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続編
第29話『ラストバス』
夕ご飯を食べた後、食事の後片付けは桐生3きょうだいでやり、食卓とテーブルの掃除を白鳥3姉妹でやることにした。
「まさか、平成最後の食事の後片付けを、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にやることになるとは思わなかったよ」
「そうね。それをゆーくんと美優ちゃんの家でやるっていうのも予想外よね」
「俺だって想像しなかったさ。それに、2人や朱莉ちゃん、葵ちゃんが電話をかけてこなかったら……ここまで賑わった平成最後の日を過ごすこともなかったんじゃないか」
「そうだね」
おそらく、美優先輩と2人きりで静かにゆっくりと過ごしたか、風花や花柳先輩、霧嶋先生、あけぼの荘の人達とのんびりと過ごしていたんじゃないかと思う。
「4人が泊まりに来てくれて良かったと思ってるよ」
「ゆーくんがそう言ってくれて良かった」
「あたしもここに来て良かったよ。朱莉ちゃんや美優さん、葵ちゃんはもちろん、風花さんや瑠衣さんとかお友達がたくさんできて。そんな人達と平成最後の思い出を作ることができて良かったよ」
「お姉ちゃんも可愛い女の子達と知り合うことができて嬉しいわ」
「2人がそう言ってくれて嬉しいよ。俺が言うのも何だけど、これからも美優先輩達と仲良くしてほしい」
「もちろんだよ! お兄ちゃん!」
「喜んで」
雫姉さんと心愛は張り切った様子で食器洗いをしている。美優先輩達も、いい出会いだったと思ってくれていたら嬉しいな。
夕食の後片付けや部屋の掃除が終わった後、美優先輩の淹れた日本茶を飲みながらお風呂のことについて話し合う。
その結果、今日は平成最後ということもあってなのか、朱莉ちゃんと葵ちゃん、雫姉さんと心愛、最後に美優先輩と俺が入浴することになった。
また、花柳先輩は風花の家で泊まるので、風花と一緒に風花の家のお風呂に入り、霧嶋先生は改元した後に帰宅してからゆっくりと入浴するつもりだという。
俺は美優先輩と一緒にお風呂に入るまで、お互いのアルバムを見たり、テレビで放映されている改元関連の特番を見たりした。
午後9時半過ぎ。
雫姉さんと心愛の入浴が終わったので、美優先輩と俺は着替えを持ってさっそく洗面所へ向かう。
服を脱ぐ前に、洗面所や浴室に何か仕掛けられていないかを確認するけど……何もなかった。直前に入浴したのが雫姉さんなので、隠しカメラや盗聴器のようなものを仕掛けているかと思ったけど、そんなことはなかったようだ。それを美優先輩に話したら、さすがに先輩も苦笑いをしていた。
「今日も髪を洗ったり、背中を流したりするからね」
「ありがとうございます。では、俺も美優先輩の髪と背中を洗いますね」
「うんっ! ありがとう!」
とても嬉しそうに言ってくれると、今夜はより張り切っちゃうな。
浴室に入ると、さっきまで雫姉さんや心愛が入っていたからか、ボディーソープの甘い匂いを感じる。
「今日は先に美優先輩の髪と背中を洗いますね」
「ありがとう、由弦君。じゃあ、お願いします」
俺は美優先輩の髪を洗い、その後に先輩の背中を流していく。
俺の洗い方がいいのか、美優先輩は何度も「気持ちいい」と言ってくれる。それがとても嬉しかった。
美優先輩が体を洗い終わった後、今度は俺の方が先輩に髪や背中を洗ってもらう。
技術的な意味では、これまで数え切れないほどに髪や背中を洗ってくれた雫姉さんや心愛には劣るかもしれないけれど、美優先輩からは2人以上の優しさを感じられて。だからなのか、2人が洗ってくれたときよりも気持ち良く感じた。
背中を洗ってもらった後、俺は自分で前の方を洗っていく。その間、美優先輩は湯船に浸かりながら鼻歌を歌っていた。
「美優先輩、失礼します」
「はーい。どうぞー」
体を洗い終えた俺は、美優先輩が浸かっている湯船にゆっくりと入る。
「あぁ、温かくて気持ちいいです」
「今日は寒いから本当に気持ちいいよね。ますます大晦日って感じがする」
「ですね」
きっと、今年の大晦日になったら今日のことを思い出すんだろうな。一緒に年越しそばを食べたり、お風呂に入ったりするときに。
「昨日、この湯船に雫姉さんと心愛と3人一緒で入ったからか、今はゆったりと感じますね」
「私もそう思うよ。朱莉と葵と3人で入ったから。私達3人でも結構ギリギリだったのに、由弦君達も3人で入ることができたんだね」
「ええ。雫姉さんと心愛がぎゅっと抱きしめ合ったので、何とか入ることができたって感じです」
「へえ、そうだったんだ」
ふふっ、と美優先輩は笑っている。
白鳥3姉妹でさえギリギリだったのか。そう考えると、桐生3きょうだいはよく一緒に入ることができたなと思う。
「ただ、このお風呂に一緒に入るのは、やっぱり美優先輩が一番いいですね」
「……私も。一緒に入るのは由弦君が一番いいなって思う。由弦君、脚を伸ばしてくれるかな。由弦君のことを抱きしめたいの」
「分かりました」
美優先輩の言う通りに脚を伸ばすと、先輩は俺のことをそっと抱きしめてきた。
「あぁ、由弦君を抱きしめるとより気持ちいい」
「俺も気持ちいいですよ。あと、体育座りをして入浴しているとちょっと狭さも感じますけど、今はこうして脚を伸ばしているからかとてもゆったりと感じます。体育座りのときとは違って、美優先輩と触れている面積はずっと広いのに。不思議ですよね」
「ふふっ、確かにそうだね。私も今の方がゆったりと入浴できている感じがする。多分、それは……こうして由弦君と抱きしめ合うことが好きだからだと思うんだ。あと、お湯の温かさはいつか嫌になってのぼせちゃうけれど、由弦君の温かさはとても心地良くてずっと触れていたいって思うの」
「美優せんぱ――」
美優先輩はそっとキスをしてくる。湯船に浸かって、先輩の肌からも温もりを感じているけど、先輩の唇から伝わる温もりは強くて優しいなと思う。
先輩はゆっくりと唇を離すと、俺のことを見つめながら先輩らしい優しい笑顔を見せる。
「それに、抱きしめ合っていると、こうしていつでも由弦君とキスできるから……好き」
「……反則ですよ。可愛すぎます」
今度は俺の方からキスする。そのとき、美優先輩の体を強く抱きしめる。
平成最後の日はとても寒かった。だからこそ、人の温もりをより大切に感じる一日でもあった。特に美優先輩の温もりは離したくないと。
ゆっくりと唇を離すと、さっきと違って美優先輩はうっとりとした様子で俺のことを見つめた。
「お風呂の中でするキスはいつも以上にドキドキしちゃうね」
「ええ。それだけではなく幸せな気持ちをもらえます。平成最後のお風呂を美優先輩と一緒に入ることができて良かったです」
「私もだよ、由弦君。令和になっても、一緒にお風呂にたくさん入ろうね」
「もちろんです」
「……約束だよ」
再び美優先輩の方からキスしてくる。
お風呂の話題になると、今度行く旅行のことを思い浮かぶ。ただ、宿泊するホテルにある温泉には残念ながら混浴はない。貸切の温泉もあるそうだけど、公式のホームページを確認したら俺達が泊まる日は予約でいっぱいのようだ。部屋のお風呂に一緒に入りたいと思っている。
「由弦君。まだちょっとだけ時間があるけど、平成の間もお世話になりました。1ヶ月ちょっとだけど、由弦君と出会って、一緒に住むことができて良かった。恋人にもなれて。幸せな締めくくりになりそうだよ」
「俺もです。引っ越ししてきたときから、人生って本当に何が起こるか分からないと思うことが何度もあって。こうして美優先輩と恋人になって、同棲して、一緒にお風呂に入っていることもそうです。令和になったら、そういったことがもっとあると思います。……ずっと一緒にいましょうね。夕食のときに話した通り、夫婦という関係になっているとよりいいですね」
「うん!」
「美優先輩。平成の間はお世話になりました。令和になってもよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします、由弦君」
美優先輩からキスしてくる。何度キスしても飽きるということはなく、毎度のこと幸せと新鮮なドキドキをもたらしてくれる。平成の間に、先輩のおかげで学べたことの一つだ。
それから少しの間、美優先輩と俺は抱きしめ続けながら、平成最後の入浴を楽しむのであった。
「まさか、平成最後の食事の後片付けを、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にやることになるとは思わなかったよ」
「そうね。それをゆーくんと美優ちゃんの家でやるっていうのも予想外よね」
「俺だって想像しなかったさ。それに、2人や朱莉ちゃん、葵ちゃんが電話をかけてこなかったら……ここまで賑わった平成最後の日を過ごすこともなかったんじゃないか」
「そうだね」
おそらく、美優先輩と2人きりで静かにゆっくりと過ごしたか、風花や花柳先輩、霧嶋先生、あけぼの荘の人達とのんびりと過ごしていたんじゃないかと思う。
「4人が泊まりに来てくれて良かったと思ってるよ」
「ゆーくんがそう言ってくれて良かった」
「あたしもここに来て良かったよ。朱莉ちゃんや美優さん、葵ちゃんはもちろん、風花さんや瑠衣さんとかお友達がたくさんできて。そんな人達と平成最後の思い出を作ることができて良かったよ」
「お姉ちゃんも可愛い女の子達と知り合うことができて嬉しいわ」
「2人がそう言ってくれて嬉しいよ。俺が言うのも何だけど、これからも美優先輩達と仲良くしてほしい」
「もちろんだよ! お兄ちゃん!」
「喜んで」
雫姉さんと心愛は張り切った様子で食器洗いをしている。美優先輩達も、いい出会いだったと思ってくれていたら嬉しいな。
夕食の後片付けや部屋の掃除が終わった後、美優先輩の淹れた日本茶を飲みながらお風呂のことについて話し合う。
その結果、今日は平成最後ということもあってなのか、朱莉ちゃんと葵ちゃん、雫姉さんと心愛、最後に美優先輩と俺が入浴することになった。
また、花柳先輩は風花の家で泊まるので、風花と一緒に風花の家のお風呂に入り、霧嶋先生は改元した後に帰宅してからゆっくりと入浴するつもりだという。
俺は美優先輩と一緒にお風呂に入るまで、お互いのアルバムを見たり、テレビで放映されている改元関連の特番を見たりした。
午後9時半過ぎ。
雫姉さんと心愛の入浴が終わったので、美優先輩と俺は着替えを持ってさっそく洗面所へ向かう。
服を脱ぐ前に、洗面所や浴室に何か仕掛けられていないかを確認するけど……何もなかった。直前に入浴したのが雫姉さんなので、隠しカメラや盗聴器のようなものを仕掛けているかと思ったけど、そんなことはなかったようだ。それを美優先輩に話したら、さすがに先輩も苦笑いをしていた。
「今日も髪を洗ったり、背中を流したりするからね」
「ありがとうございます。では、俺も美優先輩の髪と背中を洗いますね」
「うんっ! ありがとう!」
とても嬉しそうに言ってくれると、今夜はより張り切っちゃうな。
浴室に入ると、さっきまで雫姉さんや心愛が入っていたからか、ボディーソープの甘い匂いを感じる。
「今日は先に美優先輩の髪と背中を洗いますね」
「ありがとう、由弦君。じゃあ、お願いします」
俺は美優先輩の髪を洗い、その後に先輩の背中を流していく。
俺の洗い方がいいのか、美優先輩は何度も「気持ちいい」と言ってくれる。それがとても嬉しかった。
美優先輩が体を洗い終わった後、今度は俺の方が先輩に髪や背中を洗ってもらう。
技術的な意味では、これまで数え切れないほどに髪や背中を洗ってくれた雫姉さんや心愛には劣るかもしれないけれど、美優先輩からは2人以上の優しさを感じられて。だからなのか、2人が洗ってくれたときよりも気持ち良く感じた。
背中を洗ってもらった後、俺は自分で前の方を洗っていく。その間、美優先輩は湯船に浸かりながら鼻歌を歌っていた。
「美優先輩、失礼します」
「はーい。どうぞー」
体を洗い終えた俺は、美優先輩が浸かっている湯船にゆっくりと入る。
「あぁ、温かくて気持ちいいです」
「今日は寒いから本当に気持ちいいよね。ますます大晦日って感じがする」
「ですね」
きっと、今年の大晦日になったら今日のことを思い出すんだろうな。一緒に年越しそばを食べたり、お風呂に入ったりするときに。
「昨日、この湯船に雫姉さんと心愛と3人一緒で入ったからか、今はゆったりと感じますね」
「私もそう思うよ。朱莉と葵と3人で入ったから。私達3人でも結構ギリギリだったのに、由弦君達も3人で入ることができたんだね」
「ええ。雫姉さんと心愛がぎゅっと抱きしめ合ったので、何とか入ることができたって感じです」
「へえ、そうだったんだ」
ふふっ、と美優先輩は笑っている。
白鳥3姉妹でさえギリギリだったのか。そう考えると、桐生3きょうだいはよく一緒に入ることができたなと思う。
「ただ、このお風呂に一緒に入るのは、やっぱり美優先輩が一番いいですね」
「……私も。一緒に入るのは由弦君が一番いいなって思う。由弦君、脚を伸ばしてくれるかな。由弦君のことを抱きしめたいの」
「分かりました」
美優先輩の言う通りに脚を伸ばすと、先輩は俺のことをそっと抱きしめてきた。
「あぁ、由弦君を抱きしめるとより気持ちいい」
「俺も気持ちいいですよ。あと、体育座りをして入浴しているとちょっと狭さも感じますけど、今はこうして脚を伸ばしているからかとてもゆったりと感じます。体育座りのときとは違って、美優先輩と触れている面積はずっと広いのに。不思議ですよね」
「ふふっ、確かにそうだね。私も今の方がゆったりと入浴できている感じがする。多分、それは……こうして由弦君と抱きしめ合うことが好きだからだと思うんだ。あと、お湯の温かさはいつか嫌になってのぼせちゃうけれど、由弦君の温かさはとても心地良くてずっと触れていたいって思うの」
「美優せんぱ――」
美優先輩はそっとキスをしてくる。湯船に浸かって、先輩の肌からも温もりを感じているけど、先輩の唇から伝わる温もりは強くて優しいなと思う。
先輩はゆっくりと唇を離すと、俺のことを見つめながら先輩らしい優しい笑顔を見せる。
「それに、抱きしめ合っていると、こうしていつでも由弦君とキスできるから……好き」
「……反則ですよ。可愛すぎます」
今度は俺の方からキスする。そのとき、美優先輩の体を強く抱きしめる。
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ゆっくりと唇を離すと、さっきと違って美優先輩はうっとりとした様子で俺のことを見つめた。
「お風呂の中でするキスはいつも以上にドキドキしちゃうね」
「ええ。それだけではなく幸せな気持ちをもらえます。平成最後のお風呂を美優先輩と一緒に入ることができて良かったです」
「私もだよ、由弦君。令和になっても、一緒にお風呂にたくさん入ろうね」
「もちろんです」
「……約束だよ」
再び美優先輩の方からキスしてくる。
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「うん!」
「美優先輩。平成の間はお世話になりました。令和になってもよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします、由弦君」
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