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ユナユナ
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『ユナユナ』
私には一個上のお姉ちゃんがいます。
お姉ちゃんは勉強も運動も得意で、とても綺麗な人です。才色兼備というのはお姉ちゃんのような人のことを言うんだと思います。だから、お姉ちゃんは性別問わずによく告白されます。私とは真逆の人です。
そして、お姉ちゃんは自分にも他人にも厳しい人です。
私はお姉ちゃんに勉強を教えてもらうことが多いのですが、勉強があまりできない私はいつもお姉ちゃんに怒られています。
「まったく、手間の掛かる妹ね……」
それがお姉ちゃんの口癖でした。
ただ、そんなことを言いつつも、最後まで私の面倒を見てくれるお姉ちゃんのことが大好きです。姉としてはもちろん、一人の女性として。だから、
「お姉ちゃんには好きな人がいるのかな」
ということが気になって。
ある日、友達からお姉ちゃんは既に好きな人がいると聞きました。そのことを知った瞬間から、お姉ちゃんが好きな人は誰なのかという問いが頭から離れませんでした。それは、お姉ちゃんから勉強を教えてもらっているときも。
「お姉ちゃん、分からないことがあるんだけれど」
「……何かしら?」
「お姉ちゃんの……好きな人って誰なのか教えて欲しいの」
勇気を出してお姉ちゃんの好きな人は誰なのか訊いてみました。
すると、その瞬間……お姉ちゃんの顔は真っ赤になって、私のことをじっと見るようになりました。凛と咲いていた花から甘い香りがしたように思えました。
「……あ、あなたに決まっているじゃない。気付かなかったの?」
お姉ちゃんからそう言われたとき、胸がキュンとなりました。そして、綺麗だと思っていたお姉ちゃんが初めてこんなにも可愛らしいと思えました。
「まったく、手間の掛かる妹ね」
そう言うと、お姉ちゃんは私にそっとキスしてきました。流れるようにして、ファーストキスをお姉ちゃんにあげてしまいました。嬉しかったけど、驚きの方が強くて。
「あなたに好きな人がいたとしても、私は絶対にあなたの恋人になってみせるから」
その言葉にお姉ちゃんの優しさが滲み出ていると思いました。普通なら「自分の恋人にしてみせる」って言うところなのに。
「……す、好きな人はいるよ」
「えっ……」
ちょっと悲しそうな様子で、お姉ちゃんは声を漏らします。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私の好きな人はお姉ちゃんだよ。私もお姉ちゃんのことが好きです」
いつかは言いたいと思っていた告白。
言おうと思っていた告白。
ただ、いつも……言ったらどうなるのかが恐くて言えなかったんです。
お姉ちゃんから好きだと言われるときが来るとは思わなかったから、本当に驚いて。夢なんじゃないかと思って。だから、すんなりと好きだと言えてしまいました。
「ありがとう。もう、一生離さないよ」
「うん……」
お姉ちゃんは私のことを優しく抱きしめました。そんなことは久しぶりで嬉しさよりも懐かしさの方が強かったです。お姉ちゃんの優しい温かさと匂いに包まれているこの感覚。やっぱり、いいな。ずっと味わっていたい。
「ねえ、えっちしようよ」
「……いいよ、お姉ちゃん」
お姉ちゃんに誘われたので、お互いに裸になってベッドの上で体を重ねてみました。
女の子同士でも色々とできることは、漫画で読んでいたので知っていました。だから……なのかな。
「うんっ、気持ちいいよ……」
「……お姉ちゃん、可愛い」
「もっと、お姉ちゃんのことを感じてほしいな。感じてよ」
「……まったく、手間の掛かるお姉ちゃんだね」
「だって、好きなんだもん……あっ」
いつもだったら、お姉ちゃんに手を引かれているのに、今は私がお姉ちゃんの手を引いていました。
こんなにも甘えているお姉ちゃんは初めてです。本当に可愛い。もっとお姉ちゃんを感じたくなります。
「私達、いけないことをしたのかな。女の子同士なのに。ましてや姉妹なのに」
「そんなことないよ、お姉ちゃん」
「……ずっと一緒にいられるよね」
「いられるよ。だって、今まで……私が生まれてからずっとお姉ちゃんは私の側にいたじゃない」
「……そうだったね」
今までは姉妹という関係を持って一緒に過ごしていました。これからは恋人という関係が増えるだけ。それだけのことじゃないですか。頭がとてもいいお姉ちゃんがそんなことも分からないなんて。きっと、今までと変わりなく一緒にいることができますよ。
今までも。今も。これからも。
私はお姉ちゃんの一番近くで生きています。そして、一番愛しています。
『ユナユナ』 おわり
私には一個上のお姉ちゃんがいます。
お姉ちゃんは勉強も運動も得意で、とても綺麗な人です。才色兼備というのはお姉ちゃんのような人のことを言うんだと思います。だから、お姉ちゃんは性別問わずによく告白されます。私とは真逆の人です。
そして、お姉ちゃんは自分にも他人にも厳しい人です。
私はお姉ちゃんに勉強を教えてもらうことが多いのですが、勉強があまりできない私はいつもお姉ちゃんに怒られています。
「まったく、手間の掛かる妹ね……」
それがお姉ちゃんの口癖でした。
ただ、そんなことを言いつつも、最後まで私の面倒を見てくれるお姉ちゃんのことが大好きです。姉としてはもちろん、一人の女性として。だから、
「お姉ちゃんには好きな人がいるのかな」
ということが気になって。
ある日、友達からお姉ちゃんは既に好きな人がいると聞きました。そのことを知った瞬間から、お姉ちゃんが好きな人は誰なのかという問いが頭から離れませんでした。それは、お姉ちゃんから勉強を教えてもらっているときも。
「お姉ちゃん、分からないことがあるんだけれど」
「……何かしら?」
「お姉ちゃんの……好きな人って誰なのか教えて欲しいの」
勇気を出してお姉ちゃんの好きな人は誰なのか訊いてみました。
すると、その瞬間……お姉ちゃんの顔は真っ赤になって、私のことをじっと見るようになりました。凛と咲いていた花から甘い香りがしたように思えました。
「……あ、あなたに決まっているじゃない。気付かなかったの?」
お姉ちゃんからそう言われたとき、胸がキュンとなりました。そして、綺麗だと思っていたお姉ちゃんが初めてこんなにも可愛らしいと思えました。
「まったく、手間の掛かる妹ね」
そう言うと、お姉ちゃんは私にそっとキスしてきました。流れるようにして、ファーストキスをお姉ちゃんにあげてしまいました。嬉しかったけど、驚きの方が強くて。
「あなたに好きな人がいたとしても、私は絶対にあなたの恋人になってみせるから」
その言葉にお姉ちゃんの優しさが滲み出ていると思いました。普通なら「自分の恋人にしてみせる」って言うところなのに。
「……す、好きな人はいるよ」
「えっ……」
ちょっと悲しそうな様子で、お姉ちゃんは声を漏らします。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私の好きな人はお姉ちゃんだよ。私もお姉ちゃんのことが好きです」
いつかは言いたいと思っていた告白。
言おうと思っていた告白。
ただ、いつも……言ったらどうなるのかが恐くて言えなかったんです。
お姉ちゃんから好きだと言われるときが来るとは思わなかったから、本当に驚いて。夢なんじゃないかと思って。だから、すんなりと好きだと言えてしまいました。
「ありがとう。もう、一生離さないよ」
「うん……」
お姉ちゃんは私のことを優しく抱きしめました。そんなことは久しぶりで嬉しさよりも懐かしさの方が強かったです。お姉ちゃんの優しい温かさと匂いに包まれているこの感覚。やっぱり、いいな。ずっと味わっていたい。
「ねえ、えっちしようよ」
「……いいよ、お姉ちゃん」
お姉ちゃんに誘われたので、お互いに裸になってベッドの上で体を重ねてみました。
女の子同士でも色々とできることは、漫画で読んでいたので知っていました。だから……なのかな。
「うんっ、気持ちいいよ……」
「……お姉ちゃん、可愛い」
「もっと、お姉ちゃんのことを感じてほしいな。感じてよ」
「……まったく、手間の掛かるお姉ちゃんだね」
「だって、好きなんだもん……あっ」
いつもだったら、お姉ちゃんに手を引かれているのに、今は私がお姉ちゃんの手を引いていました。
こんなにも甘えているお姉ちゃんは初めてです。本当に可愛い。もっとお姉ちゃんを感じたくなります。
「私達、いけないことをしたのかな。女の子同士なのに。ましてや姉妹なのに」
「そんなことないよ、お姉ちゃん」
「……ずっと一緒にいられるよね」
「いられるよ。だって、今まで……私が生まれてからずっとお姉ちゃんは私の側にいたじゃない」
「……そうだったね」
今までは姉妹という関係を持って一緒に過ごしていました。これからは恋人という関係が増えるだけ。それだけのことじゃないですか。頭がとてもいいお姉ちゃんがそんなことも分からないなんて。きっと、今までと変わりなく一緒にいることができますよ。
今までも。今も。これからも。
私はお姉ちゃんの一番近くで生きています。そして、一番愛しています。
『ユナユナ』 おわり
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