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第8話『あかね』
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昨日と同じように、私を襲おうとした男達は警察に逮捕された。
朝倉先輩と一緒に警察から事情を聞かれたり、2日連続で絡まれて可哀想だねと慰められたりして、警察署を後にできたのは午後5時を過ぎた頃だった。
「ようやく終わったね、琴実ちゃん」
「そうですね。まさか、2日連続で警察に行くことになるなんて……」
「運が悪かったのか、琴実ちゃんが可愛かったのか」
「へ、変なこと言わないでくださいよ」
朝倉先輩に可愛いって言われたことにドキッとする。口を開かなければクールそうに見えるし、こういうことをさらりと言えるんだから、これまでも私のように先輩へ恋心を抱いた女の子がいたんじゃないだろうか。
「今日もちゃんと琴実ちゃんのことを守ることができて良かったよ」
「……それについては感謝します。ありがとうございます」
「さっきも言ったでしょ? 私は琴実ちゃんを守るためにいるんだって。お礼を言われるほどじゃないよ」
「……てっきり、お礼なら言葉じゃなくてパンツで、って言うと思ってました」
「おいおい、警察の前でそれを言えるような度胸はさすがにないよ。琴実ちゃんのパンツは大好きだけど」
パンツが大好きだって言えるだけでも相当な度胸があると思うけど。男の子だったら、今ごろ警察に捕まっていたんじゃないかな。
「……そろそろ帰ろうと思うんですけど、その……朝倉先輩、家まで送ってください」
「私が一緒にいていいのかな?」
「わ、私を守るのが朝倉先輩の仕事なんでしょう? それなら、家の前までついてきてくださいよ。また、襲われるかもしれないし」
ううっ、昨日のことがあったから、尖った感じでしか言えない。
「そっか。分かった。じゃあ……家の前まで送っていくよ」
「ありがとうございます」
私は朝倉先輩と一緒に家に向かって歩き出す。
歩き出したのはいいんだけれど、何も話すことが見つからなくて。他愛のない話でもすればいいんだと思うんだけど、昨日のことがあったから話しにくい空気。
「琴実ちゃん」
「……は、はいっ!」
「夕陽が綺麗だね」
「そ、そうですね……」
もしかして、こ、これって……月が綺麗ですね、に似た意味だったりして? もし、本当にそうだとしたら……私、心の準備がまだできて――。
「白いパンツに夕陽が当たったら、きっと……茜色のパンツになるんだろうね」
朝倉先輩は爽やかな笑みを浮かべながらそう言った。
ですよね。先輩はそういう人ですもんね。こういうことを言うのは分かっていたはずなのに、思わずため息が出てしまう。
ううっ、ロマンチックな気分に浸ってしまった時間を返して!
「知りませんよ! そんなこと!」
この怒りを本人にぶつけるものの、朝倉先輩は持ち前の爽やかな笑みを浮かべたまま。本当に朝倉先輩は残念な美少女だと思う。そして、そんな彼女に惚れてしまった私も残念。
「じゃあ、確認させてくれる?」
「外でできるわけがないじゃないですか! それに、今日の私のパン……って、何を言わせようとしているんですか!」
「もう少しで。今日の琴実ちゃんのパンツの色や柄を聞けるところだったのにな」
「朝倉先輩の思い通りにはなりませんよ」
まったく、この人は。パンツのことになると人が変わるんだから。これぞ変態というべき変態さんだと思う。
「まったく、他の女の子にも同じようなことをしているんですか?」
「まあ、女の子のパンツには凄く興味はあるけど、ここまで強く興味を持ったのは……琴実ちゃんくらいしかいないよ」
パンツって言葉さえなければ、勢いでキスしてしまうくらいに素敵なんだけど、本当にパンツパンツ……。
「先輩はパンツにしか興味を持てないんですか……」
思わず不満を漏らしてしまう。もっと、パンツを穿いている人のことに興味を持ってくれたっていいのに。
「……琴実ちゃんには興味を持ってるよ。パンツだけじゃなくてね。だから、私は風紀委員になることと私の相棒になることを勧めているんだよ」
「私に興味を……?」
「うん。そこは信じてほしい」
爽やかに笑う朝倉先輩はとても眩しかった。夕陽に照らされている先輩がとても綺麗に見えたのだ。
「……今なら、先輩を信じられる気がします」
パンツに関しては本当にド変態だけれど、根は真面目で、優しい先輩であること。この二日間でそこは分かって。それでも、まだまだ知らないことばかりだけど、朝倉先輩のことを信じてもいいかなってようやく思えるようになったんだ。
「あの、朝倉先輩……」
「うん? どうかした?」
「……さっき、家の前まで送っていってほしいって話でしたけど、今日も……家に上がってくれますか。朝倉先輩に話したいことがあるので……」
朝倉先輩に離れて欲しくなくて、私は両手で彼女の右手をぎゅっと掴む。
「……琴実ちゃんがそう言うなら。分かったよ、今日もお邪魔するね」
その言葉を態度で表すかのように、朝倉先輩は私の頭を優しく撫でる。
家に帰って、私の部屋に連れて行ったら……ちゃんと伝えよう。風紀委員になるかどうか。そして、朝倉先輩の相棒になるかどうか。その答えを。
朝倉先輩と一緒に警察から事情を聞かれたり、2日連続で絡まれて可哀想だねと慰められたりして、警察署を後にできたのは午後5時を過ぎた頃だった。
「ようやく終わったね、琴実ちゃん」
「そうですね。まさか、2日連続で警察に行くことになるなんて……」
「運が悪かったのか、琴実ちゃんが可愛かったのか」
「へ、変なこと言わないでくださいよ」
朝倉先輩に可愛いって言われたことにドキッとする。口を開かなければクールそうに見えるし、こういうことをさらりと言えるんだから、これまでも私のように先輩へ恋心を抱いた女の子がいたんじゃないだろうか。
「今日もちゃんと琴実ちゃんのことを守ることができて良かったよ」
「……それについては感謝します。ありがとうございます」
「さっきも言ったでしょ? 私は琴実ちゃんを守るためにいるんだって。お礼を言われるほどじゃないよ」
「……てっきり、お礼なら言葉じゃなくてパンツで、って言うと思ってました」
「おいおい、警察の前でそれを言えるような度胸はさすがにないよ。琴実ちゃんのパンツは大好きだけど」
パンツが大好きだって言えるだけでも相当な度胸があると思うけど。男の子だったら、今ごろ警察に捕まっていたんじゃないかな。
「……そろそろ帰ろうと思うんですけど、その……朝倉先輩、家まで送ってください」
「私が一緒にいていいのかな?」
「わ、私を守るのが朝倉先輩の仕事なんでしょう? それなら、家の前までついてきてくださいよ。また、襲われるかもしれないし」
ううっ、昨日のことがあったから、尖った感じでしか言えない。
「そっか。分かった。じゃあ……家の前まで送っていくよ」
「ありがとうございます」
私は朝倉先輩と一緒に家に向かって歩き出す。
歩き出したのはいいんだけれど、何も話すことが見つからなくて。他愛のない話でもすればいいんだと思うんだけど、昨日のことがあったから話しにくい空気。
「琴実ちゃん」
「……は、はいっ!」
「夕陽が綺麗だね」
「そ、そうですね……」
もしかして、こ、これって……月が綺麗ですね、に似た意味だったりして? もし、本当にそうだとしたら……私、心の準備がまだできて――。
「白いパンツに夕陽が当たったら、きっと……茜色のパンツになるんだろうね」
朝倉先輩は爽やかな笑みを浮かべながらそう言った。
ですよね。先輩はそういう人ですもんね。こういうことを言うのは分かっていたはずなのに、思わずため息が出てしまう。
ううっ、ロマンチックな気分に浸ってしまった時間を返して!
「知りませんよ! そんなこと!」
この怒りを本人にぶつけるものの、朝倉先輩は持ち前の爽やかな笑みを浮かべたまま。本当に朝倉先輩は残念な美少女だと思う。そして、そんな彼女に惚れてしまった私も残念。
「じゃあ、確認させてくれる?」
「外でできるわけがないじゃないですか! それに、今日の私のパン……って、何を言わせようとしているんですか!」
「もう少しで。今日の琴実ちゃんのパンツの色や柄を聞けるところだったのにな」
「朝倉先輩の思い通りにはなりませんよ」
まったく、この人は。パンツのことになると人が変わるんだから。これぞ変態というべき変態さんだと思う。
「まったく、他の女の子にも同じようなことをしているんですか?」
「まあ、女の子のパンツには凄く興味はあるけど、ここまで強く興味を持ったのは……琴実ちゃんくらいしかいないよ」
パンツって言葉さえなければ、勢いでキスしてしまうくらいに素敵なんだけど、本当にパンツパンツ……。
「先輩はパンツにしか興味を持てないんですか……」
思わず不満を漏らしてしまう。もっと、パンツを穿いている人のことに興味を持ってくれたっていいのに。
「……琴実ちゃんには興味を持ってるよ。パンツだけじゃなくてね。だから、私は風紀委員になることと私の相棒になることを勧めているんだよ」
「私に興味を……?」
「うん。そこは信じてほしい」
爽やかに笑う朝倉先輩はとても眩しかった。夕陽に照らされている先輩がとても綺麗に見えたのだ。
「……今なら、先輩を信じられる気がします」
パンツに関しては本当にド変態だけれど、根は真面目で、優しい先輩であること。この二日間でそこは分かって。それでも、まだまだ知らないことばかりだけど、朝倉先輩のことを信じてもいいかなってようやく思えるようになったんだ。
「あの、朝倉先輩……」
「うん? どうかした?」
「……さっき、家の前まで送っていってほしいって話でしたけど、今日も……家に上がってくれますか。朝倉先輩に話したいことがあるので……」
朝倉先輩に離れて欲しくなくて、私は両手で彼女の右手をぎゅっと掴む。
「……琴実ちゃんがそう言うなら。分かったよ、今日もお邪魔するね」
その言葉を態度で表すかのように、朝倉先輩は私の頭を優しく撫でる。
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