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地上での生活
第129話 男女比の不均衡について
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「現在、世界各国が抱える問題である、男女比の不均衡についてです。
雛菊さんの提供していただいた情報は、山崎首相から通達をいただいています。
また、フォーティンからの情報提供も周知されている状況かと……。
その上で、雛菊さん。
どうにか出来る裏ワザはありませんか?」
美山さんが、次に話題に出したのは、最大の問題であるところの、男女の数が不均衡にあることについてだった。
しかも、裏ワザって、相当切迫しているな。
「そうね……。
裏ワザではないけど、迷宮の攻略が鍵になるとは思うわ。
迷宮と呼ばれているものが、実際は何かは聞いているでしょ?」
雛菊も苦笑気味の様子。
「古代文明のシェルターだったと聞いていますね」
そんな雛菊に、答える美山さん。
迷宮専門組織の長だし、当然、情報収集はしているわな。
「そうね。
地上にある大半の迷宮は魔素枯渇の影響で、省エネモードに入っているでしょう。
けれど、逆に海中に残っている迷宮なら、その最深部にある臨床都市も、維持されている可能性はあると思うわ」
「魔素枯渇の影響を受けなかった迷宮都市か……。
けど、数千年間孤立した都市だろ?
近親婚による遺伝子の不具合とか、ありそうな気もするけど……」
雛菊の言葉を聞いて、あえて疑問点を声に出す。
多分、目の前にいる政府高官達なら、同じ結論に至っていると思うから。
「そのための時間遅延よ?
迷宮最深部なら地上に比べて、大体24倍の遅延状態。
こちらで2400年経過する頃、向こうでは100年の経過でしょ?
加えて、維持端末が繁殖のコントロールをしているでしょうから、臨床都市の住人は生き残っている可能性が十分に考えられるわ」
「なるほど、そうやって聞くと時間遅延って、種の延命に効果的なんだな……」
今から2400年前と言うと、完全に紀元前だ。
特殊な家柄を除いて、家系図なんて辿りようもない。
しかし、100年前なら曾祖父母世代くらいだから、感覚的にはそこまで離れていない。
「まあ、上手く行っているかは不明だけどね……」
「それはしょうがないかと思いますけど……」
苦笑して締める雛菊へ、同意する美山さん。
運が悪ければ、100年で全滅だっておかしくないからな……。
「しょうがない……。
まあ、その通りではあるけどね?
臨床都市は、人類の保管を最優先にした実験都市よ?
個体選別は、当たり前に行っているでしょうし、端末達の思考も予想できないわ」
雛菊の不安そうな声。
俺がそう思っているから、不安そうに聞こえるだけかもしれないけど。
「それでしたら、フォーティンに訊ねてみるのは……」
「無駄よ。
各都市同士での情報交換は出来ない仕様なの。
下手に同じ発想で行動したら、複数都市が同時に崩壊するでしょ?
しかも、都市端末は人間をベースにしているはずよ?
様々な行動をするように、ランダムで選ばれているとも聞いたことがある」
やってるな……。
都市を数千年単位で維持する装置の中枢に据えられる人間。
想像しただけで嫌になるだろ?
……体感時間は、数百年かもしれないけど。
いつ不測の事態が、起きるか分からない恐怖を抱きながら、都市を維持するとか、ストレスがヤバイわ。
そんなものに人間を据えるなよ。
「もちろん、人類保管を至上命令にするように、脳を弄られているはずだけどね?
保管の仕方もそれぞれでしょ?」
俺を含め、日本人達の歪んだ表情を見渡した雛菊が、フォローになってないフォローを入れるが……。
「保管の仕方?」
「普通に生活させて、交配相手の指定くらいに干渉に抑える端末もいるでしょうね。
逆に手足を捥いで、生命活動だけ維持、老化が始まるくらいで繁殖させたら、親個体は廃棄する端末もいるんじゃないかしら?」
人間に対して、保管の仕方と言う違和感を覚える表現だった。
なので、それを訊ねたわけだが、訊いて後悔した。
もろに生産工場のような扱い。
けど、
「やりそうと言えばやりそうだな……」
これまで古代文明のエピソードをあれこれ聞いている身としては、ありそうだと想像してしまう。
「……それほど、我々とは思考の異なる民族性なのでしょうか?」
「古代文明の人類は、生まれた時点での魔素量で、社会貢献度が決まるのよ?
互いに区別して生きていくのが当たり前ね」
美山さんの疑問に、答える雛菊。
同時に、
「そして、下手な真似をすると、この国も将来そうなるわね。
十分に気を付けなさいな」
と、アドバイスさえしてくる。
雛菊から見ても、古代文明は歪な社会だったんだろう。
「とにかく!
迷宮の最深部へ潜って、端末達の協力を仰いだり、古代人を地上に連れ帰りなさい。
男女比については、それくらいしかアドバイスは出来ないわ」
思考を切り替えるように、手を叩いて締めくくる雛菊。
結局、出たとこ勝負のアドリブ対応じゃないか……。
雛菊さんの提供していただいた情報は、山崎首相から通達をいただいています。
また、フォーティンからの情報提供も周知されている状況かと……。
その上で、雛菊さん。
どうにか出来る裏ワザはありませんか?」
美山さんが、次に話題に出したのは、最大の問題であるところの、男女の数が不均衡にあることについてだった。
しかも、裏ワザって、相当切迫しているな。
「そうね……。
裏ワザではないけど、迷宮の攻略が鍵になるとは思うわ。
迷宮と呼ばれているものが、実際は何かは聞いているでしょ?」
雛菊も苦笑気味の様子。
「古代文明のシェルターだったと聞いていますね」
そんな雛菊に、答える美山さん。
迷宮専門組織の長だし、当然、情報収集はしているわな。
「そうね。
地上にある大半の迷宮は魔素枯渇の影響で、省エネモードに入っているでしょう。
けれど、逆に海中に残っている迷宮なら、その最深部にある臨床都市も、維持されている可能性はあると思うわ」
「魔素枯渇の影響を受けなかった迷宮都市か……。
けど、数千年間孤立した都市だろ?
近親婚による遺伝子の不具合とか、ありそうな気もするけど……」
雛菊の言葉を聞いて、あえて疑問点を声に出す。
多分、目の前にいる政府高官達なら、同じ結論に至っていると思うから。
「そのための時間遅延よ?
迷宮最深部なら地上に比べて、大体24倍の遅延状態。
こちらで2400年経過する頃、向こうでは100年の経過でしょ?
加えて、維持端末が繁殖のコントロールをしているでしょうから、臨床都市の住人は生き残っている可能性が十分に考えられるわ」
「なるほど、そうやって聞くと時間遅延って、種の延命に効果的なんだな……」
今から2400年前と言うと、完全に紀元前だ。
特殊な家柄を除いて、家系図なんて辿りようもない。
しかし、100年前なら曾祖父母世代くらいだから、感覚的にはそこまで離れていない。
「まあ、上手く行っているかは不明だけどね……」
「それはしょうがないかと思いますけど……」
苦笑して締める雛菊へ、同意する美山さん。
運が悪ければ、100年で全滅だっておかしくないからな……。
「しょうがない……。
まあ、その通りではあるけどね?
臨床都市は、人類の保管を最優先にした実験都市よ?
個体選別は、当たり前に行っているでしょうし、端末達の思考も予想できないわ」
雛菊の不安そうな声。
俺がそう思っているから、不安そうに聞こえるだけかもしれないけど。
「それでしたら、フォーティンに訊ねてみるのは……」
「無駄よ。
各都市同士での情報交換は出来ない仕様なの。
下手に同じ発想で行動したら、複数都市が同時に崩壊するでしょ?
しかも、都市端末は人間をベースにしているはずよ?
様々な行動をするように、ランダムで選ばれているとも聞いたことがある」
やってるな……。
都市を数千年単位で維持する装置の中枢に据えられる人間。
想像しただけで嫌になるだろ?
……体感時間は、数百年かもしれないけど。
いつ不測の事態が、起きるか分からない恐怖を抱きながら、都市を維持するとか、ストレスがヤバイわ。
そんなものに人間を据えるなよ。
「もちろん、人類保管を至上命令にするように、脳を弄られているはずだけどね?
保管の仕方もそれぞれでしょ?」
俺を含め、日本人達の歪んだ表情を見渡した雛菊が、フォローになってないフォローを入れるが……。
「保管の仕方?」
「普通に生活させて、交配相手の指定くらいに干渉に抑える端末もいるでしょうね。
逆に手足を捥いで、生命活動だけ維持、老化が始まるくらいで繁殖させたら、親個体は廃棄する端末もいるんじゃないかしら?」
人間に対して、保管の仕方と言う違和感を覚える表現だった。
なので、それを訊ねたわけだが、訊いて後悔した。
もろに生産工場のような扱い。
けど、
「やりそうと言えばやりそうだな……」
これまで古代文明のエピソードをあれこれ聞いている身としては、ありそうだと想像してしまう。
「……それほど、我々とは思考の異なる民族性なのでしょうか?」
「古代文明の人類は、生まれた時点での魔素量で、社会貢献度が決まるのよ?
互いに区別して生きていくのが当たり前ね」
美山さんの疑問に、答える雛菊。
同時に、
「そして、下手な真似をすると、この国も将来そうなるわね。
十分に気を付けなさいな」
と、アドバイスさえしてくる。
雛菊から見ても、古代文明は歪な社会だったんだろう。
「とにかく!
迷宮の最深部へ潜って、端末達の協力を仰いだり、古代人を地上に連れ帰りなさい。
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