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特別編-ラブラブ!サンシャイン!!-
第38話『待ち人』
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大浴場では水代さんと会うことはなかったことを美来に伝えると、美来の方も水代さんとは会わなかったという。
朝食が終わったとき、美来から今日はチェックアウトギリギリまでこのホテルに滞在して、家に帰ろうということになった。ただ、どこも観光しない代わりに、帰る途中にいくつかのサービスエリアに立ち寄って、ご当地スイーツやB級グルメを堪能することに。
チェックアウトの時間である午前11時までの間は、テレビを観たり、荷物を纏めたり、コーヒーを飲んだり、部屋からの景色を眺めたり。部屋でゆっくりして正解だなと思った。
午前11時直前にチェックアウトを済ませ、僕と美来はアクアサンシャインリゾートホテルを後にした。
「楽しい3日間でしたね」
「うん。何だか素敵な3日間をプレゼントされた気がするよ」
何か機会があれば、チケットを譲ってくださった佐藤さんに会って、直接お礼を言いたいな。
「ホテルでの滞在はこれで終わりですが、旅行自体はまだまだ続いています! 今日はたくさん食べましょう」
「そうだね。お腹を壊さない程度に」
あぁ……また体調のことを口にしてしまったよ。
「ふふっ、そうですね。体調を崩してしまったら、楽しいはずの旅行の楽しくなくなってしまいますよね」
「……経験者は語るってヤツだよ」
美来なら大丈夫だと思う。むしろ、気を付けなければいけないのは自分の方だ。今までの自分を振り返ると、旅行中に体調を崩したことが何度もあったから。
「さてと、これから近くのインターチェンジから高速に乗るつもりだけど、途中のサービスエリアでお昼ご飯って形にする? それとも、行きたいお店とかがあるならそっちに向かうつもりだけれど」
「高速のサービスエリアに着いてから何を食べようか決めようと思っていたので。大きめのサービスエリアがあるのでまずはそこに行きましょう」
「うん、分かった。実際にサービスエリアに行くと、色々なお店があって何を食べようか迷っちゃうよね。でも、それが面白いというか」
「分かります。たくさんあるとワクワクしちゃいますよね」
実際に、一昨日も途中のサービスエリアに立ち寄って、色々なお店を見ながらお昼ご飯をどこで食べるか決めた。
「せっかくだから、一昨日とは違うサービスエリアにしようか」
「そうですね」
赤信号になったので、停車をしてどこのサービスエリアに向かうか決める。
「ここは一昨日には行っていませんよ」
「おっ、いいね。近くのインターチェンジからは40kmくらいか。そこだと、正午くらいに到着するのかな。時間的にもちょうどいいね」
「じゃあ、まずはここに行きましょう!」
それから、僕と美来は幾つかのサービスエリアとパーキングエリアに立ち寄り、ご当地グルメやご当地スイーツを堪能した。やはり、普段はあまり食べないものを食べると旅行した気分になる。美味しいものを食べているときの美来の笑顔はとても可愛らしかった。
やがて、僕らが乗っている車がレンタカー屋さんに近づく。
そういえば、美来……一昨日や昨日比べて、運転している僕の姿をじっと見ることがあまりないような。たまにスマートフォンを弄っているようだし。むしろ、水色のワンピース姿が可愛くて、僕の方が美来をチラチラ見ているくらいだ。
午後5時過ぎ。
僕らの乗った車はレンタカー屋さんに到着した。家のある地域に帰ってきた安心感と、これで旅行が終わってしまうという寂しさが入り交じる。
レンタカーから荷物を下ろすと……結構お土産買ったんだなぁ。荷物はある程度整理したから、2人で家に持ち帰ることはできると思うけど。
返却の手続きを終わらせて、レンタカー屋さんを出ると、
「智也君、美来ちゃん」
レンタカー屋さんの前にはパンツルックの有紗さんが立っていた。有紗さん……ノースリーブの白いワイシャツを着ている。美来に腋フェチだと言われてから、ノースリーブの服を着ている女性が気になってしまうな。
「……有紗さん。土曜日に来る予定だったんじゃ? 僕らは今日でももちろん大丈夫ですけど」
「朝、美来ちゃんに誘われたの。お泊まりに来ないかって」
「そうだったんですか」
だから、観光はせずに食事やスイーツを堪能しながら家に帰ろうって言ったのか。きっと、朝食までの間にメッセージで有紗さんとやり取りしたのだろう。たぶん、僕が車を運転する間もしていたんだと思う。
「智也さんを驚かせようと思って、今まで内緒にしておいたんです」
「なるほどね」
「でも、本当に良かったの? 今夜も智也君と2人きりでイチャイチャしたかったんじゃないの?」
「そんなことないと言ったら嘘になりますけど……以前のように3人で週末を過ごしたいと思ったので。もちろん、お土産話もしたいですから」
「……そう。美来ちゃんらしいな」
有紗さんはクスクスと笑った。
「まあ、私も同じようなことを考えたから、こうして泊まる準備をしてきたんだけどね」
「……たまには3人で過ごすのもいいと思いますよ」
「うん」
引っ越したけど、以前と変わることなく、美来と有紗さんと3人で週末を過ごせるというのは何だか安心する。
「有紗さん、その服……似合っていますね」
「……ありがとう」
有紗さん、嬉しそうな表情を浮かべている。
「智也さん、有紗さん。帰りましょう」
「……そうだね」
「何か持とうか?」
「有紗さんだって、それなりに大きな荷物を持っているじゃないですか。お気持ちだけ受け取っておきます」
「ちょっと大きめのバッグだけど、あまり重くないし、何か持たせて」
「じゃあ、そうですね……この紙袋を持っていただけますか。職場のみなさんとかへのお土産が入っているんです」
「分かった。この大役、責任を持って果たしたいと思います」
「ははっ、大げさですね」
仕事関係の人へのお土産って言ったからかな。
「よろしくお願いします」
「うん、任せて」
僕は美来と有紗さんの3人で自宅に向かって、レンタカー屋さんを後にする。
「それで、旅行はどうだったの?」
「とても楽しかったですよ! ね、智也さん!」
「うん。ホテルの部屋もとても良かったし、食事も良くて、行った観光地もどこも良くて……こんなにいい旅行に美来と一緒に行けて幸せだったよ」
「智也さん……」
荷物を持って歩いているのに、美来はうっとりとした表情で僕のことをじっと見ているよ。部屋に戻ってから言えば良かったかな。
「ほーら、美来。危ないから、僕のことをじっと見るのはやめなさい」
「だって、智也さんに幸せだって言われたら、私も幸せになっちゃったんですもん。でも、ここで事故に遭ってしまったら楽しい旅行が台無しになってしまいますね。家に帰るまでが旅行ですもんね」
「そうだね」
家に帰るまでが旅行か。小学校の修学旅行で、帰りに学校の近くでバスから降りたときに、担任から同じようなことを言われたな。
「じゃあ、美来ちゃん理論だとあたしはほんのちょっとだけど、2人の旅行に合流したってことかな。あたしにとってはこれからが旅行みたいなものだけど」
「そうですね! 有紗さんと3人の旅行もいつかしてみたいですね、智也さん」
「そうだね」
美来がそんなことを言うなんて。本当に、美来にとって有紗さんは特別な存在であることが分かる。
今回の旅行にもし有紗さんもいたらどうなっていたんだろう。確実なのは、とても楽しくなっていたことかな。
「何だか、2人から楽しいお土産話がたくさん聞けそうで楽しみだよ。本当に2人の側にいるとお熱いから、あたし……熱中症になっちゃうかも」
「お土産話は涼しい部屋の中で話しますから安心してください」
「……ふふっ、それは安心ね」
美来とはイチャイチャしていたから、それを彼女が赤裸々に話したら有紗さんは悶えてしまう可能性はありそうだけど。
夕陽を浴びる中、有紗さんと3人で自宅に帰るのであった。
朝食が終わったとき、美来から今日はチェックアウトギリギリまでこのホテルに滞在して、家に帰ろうということになった。ただ、どこも観光しない代わりに、帰る途中にいくつかのサービスエリアに立ち寄って、ご当地スイーツやB級グルメを堪能することに。
チェックアウトの時間である午前11時までの間は、テレビを観たり、荷物を纏めたり、コーヒーを飲んだり、部屋からの景色を眺めたり。部屋でゆっくりして正解だなと思った。
午前11時直前にチェックアウトを済ませ、僕と美来はアクアサンシャインリゾートホテルを後にした。
「楽しい3日間でしたね」
「うん。何だか素敵な3日間をプレゼントされた気がするよ」
何か機会があれば、チケットを譲ってくださった佐藤さんに会って、直接お礼を言いたいな。
「ホテルでの滞在はこれで終わりですが、旅行自体はまだまだ続いています! 今日はたくさん食べましょう」
「そうだね。お腹を壊さない程度に」
あぁ……また体調のことを口にしてしまったよ。
「ふふっ、そうですね。体調を崩してしまったら、楽しいはずの旅行の楽しくなくなってしまいますよね」
「……経験者は語るってヤツだよ」
美来なら大丈夫だと思う。むしろ、気を付けなければいけないのは自分の方だ。今までの自分を振り返ると、旅行中に体調を崩したことが何度もあったから。
「さてと、これから近くのインターチェンジから高速に乗るつもりだけど、途中のサービスエリアでお昼ご飯って形にする? それとも、行きたいお店とかがあるならそっちに向かうつもりだけれど」
「高速のサービスエリアに着いてから何を食べようか決めようと思っていたので。大きめのサービスエリアがあるのでまずはそこに行きましょう」
「うん、分かった。実際にサービスエリアに行くと、色々なお店があって何を食べようか迷っちゃうよね。でも、それが面白いというか」
「分かります。たくさんあるとワクワクしちゃいますよね」
実際に、一昨日も途中のサービスエリアに立ち寄って、色々なお店を見ながらお昼ご飯をどこで食べるか決めた。
「せっかくだから、一昨日とは違うサービスエリアにしようか」
「そうですね」
赤信号になったので、停車をしてどこのサービスエリアに向かうか決める。
「ここは一昨日には行っていませんよ」
「おっ、いいね。近くのインターチェンジからは40kmくらいか。そこだと、正午くらいに到着するのかな。時間的にもちょうどいいね」
「じゃあ、まずはここに行きましょう!」
それから、僕と美来は幾つかのサービスエリアとパーキングエリアに立ち寄り、ご当地グルメやご当地スイーツを堪能した。やはり、普段はあまり食べないものを食べると旅行した気分になる。美味しいものを食べているときの美来の笑顔はとても可愛らしかった。
やがて、僕らが乗っている車がレンタカー屋さんに近づく。
そういえば、美来……一昨日や昨日比べて、運転している僕の姿をじっと見ることがあまりないような。たまにスマートフォンを弄っているようだし。むしろ、水色のワンピース姿が可愛くて、僕の方が美来をチラチラ見ているくらいだ。
午後5時過ぎ。
僕らの乗った車はレンタカー屋さんに到着した。家のある地域に帰ってきた安心感と、これで旅行が終わってしまうという寂しさが入り交じる。
レンタカーから荷物を下ろすと……結構お土産買ったんだなぁ。荷物はある程度整理したから、2人で家に持ち帰ることはできると思うけど。
返却の手続きを終わらせて、レンタカー屋さんを出ると、
「智也君、美来ちゃん」
レンタカー屋さんの前にはパンツルックの有紗さんが立っていた。有紗さん……ノースリーブの白いワイシャツを着ている。美来に腋フェチだと言われてから、ノースリーブの服を着ている女性が気になってしまうな。
「……有紗さん。土曜日に来る予定だったんじゃ? 僕らは今日でももちろん大丈夫ですけど」
「朝、美来ちゃんに誘われたの。お泊まりに来ないかって」
「そうだったんですか」
だから、観光はせずに食事やスイーツを堪能しながら家に帰ろうって言ったのか。きっと、朝食までの間にメッセージで有紗さんとやり取りしたのだろう。たぶん、僕が車を運転する間もしていたんだと思う。
「智也さんを驚かせようと思って、今まで内緒にしておいたんです」
「なるほどね」
「でも、本当に良かったの? 今夜も智也君と2人きりでイチャイチャしたかったんじゃないの?」
「そんなことないと言ったら嘘になりますけど……以前のように3人で週末を過ごしたいと思ったので。もちろん、お土産話もしたいですから」
「……そう。美来ちゃんらしいな」
有紗さんはクスクスと笑った。
「まあ、私も同じようなことを考えたから、こうして泊まる準備をしてきたんだけどね」
「……たまには3人で過ごすのもいいと思いますよ」
「うん」
引っ越したけど、以前と変わることなく、美来と有紗さんと3人で週末を過ごせるというのは何だか安心する。
「有紗さん、その服……似合っていますね」
「……ありがとう」
有紗さん、嬉しそうな表情を浮かべている。
「智也さん、有紗さん。帰りましょう」
「……そうだね」
「何か持とうか?」
「有紗さんだって、それなりに大きな荷物を持っているじゃないですか。お気持ちだけ受け取っておきます」
「ちょっと大きめのバッグだけど、あまり重くないし、何か持たせて」
「じゃあ、そうですね……この紙袋を持っていただけますか。職場のみなさんとかへのお土産が入っているんです」
「分かった。この大役、責任を持って果たしたいと思います」
「ははっ、大げさですね」
仕事関係の人へのお土産って言ったからかな。
「よろしくお願いします」
「うん、任せて」
僕は美来と有紗さんの3人で自宅に向かって、レンタカー屋さんを後にする。
「それで、旅行はどうだったの?」
「とても楽しかったですよ! ね、智也さん!」
「うん。ホテルの部屋もとても良かったし、食事も良くて、行った観光地もどこも良くて……こんなにいい旅行に美来と一緒に行けて幸せだったよ」
「智也さん……」
荷物を持って歩いているのに、美来はうっとりとした表情で僕のことをじっと見ているよ。部屋に戻ってから言えば良かったかな。
「ほーら、美来。危ないから、僕のことをじっと見るのはやめなさい」
「だって、智也さんに幸せだって言われたら、私も幸せになっちゃったんですもん。でも、ここで事故に遭ってしまったら楽しい旅行が台無しになってしまいますね。家に帰るまでが旅行ですもんね」
「そうだね」
家に帰るまでが旅行か。小学校の修学旅行で、帰りに学校の近くでバスから降りたときに、担任から同じようなことを言われたな。
「じゃあ、美来ちゃん理論だとあたしはほんのちょっとだけど、2人の旅行に合流したってことかな。あたしにとってはこれからが旅行みたいなものだけど」
「そうですね! 有紗さんと3人の旅行もいつかしてみたいですね、智也さん」
「そうだね」
美来がそんなことを言うなんて。本当に、美来にとって有紗さんは特別な存在であることが分かる。
今回の旅行にもし有紗さんもいたらどうなっていたんだろう。確実なのは、とても楽しくなっていたことかな。
「何だか、2人から楽しいお土産話がたくさん聞けそうで楽しみだよ。本当に2人の側にいるとお熱いから、あたし……熱中症になっちゃうかも」
「お土産話は涼しい部屋の中で話しますから安心してください」
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