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2学期編3
第19話『メイド&執事喫茶-2日目・①-』
昨日一日でうちのクラスのメイド&執事喫茶の評判が広まったのだろうか。開始直後から生徒が何人も来店してくれる。
ちなみに、結衣と伊集院さんはバックヤードと繋がっている後方の扉から教室を出てすぐに、
「帰ってきました!」
「ふふっ」
教室の前方の扉から喫茶店に来店した。楽しみにしていたのもあって、結衣はとってもワクワクした様子だ。そんな結衣を間近で見てか、伊集院さんもニコッと笑っていて。可愛らしいお嬢様方だ。
俺はメニュー表を持って、入口近くに立っている2人のところへ向かう。
「おかえりなさいませ、お嬢様方。2名様でのご利用でしょうか?」
「はいっ!」
元気良く返事をする結衣。可愛い。
「2名様ですね。かしこまりました。テーブル席とカウンター席のどちらがよろしいですか?」
「どっちがいい? 姫奈ちゃん」
「テーブル席の方がいいのです。向かい合って座れますから」
「了解。テーブル席でお願いします」
「デーブル席ですね。かしこまりました。ご案内いたします」
俺は結衣と伊集院さんと一緒に2人用のテーブル席である10番デーブルに案内する。
結衣と伊集院さんが席に座ったのを確認し、「メニュー表になります」と言ってテーブルにメニュー表を置いた。
「お決まりになりましたら、執事やメイドをお呼びくださいませ」
俺は結衣と伊集院さんに軽く頭を下げて、2人のいるテーブルを後にする。
文化祭2日目が始まって間もないから、お客様の大半はうちの学校の生徒だけど、メイド&執事喫茶は早くも賑わい始めている。
昨日の接客の経験もあってか、接客係の生徒達はみんな落ち着いた様子で接客している。あと、福王寺先生は、
「美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えきゅん!」
と、男子生徒達が注文したコーヒーやクッキーに、元気に可愛らしくおまじないをかけていた。先生が一番ノリノリでメイドさんとして接客している気がする。この様子だと、この後来る予定の弟の雄大さんと妹の遥さんにも今のように接客しそうだ。
「すみませーん。注文いいですかー」
結衣からの呼び出しが聞こえた。
俺は「はい」と返事して、結衣と伊集院さんのいるテーブルへ向かう。
「ご注文をお伺いします、お嬢様方」
「姫奈ちゃんからどうぞ」
「分かったのです。いちごクレープ一つとアイスコーヒーを一つお願いするのです。ガムシロップを一つください」
「私はチョコバナナクレープ一つとアイスティーを一つください。ガムシロップとミルクを一つずつお願いします」
おっ、結衣は今日もクレープを注文するのか。まあ、昨日のデートはいちごクレープを注文したし、俺が一口あげたチョコバナナクレープを美味しいと言っていたもんな。
「あと、執事さんをお持ち帰りしたいです……」
結衣はうっとりとした様子で俺のことを見つめながらそう言った。
俺をお持ち帰りしたい……か。うっとりしているのを含めて非常に結衣らしいと思う。俺と同じことを思ったのか、伊集院さんや福王寺先生、接客係の生徒達の何人かがクスッと笑った。
他のお客様がいるし、ここはちゃんと対処しないとな。
「結衣お嬢様は私のことを大変気に入ってくださっているのですね。執事としてとても嬉しいです。ありがとうございます。ただ、申し訳ございませんが、当店では従業員をお持ち帰りするサービスは提供しておりません」
結衣の目を見ながら、執事らしい落ち着いた口調でお断りの言葉を言った。それが良かったのか、結衣は依然としてうっとりとした様子で、
「はい……」
と言った。
ただ、結衣からのお持ち帰り注文は魅力的に思えて。なので、俺はゆっくりと顔を近づけて、
「これがお持ち帰りになるかどうかは分からないけど……文化祭が終わったら、お家デートかお泊まりをするか? 火曜日からは文化祭の代休で3連休だし」
と、結衣に耳打ちする。
そう。この週末は3連休で、明日の月曜日は祝日だ。ただ、明日は文化祭の後片付けで登校することになっている。なので、明後日の火曜日から木曜日までの3日間は代休で学校がお休みなのだ。
俺も結衣も家でゆっくり過ごすのは好きで、お家デートは定番だ。また、お泊まりは2学期になってからは一度もしていない。3連休を控えているのもあり、お家デートやお泊まりを提案したのだ。
俺からの提案に魅力的に思ったのだろう。結衣の笑顔は明るいものになり、キラキラと輝かせた目で俺を見つめてくる。至近距離で見つめられているから、凄くキュンとなる。
耳貸して、と小声で言ってきたので、俺は結衣に耳を近づける。
「お持ち帰りになるよ。だって、家で悠真君と一緒にいられるんだもん。……悠真君とお泊まりしたいな。明日の夜……クラスの打ち上げの後にさっそく。ただ、最後にお泊まりしたのは私の家だから、悠真君のお家がいいな。大丈夫かな?」
と、結衣は甘い声で俺に耳打ちしてきた。俺の提案を受け入れ、お泊まりしたいと言ってくれることがとても嬉しい。お持ち帰りになると思ってくれることも。頬が緩んでいくのが分かった。
「俺は大丈夫だ。ただ、明日の夜のことだから、休憩のときにさっそく、結衣が泊まりに来てもいいかどうか家族にメッセージしてみるよ」
俺は結衣に耳打ちした。
「うん、分かった。私も悠真君の家に泊まりに行ってもいいかどうか親に訊いてみるね。これまで何度もお泊まりしているから、たぶん大丈夫だと思うけど」
結衣はそう耳打ちしてきた。お互いに許可が出るといいな。
「……ねえ、悠真君」
「うん」
「さっきはごめんね。執事姿の悠真君が凄くかっこいいし、執事さんらしく接客してくれるのがキュンとなったから、悠真君をお持ち帰りしたいって言っちゃったの。困らせちゃったならごめんね」
と、お持ち帰り注文したことを謝ってきた。お持ち帰り注文をした理由も結衣らしいな。本当に可愛い。
「全然気にしてないよ。可愛いなって思ったし」
俺がそう耳打ちすると、結衣はほっとした様子になる。
「良かった。あと、優しい言葉で断ってくれたから、それにもキュンってなったよ」
結衣は可愛らしい声でそう言ってきた。そして、顔を離すと俺にニコッと笑顔を見せてくれて。
お持ち帰りの注文を断っても結衣はうっとりし続けていたけど、キュンとなっていたからだったのか。
「ふふっ、2人とも楽しそうなのです」
伊集院さんは両手で頬杖をつきながら、笑顔で俺達のことを見ていた。そうだ、今は注文の途中だったんだった。それに、文化祭とはいえ、接客中に恋人とデートやお泊まりに誘うのは良くなかったかも。
「申し訳ございません、姫奈お嬢様。結衣お嬢様と話し込んでしまいました」
「ごめんね、姫奈ちゃん」
「いえいえ。お二人が楽しそうにしていたときもありましたし、それを見られてあたしは嬉しいのです。なので、お気になさらず」
伊集院さんはいつもの可愛らしい笑顔でそう言ってくれる。きっと、本心からの言葉なのだろう。
「ありがとうございます。……では、注文を確認いたします。姫奈お嬢様はいちごクレープお一つとアイスコーヒーをお一つ。シロップをお一つ。結衣お嬢様はチョコバナナクレープお一つとアイスティーをお一つ。シロップとミルクをお一つずつ。以上でよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫なのです」
「大丈夫だよ」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。メニュー表をお下げします」
結衣と伊集院さんに向かって軽く頭を下げ、メニュー表を手に取る。結衣と伊集院さんからの注文を伝えるためにバックヤードへ。
「10番テーブル、注文入りました! いちごクレープ1つ、アイスティー1つ、チョコバナナクレープ1つ、アイスコーヒー1つです。ガムシロップ2つとミルクを1つ付けてください」
注文されたメニューを伝えると、調理係のクラスメイト達は「はい!」と元気良く返事してくれた。
文化祭前の練習や文化祭1日目で経験を積んだのか、調理係のクラスメイト達は落ち着いた様子で注文を受けたメニューを用意していく。クレープを作る手つきは慣れた感じなので、つい見入ってしまう。
「10番テーブル、いちごクレープ1つ、アイスティー1つ、チョコバナナクレープ1つ、アイスコーヒー1つできました! ガムシロップ2つとミルク1つも用意しました」
調理係の女子生徒が俺に向かってそう言った。
「ありがとうございます。運びます」
俺は用意されたドリンクやスイーツが乗ったトレーを持って、バックヤードを出る。結衣と伊集院さんのいるテーブルに向かう。
「お待たせしました、お嬢様方。いちごクレープにアイスティー、チョコバナナクレープにアイスコーヒーになります」
「ありがとう、悠真君」
「どうもなのです」
俺は結衣と伊集院さんが注文したドリンクとスイーツをテーブルに置く。ガムシロップやミルクも。伝票を伝票立てに入れた。また、その間に福王寺先生がこのテーブルやってきた。きっと、おまじないをかけるためだろう。
「では、私達が心を込めて、ドリンクやスイーツがもっと美味しくなるおまじないをかけさせていただきます」
「お願いしますっ!」
結衣はワクワクとした様子で言う。おまじないをかけてもらうのを楽しみにしていたのだろう。
「執事とメイドではかけ方が違いますので、まずは私から」
俺はテーブルに向けて右手の人差し指を指して、
「美味しくなーれ」
指をクルクルと回しながらおまじないをかけた。
「うんっ! いいよ、悠真君! もっと美味しそうに見えるよ」
「良かったのです!」
結衣と伊集院さんは笑顔でそう言い、パチパチと拍手する。特に結衣は嬉しそうにしていて。満足してもらえたようで良かった。
「ありがとうございます」
「では、次は私が」
福王寺先生は両手でハートの形を作り、
「美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えきゅん!」
可愛い笑顔と声でおまじないをかけた。結衣と伊集院さんが相手だからか、これまで以上に可愛らしい感じがした。
「杏樹先生可愛い! もっともっと美味しそうに見えますよ!」
「ですね!」
さっき俺がおまじないをかけたときと同じように、結衣と伊集院さんはパチパチと拍手しながら感想を言った。福王寺先生も可愛いけど、喜んでいる2人も可愛いぞ。
「ありがとうございますっ!」
うふふっ、と福王寺先生は声に出して笑って。その姿もまた可愛らしい。
「では、ごゆっくり」
「ごゆっくり」
俺と福王寺先生は軽く頭を下げて、他のテーブルや来店された方の接客業務に戻っていく。
業務に戻ってから程なくして、
「う~ん! チョコバナナクレープ美味しい!」
「いちごクレープ美味しいのです!」
「美味しいよねっ」
結衣と伊集院さんは幸せそうな様子でクレープを食べていて。その姿を見ていると気持ちが癒やされていく。そして、この喫茶店の人間として嬉しい気持ちになる。
結衣と伊集院さんを見ながら俺は接客係の仕事をしていく。お客様の中に恋人と友達がいるといつも以上にやる気になるな。また、結衣と伊集院さんと視線が合うこともあり、お互いに小さく手を振ることもあった。
20分ほどして、結衣と伊集院さんが席を立った。結衣は伝票を持っている。お店を後にするんだな。
俺はレジへと向かい、結衣と伊集院さんの会計作業をした。
「とても楽しかったよ、悠真君!」
「いい時間だったのです」
「お嬢様方にそう言ってもらえてとても嬉しいです。私もお嬢様方に接客できてとても楽しかったです」
「良かったよ!」
「良かったのです」
結衣と伊集院さんはニッコリとした笑顔でそう言った。
「素敵な接客をしてくれたお礼だよ。ありがとう」
そう言い、結衣は俺の頭を優しく撫でてくれた。結衣の笑顔は優しいものに変わっていて。可愛いし、頭を撫でられるのが気持ちいいから、自然と頬が緩んでいくのが分かった。
「ありがとうございます。結衣お嬢様に素敵なお礼をしていただいて嬉しいです」
「うんっ」
ニコッとした笑顔で返事をすると、結衣は俺の頭をポンポンと優しく叩いてくれた。それもまた気持ち良かった。
「……そうだ。家族にお泊まりしていいかどうか訊いたら、悠真君のお家がOKならいいよって返事をもらったよ」
「良かったです、結衣お嬢様」
あとは俺の方がOKをもらえればお泊まり決定だな。
「結衣からお泊まりの件を聞いたのです。低田君の方もOKが出るといいですね」
「ありがとうございます、姫奈お嬢様。休憩のときに訊いてみますね」
「うんっ。この後、姫奈ちゃんと一緒に胡桃ちゃんのクラスのお化け屋敷に行くよ。姫奈ちゃんとは行っていないし、今は胡桃ちゃんがシフトに入っているから」
「そうですか。……頑張ってください。結衣お嬢様は昨日、たくさん叫んでいましたから」
「ふふっ、ありがとう。結構怖かったからねぇ。ただ、2回目だから昨日に比べれば怖くないと思う。それに、姫奈ちゃんは悠真君と同じで心霊系は平気だからね」
と、結衣は穏やかな笑顔で言う。まあ、昨日の俺との文化祭デートでお化け屋敷に行っているから、どのタイミングでどんな驚かし方をしてくるのか分かっているもんな。1日目から変更している箇所がある可能性もありそうだけど。
「いつでもあたしの腕にしがみついてください」
「うんっ」
伊集院さんが一緒なら何とかお化け屋敷を廻れそうかな。
俺達が話していると、福王寺先生が俺達のところでやってきた。なので、先生と一緒にお見送りの言葉を言うことに。俺が「せーの」と言い、
『いってらっしゃいませ、お嬢様方』
と、声を揃えてお見送りの言葉を言った。
「いってきます! この後のシフトで会いましょうね、悠真君、杏樹先生」
「またです、低田君、杏樹先生」
結衣と伊集院さんは満足そうな様子で喫茶店を後にした。
それからも執事として、来店されるお客様に接客業務をしていく。
また、結衣と伊集院さんがお店を後にしてから数分ほどして、福王寺先生はスイーツ部の屋台の様子を見に行くために教室を後にした。
接客しながらさりげなく窓から屋台街の様子を見ると、スイーツ部の屋台の近くにいるメイド服姿の福王寺先生を発見。今日も文化祭中はメイド服姿で通すかもしれない。俺の弾き語りライブを見るときにも。
そして、結衣と伊集院さんがお店を出てから20分くらいが経ち、お客様からのメニューを調理係の生徒達に伝えたタイミングで、2人がメイド服を持っていくために教室後方の扉からバックヤードに入ってきた。結衣の顔色があまりよろしくない。伊集院さんは普段と変わらない笑顔だけど。
「2人ともおかえり。その様子だと……お化け屋敷に行ってきたんだな」
「……うん。2度目だし、仕掛けも昨日とあまり変わりなかったけど、胡桃ちゃん担当の壁から突然手が出る仕掛け以外は全部怖かった……」
「最初にお化け役の男子生徒と出くわした直後から、結衣はずっとあたしの腕にしがみついていたのですよ」
「姫奈ちゃんと一緒で良かったよ……」
昨日のデートでは結衣が俺の腕にしがみついていたから、お化け屋敷にいるときの2人の様子が容易に思い浮かぶよ。
「結衣、お疲れ様」
俺は手袋を外して、結衣の頭を優しく撫でる。
撫でられるのが気持ちいいのか、結衣の顔に柔らかい笑みが浮かぶ。段々と顔色も良くなってきて。これなら、この後シフトに入って、メイドとして接客しても大丈夫そうかな。
「ありがとう、悠真君。元気出てきた」
「良かった」
「じゃあ、姫奈ちゃんと一緒にメイド服に着替えてくるね」
「いってきます」
「ああ。いってらっしゃい」
結衣と伊集院さんはメイド服を持ち、元気な様子でバックヤードを後にしたのであった。
□後書き□
読んでいただきありがとうございます。
(2024.10.31 AM2:00過ぎ)
悠真が結衣にお泊まりを提案し、結衣が承諾するところの部分について、少し修正と加筆をしました。宜しくお願いします。
ちなみに、結衣と伊集院さんはバックヤードと繋がっている後方の扉から教室を出てすぐに、
「帰ってきました!」
「ふふっ」
教室の前方の扉から喫茶店に来店した。楽しみにしていたのもあって、結衣はとってもワクワクした様子だ。そんな結衣を間近で見てか、伊集院さんもニコッと笑っていて。可愛らしいお嬢様方だ。
俺はメニュー表を持って、入口近くに立っている2人のところへ向かう。
「おかえりなさいませ、お嬢様方。2名様でのご利用でしょうか?」
「はいっ!」
元気良く返事をする結衣。可愛い。
「2名様ですね。かしこまりました。テーブル席とカウンター席のどちらがよろしいですか?」
「どっちがいい? 姫奈ちゃん」
「テーブル席の方がいいのです。向かい合って座れますから」
「了解。テーブル席でお願いします」
「デーブル席ですね。かしこまりました。ご案内いたします」
俺は結衣と伊集院さんと一緒に2人用のテーブル席である10番デーブルに案内する。
結衣と伊集院さんが席に座ったのを確認し、「メニュー表になります」と言ってテーブルにメニュー表を置いた。
「お決まりになりましたら、執事やメイドをお呼びくださいませ」
俺は結衣と伊集院さんに軽く頭を下げて、2人のいるテーブルを後にする。
文化祭2日目が始まって間もないから、お客様の大半はうちの学校の生徒だけど、メイド&執事喫茶は早くも賑わい始めている。
昨日の接客の経験もあってか、接客係の生徒達はみんな落ち着いた様子で接客している。あと、福王寺先生は、
「美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えきゅん!」
と、男子生徒達が注文したコーヒーやクッキーに、元気に可愛らしくおまじないをかけていた。先生が一番ノリノリでメイドさんとして接客している気がする。この様子だと、この後来る予定の弟の雄大さんと妹の遥さんにも今のように接客しそうだ。
「すみませーん。注文いいですかー」
結衣からの呼び出しが聞こえた。
俺は「はい」と返事して、結衣と伊集院さんのいるテーブルへ向かう。
「ご注文をお伺いします、お嬢様方」
「姫奈ちゃんからどうぞ」
「分かったのです。いちごクレープ一つとアイスコーヒーを一つお願いするのです。ガムシロップを一つください」
「私はチョコバナナクレープ一つとアイスティーを一つください。ガムシロップとミルクを一つずつお願いします」
おっ、結衣は今日もクレープを注文するのか。まあ、昨日のデートはいちごクレープを注文したし、俺が一口あげたチョコバナナクレープを美味しいと言っていたもんな。
「あと、執事さんをお持ち帰りしたいです……」
結衣はうっとりとした様子で俺のことを見つめながらそう言った。
俺をお持ち帰りしたい……か。うっとりしているのを含めて非常に結衣らしいと思う。俺と同じことを思ったのか、伊集院さんや福王寺先生、接客係の生徒達の何人かがクスッと笑った。
他のお客様がいるし、ここはちゃんと対処しないとな。
「結衣お嬢様は私のことを大変気に入ってくださっているのですね。執事としてとても嬉しいです。ありがとうございます。ただ、申し訳ございませんが、当店では従業員をお持ち帰りするサービスは提供しておりません」
結衣の目を見ながら、執事らしい落ち着いた口調でお断りの言葉を言った。それが良かったのか、結衣は依然としてうっとりとした様子で、
「はい……」
と言った。
ただ、結衣からのお持ち帰り注文は魅力的に思えて。なので、俺はゆっくりと顔を近づけて、
「これがお持ち帰りになるかどうかは分からないけど……文化祭が終わったら、お家デートかお泊まりをするか? 火曜日からは文化祭の代休で3連休だし」
と、結衣に耳打ちする。
そう。この週末は3連休で、明日の月曜日は祝日だ。ただ、明日は文化祭の後片付けで登校することになっている。なので、明後日の火曜日から木曜日までの3日間は代休で学校がお休みなのだ。
俺も結衣も家でゆっくり過ごすのは好きで、お家デートは定番だ。また、お泊まりは2学期になってからは一度もしていない。3連休を控えているのもあり、お家デートやお泊まりを提案したのだ。
俺からの提案に魅力的に思ったのだろう。結衣の笑顔は明るいものになり、キラキラと輝かせた目で俺を見つめてくる。至近距離で見つめられているから、凄くキュンとなる。
耳貸して、と小声で言ってきたので、俺は結衣に耳を近づける。
「お持ち帰りになるよ。だって、家で悠真君と一緒にいられるんだもん。……悠真君とお泊まりしたいな。明日の夜……クラスの打ち上げの後にさっそく。ただ、最後にお泊まりしたのは私の家だから、悠真君のお家がいいな。大丈夫かな?」
と、結衣は甘い声で俺に耳打ちしてきた。俺の提案を受け入れ、お泊まりしたいと言ってくれることがとても嬉しい。お持ち帰りになると思ってくれることも。頬が緩んでいくのが分かった。
「俺は大丈夫だ。ただ、明日の夜のことだから、休憩のときにさっそく、結衣が泊まりに来てもいいかどうか家族にメッセージしてみるよ」
俺は結衣に耳打ちした。
「うん、分かった。私も悠真君の家に泊まりに行ってもいいかどうか親に訊いてみるね。これまで何度もお泊まりしているから、たぶん大丈夫だと思うけど」
結衣はそう耳打ちしてきた。お互いに許可が出るといいな。
「……ねえ、悠真君」
「うん」
「さっきはごめんね。執事姿の悠真君が凄くかっこいいし、執事さんらしく接客してくれるのがキュンとなったから、悠真君をお持ち帰りしたいって言っちゃったの。困らせちゃったならごめんね」
と、お持ち帰り注文したことを謝ってきた。お持ち帰り注文をした理由も結衣らしいな。本当に可愛い。
「全然気にしてないよ。可愛いなって思ったし」
俺がそう耳打ちすると、結衣はほっとした様子になる。
「良かった。あと、優しい言葉で断ってくれたから、それにもキュンってなったよ」
結衣は可愛らしい声でそう言ってきた。そして、顔を離すと俺にニコッと笑顔を見せてくれて。
お持ち帰りの注文を断っても結衣はうっとりし続けていたけど、キュンとなっていたからだったのか。
「ふふっ、2人とも楽しそうなのです」
伊集院さんは両手で頬杖をつきながら、笑顔で俺達のことを見ていた。そうだ、今は注文の途中だったんだった。それに、文化祭とはいえ、接客中に恋人とデートやお泊まりに誘うのは良くなかったかも。
「申し訳ございません、姫奈お嬢様。結衣お嬢様と話し込んでしまいました」
「ごめんね、姫奈ちゃん」
「いえいえ。お二人が楽しそうにしていたときもありましたし、それを見られてあたしは嬉しいのです。なので、お気になさらず」
伊集院さんはいつもの可愛らしい笑顔でそう言ってくれる。きっと、本心からの言葉なのだろう。
「ありがとうございます。……では、注文を確認いたします。姫奈お嬢様はいちごクレープお一つとアイスコーヒーをお一つ。シロップをお一つ。結衣お嬢様はチョコバナナクレープお一つとアイスティーをお一つ。シロップとミルクをお一つずつ。以上でよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫なのです」
「大丈夫だよ」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。メニュー表をお下げします」
結衣と伊集院さんに向かって軽く頭を下げ、メニュー表を手に取る。結衣と伊集院さんからの注文を伝えるためにバックヤードへ。
「10番テーブル、注文入りました! いちごクレープ1つ、アイスティー1つ、チョコバナナクレープ1つ、アイスコーヒー1つです。ガムシロップ2つとミルクを1つ付けてください」
注文されたメニューを伝えると、調理係のクラスメイト達は「はい!」と元気良く返事してくれた。
文化祭前の練習や文化祭1日目で経験を積んだのか、調理係のクラスメイト達は落ち着いた様子で注文を受けたメニューを用意していく。クレープを作る手つきは慣れた感じなので、つい見入ってしまう。
「10番テーブル、いちごクレープ1つ、アイスティー1つ、チョコバナナクレープ1つ、アイスコーヒー1つできました! ガムシロップ2つとミルク1つも用意しました」
調理係の女子生徒が俺に向かってそう言った。
「ありがとうございます。運びます」
俺は用意されたドリンクやスイーツが乗ったトレーを持って、バックヤードを出る。結衣と伊集院さんのいるテーブルに向かう。
「お待たせしました、お嬢様方。いちごクレープにアイスティー、チョコバナナクレープにアイスコーヒーになります」
「ありがとう、悠真君」
「どうもなのです」
俺は結衣と伊集院さんが注文したドリンクとスイーツをテーブルに置く。ガムシロップやミルクも。伝票を伝票立てに入れた。また、その間に福王寺先生がこのテーブルやってきた。きっと、おまじないをかけるためだろう。
「では、私達が心を込めて、ドリンクやスイーツがもっと美味しくなるおまじないをかけさせていただきます」
「お願いしますっ!」
結衣はワクワクとした様子で言う。おまじないをかけてもらうのを楽しみにしていたのだろう。
「執事とメイドではかけ方が違いますので、まずは私から」
俺はテーブルに向けて右手の人差し指を指して、
「美味しくなーれ」
指をクルクルと回しながらおまじないをかけた。
「うんっ! いいよ、悠真君! もっと美味しそうに見えるよ」
「良かったのです!」
結衣と伊集院さんは笑顔でそう言い、パチパチと拍手する。特に結衣は嬉しそうにしていて。満足してもらえたようで良かった。
「ありがとうございます」
「では、次は私が」
福王寺先生は両手でハートの形を作り、
「美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えきゅん!」
可愛い笑顔と声でおまじないをかけた。結衣と伊集院さんが相手だからか、これまで以上に可愛らしい感じがした。
「杏樹先生可愛い! もっともっと美味しそうに見えますよ!」
「ですね!」
さっき俺がおまじないをかけたときと同じように、結衣と伊集院さんはパチパチと拍手しながら感想を言った。福王寺先生も可愛いけど、喜んでいる2人も可愛いぞ。
「ありがとうございますっ!」
うふふっ、と福王寺先生は声に出して笑って。その姿もまた可愛らしい。
「では、ごゆっくり」
「ごゆっくり」
俺と福王寺先生は軽く頭を下げて、他のテーブルや来店された方の接客業務に戻っていく。
業務に戻ってから程なくして、
「う~ん! チョコバナナクレープ美味しい!」
「いちごクレープ美味しいのです!」
「美味しいよねっ」
結衣と伊集院さんは幸せそうな様子でクレープを食べていて。その姿を見ていると気持ちが癒やされていく。そして、この喫茶店の人間として嬉しい気持ちになる。
結衣と伊集院さんを見ながら俺は接客係の仕事をしていく。お客様の中に恋人と友達がいるといつも以上にやる気になるな。また、結衣と伊集院さんと視線が合うこともあり、お互いに小さく手を振ることもあった。
20分ほどして、結衣と伊集院さんが席を立った。結衣は伝票を持っている。お店を後にするんだな。
俺はレジへと向かい、結衣と伊集院さんの会計作業をした。
「とても楽しかったよ、悠真君!」
「いい時間だったのです」
「お嬢様方にそう言ってもらえてとても嬉しいです。私もお嬢様方に接客できてとても楽しかったです」
「良かったよ!」
「良かったのです」
結衣と伊集院さんはニッコリとした笑顔でそう言った。
「素敵な接客をしてくれたお礼だよ。ありがとう」
そう言い、結衣は俺の頭を優しく撫でてくれた。結衣の笑顔は優しいものに変わっていて。可愛いし、頭を撫でられるのが気持ちいいから、自然と頬が緩んでいくのが分かった。
「ありがとうございます。結衣お嬢様に素敵なお礼をしていただいて嬉しいです」
「うんっ」
ニコッとした笑顔で返事をすると、結衣は俺の頭をポンポンと優しく叩いてくれた。それもまた気持ち良かった。
「……そうだ。家族にお泊まりしていいかどうか訊いたら、悠真君のお家がOKならいいよって返事をもらったよ」
「良かったです、結衣お嬢様」
あとは俺の方がOKをもらえればお泊まり決定だな。
「結衣からお泊まりの件を聞いたのです。低田君の方もOKが出るといいですね」
「ありがとうございます、姫奈お嬢様。休憩のときに訊いてみますね」
「うんっ。この後、姫奈ちゃんと一緒に胡桃ちゃんのクラスのお化け屋敷に行くよ。姫奈ちゃんとは行っていないし、今は胡桃ちゃんがシフトに入っているから」
「そうですか。……頑張ってください。結衣お嬢様は昨日、たくさん叫んでいましたから」
「ふふっ、ありがとう。結構怖かったからねぇ。ただ、2回目だから昨日に比べれば怖くないと思う。それに、姫奈ちゃんは悠真君と同じで心霊系は平気だからね」
と、結衣は穏やかな笑顔で言う。まあ、昨日の俺との文化祭デートでお化け屋敷に行っているから、どのタイミングでどんな驚かし方をしてくるのか分かっているもんな。1日目から変更している箇所がある可能性もありそうだけど。
「いつでもあたしの腕にしがみついてください」
「うんっ」
伊集院さんが一緒なら何とかお化け屋敷を廻れそうかな。
俺達が話していると、福王寺先生が俺達のところでやってきた。なので、先生と一緒にお見送りの言葉を言うことに。俺が「せーの」と言い、
『いってらっしゃいませ、お嬢様方』
と、声を揃えてお見送りの言葉を言った。
「いってきます! この後のシフトで会いましょうね、悠真君、杏樹先生」
「またです、低田君、杏樹先生」
結衣と伊集院さんは満足そうな様子で喫茶店を後にした。
それからも執事として、来店されるお客様に接客業務をしていく。
また、結衣と伊集院さんがお店を後にしてから数分ほどして、福王寺先生はスイーツ部の屋台の様子を見に行くために教室を後にした。
接客しながらさりげなく窓から屋台街の様子を見ると、スイーツ部の屋台の近くにいるメイド服姿の福王寺先生を発見。今日も文化祭中はメイド服姿で通すかもしれない。俺の弾き語りライブを見るときにも。
そして、結衣と伊集院さんがお店を出てから20分くらいが経ち、お客様からのメニューを調理係の生徒達に伝えたタイミングで、2人がメイド服を持っていくために教室後方の扉からバックヤードに入ってきた。結衣の顔色があまりよろしくない。伊集院さんは普段と変わらない笑顔だけど。
「2人ともおかえり。その様子だと……お化け屋敷に行ってきたんだな」
「……うん。2度目だし、仕掛けも昨日とあまり変わりなかったけど、胡桃ちゃん担当の壁から突然手が出る仕掛け以外は全部怖かった……」
「最初にお化け役の男子生徒と出くわした直後から、結衣はずっとあたしの腕にしがみついていたのですよ」
「姫奈ちゃんと一緒で良かったよ……」
昨日のデートでは結衣が俺の腕にしがみついていたから、お化け屋敷にいるときの2人の様子が容易に思い浮かぶよ。
「結衣、お疲れ様」
俺は手袋を外して、結衣の頭を優しく撫でる。
撫でられるのが気持ちいいのか、結衣の顔に柔らかい笑みが浮かぶ。段々と顔色も良くなってきて。これなら、この後シフトに入って、メイドとして接客しても大丈夫そうかな。
「ありがとう、悠真君。元気出てきた」
「良かった」
「じゃあ、姫奈ちゃんと一緒にメイド服に着替えてくるね」
「いってきます」
「ああ。いってらっしゃい」
結衣と伊集院さんはメイド服を持ち、元気な様子でバックヤードを後にしたのであった。
□後書き□
読んでいただきありがとうございます。
(2024.10.31 AM2:00過ぎ)
悠真が結衣にお泊まりを提案し、結衣が承諾するところの部分について、少し修正と加筆をしました。宜しくお願いします。
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