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恋人編
5月1日(木)-前編-
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今日から5月。そして、今日はメーデーだからお休みでもいい気がするけど、普通に平日なのでうちの学校は授業がある。
また、メーデーには遭難信号や救難信号という意味があるらしい。栞に会いたいという信号を彼女に届けられないだろうか。もちろん、栞が僕に会いたいという信号を送ってくれれば、今すぐにでも飛んでいくつもりだ。
そんな意気込みでいるけれど、栞からの信号……電話やメッセージは一切届いていない。心配になるな。ここまで反応がないと。
今日もいつも通り、7時半発の八神行きの電車を待っている。
「今日は会えるといいな……」
期待半分と不安半分だ。何事もなかったように会えるんじゃないかという期待と、実は重大なことに巻き込まれていて、これからずっと会えないんじゃないかという不安。
早く栞に会って、こんな気持ちを吹き飛ばしたい。会えなくても、君の声を聞かせてほしい。
『間もなく、1番線に各駅停車八神行きが参ります』
そのアナウンスを聞くと、いつもと違って緊張する。告白の返事を待っていたあの時との緊張とは違う。体が震えるというか。
八神行きの電車が見えてきた。果たして、あそこに栞は乗っているのだろうか。いつもの場所で僕を待ってくれているのだろうか。
電車が到着し、扉が開く。
「はあっ……」
今日も栞の姿はなかった。その光景を見て思わずため息をついてしまう。がっかりなのはもちろんだけど、やっぱり、という気持ちも強い。
「本当にどうしたんだろう……」
電車に乗り、周りを確認するものの昨日と同じく栞はいなかった。
昨日だけならまだしも、2日連続となると……ただ事では済まされない事態に陥っているんじゃないかと思わせる。
今日も電車は僕1人を八神駅まで連れて行く。
電車を降り、八神駅の改札を出たときだった。
――ブルルッ。
スマートフォンが鳴ったのだ。メッセージが1通届いている。
メッセージの送信者を確認すると、『日高栞』となっている。その文字を見た瞬間、胸が躍った。
「栞……!」
だけど、メッセージの内容を読むと、僕の抱いた高揚感はすぐに消え失せる。
『もう、悠介君とは会えないよ。会わない方がいいよ……』
僕の不安が的中してしまった。
いつもの電車にいなかったことが、うっかりとかやむを得ない事情とかではなく、故意だったこと。しかも、その理由が僕に会えないということ。
「どうしてなんだ……」
会わない方がいいってどういうことなんだよ。その言葉に納得できるわけがなかった。すぐに栞のスマホに電話をかける。
しかし、呼び出し音は鳴るものの、栞が出ることはなかった。
「いったい、何があったんだ」
火曜日はあんなに楽しそうだったのに。僕と一緒にいたいって、何度も僕の側で言っていたのに。どうして、僕と会わない方がいいなんて言うんだ。
何かあったとすれば一昨日、鳴瀬駅で僕と別れてから、昨日の朝までの間だろう。僕の知らないところで、栞の気持ちが大きく変わってしまう出来事があったんだ。
何があったのか訊くべきだろうか。でも、このメッセージだって、ようやく僕に送ることができたのかもしれないし。難しいところだ。
結局、僕は栞のメッセージに対して何も返信できなかったのであった。
また、メーデーには遭難信号や救難信号という意味があるらしい。栞に会いたいという信号を彼女に届けられないだろうか。もちろん、栞が僕に会いたいという信号を送ってくれれば、今すぐにでも飛んでいくつもりだ。
そんな意気込みでいるけれど、栞からの信号……電話やメッセージは一切届いていない。心配になるな。ここまで反応がないと。
今日もいつも通り、7時半発の八神行きの電車を待っている。
「今日は会えるといいな……」
期待半分と不安半分だ。何事もなかったように会えるんじゃないかという期待と、実は重大なことに巻き込まれていて、これからずっと会えないんじゃないかという不安。
早く栞に会って、こんな気持ちを吹き飛ばしたい。会えなくても、君の声を聞かせてほしい。
『間もなく、1番線に各駅停車八神行きが参ります』
そのアナウンスを聞くと、いつもと違って緊張する。告白の返事を待っていたあの時との緊張とは違う。体が震えるというか。
八神行きの電車が見えてきた。果たして、あそこに栞は乗っているのだろうか。いつもの場所で僕を待ってくれているのだろうか。
電車が到着し、扉が開く。
「はあっ……」
今日も栞の姿はなかった。その光景を見て思わずため息をついてしまう。がっかりなのはもちろんだけど、やっぱり、という気持ちも強い。
「本当にどうしたんだろう……」
電車に乗り、周りを確認するものの昨日と同じく栞はいなかった。
昨日だけならまだしも、2日連続となると……ただ事では済まされない事態に陥っているんじゃないかと思わせる。
今日も電車は僕1人を八神駅まで連れて行く。
電車を降り、八神駅の改札を出たときだった。
――ブルルッ。
スマートフォンが鳴ったのだ。メッセージが1通届いている。
メッセージの送信者を確認すると、『日高栞』となっている。その文字を見た瞬間、胸が躍った。
「栞……!」
だけど、メッセージの内容を読むと、僕の抱いた高揚感はすぐに消え失せる。
『もう、悠介君とは会えないよ。会わない方がいいよ……』
僕の不安が的中してしまった。
いつもの電車にいなかったことが、うっかりとかやむを得ない事情とかではなく、故意だったこと。しかも、その理由が僕に会えないということ。
「どうしてなんだ……」
会わない方がいいってどういうことなんだよ。その言葉に納得できるわけがなかった。すぐに栞のスマホに電話をかける。
しかし、呼び出し音は鳴るものの、栞が出ることはなかった。
「いったい、何があったんだ」
火曜日はあんなに楽しそうだったのに。僕と一緒にいたいって、何度も僕の側で言っていたのに。どうして、僕と会わない方がいいなんて言うんだ。
何かあったとすれば一昨日、鳴瀬駅で僕と別れてから、昨日の朝までの間だろう。僕の知らないところで、栞の気持ちが大きく変わってしまう出来事があったんだ。
何があったのか訊くべきだろうか。でも、このメッセージだって、ようやく僕に送ることができたのかもしれないし。難しいところだ。
結局、僕は栞のメッセージに対して何も返信できなかったのであった。
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