーシートとビニールを敷いてそのうえにタオルを敷き、私はナプキンも当てつつ病院へと向かった。
車で移動中、どんどん増してくる痛み。
痛みを逃すたびにどんどん荒くなっていく呼吸。
そうして病院につく頃には、四度目の痛みが襲って来た。
何とか立ち、病院の入口へと向う。
病院の入口手前で、パチンと音がすると股から水が漏れてくる。
すると急激に襲ってくる痛み。
車の中で感じていたものの倍近い痛みが襲う。
蹲りそうになる私を、支えてくれる和臣さん。
「千波、大丈夫か?!」
「和臣さん、パチンって音がして、股から水が漏れてくるの。破水したと思う!!はぁはぁ」
それを伝えた途端、一気に抱えて病院の入口を潜ってくれる和臣さん。
「木島さんですね、どうしました?」
出てきたのは両親学級でも説明していた助産師さん。
「どうも、ここに着いてすぐ破水したみたいで」
そう伝えてくれる和臣さん
「歩いてる途中でパチンて音がしたあと、水が漏れてくる感覚が、ナプキン当ててきたけど、漏れてきてると思います」
そう、伝えれば
「内診しますので、陣痛室へ」
案内されて陣痛室へ行くとベッド横になる前に着替えて、そのタイミングで内診してもらう。
「破水してますね、もう赤ちゃんの頭に触れます。子宮口八センチ空いてます、これ次の陣痛室で子宮口全開になりますから今のうちに分娩室へ移動しましょう!」
そうして、助産師さんと和臣さんに支えられて分娩室へと移動して、分娩台へと上がる。
準備しているあいだにも、間隔は無くなってくるし、痛みが次々襲ってきて呼吸するだけで精一杯になっている。
和臣さんも立ち会い分娩の準備で離れてしまって心細い。
それでも、この痛みの中我が子は外に出ようと頑張ってるんだ。
私も頑張らなきゃと、決意も新たにした頃、医師に助産師さんに看護師さん、そして和臣さんが来た。
「千波、痛いよな?ごめんな、でも頑張ってくれ!」
励ましながら汗を拭って、手を握ってくれる和臣さんに
私もニコッとして一言返した。
「うん、頑張るから見てて!」
そうして、準備も整い、いきむ事数回でスルンっとした感覚がしたら
「んぎゃー、ふぎゃー」
「木島さん、おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」
見せてもらったのはまだ、血で汚れながらも顔を真っ赤にして泣く我が子。
「いま、綺麗にしますからね」
そうして、少し経つと綺麗にしてもらった我が子とご対面。
「和臣さん、産まれましたね」
「うん、千波お疲れ様。ありがとう」
そう言って私のところに来た娘と私を見て、涙ぐむ和臣さん。
「ふふ、パパが嬉しいって良かったね?千和ちゃん」
そう、娘の名前は私と和臣さんから一文字ずつ取って、ちわと名付けた。
「千和、産まれてきてくれてありがとう」
私と千和を見つめて。とても嬉しそうに微笑む。
あぁ、幸せだなと思う。
お酒の勢いから始まった関係だったけど。
サイボーグと呼ばれていた彼は本当はとても優しく暖かな人だった。
きっと、これからも彼は優しく甘く私と千和を包んでくれるだろう。
彼の素顔は優しさと愛に満ちている。
Fin
11
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
玉の輿にもほどがある!
市尾彩佳
恋愛
親に玉の輿狙ってこいと言われ王城に放り込まれて侍女になった女の子が、狙ってたよりずっと上の身分の人物に求婚され迷惑を被る話。アルファポリスさんから書籍化していただいた「これがわたしの旦那さま」のスピンオフにして続編でもあります。これまでの事情を簡単に差し挟んでますので、今作単体でもお読みいただけると思います。自ブログに掲載していたもの(現在は非公開)を、少しだけ手直しして転載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる