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第61話『2人の警察官』
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午前8時過ぎ。
白布女学院に到着した私と沙耶先輩は、秋川先生と一緒に風紀委員会の活動室へと向かう。また、東雲先生は学校にやってくる女性警察官さんをお迎えするために、一旦、私達とは別行動をすることになった。
しかし、学校の中では何が起こるか分からないから……周りがどうしても気になっちゃうよ。
「琴実ちゃん、そこまでキョロキョロしなくても大丈夫だよ」
「そうだといいんですけど。つい、体が反応しちゃって」
「私が盗撮されて、ダブル・ブレッドが活動していることが分かったもんね。警戒しちゃうのは仕方ないか。でも、琴実ちゃんのことは私が守るから安心して」
「……ありがとうございます」
本当にかっこいい先輩だな。キュンとしちゃう。だからこそ、パンツのことになると途端に変態になるのが残念。これを何度思ったことか。
「ふふっ、沙耶ちゃんを見ていると、真衣子さんが高校生だったらこんな感じなのかなって思っちゃうな」
「東雲先生も背が高くてかっこいいですもんね」
ただ、東雲先生の場合は犯人を見つけたら、何としてでも捕まえて徹底的に懲らしめそうだけど。
「東雲先生かぁ。あの人のパンツ姿を卒業するまでに一度は見ておきたいところだね。もちろん、盗撮ではなくこの目でね」
「……追い求めているものがあるのはいいことだと思います」
それが女性教師のパンツ姿なのはアレだけど。
そんなことを話していると、私達は風紀委員会の活動室に到着する。扉についているガラスの部分から、会長さんと千晴先輩、ひより先輩の姿が見えた。
「おはよう、みんな」
「おはようございます」
部屋に入ってくる私達のことを会長さんは落ち着いた表情で、千晴先輩とひより先輩はほっとした表情で見ていた。
「無事にここに来てほっとしました、朝倉さん、琴実さん」
「来てくれて良かったですね。千晴先輩ったら……朝倉先輩や琴実ちゃんがちゃんと来るかどうか不安だったみたいで、ずっと部屋の中を歩き回っていたんですよ」
「そ、そういうことは言わなくていいのですよ、ひよりさん。朝倉さんはともかく、琴実さんはとても心配でした」
「そうでしたか。何だかごめんなさい。心配させてしまって」
「気にしないでください。悪いのはマンションの前にいた怪しい人ですから」
まったく……と、千晴先輩は腕を組んで怒っている。東雲先生ほどじゃないけど、千晴先輩も犯人を見つけてうちの生徒だと分かったら、風紀委員長としてかなり懲らしめそうな気がする。
そんなことを考えていると、ひより先輩が私のことをぎゅっと抱きしめてきた。
「良かった。琴実ちゃんが来てくれて」
「ひより先輩……」
「初めてできた委員会の後輩が危険な目に遭うかもしれないと思うと不安で。それに、何もできない自分が悔しかったから。何かあったら遠慮なく言ってね」
「分かりました」
私がそう言うと、ひより先輩はいつもも優しい笑みを浮かべる。週末、沙耶先輩とずっと一緒にいたから、先輩と二人三脚で進んでいくイメージを抱いていたけど、私には千晴先輩やひより先輩っていう委員会の仲間がいるんだ。
「風紀委員会のメンバー、全員揃ってひとまずは安心ね」
「生徒会としても安心しました。そういえば、秋川先生……東雲先生は?」
「警察の方がお見えになるから、そっちの対応をしているわ、京華ちゃん。女性警察官が2人来るそうよ。たぶん、ここに連れてくると思うけど……」
「そうなんですか。警察官がここに来るってことは、被害届が受理されたんですね。折笠さんの方は目撃証言だけですけど、沙耶の方は写真もありますもんね……」
「捜査のプロである警察の方が来てくれれば、きっとすぐに解決すると思うよ」
秋川先生の言う通りになればいいけど。ただ、掛布さんのときの「ブラン」のことを考えると一筋縄ではいかないような気がする。
「おーい、警察の方を連れてきたよ」
噂をすればやってくるというのはこういうことを言うのかな。東雲先生が2人の女性を連れてやってきた。背が小さめなワンサイドアップの女性は警察の制服だけど、背が高いロングヘアの女性は黒いスーツを着ている。
「あれ、もしかして菜々ちゃん?」
「そうですよ、恵先輩!」
「やっぱり菜々ちゃんだ!」
意外にも、私達の中で一番早く反応を示したのは秋川先生だった。菜々ちゃんと呼ばれているワンサイドアップの女性を掴みながらはしゃいでいる。
「警察官になったのは知っていたけど、布野市の警察署にいたなんて」
「そうなんですよ。恵先輩こそ英語の先生になったのは知っていましたけれど、白布女学院の先生だったんですね」
「うん。今は風紀委員会の顧問やっているんだよ」
「なるほど。ですから、ここにいるんですね」
今の話からして、秋川先生と菜々ちゃんと呼ばれている警察の人は学生時代の先輩後輩という関係みたい。2人とも柔らかい雰囲気を纏っているので姉妹にも見える。
「偶然って重なることがあるものなんですね、東雲先輩」
「そうだな、麻美。まさか、恵が彼女の先輩だとはなぁ」
「ええ。菜々さんもこれならやりやすいかと思います。それに、女子校ですからね」
「ああ。一部の教職員以外は女性だからな。麻美が担当してくれるなら一安心だ」
「先輩の期待に応えられるように菜々さんと一緒に頑張りますよ」
どうやら、ロングヘアの警察の人は東雲先生と学生時代の先輩後輩のようだ。本当に偶然が重なることってあるんだなぁ。
でも、2人とも先生達の後輩なら安心できるかも。それに、女性でも警察官はもっと恐いイメージがあったから、凜々しい人と可愛らしい人で良かった。
ただ、そういう方達だから沙耶先輩がパンツのことで絡まないかどうか心配。先輩が公務執行妨害で逮捕されてしまわないよう、相棒である私がちゃんと見ておかないと。
「麻美、深津さん。彼女達に自己紹介をお願いできますか」
「分かりました。では、私から。初めまして、布野警察署生活安全課少年係の白鳥麻美といいます。東雲先輩とは大学時代で同じサークルの後輩です。よろしくお願いします」
「初めまして、布野警察署生活安全課少年係の深津菜々といいます。私の方は恵先輩とは大学時代で同じサークルでした。よろしくお願いします。こ、今回のことは……私達に任せてください!」
深津さん、張り切っているな。そんな彼女のことを白鳥さんが優しい笑みを浮かべながら見ている。
「それじゃ、うちの生徒の方も」
「3年1組、風紀委員の朝倉沙耶です。先週、盗撮されました」
「1年3組、同じく風紀委員の折笠琴実です。昨日、盗撮されたかもしれないです」
沙耶先輩が盗撮されたって言うから、私は盗撮されたかもしれないって言っちゃったよ。でも、誰が被害を受けた生徒なのかは知らせておくべきことだよね。
「3年2組、風紀委員長の藤堂千晴です」
「2年5組、風紀委員の成田ひよりです」
「生徒会長の生駒京華です。3年1組です。よろしくお願いします」
「……藤堂さんに、成田さん、生駒さんね」
白鳥さんは私達の顔を見ているけど、深津さんは手帳にメモをしている。名前を覚えるのがあまり得意じゃないのかな。
「被害届に書かれていた2人は風紀委員なんですね」
「そうね、奈々さん。そして、朝倉さんを盗撮した女子生徒は変態組織ダブル・ブレッドのメンバー……か」
「個人というレベルではなく、風紀委員会とダブル・ブレッドという2つの集団の間で起こった問題と考えた方が良さそうですね」
「うん、その方向で捜査を進めていくのがいいと思う。折笠さんがマンションで見たっていう怪しい人物がダブル・ブレッドのメンバーだったら確定かな」
警察官の人が真剣な表情をして話しているのを見ると、今回のことが大事に思えてくるな。でも、盗撮は犯罪だもんね。
「じゃあ、まずは確認のために2人から話を――」
「ことみん!」
扉の開く音がした瞬間、理沙ちゃんの大きな声が聞こえた。なので、扉の方を見てみると、理沙ちゃんが真剣な表情をして立っていた。
「理沙ちゃん……」
「……ここにいたんだね、ことみん」
理沙ちゃんは私のすぐ目の前まで近寄り、両手をぎゅっと握って、
「ことみん、今すぐに風紀委員会を辞めて」
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「……ありがとうございます」
本当にかっこいい先輩だな。キュンとしちゃう。だからこそ、パンツのことになると途端に変態になるのが残念。これを何度思ったことか。
「ふふっ、沙耶ちゃんを見ていると、真衣子さんが高校生だったらこんな感じなのかなって思っちゃうな」
「東雲先生も背が高くてかっこいいですもんね」
ただ、東雲先生の場合は犯人を見つけたら、何としてでも捕まえて徹底的に懲らしめそうだけど。
「東雲先生かぁ。あの人のパンツ姿を卒業するまでに一度は見ておきたいところだね。もちろん、盗撮ではなくこの目でね」
「……追い求めているものがあるのはいいことだと思います」
それが女性教師のパンツ姿なのはアレだけど。
そんなことを話していると、私達は風紀委員会の活動室に到着する。扉についているガラスの部分から、会長さんと千晴先輩、ひより先輩の姿が見えた。
「おはよう、みんな」
「おはようございます」
部屋に入ってくる私達のことを会長さんは落ち着いた表情で、千晴先輩とひより先輩はほっとした表情で見ていた。
「無事にここに来てほっとしました、朝倉さん、琴実さん」
「来てくれて良かったですね。千晴先輩ったら……朝倉先輩や琴実ちゃんがちゃんと来るかどうか不安だったみたいで、ずっと部屋の中を歩き回っていたんですよ」
「そ、そういうことは言わなくていいのですよ、ひよりさん。朝倉さんはともかく、琴実さんはとても心配でした」
「そうでしたか。何だかごめんなさい。心配させてしまって」
「気にしないでください。悪いのはマンションの前にいた怪しい人ですから」
まったく……と、千晴先輩は腕を組んで怒っている。東雲先生ほどじゃないけど、千晴先輩も犯人を見つけてうちの生徒だと分かったら、風紀委員長としてかなり懲らしめそうな気がする。
そんなことを考えていると、ひより先輩が私のことをぎゅっと抱きしめてきた。
「良かった。琴実ちゃんが来てくれて」
「ひより先輩……」
「初めてできた委員会の後輩が危険な目に遭うかもしれないと思うと不安で。それに、何もできない自分が悔しかったから。何かあったら遠慮なく言ってね」
「分かりました」
私がそう言うと、ひより先輩はいつもも優しい笑みを浮かべる。週末、沙耶先輩とずっと一緒にいたから、先輩と二人三脚で進んでいくイメージを抱いていたけど、私には千晴先輩やひより先輩っていう委員会の仲間がいるんだ。
「風紀委員会のメンバー、全員揃ってひとまずは安心ね」
「生徒会としても安心しました。そういえば、秋川先生……東雲先生は?」
「警察の方がお見えになるから、そっちの対応をしているわ、京華ちゃん。女性警察官が2人来るそうよ。たぶん、ここに連れてくると思うけど……」
「そうなんですか。警察官がここに来るってことは、被害届が受理されたんですね。折笠さんの方は目撃証言だけですけど、沙耶の方は写真もありますもんね……」
「捜査のプロである警察の方が来てくれれば、きっとすぐに解決すると思うよ」
秋川先生の言う通りになればいいけど。ただ、掛布さんのときの「ブラン」のことを考えると一筋縄ではいかないような気がする。
「おーい、警察の方を連れてきたよ」
噂をすればやってくるというのはこういうことを言うのかな。東雲先生が2人の女性を連れてやってきた。背が小さめなワンサイドアップの女性は警察の制服だけど、背が高いロングヘアの女性は黒いスーツを着ている。
「あれ、もしかして菜々ちゃん?」
「そうですよ、恵先輩!」
「やっぱり菜々ちゃんだ!」
意外にも、私達の中で一番早く反応を示したのは秋川先生だった。菜々ちゃんと呼ばれているワンサイドアップの女性を掴みながらはしゃいでいる。
「警察官になったのは知っていたけど、布野市の警察署にいたなんて」
「そうなんですよ。恵先輩こそ英語の先生になったのは知っていましたけれど、白布女学院の先生だったんですね」
「うん。今は風紀委員会の顧問やっているんだよ」
「なるほど。ですから、ここにいるんですね」
今の話からして、秋川先生と菜々ちゃんと呼ばれている警察の人は学生時代の先輩後輩という関係みたい。2人とも柔らかい雰囲気を纏っているので姉妹にも見える。
「偶然って重なることがあるものなんですね、東雲先輩」
「そうだな、麻美。まさか、恵が彼女の先輩だとはなぁ」
「ええ。菜々さんもこれならやりやすいかと思います。それに、女子校ですからね」
「ああ。一部の教職員以外は女性だからな。麻美が担当してくれるなら一安心だ」
「先輩の期待に応えられるように菜々さんと一緒に頑張りますよ」
どうやら、ロングヘアの警察の人は東雲先生と学生時代の先輩後輩のようだ。本当に偶然が重なることってあるんだなぁ。
でも、2人とも先生達の後輩なら安心できるかも。それに、女性でも警察官はもっと恐いイメージがあったから、凜々しい人と可愛らしい人で良かった。
ただ、そういう方達だから沙耶先輩がパンツのことで絡まないかどうか心配。先輩が公務執行妨害で逮捕されてしまわないよう、相棒である私がちゃんと見ておかないと。
「麻美、深津さん。彼女達に自己紹介をお願いできますか」
「分かりました。では、私から。初めまして、布野警察署生活安全課少年係の白鳥麻美といいます。東雲先輩とは大学時代で同じサークルの後輩です。よろしくお願いします」
「初めまして、布野警察署生活安全課少年係の深津菜々といいます。私の方は恵先輩とは大学時代で同じサークルでした。よろしくお願いします。こ、今回のことは……私達に任せてください!」
深津さん、張り切っているな。そんな彼女のことを白鳥さんが優しい笑みを浮かべながら見ている。
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「3年2組、風紀委員長の藤堂千晴です」
「2年5組、風紀委員の成田ひよりです」
「生徒会長の生駒京華です。3年1組です。よろしくお願いします」
「……藤堂さんに、成田さん、生駒さんね」
白鳥さんは私達の顔を見ているけど、深津さんは手帳にメモをしている。名前を覚えるのがあまり得意じゃないのかな。
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「そうね、奈々さん。そして、朝倉さんを盗撮した女子生徒は変態組織ダブル・ブレッドのメンバー……か」
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「うん、その方向で捜査を進めていくのがいいと思う。折笠さんがマンションで見たっていう怪しい人物がダブル・ブレッドのメンバーだったら確定かな」
警察官の人が真剣な表情をして話しているのを見ると、今回のことが大事に思えてくるな。でも、盗撮は犯罪だもんね。
「じゃあ、まずは確認のために2人から話を――」
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