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第72話『告白宣言』
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今日は無事に見回りが終わって良かった。昨日のこともあって、ダブル・ブレッドも表立った活動は控えているのだろうか。
「う~ん」
ただ、千晴先輩が沙耶先輩のことを好きだということを知ってしまった。ある意味ではブランよりも千晴先輩の方が脅威かもしれない。
「どうすればいいんだろう……」
アドバイスにもなっていない私の言葉を聞いて、沙耶先輩にパンツを堪能させていたし。見回りが終わったときなんてかなりいい雰囲気になっていた。何もしなかったら千晴先輩に先を越されちゃうかもしれない。そんなことを考えながら湯船に浸かっていた。
「そういえば、一緒のお風呂に入ったのが楽しかったな」
沙耶先輩の背中を流して。沙耶先輩には背中を流してもらうだけじゃなくて、髪を洗ってもらった。ドキドキしたけれどあのときはとても幸せな時間だった。
でも、もし……沙耶先輩が千晴先輩と付き合うようになったら、そういった時間を過ごすことができなくなるかもしれない。そう思うと、途端にお湯が冷めてしまったように感じて。
「もう出よう」
お風呂から出て、宿題もないのであとは部屋でまったりと過ごすことに決めた。沙耶先輩は今頃、何をしているのかな。
スマートフォンでこれまでに撮ってきた沙耶先輩の写真を見ていくと、温かい気持ちがどんどん膨らんでいって。あぁ、この人のことが好きなんだって再認識させてくれて。
また、私のベッドで一緒に沙耶先輩と寝たいな。できれば、そういった日々を毎日過ごしたいな。
──プルルッ。
バイブ音が鳴ると、千晴先輩からメッセージが届いたという通知が。理沙ちゃんや沙耶先輩ならともかく、千晴先輩からは珍しい。
『今から電話したいのですがいいですか?』
事前にメッセージを送らなくても普通に電話をかけてくれてもいいのに。お昼休みはそうだったんだから。プライベートな時間だから気を遣ってくれているのかな。
『もちろんいいですよ』
というメッセージを返すと、間もなく、
――プルルッ。
千晴先輩から電話がかかってきた。よっぽど私と話がしたいのかな。
「折笠です」
『こんばんは、藤堂です。すみません、プライベートなお時間ですのに、突然お電話をしてしまって』
「いえいえ、気にしないでください」
とても真面目な人だ。やっぱり、夜になってプライベートな時間だから、メッセージで一言入れたんだな。
『ちなみに今は……何をされていましたか?』
「お風呂から出て、宿題もないので部屋でのんびりとしていました。千晴先輩は何をしていましたか?」
『ついさっきまで、明日提出の課題をしていました。お風呂は……琴実さんとのお話が終わったら入ろうと思っています。私、湯船に長く浸かるのが好きなので、最後に入ることが多いのですよ』
「そうなんですか。私も冬は長く湯船に浸かることが多いですね」
『寒いとつい長くなってしまいますよね』
ふふっ、と千晴先輩の笑い声が聞こえる。そういえば、こういった他愛のない話を千晴先輩とするのは初めてかもしれない。
『段々と温かくなってきたのでいいですけど、真冬のときは湯船が気持ち良すぎて溺れてしまいそうなことが毎年1度はあって』
「……意外とおっちょこちょいなところがあるんですね」
『ふふっ、意外ですか。私、昔から何度もおっちょこちょいと言われたこともありますし、真面目すぎて空回りしていると笑われたこともあって。ですから、琴実さんが意外だって言ってくれたこと……嬉しいですね』
「……千晴先輩のこと、からかったつもりだったんですけどね。嬉しいだなんて言う人、先輩が初めてだと思います」
千晴先輩は真面目すぎて堅い人だと思っていたけれど、本当は愛嬌があっていい意味で天然な可愛らしい人なんだ。今日の彼女を見ると、実は千晴先輩と結構お似合いなんじゃないかと思い始めてしまう。
『ふふっ、先輩をからかうだなんて。まあ、琴実さんですから気にしませんけどね。ただ、あなたもいい意味で段々と肩の力が抜けてきて、風紀委員としてよく働いてくれていると思います。これもきっと相棒の朝倉さんのおかげでしょうね』
「……沙耶先輩はとてもいい先輩だと思います。もちろん、千晴先輩やひより先輩も」
『そうですか。入って早々、厄介な相手と対峙する状況になってしまっていますが……琴実さんがそう言ってくれて委員長として嬉しく思います。辛いときはいつでも相談してくださいね』
「……ありがとうございます」
ダブル・ブレッドのことも大変だと思うけれど、今……一番心配なのは、もしかしたらこれからも沙耶先輩とこのまま一緒にいられなくなるんじゃないかってこと。
『そうは言っておいて何ですが、私の方から琴実さんに相談してもいいですか? それがこのお電話の本題なのですが』
「……いいですよ」
私への相談。それが何なのか何となく想像はついている。今日の千晴先輩と、今の声色からして。
『私……明日、朝倉さんに告白しようと思います。ですから、琴実さんにどのようにして告白すればいいのか相談したくて』
やっぱり、千晴先輩は沙耶先輩に告白するんだ。それだけ沙耶先輩のことが好きなんだな。出そうなため息を必死に堪える。
「私、告白したことはないんで……」
そう言った瞬間、理沙ちゃんのあのときの顔を思い出した。
「……でも、一度だけ女の子に告白されたことがあります。好きですって」
『そ、そうなんですか! もしかして、琴実さんはその方とお付き合いを……』
「いえ、付き合っていません。私にも千晴先輩と同じようにとても大好きな……片想いの人がいますから」
沙耶先輩の笑顔がはっきりと頭の中に浮かんでくるよ。
「でも、告白してくれた子の好きっていう気持ちが伝わってキュンときました。だから……想いを素直に言うのが一番いいんじゃないでしょうか」
何を言っているんだろうな、私。恋のライバルに告白の助言なんて。
でも、きっとこれで良かったんだろうってすぐに思った。
『なるほど。シンプルに言うのが一番いいですか』
「……きっと」
『相談に乗っていただきありがとうございます。私、頑張りますね』
「……頑張ってくださいね」
『告白したら琴実さんには連絡しますね。では、失礼いたします。また明日、学校で会いましょう』
「はい。早いですけど、おやすみなさい」
『おやすみなさい』
千晴先輩の方から通話を切った。
「……明日、告白するんだ。千晴先輩……」
沙耶先輩が急に遠くなっていく感じがする。必ずではないけど、千晴先輩が告白したら沙耶先輩と付き合う可能性がある。
千晴先輩に自分も沙耶先輩のことを好きだと伝えてもいいかもしれないけど、告白を邪魔してしまうような気がして気が引ける。
「告白したっていう連絡を待つしかないか……」
千晴先輩も沙耶先輩も納得できるような結果になることを願うしかない。私がとやかく言えることじゃない。だって、これは……先輩方のことなのだから。
「う~ん」
ただ、千晴先輩が沙耶先輩のことを好きだということを知ってしまった。ある意味ではブランよりも千晴先輩の方が脅威かもしれない。
「どうすればいいんだろう……」
アドバイスにもなっていない私の言葉を聞いて、沙耶先輩にパンツを堪能させていたし。見回りが終わったときなんてかなりいい雰囲気になっていた。何もしなかったら千晴先輩に先を越されちゃうかもしれない。そんなことを考えながら湯船に浸かっていた。
「そういえば、一緒のお風呂に入ったのが楽しかったな」
沙耶先輩の背中を流して。沙耶先輩には背中を流してもらうだけじゃなくて、髪を洗ってもらった。ドキドキしたけれどあのときはとても幸せな時間だった。
でも、もし……沙耶先輩が千晴先輩と付き合うようになったら、そういった時間を過ごすことができなくなるかもしれない。そう思うと、途端にお湯が冷めてしまったように感じて。
「もう出よう」
お風呂から出て、宿題もないのであとは部屋でまったりと過ごすことに決めた。沙耶先輩は今頃、何をしているのかな。
スマートフォンでこれまでに撮ってきた沙耶先輩の写真を見ていくと、温かい気持ちがどんどん膨らんでいって。あぁ、この人のことが好きなんだって再認識させてくれて。
また、私のベッドで一緒に沙耶先輩と寝たいな。できれば、そういった日々を毎日過ごしたいな。
──プルルッ。
バイブ音が鳴ると、千晴先輩からメッセージが届いたという通知が。理沙ちゃんや沙耶先輩ならともかく、千晴先輩からは珍しい。
『今から電話したいのですがいいですか?』
事前にメッセージを送らなくても普通に電話をかけてくれてもいいのに。お昼休みはそうだったんだから。プライベートな時間だから気を遣ってくれているのかな。
『もちろんいいですよ』
というメッセージを返すと、間もなく、
――プルルッ。
千晴先輩から電話がかかってきた。よっぽど私と話がしたいのかな。
「折笠です」
『こんばんは、藤堂です。すみません、プライベートなお時間ですのに、突然お電話をしてしまって』
「いえいえ、気にしないでください」
とても真面目な人だ。やっぱり、夜になってプライベートな時間だから、メッセージで一言入れたんだな。
『ちなみに今は……何をされていましたか?』
「お風呂から出て、宿題もないので部屋でのんびりとしていました。千晴先輩は何をしていましたか?」
『ついさっきまで、明日提出の課題をしていました。お風呂は……琴実さんとのお話が終わったら入ろうと思っています。私、湯船に長く浸かるのが好きなので、最後に入ることが多いのですよ』
「そうなんですか。私も冬は長く湯船に浸かることが多いですね」
『寒いとつい長くなってしまいますよね』
ふふっ、と千晴先輩の笑い声が聞こえる。そういえば、こういった他愛のない話を千晴先輩とするのは初めてかもしれない。
『段々と温かくなってきたのでいいですけど、真冬のときは湯船が気持ち良すぎて溺れてしまいそうなことが毎年1度はあって』
「……意外とおっちょこちょいなところがあるんですね」
『ふふっ、意外ですか。私、昔から何度もおっちょこちょいと言われたこともありますし、真面目すぎて空回りしていると笑われたこともあって。ですから、琴実さんが意外だって言ってくれたこと……嬉しいですね』
「……千晴先輩のこと、からかったつもりだったんですけどね。嬉しいだなんて言う人、先輩が初めてだと思います」
千晴先輩は真面目すぎて堅い人だと思っていたけれど、本当は愛嬌があっていい意味で天然な可愛らしい人なんだ。今日の彼女を見ると、実は千晴先輩と結構お似合いなんじゃないかと思い始めてしまう。
『ふふっ、先輩をからかうだなんて。まあ、琴実さんですから気にしませんけどね。ただ、あなたもいい意味で段々と肩の力が抜けてきて、風紀委員としてよく働いてくれていると思います。これもきっと相棒の朝倉さんのおかげでしょうね』
「……沙耶先輩はとてもいい先輩だと思います。もちろん、千晴先輩やひより先輩も」
『そうですか。入って早々、厄介な相手と対峙する状況になってしまっていますが……琴実さんがそう言ってくれて委員長として嬉しく思います。辛いときはいつでも相談してくださいね』
「……ありがとうございます」
ダブル・ブレッドのことも大変だと思うけれど、今……一番心配なのは、もしかしたらこれからも沙耶先輩とこのまま一緒にいられなくなるんじゃないかってこと。
『そうは言っておいて何ですが、私の方から琴実さんに相談してもいいですか? それがこのお電話の本題なのですが』
「……いいですよ」
私への相談。それが何なのか何となく想像はついている。今日の千晴先輩と、今の声色からして。
『私……明日、朝倉さんに告白しようと思います。ですから、琴実さんにどのようにして告白すればいいのか相談したくて』
やっぱり、千晴先輩は沙耶先輩に告白するんだ。それだけ沙耶先輩のことが好きなんだな。出そうなため息を必死に堪える。
「私、告白したことはないんで……」
そう言った瞬間、理沙ちゃんのあのときの顔を思い出した。
「……でも、一度だけ女の子に告白されたことがあります。好きですって」
『そ、そうなんですか! もしかして、琴実さんはその方とお付き合いを……』
「いえ、付き合っていません。私にも千晴先輩と同じようにとても大好きな……片想いの人がいますから」
沙耶先輩の笑顔がはっきりと頭の中に浮かんでくるよ。
「でも、告白してくれた子の好きっていう気持ちが伝わってキュンときました。だから……想いを素直に言うのが一番いいんじゃないでしょうか」
何を言っているんだろうな、私。恋のライバルに告白の助言なんて。
でも、きっとこれで良かったんだろうってすぐに思った。
『なるほど。シンプルに言うのが一番いいですか』
「……きっと」
『相談に乗っていただきありがとうございます。私、頑張りますね』
「……頑張ってくださいね」
『告白したら琴実さんには連絡しますね。では、失礼いたします。また明日、学校で会いましょう』
「はい。早いですけど、おやすみなさい」
『おやすみなさい』
千晴先輩の方から通話を切った。
「……明日、告白するんだ。千晴先輩……」
沙耶先輩が急に遠くなっていく感じがする。必ずではないけど、千晴先輩が告白したら沙耶先輩と付き合う可能性がある。
千晴先輩に自分も沙耶先輩のことを好きだと伝えてもいいかもしれないけど、告白を邪魔してしまうような気がして気が引ける。
「告白したっていう連絡を待つしかないか……」
千晴先輩も沙耶先輩も納得できるような結果になることを願うしかない。私がとやかく言えることじゃない。だって、これは……先輩方のことなのだから。
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