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本編-ARIA-
第81話『面会-後編-』
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雅治さんとの面会が終わり、僕は独房に戻る。
戻ってからすぐに昼食が出たので、今は昼休みなのか。早く食事を済ませて、少しでも寝た方が良さそう――。
「氷室智也。面会者が来ている」
「……そうですか」
「次々と来るとはお前は人気者だな。報道でもお前のことばかりやっている」
「……そうなんですかね」
報道の方はきっと、視聴率を上げるための餌としか思っていない気がする。
まったく、これから昼食を食べて寝ようとしていたのに。有紗さんだったら全然かまわないけど、真犯人候補の5人の誰かだったら激昂してしまうかもしれない。
「氷室さん、おひさしぶりですね」
「うわあっ……」
面会に来ている人物を見て思わずそんな声が漏れてしまった。
面会室に入ると、透明なアクリル板の向こうには私服姿の諸澄君が座っていたのだ。相変わらず嫌味な笑みを見せてくるなぁ。やはり、彼に自宅謹慎処分なんて意味がなかったか。
彼と話すのは正直嫌だけど、僕を嵌めた真犯人の候補の中でも最有力人物だ。上手く聞きだしてみよう。羽賀や浅野さんのためにもな。
「まさか、諸澄君が僕に面会しに来てくれるとはね」
「氷室さんの無様な姿を見に来たんですよ」
「……随分と尖った言葉選びだなぁ」
この様子だと、諸澄君が僕を無実の罪で逮捕させた真犯人でも納得できるな。
「囚われの身になって、気分はいかがですか?」
「今は眠たい気持ちでいっぱいだよ。取り調べばかりでね。まったく、誰が僕にこんなところへ放り込ませたのか……」
「惨めですね。アクリル板1枚でここまで環境が違うなんて。こちら側は自由ですよ」
「……君だって、本来なら僕と似たような状況だろう? 聞いているよ、学校から自宅謹慎処分が下っていると」
「……誰のせいだと思っているんですか」
すると、諸澄君の目つきが鋭くなる。やはり、彼の本心を引き出すには美来へのストーカー行為について話すのがいいみたいだな。
「誰のせいなのかって? それは君自身が一番分かっているんじゃないかな。いや、分かっていないか。分かっていないから、学校からの処分にも従わずにこんなところにいるんだよね?」
「逮捕されたくせに、何を偉そうに言っているんですか!」
おやおや、露骨に怒るなんて可愛いもんだね、諸澄君。もし、君が真犯人だったらその怒りを100倍にして返してやりたいよ。
「確かに、僕は逮捕されたよ。でも、僕は本当に罪を犯したのかな? 被害者と言われている女の子だって報道のようなことは一切なく、僕は無実だと言ってくれているんだよ? 諸澄君なら、僕が逮捕された心当たりを知っているんじゃないかな?」
証拠として挙がっている2枚の写真、99%の確率で諸澄君が撮影したものだろう。僕の逮捕に何かしら関わっているはずだ。
「……どうでしょうね。しかし、1つだけ教えるとするなら、氷室さんは決して歯向かってはいけない人物に歯向かってしまった。そのことで、その人物の逆鱗に触れてしまったからこうなったんじゃありませんか? そして、あなたが逮捕されたという真実にも歯向かってはならないんですよ」
「……その言葉、君が僕の逮捕を仕組んだ真犯人だと受け取っていいのかな?」
核心を突く問いをすると、諸澄君はふっと笑った。
「好きに受け取ってくれてかまいません。ただ、俺を捕まえられるでしょうかね。あなたは今、囚われの身なのに。しかも、日本の警察を敵に回して。あなたが逮捕されたということは、警察や裁判所はあなたが朝比奈さんに強制わいせつを行なったことが真実であると認めた何よりの証拠なんですよ」
確かに、美来に強制わいせつをしたという罪で、僕に逮捕状が発行されている。その「真実」が、僕が逮捕された直後から日本全国、いや世界中に報道されているんだ。
「僕は真実って言葉が嫌いだけれどね。クラスで美来が受けたいじめだって、本当はあったのに担任はなかったという『真実』を朝比奈家に認めさせようとした。真実は果たして事実とイコールなのかな」
「しかし、世の中にはそういった『真実』を結論とする方が、丸く収まるときがあるんですよ。傷付く人間が少なくて済む場合だってある」
「へえ。ということは、君も美来がクラスでいじめられなかったという『真実』を選択する方が丸く収まり、傷付く人間が少なくなるからいいと思ったんだ。でも、その『真実』を通そうとしたせいで、美来はより心を傷つけられる結果になったんじゃないかな。それに、美来は声楽部の方でもいじめを受けていたのに、君は美来に一切手を差し伸べなかった。これはどういうことだろうね?」
「くっ……!」
おっ、面会に来て初めて諸澄君の苦い表情を見たな。美来のことが好きなら、何らかの行動をしているはずなのに。実際には何もしていない。強いて言えば、ストーカー行為だけ。どうやら彼にとって痛いところを突かれたって感じかな。
せめてもの強がりなのか、諸澄君が「ふっ」と笑う。
「何とでも言えばいい。今のあなたは強制わいせつを行なったという『真実』に屈しているんだ。あなたは世界中の人間を敵に回しているんですよ。そんな今の状況を逆転できる自信があるんですかね?」
「……少ない人数だけど、僕のことを信頼してくれる人達がいるからね。逆転できる可能性はゼロじゃないと信じているよ」
「ふっ、その人達は本当に馬鹿で愚かな人間ですね」
それだと、美来のことまで馬鹿にすることになるけれど。まあ、今の彼に何を言っても無駄か。
「黙るということは、自分は犯罪者と認めているようなものじゃないですか?」
「そんなことない。君がペラペラと喋りすぎているだけだと思うよ」
色々なことをね。
「……本当にあなたは邪魔な人間だ。逮捕されていい気味だと思いますよ」
「あまりそういうことを言わない方がいいと思うよ。警察官に監視されている状況なんだからさ。あと、さっさと家に帰った方がいい。学校が自宅謹慎処分を下し、反省文を書かせるということは、君の態度次第では法的措置を講じないというクッションになってくれているんだから。君がやっていたことを大人がやったら、一発で逮捕だよ」
そうは言ってみるけど、諸澄君が自宅に不在で、ここに面会しに来ていることはいずれバレるかだろう。そうなったら、学校側からもっと重たい処分が下るか、法的措置の可能性も出てくるだろう。自分の首を自分自身で絞めていることを彼は分かっているのかな。
「逮捕された人にそんなアドバイスをされるなんて。侮辱罪で訴えますよ?」
「いや、僕は侮辱をしているつもりは全くないんだけど」
それなら、諸澄君の方がよっぽど僕のことを侮辱する発言をしていると思うけど。僕と会ってから何回侮辱する発言をしただろうか。本当に彼は自己中心的な性格だな。
「もう1つ、君に言っておくよ。事実に勝る真実なんてない。クラスで美来の受けたいじめと同じように、いずれ事実が明らかになるときが来るよ。それが君の言うこの状況を逆転する瞬間だよ」
「そういう風に強く言っていられるのは今のうちですよ」
「その言葉、そのまま君に返すよ」
僕は囚われの身で何もできないと言ってもいい状況だ。しかし、羽賀や浅野さんが捜査をしていけば、必ず事実が明らかになるはずだ。そう信じるしかない。
「それでは、俺はもう帰りますよ。これ以上、ここにいても気分が悪くなるだけだと思いますので」
「そうかい。こっちはいい暇つぶしになったよ」
「そうなってしまったことが憎いですね。失礼します」
諸澄君は僕に対して、嫌悪感を終始出していたな。逮捕された僕の惨めな姿を見たかったそうだけど、気分が悪くなるだけなら別に来なくても良かったのに。
面会が終わると、僕は再び独房に連れ戻される。昼食の時間が終わってしまったのか、面会に行く直前に配給された昼食が片付けられていた。悲しいなぁ。
警官がいなくなったところを確認して、
「……録音終了」
僕はズボンのポケットにしまっていた録音レコーダーを取り出して、停止ボタンを押した。この録音レコーダーは今朝、羽賀から渡されたものだ。真犯人の候補に挙げられている5人が面会しに来た際に録音してほしいと彼に頼まれたから。
「重要な証拠の1つになりそうだな」
今の面会で、諸澄君は自分が犯人であることをほのめかす発言もしていたし。彼が真犯人だった場合、彼を追い詰めるいい材料になるだろう。羽賀が戻ってくるまで、警官に没収されないように隠しておかなければ。
「ちょっと寝るか」
諸澄君を相手にするだけでも疲れたので、面会前よりも強い眠気が襲ってきた。何分眠れるかは分からないけど、少しでも疲れを取るために眠ることにしよう。
戻ってからすぐに昼食が出たので、今は昼休みなのか。早く食事を済ませて、少しでも寝た方が良さそう――。
「氷室智也。面会者が来ている」
「……そうですか」
「次々と来るとはお前は人気者だな。報道でもお前のことばかりやっている」
「……そうなんですかね」
報道の方はきっと、視聴率を上げるための餌としか思っていない気がする。
まったく、これから昼食を食べて寝ようとしていたのに。有紗さんだったら全然かまわないけど、真犯人候補の5人の誰かだったら激昂してしまうかもしれない。
「氷室さん、おひさしぶりですね」
「うわあっ……」
面会に来ている人物を見て思わずそんな声が漏れてしまった。
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彼と話すのは正直嫌だけど、僕を嵌めた真犯人の候補の中でも最有力人物だ。上手く聞きだしてみよう。羽賀や浅野さんのためにもな。
「まさか、諸澄君が僕に面会しに来てくれるとはね」
「氷室さんの無様な姿を見に来たんですよ」
「……随分と尖った言葉選びだなぁ」
この様子だと、諸澄君が僕を無実の罪で逮捕させた真犯人でも納得できるな。
「囚われの身になって、気分はいかがですか?」
「今は眠たい気持ちでいっぱいだよ。取り調べばかりでね。まったく、誰が僕にこんなところへ放り込ませたのか……」
「惨めですね。アクリル板1枚でここまで環境が違うなんて。こちら側は自由ですよ」
「……君だって、本来なら僕と似たような状況だろう? 聞いているよ、学校から自宅謹慎処分が下っていると」
「……誰のせいだと思っているんですか」
すると、諸澄君の目つきが鋭くなる。やはり、彼の本心を引き出すには美来へのストーカー行為について話すのがいいみたいだな。
「誰のせいなのかって? それは君自身が一番分かっているんじゃないかな。いや、分かっていないか。分かっていないから、学校からの処分にも従わずにこんなところにいるんだよね?」
「逮捕されたくせに、何を偉そうに言っているんですか!」
おやおや、露骨に怒るなんて可愛いもんだね、諸澄君。もし、君が真犯人だったらその怒りを100倍にして返してやりたいよ。
「確かに、僕は逮捕されたよ。でも、僕は本当に罪を犯したのかな? 被害者と言われている女の子だって報道のようなことは一切なく、僕は無実だと言ってくれているんだよ? 諸澄君なら、僕が逮捕された心当たりを知っているんじゃないかな?」
証拠として挙がっている2枚の写真、99%の確率で諸澄君が撮影したものだろう。僕の逮捕に何かしら関わっているはずだ。
「……どうでしょうね。しかし、1つだけ教えるとするなら、氷室さんは決して歯向かってはいけない人物に歯向かってしまった。そのことで、その人物の逆鱗に触れてしまったからこうなったんじゃありませんか? そして、あなたが逮捕されたという真実にも歯向かってはならないんですよ」
「……その言葉、君が僕の逮捕を仕組んだ真犯人だと受け取っていいのかな?」
核心を突く問いをすると、諸澄君はふっと笑った。
「好きに受け取ってくれてかまいません。ただ、俺を捕まえられるでしょうかね。あなたは今、囚われの身なのに。しかも、日本の警察を敵に回して。あなたが逮捕されたということは、警察や裁判所はあなたが朝比奈さんに強制わいせつを行なったことが真実であると認めた何よりの証拠なんですよ」
確かに、美来に強制わいせつをしたという罪で、僕に逮捕状が発行されている。その「真実」が、僕が逮捕された直後から日本全国、いや世界中に報道されているんだ。
「僕は真実って言葉が嫌いだけれどね。クラスで美来が受けたいじめだって、本当はあったのに担任はなかったという『真実』を朝比奈家に認めさせようとした。真実は果たして事実とイコールなのかな」
「しかし、世の中にはそういった『真実』を結論とする方が、丸く収まるときがあるんですよ。傷付く人間が少なくて済む場合だってある」
「へえ。ということは、君も美来がクラスでいじめられなかったという『真実』を選択する方が丸く収まり、傷付く人間が少なくなるからいいと思ったんだ。でも、その『真実』を通そうとしたせいで、美来はより心を傷つけられる結果になったんじゃないかな。それに、美来は声楽部の方でもいじめを受けていたのに、君は美来に一切手を差し伸べなかった。これはどういうことだろうね?」
「くっ……!」
おっ、面会に来て初めて諸澄君の苦い表情を見たな。美来のことが好きなら、何らかの行動をしているはずなのに。実際には何もしていない。強いて言えば、ストーカー行為だけ。どうやら彼にとって痛いところを突かれたって感じかな。
せめてもの強がりなのか、諸澄君が「ふっ」と笑う。
「何とでも言えばいい。今のあなたは強制わいせつを行なったという『真実』に屈しているんだ。あなたは世界中の人間を敵に回しているんですよ。そんな今の状況を逆転できる自信があるんですかね?」
「……少ない人数だけど、僕のことを信頼してくれる人達がいるからね。逆転できる可能性はゼロじゃないと信じているよ」
「ふっ、その人達は本当に馬鹿で愚かな人間ですね」
それだと、美来のことまで馬鹿にすることになるけれど。まあ、今の彼に何を言っても無駄か。
「黙るということは、自分は犯罪者と認めているようなものじゃないですか?」
「そんなことない。君がペラペラと喋りすぎているだけだと思うよ」
色々なことをね。
「……本当にあなたは邪魔な人間だ。逮捕されていい気味だと思いますよ」
「あまりそういうことを言わない方がいいと思うよ。警察官に監視されている状況なんだからさ。あと、さっさと家に帰った方がいい。学校が自宅謹慎処分を下し、反省文を書かせるということは、君の態度次第では法的措置を講じないというクッションになってくれているんだから。君がやっていたことを大人がやったら、一発で逮捕だよ」
そうは言ってみるけど、諸澄君が自宅に不在で、ここに面会しに来ていることはいずれバレるかだろう。そうなったら、学校側からもっと重たい処分が下るか、法的措置の可能性も出てくるだろう。自分の首を自分自身で絞めていることを彼は分かっているのかな。
「逮捕された人にそんなアドバイスをされるなんて。侮辱罪で訴えますよ?」
「いや、僕は侮辱をしているつもりは全くないんだけど」
それなら、諸澄君の方がよっぽど僕のことを侮辱する発言をしていると思うけど。僕と会ってから何回侮辱する発言をしただろうか。本当に彼は自己中心的な性格だな。
「もう1つ、君に言っておくよ。事実に勝る真実なんてない。クラスで美来の受けたいじめと同じように、いずれ事実が明らかになるときが来るよ。それが君の言うこの状況を逆転する瞬間だよ」
「そういう風に強く言っていられるのは今のうちですよ」
「その言葉、そのまま君に返すよ」
僕は囚われの身で何もできないと言ってもいい状況だ。しかし、羽賀や浅野さんが捜査をしていけば、必ず事実が明らかになるはずだ。そう信じるしかない。
「それでは、俺はもう帰りますよ。これ以上、ここにいても気分が悪くなるだけだと思いますので」
「そうかい。こっちはいい暇つぶしになったよ」
「そうなってしまったことが憎いですね。失礼します」
諸澄君は僕に対して、嫌悪感を終始出していたな。逮捕された僕の惨めな姿を見たかったそうだけど、気分が悪くなるだけなら別に来なくても良かったのに。
面会が終わると、僕は再び独房に連れ戻される。昼食の時間が終わってしまったのか、面会に行く直前に配給された昼食が片付けられていた。悲しいなぁ。
警官がいなくなったところを確認して、
「……録音終了」
僕はズボンのポケットにしまっていた録音レコーダーを取り出して、停止ボタンを押した。この録音レコーダーは今朝、羽賀から渡されたものだ。真犯人の候補に挙げられている5人が面会しに来た際に録音してほしいと彼に頼まれたから。
「重要な証拠の1つになりそうだな」
今の面会で、諸澄君は自分が犯人であることをほのめかす発言もしていたし。彼が真犯人だった場合、彼を追い詰めるいい材料になるだろう。羽賀が戻ってくるまで、警官に没収されないように隠しておかなければ。
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