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続々編-蒼き薔薇と不協和音-
第10話『2人きりの前夜祭-後編-』
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僕が夕食の後片付けをする横で、美来はホットケーキを作っていく。甘くて優しい匂いがしていいな。
そういえば、ホットケーキって喫茶店にありそうだけど、1年2組のメイド喫茶のメニューにもあるのかな。もしあったら、有紗さんとか仁実ちゃんは食べそうだな。岡村も女子高生が作ったものなら喜んで食べるとか言いそうだ。
「よし、これで片付けは終わり」
「ありがとうございます。もうすぐできますから、智也さんはソファーに座って待っていてください」
「分かった」
美来の言うように、僕はソファーに座ってホットケーキとコーヒーを待つことに。いつもとは違ってホットケーキの匂いがするからか、本当にメイド喫茶に来ている気がする。
やがて、コーヒーの匂いも香ってきた。
「お待たせしました、ご主人様。ホットケーキとコーヒーです」
「どうもありがとう」
美来は2人分のホットケーキとコーヒーを持ってきて、テーブルの上に置いた。ホットケーキもコーヒーも美味しそうだ。あと、今日は美来のマグカップにミルクたっぷりのコーヒーが注がれている。
「智也さん。おまじないもかけながら、ホットケーキにハチミツをかけますね」
「お願いします」
「ホットケーキに愛情をたっぷりとかけちゃうよ! みっくみくー!」
美来は楽しげにホットケーキにハートの形にはちみつをかけていった。甘いはちみつを愛情に見立てるとは。何とも美来らしいなと。本当に美来は前夜祭を楽しんでいるな。
「甘い愛情をたっぷり注いだので、とっても美味しくなっていますよ!」
「凄く甘そうだね。ちなみに、今の言葉も明日は言うの? みっくみくを除いて」
「いえいえ! これは前夜祭特別バージョンです。お店では美味しくなーれと言うだけですよ」
「そうなんだね」
今夜だけ特別だと知って、何だか優越感みたいなものが。嬉しくなって美来の頭をポンポンと叩いて、優しく撫でる。
また、美来の方のホットケーキには、まるでお好み焼きのソースのようにはちみつを豪快にかけていった。ただ、そのホットケーキが美しくも思えたので、美来のホットケーキをスマートフォンで写真を撮る。もちろん、僕のも。
「そろそろいただきましょうか」
「そうだね。いただきます」
「いただきまーす!」
ホットケーキをナイフで食べやすい大きさに切って、口の中に入れる。
「あぁ、美味しい」
甘い匂いがするだけでもいい気分になれるけど、その甘味を舌でしっかりと感じると幸せな気持ちになれるな。はちみつの甘味とバターの塩気が絶妙だ。ふわふわもしているし。
「美味しいですね、智也さん」
「そうだね」
「はい、私のホットケーキを一口食べさせてあげますよ。あ~ん」
「あ~ん」
僕は美来のホットケーキを一口食べさせてもらう。僕のホットケーキよりもはちみつが多くかかっているからかとても甘い。
「かなり甘いけど、これはこれで美味しい」
「そう言ってもらえて嬉しいです」
「お礼に僕から美来に一口食べさせてあげよう」
「ありがとうございます。あ~ん」
「はい、あ~ん」
ナイフで切り分けたホットケーキを美来に食べさせる。
すると、美来は嬉しそうな笑みを浮かべながら、僕にキスしてきた。唇を重ねるだけでなく、ゆっくりと舌を絡ませてくる。生温かいからか、ホットケーキよりも甘く感じるのは気のせいだろうか。
「……ホットケーキよりも智也さんのお口の方が甘いです」
「僕も同じことを思ったよ。美来の唇や舌は甘いね」
「ふふっ、そうですか。もちろん、こんなことをするのは智也さんだけですから。あと、食後のデザートがもう一つあるのですが」
「……何となく想像できたけど、何かな?」
「……わ、私です」
「……ははっ」
やっぱり。想像した通りだったので、思わず声に出して笑ってしまう。そのせいか、美来の頬が赤くなっていく。
「美来らしくていいね」
「智也さんは分かっていたんですね。……明日と明後日は文化祭ですし、英気を養いたいといいますか。家に帰ってきてからずっと考えていました。でも、実際に言ってみると恥ずかしいですね」
「美来らしさが存分に出ていていいと思ったんだけどな。今週末は文化祭だからね。じゃあ、ホットケーキを食べて、一緒にお風呂に入った後に、ベッドの中でいただこうかな。明日に影響しない程度に。それでいいかな?」
「はい!」
美来は早くいただかれたいのか、ホットケーキをパクパクと食べている。それでも、甘くて美味しいのか笑顔になる。苦手なコーヒーもゴクゴク飲んでいるし。そんな彼女を見て、今夜はちゃんと眠ることができるのか不安になった。
僕もホットケーキとコーヒーを完食した。明日もメイド喫茶で美味しいものを堪能できると思うと、今から楽しみだ。
さっき言ったように、今夜は美来と一緒にお風呂に入った。ただ、メイドさんが続いているのか、髪や体を洗ってもらって至れり尽くせりだった。
お風呂に入った後はベッドの中で、メイドカチューシャを付けた美来のことをいただくことに。ホットケーキを食べたからか、いつもよりも甘く感じた。そのせいなのか、美来もかなり興奮した様子になり、たまに僕の方がいただかれるときもあった。
「何だかんだで、いつもの週末みたいにたくさんしちゃいましたね」
「そうだね。ただ、普段よりも激しかったかな」
「いつもと違って、今週末は一緒にいることのできる時間が少ないですから。智也さんのことをたくさん求めてしまいました。……気持ち良かった」
「そっか。そんな美来も可愛かったよ」
「……もう、智也さんったら。……私はどうでしたか? 美味しかったですか?」
「お、美味しかったよ、とても」
「ふふっ、嬉しいです」
そう言うと、美来は僕の腕をぎゅっと抱きしめて、頬にキスをしてくる。今回のキスはベッドに入ってからいったい何度目だろうか。
「智也さんのおかげで、とても楽しい前夜祭になりました。智也さんはどうでしたか?」
「僕も凄く楽しかったよ。文化祭のメイド喫茶ではやらないこともやってくれたし。仕事の疲れも吹っ飛んだし、明日と明後日の文化祭をより楽しむことができそうだ」
「それなら良かったです。明日と明後日は、自分のやることを楽しみながらしっかりとやりたいと思います」
「うん、それが一番いいね。じゃあ、明日のためにももう寝よっか。美来、ホットケーキを食べたときに、ミルクがたくさん入ったコーヒーをガブ飲みしていたけれど、眠気は大丈夫?」
「お風呂に入ったときには目が冴えていましたが、智也さんが私のことをいただいてくださったこともあって、今は心地よい眠気が来ています」
「それなら良かったよ」
なかなか眠ることができなくて、明日は寝不足ってなったらどうしようかと。眠気がちゃんと来ているなら良かった。
今日も遅くなっちゃったし、寝坊をしないようにスマートフォンで目覚ましを設定しておこう。
「これで明日はしっかり起きられるかな。じゃあ、そろそろ寝ようか」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ」
おやすみの口づけをすると、美来はゆっくりと目を閉じた。心地よい眠気が来ていると言っていただけあって、すぐに可愛らしい寝息を立て始める。
「おやすみ、美来」
美来の額にキスをし、ベッドライトを消して僕も眠りにつく。
明日と明後日は天羽女子の文化祭か。女子校に行くのは初めてだから緊張するけど、高校の文化祭は高3以来だから楽しみでもある。
普段とは違う週末。何だかとても長い2日間になりそうな気がしたのであった。
そういえば、ホットケーキって喫茶店にありそうだけど、1年2組のメイド喫茶のメニューにもあるのかな。もしあったら、有紗さんとか仁実ちゃんは食べそうだな。岡村も女子高生が作ったものなら喜んで食べるとか言いそうだ。
「よし、これで片付けは終わり」
「ありがとうございます。もうすぐできますから、智也さんはソファーに座って待っていてください」
「分かった」
美来の言うように、僕はソファーに座ってホットケーキとコーヒーを待つことに。いつもとは違ってホットケーキの匂いがするからか、本当にメイド喫茶に来ている気がする。
やがて、コーヒーの匂いも香ってきた。
「お待たせしました、ご主人様。ホットケーキとコーヒーです」
「どうもありがとう」
美来は2人分のホットケーキとコーヒーを持ってきて、テーブルの上に置いた。ホットケーキもコーヒーも美味しそうだ。あと、今日は美来のマグカップにミルクたっぷりのコーヒーが注がれている。
「智也さん。おまじないもかけながら、ホットケーキにハチミツをかけますね」
「お願いします」
「ホットケーキに愛情をたっぷりとかけちゃうよ! みっくみくー!」
美来は楽しげにホットケーキにハートの形にはちみつをかけていった。甘いはちみつを愛情に見立てるとは。何とも美来らしいなと。本当に美来は前夜祭を楽しんでいるな。
「甘い愛情をたっぷり注いだので、とっても美味しくなっていますよ!」
「凄く甘そうだね。ちなみに、今の言葉も明日は言うの? みっくみくを除いて」
「いえいえ! これは前夜祭特別バージョンです。お店では美味しくなーれと言うだけですよ」
「そうなんだね」
今夜だけ特別だと知って、何だか優越感みたいなものが。嬉しくなって美来の頭をポンポンと叩いて、優しく撫でる。
また、美来の方のホットケーキには、まるでお好み焼きのソースのようにはちみつを豪快にかけていった。ただ、そのホットケーキが美しくも思えたので、美来のホットケーキをスマートフォンで写真を撮る。もちろん、僕のも。
「そろそろいただきましょうか」
「そうだね。いただきます」
「いただきまーす!」
ホットケーキをナイフで食べやすい大きさに切って、口の中に入れる。
「あぁ、美味しい」
甘い匂いがするだけでもいい気分になれるけど、その甘味を舌でしっかりと感じると幸せな気持ちになれるな。はちみつの甘味とバターの塩気が絶妙だ。ふわふわもしているし。
「美味しいですね、智也さん」
「そうだね」
「はい、私のホットケーキを一口食べさせてあげますよ。あ~ん」
「あ~ん」
僕は美来のホットケーキを一口食べさせてもらう。僕のホットケーキよりもはちみつが多くかかっているからかとても甘い。
「かなり甘いけど、これはこれで美味しい」
「そう言ってもらえて嬉しいです」
「お礼に僕から美来に一口食べさせてあげよう」
「ありがとうございます。あ~ん」
「はい、あ~ん」
ナイフで切り分けたホットケーキを美来に食べさせる。
すると、美来は嬉しそうな笑みを浮かべながら、僕にキスしてきた。唇を重ねるだけでなく、ゆっくりと舌を絡ませてくる。生温かいからか、ホットケーキよりも甘く感じるのは気のせいだろうか。
「……ホットケーキよりも智也さんのお口の方が甘いです」
「僕も同じことを思ったよ。美来の唇や舌は甘いね」
「ふふっ、そうですか。もちろん、こんなことをするのは智也さんだけですから。あと、食後のデザートがもう一つあるのですが」
「……何となく想像できたけど、何かな?」
「……わ、私です」
「……ははっ」
やっぱり。想像した通りだったので、思わず声に出して笑ってしまう。そのせいか、美来の頬が赤くなっていく。
「美来らしくていいね」
「智也さんは分かっていたんですね。……明日と明後日は文化祭ですし、英気を養いたいといいますか。家に帰ってきてからずっと考えていました。でも、実際に言ってみると恥ずかしいですね」
「美来らしさが存分に出ていていいと思ったんだけどな。今週末は文化祭だからね。じゃあ、ホットケーキを食べて、一緒にお風呂に入った後に、ベッドの中でいただこうかな。明日に影響しない程度に。それでいいかな?」
「はい!」
美来は早くいただかれたいのか、ホットケーキをパクパクと食べている。それでも、甘くて美味しいのか笑顔になる。苦手なコーヒーもゴクゴク飲んでいるし。そんな彼女を見て、今夜はちゃんと眠ることができるのか不安になった。
僕もホットケーキとコーヒーを完食した。明日もメイド喫茶で美味しいものを堪能できると思うと、今から楽しみだ。
さっき言ったように、今夜は美来と一緒にお風呂に入った。ただ、メイドさんが続いているのか、髪や体を洗ってもらって至れり尽くせりだった。
お風呂に入った後はベッドの中で、メイドカチューシャを付けた美来のことをいただくことに。ホットケーキを食べたからか、いつもよりも甘く感じた。そのせいなのか、美来もかなり興奮した様子になり、たまに僕の方がいただかれるときもあった。
「何だかんだで、いつもの週末みたいにたくさんしちゃいましたね」
「そうだね。ただ、普段よりも激しかったかな」
「いつもと違って、今週末は一緒にいることのできる時間が少ないですから。智也さんのことをたくさん求めてしまいました。……気持ち良かった」
「そっか。そんな美来も可愛かったよ」
「……もう、智也さんったら。……私はどうでしたか? 美味しかったですか?」
「お、美味しかったよ、とても」
「ふふっ、嬉しいです」
そう言うと、美来は僕の腕をぎゅっと抱きしめて、頬にキスをしてくる。今回のキスはベッドに入ってからいったい何度目だろうか。
「智也さんのおかげで、とても楽しい前夜祭になりました。智也さんはどうでしたか?」
「僕も凄く楽しかったよ。文化祭のメイド喫茶ではやらないこともやってくれたし。仕事の疲れも吹っ飛んだし、明日と明後日の文化祭をより楽しむことができそうだ」
「それなら良かったです。明日と明後日は、自分のやることを楽しみながらしっかりとやりたいと思います」
「うん、それが一番いいね。じゃあ、明日のためにももう寝よっか。美来、ホットケーキを食べたときに、ミルクがたくさん入ったコーヒーをガブ飲みしていたけれど、眠気は大丈夫?」
「お風呂に入ったときには目が冴えていましたが、智也さんが私のことをいただいてくださったこともあって、今は心地よい眠気が来ています」
「それなら良かったよ」
なかなか眠ることができなくて、明日は寝不足ってなったらどうしようかと。眠気がちゃんと来ているなら良かった。
今日も遅くなっちゃったし、寝坊をしないようにスマートフォンで目覚ましを設定しておこう。
「これで明日はしっかり起きられるかな。じゃあ、そろそろ寝ようか」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ」
おやすみの口づけをすると、美来はゆっくりと目を閉じた。心地よい眠気が来ていると言っていただけあって、すぐに可愛らしい寝息を立て始める。
「おやすみ、美来」
美来の額にキスをし、ベッドライトを消して僕も眠りにつく。
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