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ゲーム世界に転生?
第12話 狼狐相対
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炎で出来た狐が巨大な狼へ襲い掛かる。
その数は十数を超える。
巨狼の大きさのせいで、小さな蟻のようにも見えるが、実際には人ほどもある大型の狐。
「グラッアァァ!!」
対する巨狼は咆哮一閃。
風圧に吹き飛ばされるように、数体の炎狐が掻き消えるが、仲間の消滅を気に掛ける様子もなく、狐達の猛攻は止まらない。
堪らず、距離を置くように駆け出す狼であったが、
「逃がす気はないわ……」
低く呟く声と共に、狼の影から現れた更に巨大な狐。
それは狼の後ろ首に噛み付き、そのまま逆方向へ放り投げる。
数階建てのビルに匹敵するような巨体が、容易く空へ飛ばされる様は、非現実のようにさえ思われるが、落ちると共に揺れる大地が、それを本物であると証明している。
「……強すぎる。
貴様は一体何者だ?」
痛みに顔をしかめながら立ち上がる巨狼が問う。
少女の姿を見ていた時は、ここまでの力の差があるとは思っていなかった。
「この姿を見て分からない……。
私の名も、新たに産まれたばかりの隠り世のモノには通じないものか」
やや落胆したような声音で、やや顔を下げる狐。
いじけているような雰囲気が愛らしい。
巨狼以上あるそのサイズに目を瞑れば……。
「その言い方、外であればさぞ名があると言うことか?」
狼の問いに、気を取り直したのか、ビシッと立ち上がる。
雛菊に化けていたモノは、
「九尾の狐。
王朝の開闢に姿を顕し、王に知恵を授けるとされる瑞獣である」
そう言って、自身のアイデンティティーたる9本の尾を広げる。
しかし残念ながら、
「……瑞獣?」
「ほぼ神ってことよ!」
巨狼には、通じなかったので、顔を赤くして分かりやすく答えをぶつける羽目になったが……。
「神獣と言うことか。
なるほど、これは勝てないはずだ。
貴様ならば、この世界の王ですら打ち倒せそうではあるな……」
この世界を守護するために産まれた巨狼は、その出生故に、目前の巨大な狐が放つプレッシャーが、世界の王にすら届くと確信を持つ。
「……多分行けるわね。
この世界に流れているエネルギーの総量は、私の貯められるエネルギー量よりやや多いくらい。
十分に霊力を貯めていけば、力押しで行けるはずだわ」
エネルギーの総量が自身より少し多い程度。
逆に言えば、目の前の巨狼を含めたこの世界産の魔物全てを維持するエネルギーをぶつけて初めて雛菊を上回れる訳だ。
この世界の一部である世界の主が使えるエネルギー量は、必然的に雛菊以下となる。
更に言えば、雛菊に化けていたのは、様々な術を使いこなす知能を持つ九尾の狐。
相手に応じて優位属性を選択することも出来るのだから、決して難しくないだろう。
「……とは言え、この世界を壊す気はないわ。
今は外の世界の方が危険でしょうしね……」
「お前は何を知っている?」
フッと笑う九尾の狐に、狼が怪訝そうに問うが、
「誰も知らなくていいことよ。
少なくとも今はね」
答える気はなさそうに、肩を竦める。
「さて、続きと行こうかしら?
それともそろそろ無駄な抵抗は止めて、大人しくお薬を飲む気になった?」
ふざけた言葉を掛けながらも、狐の形をした炎を呼び出す。
自立行動するドローンのようなモノだろうか?
意思を持つ獣のように、複雑に動き回る。
「何が薬だ!
変な術式を組み込んだお前の主の血だろうが!」
再び咆哮で、炎狐達を吹き飛ばす巨狼であったが、炎狐が消えるのと、同時に影から伸びた手が狼の四肢を羽交い締め、完全に動きを封じる。
「鼻が利く子は大変ね?
疑わないで、さっさと口に入れれば無駄に無力感を味わう必要もなかったのよ?」
「アアァァ!」
影の手により、口を抉じ開けられた狼の悲しい慟哭が響く。
しかし、目の前にいるのは自分の都合を優先する狐の大妖怪。
特に痛痒をみせることもなく、赤い宝石のように加工した薬を口の中へと放り込み。
……そして、決着の時を向かえたのだった。
その数は十数を超える。
巨狼の大きさのせいで、小さな蟻のようにも見えるが、実際には人ほどもある大型の狐。
「グラッアァァ!!」
対する巨狼は咆哮一閃。
風圧に吹き飛ばされるように、数体の炎狐が掻き消えるが、仲間の消滅を気に掛ける様子もなく、狐達の猛攻は止まらない。
堪らず、距離を置くように駆け出す狼であったが、
「逃がす気はないわ……」
低く呟く声と共に、狼の影から現れた更に巨大な狐。
それは狼の後ろ首に噛み付き、そのまま逆方向へ放り投げる。
数階建てのビルに匹敵するような巨体が、容易く空へ飛ばされる様は、非現実のようにさえ思われるが、落ちると共に揺れる大地が、それを本物であると証明している。
「……強すぎる。
貴様は一体何者だ?」
痛みに顔をしかめながら立ち上がる巨狼が問う。
少女の姿を見ていた時は、ここまでの力の差があるとは思っていなかった。
「この姿を見て分からない……。
私の名も、新たに産まれたばかりの隠り世のモノには通じないものか」
やや落胆したような声音で、やや顔を下げる狐。
いじけているような雰囲気が愛らしい。
巨狼以上あるそのサイズに目を瞑れば……。
「その言い方、外であればさぞ名があると言うことか?」
狼の問いに、気を取り直したのか、ビシッと立ち上がる。
雛菊に化けていたモノは、
「九尾の狐。
王朝の開闢に姿を顕し、王に知恵を授けるとされる瑞獣である」
そう言って、自身のアイデンティティーたる9本の尾を広げる。
しかし残念ながら、
「……瑞獣?」
「ほぼ神ってことよ!」
巨狼には、通じなかったので、顔を赤くして分かりやすく答えをぶつける羽目になったが……。
「神獣と言うことか。
なるほど、これは勝てないはずだ。
貴様ならば、この世界の王ですら打ち倒せそうではあるな……」
この世界を守護するために産まれた巨狼は、その出生故に、目前の巨大な狐が放つプレッシャーが、世界の王にすら届くと確信を持つ。
「……多分行けるわね。
この世界に流れているエネルギーの総量は、私の貯められるエネルギー量よりやや多いくらい。
十分に霊力を貯めていけば、力押しで行けるはずだわ」
エネルギーの総量が自身より少し多い程度。
逆に言えば、目の前の巨狼を含めたこの世界産の魔物全てを維持するエネルギーをぶつけて初めて雛菊を上回れる訳だ。
この世界の一部である世界の主が使えるエネルギー量は、必然的に雛菊以下となる。
更に言えば、雛菊に化けていたのは、様々な術を使いこなす知能を持つ九尾の狐。
相手に応じて優位属性を選択することも出来るのだから、決して難しくないだろう。
「……とは言え、この世界を壊す気はないわ。
今は外の世界の方が危険でしょうしね……」
「お前は何を知っている?」
フッと笑う九尾の狐に、狼が怪訝そうに問うが、
「誰も知らなくていいことよ。
少なくとも今はね」
答える気はなさそうに、肩を竦める。
「さて、続きと行こうかしら?
それともそろそろ無駄な抵抗は止めて、大人しくお薬を飲む気になった?」
ふざけた言葉を掛けながらも、狐の形をした炎を呼び出す。
自立行動するドローンのようなモノだろうか?
意思を持つ獣のように、複雑に動き回る。
「何が薬だ!
変な術式を組み込んだお前の主の血だろうが!」
再び咆哮で、炎狐達を吹き飛ばす巨狼であったが、炎狐が消えるのと、同時に影から伸びた手が狼の四肢を羽交い締め、完全に動きを封じる。
「鼻が利く子は大変ね?
疑わないで、さっさと口に入れれば無駄に無力感を味わう必要もなかったのよ?」
「アアァァ!」
影の手により、口を抉じ開けられた狼の悲しい慟哭が響く。
しかし、目の前にいるのは自分の都合を優先する狐の大妖怪。
特に痛痒をみせることもなく、赤い宝石のように加工した薬を口の中へと放り込み。
……そして、決着の時を向かえたのだった。
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