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愛を聴けば孤独 20話
しおりを挟むダイニングテーブルと呼ぶには小さすぎる二人掛けの丸いソレ。
焼かれたパンと、サラダとコーヒーというシンプルな朝食がそこに並んでいる。
「おいで」
先に座っていた八嶋は向かい合わせの椅子を指さし、逆の手で持っていたコーヒーをテーブルに戻した。
「…ありがとうございます」
何となく服のしわを気にして手で押さえながら席に着く。
「バターしかないけどいい?」
「充分です」
頷くと、八嶋は甲斐甲斐しくパンにバターを塗ってやる。
「あ、いいですよ。八嶋さん、自分でできますから」
「知ってる」
八嶋はクスリと笑う。
「…」
何だろう。
達樹は困って、八嶋を顔をちらりと確認する。
「何?」
柔らかい笑顔も口調もいつものまま。でも、
「まぁいいや。はい口あけて」
まさかの“あ~ん”。流石にこれは無理だと、タツキはまだ温かいパンを受け取った。
「八嶋さん、何だかいつもと違う」
正直に疑問を口にしてみる。
「そうかもね」
機嫌のいい彼。いや、機嫌よさを装ったその数百分の一の、男の顔が、タツキには違和感だった。
八嶋は綺麗な顔で言う。
朝の光に透かせた、細い髪をさらりと揺らして首を傾げる。
「君を遠慮しないって、決めたからね」
うぐっと、喉がつまった。
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