クールなサイボーグ部長の素顔

織原深雪

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まとまり、落ち着き大団円?~終わりよければすべてよし!幸せはすぐ近くに~

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そうして、準備も万端に整えて後は産まれてくるばかりと待っていた三十九週のある日。

朝から不規則に痛みが出ていたが、お昼頃から規則的な痛みになってきた。
シャワーを浴びて、着替えて、入院グッズを確認した頃痛みが10分~7分になって来たので病院に連絡。
シャワーを浴びる前に電話したので、その頃に和臣さんも会社から帰宅してくれた。

「はい、○×産婦人科医院です。診察券番号をどうぞ」
「17685 木島千波です」
「陣痛ですか?週数は?」
「はい、いま大体七分になってます。三十九週です」

はぁはぁはぁ、痛みの波が来た。

「今痛いのね?ゆっくり深呼吸してね?」
「はいぃ」

ふー、すぅー、ふぅー

「はい、誰かの運転で来れるのかな?破水して無ければ自家用車かタクシーで入院グッズを持って来院して下さい。どれくらいで来れますか?」

「三十分程で着きます」

「準備しておきますので、気をつけてご来院ください」

そうして、バタバタと荷物を持ち、万一の破水に備えてレジャーシートとビニールを敷いてそのうえにタオルを敷き、私はナプキンも当てつつ病院へと向かった。

車で移動中、どんどん増してくる痛み。
痛みを逃すたびにどんどん荒くなっていく呼吸。

そうして病院につく頃には、四度目の痛みが襲って来た。
何とか立ち、病院の入口へと向う。

病院の入口手前で、パチンと音がすると股から水が漏れてくる。

すると急激に襲ってくる痛み。
車の中で感じていたものの倍近い痛みが襲う。

蹲りそうになる私を、支えてくれる和臣さん。

「千波、大丈夫か?!」
「和臣さん、パチンって音がして、股から水が漏れてくるの。破水したと思う!!はぁはぁ」

それを伝えた途端、一気に抱えて病院の入口を潜ってくれる和臣さん。

「木島さんですね、どうしました?」

出てきたのは両親学級でも説明していた助産師さん。

「どうも、ここに着いてすぐ破水したみたいで」

そう伝えてくれる和臣さん

「歩いてる途中でパチンて音がしたあと、水が漏れてくる感覚が、ナプキン当ててきたけど、漏れてきてると思います」

そう、伝えれば

「内診しますので、陣痛室へ」

案内されて陣痛室へ行くとベッド横になる前に着替えて、そのタイミングで内診してもらう。

「破水してますね、もう赤ちゃんの頭に触れます。子宮口八センチ空いてます、これ次の陣痛室で子宮口全開になりますから今のうちに分娩室へ移動しましょう!」

そうして、助産師さんと和臣さんに支えられて分娩室へと移動して、分娩台へと上がる。

準備しているあいだにも、間隔は無くなってくるし、痛みが次々襲ってきて呼吸するだけで精一杯になっている。

和臣さんも立ち会い分娩の準備で離れてしまって心細い。
それでも、この痛みの中我が子は外に出ようと頑張ってるんだ。
私も頑張らなきゃと、決意も新たにした頃、医師に助産師さんに看護師さん、そして和臣さんが来た。

「千波、痛いよな?ごめんな、でも頑張ってくれ!」

励ましながら汗を拭って、手を握ってくれる和臣さんに
私もニコッとして一言返した。

「うん、頑張るから見てて!」

そうして、準備も整い、いきむ事数回でスルンっとした感覚がしたら

「んぎゃー、ふぎゃー」

「木島さん、おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」

見せてもらったのはまだ、血で汚れながらも顔を真っ赤にして泣く我が子。

「いま、綺麗にしますからね」

そうして、少し経つと綺麗にしてもらった我が子とご対面。

「和臣さん、産まれましたね」
「うん、千波お疲れ様。ありがとう」

そう言って私のところに来た娘と私を見て、涙ぐむ和臣さん。

「ふふ、パパが嬉しいって良かったね?千和ちゃん」

そう、娘の名前は私と和臣さんから一文字ずつ取って、ちわと名付けた。

「千和、産まれてきてくれてありがとう」

私と千和を見つめて。とても嬉しそうに微笑む。

あぁ、幸せだなと思う。

お酒の勢いから始まった関係だったけど。
サイボーグと呼ばれていた彼は本当はとても優しく暖かな人だった。

きっと、これからも彼は優しく甘く私と千和を包んでくれるだろう。

彼の素顔は優しさと愛に満ちている。


Fin
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