96 / 292
本編-ARIA-
第95話『無実報道』
しおりを挟む
午前10時25分。
警察に追われることなく、鷺沼さんの勤めている報道局に無事に到着することができた。報道局のロビーでお父さんとお母さん、月村さんと合流する。
再度、鷺沼さんに連絡すると、鷺沼さんはロビーに到着していた。黒髪の短髪で眼鏡をかけており、智也さんと少し雰囲気が似ている。智也さんの方が断然かっこいいけど。
「朝比奈美来さんでしょうか」
「はい。初めまして、朝比奈美来です」
「初めまして、取材部の鷺沼亮と申します」
そう言われ、鷺沼さんから名刺をもらう。そういえば、智也さんからも名刺はもらったことはなかったな。これが人生初。
「先ほど、羽賀が逮捕されたことについて、警視庁から公式に情報公開されました。朝比奈さんが仰っていたように、公務執行妨害の容疑で逮捕されたとのことです。捜査方針に従わずに捜査をしていたということでしたが」
「その通りです」
ここに来るまでの間に、羽賀さんも逮捕されたことが公表されちゃったんだ。多分、テレビやネットで報道していると思う。ただ、それもあと少しで警察側の不正に巻き込まれただけであると報道されるはず。
「こちらの方々は?」
「私の両親に、智也さんの会社の先輩の月村さん、羽賀さんと智也さんの親友の岡村さん、私のクラスメイトの絢瀬さんです。色々ありまして、一緒にここまで来ました」
「そうですか。初めまして、取材部の鷺沼と申します。羽賀とは大学時代からの友人です。よろしくお願いします。みなさんから事件のお話を聞く準備はできていますので、ご案内します」
私達は鷺沼さんの案内で、『会議室』と銘打たれた部屋へと通される。そのとき、鷺沼さんの同僚と思われる方が3人同行する。
会議室は学校では見たことないくらいに大きい。報道局だからなのか、大きなモニターがある。会議室ということで、プロジェクターがあったり、ホワイトボードがあったり。さすがに高校とは雰囲気が違う。
「すみません。空きがここしかなかったもので」
「いえ、突然のことでしたので、場を設けてくださるだけで本当に有り難いです」
「そう言って頂けると、こちらも助かります。では、みなさま、そちらの椅子にお掛けください」
鷺沼さんに言われたように、私達は椅子に腰を下ろした。さすがにこういうところの椅子ってふかふかなんだなぁ。私の部屋にもほしい。
モニターにはパソコンのホーム画面が表示される。鷺沼さんが仕事で使っているパソコンの画面なのかな?
メモ帳が開かれ『氷室智也さんは無罪。真犯人がいる。羽賀はその捜査中に逮捕された。』と書かれている。
「では、朝比奈さん。ゆっくりでかまいませんので、氷室さんが逮捕されてしまった事件について説明していただけますか」
「分かりました。先ほど、電話でお伝えしたように、智也さんが逮捕された事件について、そちらのモニターに表示されているように『氷室誠也は無実だった。』『真犯人が存在する。』『真犯人に協力した警察関係者がいる。』あと、これに付け加えてほしいのですが、真犯人に対してこの事件を指示した黒幕がいるんです」
「真犯人だけでなく、計画を指示した黒幕がいるんですか?」
「はい。そのことについて、羽賀さんと一緒に今朝、真犯人から話を聞きました。その話が一通り済んだとき、警察が羽賀さんを公務執行妨害の罪で逮捕したんです。おそらく、羽賀さんに智也さんが無実である事実を暴かれたくなく、羽賀さんを捜査から外したいのが狙いだったのだと思います。あと。羽賀さんと一緒に捜査をしている部下の女性警察官がいるのですが、彼女は無期限の自宅謹慎処分になっています」
「なるほど。少々お待ちください。今、メモしますので」
モニターを見ていると、鷺沼さんが打ち込んでいる内容がどんどん増えていく。さすがに、報道局に働いているだけあって、今の私の説明を分かりやすくまとめてくださっている。
「朝比奈さん。先ほどの電話で、今朝のお話の録音したレコーダーを持ってくると仰っていました。それを聞かせてもらってもよろしいですか?」
「はい、分かりました」
「すみません、あと……こちらの方も」
そう言うと、詩織ちゃんはスマートフォンをテーブルに取り出した。あれ、あのスマートフォンって。
「それ、佐相さんの?」
「うん。羽賀さんが逮捕されるとき、柚葉ちゃんが私のところに来て、こっそりと渡してくれたの。ほら、Tubutterで送られてきた真犯人からの指示を画面キャプチャしていたじゃない」
「でも、そのスマートフォン、ロックがかかっているんじゃない?」
「数字4桁のロックがかかっているけど、解除する番号は柚葉ちゃんから教えてもらって、その場で開けることができるかどうか試したから大丈夫」
「そっか。ありがとう。じゃあ、その画像を見る場面になったら、詩織ちゃん、操作をよろしくね」
「うん、任せて」
ICレコーダーだけでも智也さんの無実を証明するには十分だけど、黒幕からどんな指示がされていたかを示すには、佐相さんのスマートフォンに保存されている画像が必要だ。佐相さん、ナイスプレー。
「そのスマートフォンは?」
「真犯人である女の子のスマートフォンです。このスマートフォンの中に、黒幕からTubutterで指示された計画について、画面キャプチャが保存されています」
「そうですか」
「じゃあ、まずは録音の方から……」
私達は録音レコーダーに保存されている今朝の佐相さんとの会話と、佐相さんのスマートフォンに保存されている画像を基に事件について説明していく。時々、鷺沼さんからの質問はあったけれど、全員でフォローしてくれた。
「分かりました。教えていただきありがとうございます。そして、申し訳ありませんでした。あのような報道をしてしまいまして。氷室さんは無実でしたね」
「……いえいえ。それよりも、早く智也さんが無実であると報道していただくことはできないのでしょうか? あと少ししたら、智也さんが送検されてしまうかもしれません! そうしたら、智也さんがすぐに起訴されてしまうかも……」
「分かっています。……今のことを報道部に伝えて、まずはテロップに速報として出しましょう。氷室さんは無罪だったこと。今朝、逮捕された羽賀という警察官は、その事件の捜査をさせないために、不当に逮捕されてしまったことを。その後、生放送で緊急のニュースを放送する形で」
「分かりました。すぐに伝えに行きます!」
すると、鷺沼さんと同伴していた人達のうちの1人が会議室を飛び出していった。
「朝比奈さん。お願いがあるのですが、ICレコーダーとスマートフォンを貸していただけますでしょうか? それらから録音データと、真犯人の指示のキャプチャした画像のデータを持っておきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「もちろんです!」
これで、智也さんと羽賀さんの無実が報道されるんだ。こんなにも証拠が揃っている。これで、警察の方も2人を釈放せざるを得なくなる。
鷺沼さんはモニターのチャンネルを変えて、この報道局による放送を映す。今はのんびりとした旅番組をやっている。
すると、数分ほどして『ニュース速報』のチャイムとテロップが表示された。
『児童福祉法違反で逮捕されている氷室智也容疑者が、
無実であることが判明。警察関係者が関与し、虚偽の罪で逮捕された』
『なお、今朝、公務執行妨害の疑いで逮捕された羽賀尊容疑者は、
警察側が羽賀容疑者による捜査の妨害をするために、逮捕した模様』
というテロップが2度表示された。
そして、そのテロップが表示されてから1分も経たないうちに、旅番組からニュースでよく見る報道センターの映像へと切り替わる。私も見たことのある年配の男性アナウンサーが映っている。
『番組の途中ですが、ここでニュースをお伝えします。我々が独自で掴んだ情報です。先ほどテロップでもお伝えしましたように、一昨日、児童福祉法の疑いで逮捕された氷室智也容疑者が無実であると、関係者による証言と真犯人と名乗る女性の自白によって明らかになりました。また、氷室容疑者を無実の罪で逮捕させるために、警察関係者が関与していることも明らかになりました。更に、この事件の捜査を担当しており、今朝、公務執行妨害の罪で逮捕された羽賀尊容疑者について、警察によって羽賀容疑者に氷室容疑者が逮捕された事件の捜査をさせないために、無実の罪で逮捕したということです。繰り返しお伝えします。先ほど――』
智也さんと羽賀さんが無実であることを伝える緊急のニュースが始まった。これで、日本全国、世界中の多くの人々が2人は無実であると分かってくれるはず。
「朝比奈さん。録音レコーダーとスマートフォンありがとうございます。報道しても大丈夫なように編集をして、2人が無実である証拠として報道します」
「よろしくお願いします」
「うちの取材班の何人かは既に警視庁の近くにいます。彼らにも氷室さんと羽賀が無実であることの情報は伝えましたので、そのことについて取材していけば、警視庁からも2人に対する今後の対応に関するコメントがもらえると思います」
「はい」
それから程なくして警視庁からの公式の記者会見が行なわれ、智也さんと羽賀さんの釈放が決定した。羽賀さんについては逮捕による懲戒解雇の撤回も。また、浅野さんの自宅謹慎処分も撤回。3人に対する謝罪もなされた。
同時に真犯人である佐相さんと、佐相さんに協力した父親である佐相警視の逮捕も決定したのであった。
警察に追われることなく、鷺沼さんの勤めている報道局に無事に到着することができた。報道局のロビーでお父さんとお母さん、月村さんと合流する。
再度、鷺沼さんに連絡すると、鷺沼さんはロビーに到着していた。黒髪の短髪で眼鏡をかけており、智也さんと少し雰囲気が似ている。智也さんの方が断然かっこいいけど。
「朝比奈美来さんでしょうか」
「はい。初めまして、朝比奈美来です」
「初めまして、取材部の鷺沼亮と申します」
そう言われ、鷺沼さんから名刺をもらう。そういえば、智也さんからも名刺はもらったことはなかったな。これが人生初。
「先ほど、羽賀が逮捕されたことについて、警視庁から公式に情報公開されました。朝比奈さんが仰っていたように、公務執行妨害の容疑で逮捕されたとのことです。捜査方針に従わずに捜査をしていたということでしたが」
「その通りです」
ここに来るまでの間に、羽賀さんも逮捕されたことが公表されちゃったんだ。多分、テレビやネットで報道していると思う。ただ、それもあと少しで警察側の不正に巻き込まれただけであると報道されるはず。
「こちらの方々は?」
「私の両親に、智也さんの会社の先輩の月村さん、羽賀さんと智也さんの親友の岡村さん、私のクラスメイトの絢瀬さんです。色々ありまして、一緒にここまで来ました」
「そうですか。初めまして、取材部の鷺沼と申します。羽賀とは大学時代からの友人です。よろしくお願いします。みなさんから事件のお話を聞く準備はできていますので、ご案内します」
私達は鷺沼さんの案内で、『会議室』と銘打たれた部屋へと通される。そのとき、鷺沼さんの同僚と思われる方が3人同行する。
会議室は学校では見たことないくらいに大きい。報道局だからなのか、大きなモニターがある。会議室ということで、プロジェクターがあったり、ホワイトボードがあったり。さすがに高校とは雰囲気が違う。
「すみません。空きがここしかなかったもので」
「いえ、突然のことでしたので、場を設けてくださるだけで本当に有り難いです」
「そう言って頂けると、こちらも助かります。では、みなさま、そちらの椅子にお掛けください」
鷺沼さんに言われたように、私達は椅子に腰を下ろした。さすがにこういうところの椅子ってふかふかなんだなぁ。私の部屋にもほしい。
モニターにはパソコンのホーム画面が表示される。鷺沼さんが仕事で使っているパソコンの画面なのかな?
メモ帳が開かれ『氷室智也さんは無罪。真犯人がいる。羽賀はその捜査中に逮捕された。』と書かれている。
「では、朝比奈さん。ゆっくりでかまいませんので、氷室さんが逮捕されてしまった事件について説明していただけますか」
「分かりました。先ほど、電話でお伝えしたように、智也さんが逮捕された事件について、そちらのモニターに表示されているように『氷室誠也は無実だった。』『真犯人が存在する。』『真犯人に協力した警察関係者がいる。』あと、これに付け加えてほしいのですが、真犯人に対してこの事件を指示した黒幕がいるんです」
「真犯人だけでなく、計画を指示した黒幕がいるんですか?」
「はい。そのことについて、羽賀さんと一緒に今朝、真犯人から話を聞きました。その話が一通り済んだとき、警察が羽賀さんを公務執行妨害の罪で逮捕したんです。おそらく、羽賀さんに智也さんが無実である事実を暴かれたくなく、羽賀さんを捜査から外したいのが狙いだったのだと思います。あと。羽賀さんと一緒に捜査をしている部下の女性警察官がいるのですが、彼女は無期限の自宅謹慎処分になっています」
「なるほど。少々お待ちください。今、メモしますので」
モニターを見ていると、鷺沼さんが打ち込んでいる内容がどんどん増えていく。さすがに、報道局に働いているだけあって、今の私の説明を分かりやすくまとめてくださっている。
「朝比奈さん。先ほどの電話で、今朝のお話の録音したレコーダーを持ってくると仰っていました。それを聞かせてもらってもよろしいですか?」
「はい、分かりました」
「すみません、あと……こちらの方も」
そう言うと、詩織ちゃんはスマートフォンをテーブルに取り出した。あれ、あのスマートフォンって。
「それ、佐相さんの?」
「うん。羽賀さんが逮捕されるとき、柚葉ちゃんが私のところに来て、こっそりと渡してくれたの。ほら、Tubutterで送られてきた真犯人からの指示を画面キャプチャしていたじゃない」
「でも、そのスマートフォン、ロックがかかっているんじゃない?」
「数字4桁のロックがかかっているけど、解除する番号は柚葉ちゃんから教えてもらって、その場で開けることができるかどうか試したから大丈夫」
「そっか。ありがとう。じゃあ、その画像を見る場面になったら、詩織ちゃん、操作をよろしくね」
「うん、任せて」
ICレコーダーだけでも智也さんの無実を証明するには十分だけど、黒幕からどんな指示がされていたかを示すには、佐相さんのスマートフォンに保存されている画像が必要だ。佐相さん、ナイスプレー。
「そのスマートフォンは?」
「真犯人である女の子のスマートフォンです。このスマートフォンの中に、黒幕からTubutterで指示された計画について、画面キャプチャが保存されています」
「そうですか」
「じゃあ、まずは録音の方から……」
私達は録音レコーダーに保存されている今朝の佐相さんとの会話と、佐相さんのスマートフォンに保存されている画像を基に事件について説明していく。時々、鷺沼さんからの質問はあったけれど、全員でフォローしてくれた。
「分かりました。教えていただきありがとうございます。そして、申し訳ありませんでした。あのような報道をしてしまいまして。氷室さんは無実でしたね」
「……いえいえ。それよりも、早く智也さんが無実であると報道していただくことはできないのでしょうか? あと少ししたら、智也さんが送検されてしまうかもしれません! そうしたら、智也さんがすぐに起訴されてしまうかも……」
「分かっています。……今のことを報道部に伝えて、まずはテロップに速報として出しましょう。氷室さんは無罪だったこと。今朝、逮捕された羽賀という警察官は、その事件の捜査をさせないために、不当に逮捕されてしまったことを。その後、生放送で緊急のニュースを放送する形で」
「分かりました。すぐに伝えに行きます!」
すると、鷺沼さんと同伴していた人達のうちの1人が会議室を飛び出していった。
「朝比奈さん。お願いがあるのですが、ICレコーダーとスマートフォンを貸していただけますでしょうか? それらから録音データと、真犯人の指示のキャプチャした画像のデータを持っておきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「もちろんです!」
これで、智也さんと羽賀さんの無実が報道されるんだ。こんなにも証拠が揃っている。これで、警察の方も2人を釈放せざるを得なくなる。
鷺沼さんはモニターのチャンネルを変えて、この報道局による放送を映す。今はのんびりとした旅番組をやっている。
すると、数分ほどして『ニュース速報』のチャイムとテロップが表示された。
『児童福祉法違反で逮捕されている氷室智也容疑者が、
無実であることが判明。警察関係者が関与し、虚偽の罪で逮捕された』
『なお、今朝、公務執行妨害の疑いで逮捕された羽賀尊容疑者は、
警察側が羽賀容疑者による捜査の妨害をするために、逮捕した模様』
というテロップが2度表示された。
そして、そのテロップが表示されてから1分も経たないうちに、旅番組からニュースでよく見る報道センターの映像へと切り替わる。私も見たことのある年配の男性アナウンサーが映っている。
『番組の途中ですが、ここでニュースをお伝えします。我々が独自で掴んだ情報です。先ほどテロップでもお伝えしましたように、一昨日、児童福祉法の疑いで逮捕された氷室智也容疑者が無実であると、関係者による証言と真犯人と名乗る女性の自白によって明らかになりました。また、氷室容疑者を無実の罪で逮捕させるために、警察関係者が関与していることも明らかになりました。更に、この事件の捜査を担当しており、今朝、公務執行妨害の罪で逮捕された羽賀尊容疑者について、警察によって羽賀容疑者に氷室容疑者が逮捕された事件の捜査をさせないために、無実の罪で逮捕したということです。繰り返しお伝えします。先ほど――』
智也さんと羽賀さんが無実であることを伝える緊急のニュースが始まった。これで、日本全国、世界中の多くの人々が2人は無実であると分かってくれるはず。
「朝比奈さん。録音レコーダーとスマートフォンありがとうございます。報道しても大丈夫なように編集をして、2人が無実である証拠として報道します」
「よろしくお願いします」
「うちの取材班の何人かは既に警視庁の近くにいます。彼らにも氷室さんと羽賀が無実であることの情報は伝えましたので、そのことについて取材していけば、警視庁からも2人に対する今後の対応に関するコメントがもらえると思います」
「はい」
それから程なくして警視庁からの公式の記者会見が行なわれ、智也さんと羽賀さんの釈放が決定した。羽賀さんについては逮捕による懲戒解雇の撤回も。また、浅野さんの自宅謹慎処分も撤回。3人に対する謝罪もなされた。
同時に真犯人である佐相さんと、佐相さんに協力した父親である佐相警視の逮捕も決定したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる