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続編
第57話『一番のサポートは。』
大浴場で朝風呂を楽しんだ後、美優先輩と俺は部屋に戻り、集合時間になる直前までテレビを観たり、バルコニーで海を眺めたりしながらゆっくりと過ごした。
午前6時55分。
待ち合わせ場所のエレベーターホールへ行くと、そこには既に風花と花柳先輩の姿が。
「美優、桐生君、おはよう」
「由弦、美優先輩、おはようございます」
「2人とも、おはよう」
「おはようございます」
昨日の朝、2人はギリギリだったから、今日は早く来たのかな。
「瑠衣ちゃんと風花ちゃん、今日は早く来たんだね」
「うん。昨日は観光したり、プールに入ったりしたからね。夜もブランデー入りのケーキを食べたり、花火で『たまやー!』って叫んだりしたから、2人が帰ったら眠くなっちゃって。一昨日に比べると、だいぶ早く寝たよね」
「ですね。早く寝たので、今日は5時半に目が覚めました。瑠衣先輩も起きていたので、昨日の朝は入れなかった朝風呂に一緒に入りました。岩風呂も気持ち良かったですよね」
「うんっ! 結構熱かったから、よりシャキッとしたよね」
2人も朝風呂に入って、あの熱い岩風呂を体験したのか。熱い温泉に浸かったら、花柳先輩の言うようにシャキッとするか。
「ふふっ、そうだったんだ。私も由弦君と一緒に今日も朝風呂に行ったんだけど、6時10分くらいだったから2人とは会わなかったんだね」
「あたし達は6時過ぎに部屋に戻ったの。それからはベッドの上でゴロゴロしてゆっくりしたよね」
「ですね。ところで、由弦と美優先輩は花火の後は何をしたんですか? だいたいの想像はついていますけど」
だからなのか、微笑んでいる風花の頬はほのかに赤くなっている。そんな風花の頬の赤みがうつったかのように、美優先輩や花柳先輩の顔も赤くなっていく。その様子を見ていたら、俺も顔や体が熱くなってきたぞ。きっと、みんなと同じように顔が赤くなっているんだろうな。
美優先輩は風花と俺を交互に見る。
「……あ、愛情行為だね」
「……そ、それが簡潔で適切な表現だと思います」
それでも昨日の夜のことを言ってしまったので結構恥ずかしい。他の宿泊客やホテルの関係者が周りにいなくて良かった。
想像通りだったのか、風花は納得した表情を顔に浮かべる。花柳先輩も同じく。
腕時計を見ると、針が午前7時5分を指していた。
「先生方、遅いですね。何かあったんでしょうか。メッセージもありませんし」
「じゃあ、私からグループトークにメッセージを送ってみるよ」
美優先輩がそう言うと、程なくして旅行メンバーのグループトークに、
『先生、何かありましたか? もう集合時間の7時を過ぎていますが』
というメッセージが送られる。すると、すぐに、
『ごめんね、ついさっき起きたの。今すぐに行くからね』
大宮先生からそんな返信が送られてきた。先生方の性格からして、どちらかが早く起きていたなら何かメッセージを送ってくると思う。きっと、2人とも寝坊しちゃったパターンだろうな。
それから1分も経たないうちに扉の開く音が聞こえた。その音がする方を見てみると、霧嶋先生と大宮先生が早足でこちらに向かってきた。
「みんな、ごめんね。遅れちゃったし、連絡も全然しなくて」
「いえいえ、成実先生と一佳先生が無事に来てくれて安心しました。でも、どうして遅れちゃったんですか?」
「メッセージを送ったとおり、ついさっきまで一佳ちゃんと寝てて。昨日の夜はお酒をたくさん呑んだし、一佳ちゃんと同じベッドで抱きしめ合って寝たから、気持ち良くて爆睡しちゃったのね」
「私も同じ感じ。部屋に戻って、ベッドに寝かせてもらったらそのまま寝ちゃって。目を覚ましたら、成実さんが私のことを抱きしめてぐっすりと寝ていたから必死に起こしたの。遅れて申し訳ないわ」
2人とも、昨日の夕食では色々なお酒を楽しく呑んでいたからな。それによるかなりの量のアルコール摂取と、2人で一緒に寝たのが寝坊の原因か。
「まあ、今回の旅行はプライベートですし、多少の遅れは全然気にしませんよ!」
「……それをドヤ顔で言うことが気になってしまうわ、姫宮さん」
「もう、風花ちゃんったら。先生達だってミスすることはあるよ。では、全員揃ったので朝食を食べに行きましょうか」
俺達は朝食の会場である2階のレストランへと向かう。これも最後だと思うと何だか寂しくなるな。
「そういえば、今日は美優のご実家に行くんだよね。どんな感じか楽しみだなぁ。特に美優の部屋は」
「楽しみですよね」
「普通のお部屋だよ。それに、あけぼの荘へ引っ越したときに、部屋から家具を持っていったから、部屋の中にはあんまりないし」
「それでも、大好きな親友の部屋は楽しみなの!」
花柳先輩が興奮してそう言う気持ちも分かる。俺も恋人である美優先輩が、高校に進学する前までどんな部屋で過ごしていたのかとても興味があるし、楽しみにしている。家具とか全然ないと言われても。
「でも、由弦にとっては緊張もするよね。美優先輩の御両親と挨拶するから」
「そうだね。テレビ電話で付き合うことを報告したとはいえ緊張するよ」
「そっか。でも、安心して、由弦。あたし達もサポートするからね! あたしも好きになったほどのいい人だって言うから」
風花は笑顔で俺にサムズアップしてくる。花柳先輩もうんうん、と頷いている。サポートしてくれる気持ちは嬉しいんだけど、挨拶の場で2人が口を開くと何か変な事態になるんじゃないかと不安な気持ちもほんのちょっとあって。
「ふふっ、それぞれの担任教師である一佳ちゃんやあたしもサポートするわ。部活動でも、この旅行でも仲良く過ごしていたって話すから」
「いいですね。あたしは桐生君の担任教師として彼のことを言おうかしら。桐生君は真面目だし、勉強熱心だし、生活態度もいいし、お料理も上手だし、私の家の台所の掃除はしてくれるし、ゴキ……Gも退治してくれるし。そういった素敵なところがあると、担任教師としてアピールするから! 安心しなさい!」
「……と、とりあえずお気持ちは受け取っておきますね」
大宮先生はまだしも、霧嶋先生は話し始めたら脱線しそうで恐いな。
ただ、みんなが俺達の側にいてくれることで安心できるのは事実だ。サポートしたいと言ってくれる人が何人もいるというのは幸せなことだな。
「ふふっ、みなさんありがとうございます。ただ、両親に紹介する彼氏は由弦君ですから、きっと大丈夫ですよ。由弦君のいいところや、私と仲良くしているエピソードを言いたいという気持ちも嬉しいですけど、みなさんが一緒に来てくれることが一番のサポートだと思っていますから」
そう言う美優先輩の笑顔を見て、緊張や不安が解けていく。心がとても温かくなって。これまで先輩が側にいてくれて良かったと思うし、これからもずっと側にいてほしいと思う。
「美優がそう言うなら、あたし達は側にいるだけでいいかもしれないね」
「ですね。2人なら大丈夫そうです」
「生徒達を見守ることも担任教師としての務めだよね。一佳ちゃん」
「そうですね。2人を信じましょう」
この4人が側にいれば、何とかなりそうかな。実家には朱莉ちゃんと葵ちゃんもいるし。
俺達はレストランに到着し、バイキング形式の朝食を食べる。
旅行に行く前は、美優先輩の実家に行くことに緊張し過ぎて、朝食をあまり食べられないかもしれないと思っていたけど、しっかりと食べることができた。
朝食を食べた後には、売店でお土産を買うことに。
あけぼの荘に住む人達、クラスの友人、料理部、実家にいる家族など色々な人に買わないとな。あとは、自分や美優先輩と一緒に楽しめるものも買っておきたい。
温泉饅頭やクッキー、御立市のご当地ゆるキャラのグッズなどを購入する。
また、実家にいる家族へのお土産については、ホテルの宅配サービスを利用することにした。お土産で少しでもみんなが喜んでくれたら嬉しいな。
午前6時55分。
待ち合わせ場所のエレベーターホールへ行くと、そこには既に風花と花柳先輩の姿が。
「美優、桐生君、おはよう」
「由弦、美優先輩、おはようございます」
「2人とも、おはよう」
「おはようございます」
昨日の朝、2人はギリギリだったから、今日は早く来たのかな。
「瑠衣ちゃんと風花ちゃん、今日は早く来たんだね」
「うん。昨日は観光したり、プールに入ったりしたからね。夜もブランデー入りのケーキを食べたり、花火で『たまやー!』って叫んだりしたから、2人が帰ったら眠くなっちゃって。一昨日に比べると、だいぶ早く寝たよね」
「ですね。早く寝たので、今日は5時半に目が覚めました。瑠衣先輩も起きていたので、昨日の朝は入れなかった朝風呂に一緒に入りました。岩風呂も気持ち良かったですよね」
「うんっ! 結構熱かったから、よりシャキッとしたよね」
2人も朝風呂に入って、あの熱い岩風呂を体験したのか。熱い温泉に浸かったら、花柳先輩の言うようにシャキッとするか。
「ふふっ、そうだったんだ。私も由弦君と一緒に今日も朝風呂に行ったんだけど、6時10分くらいだったから2人とは会わなかったんだね」
「あたし達は6時過ぎに部屋に戻ったの。それからはベッドの上でゴロゴロしてゆっくりしたよね」
「ですね。ところで、由弦と美優先輩は花火の後は何をしたんですか? だいたいの想像はついていますけど」
だからなのか、微笑んでいる風花の頬はほのかに赤くなっている。そんな風花の頬の赤みがうつったかのように、美優先輩や花柳先輩の顔も赤くなっていく。その様子を見ていたら、俺も顔や体が熱くなってきたぞ。きっと、みんなと同じように顔が赤くなっているんだろうな。
美優先輩は風花と俺を交互に見る。
「……あ、愛情行為だね」
「……そ、それが簡潔で適切な表現だと思います」
それでも昨日の夜のことを言ってしまったので結構恥ずかしい。他の宿泊客やホテルの関係者が周りにいなくて良かった。
想像通りだったのか、風花は納得した表情を顔に浮かべる。花柳先輩も同じく。
腕時計を見ると、針が午前7時5分を指していた。
「先生方、遅いですね。何かあったんでしょうか。メッセージもありませんし」
「じゃあ、私からグループトークにメッセージを送ってみるよ」
美優先輩がそう言うと、程なくして旅行メンバーのグループトークに、
『先生、何かありましたか? もう集合時間の7時を過ぎていますが』
というメッセージが送られる。すると、すぐに、
『ごめんね、ついさっき起きたの。今すぐに行くからね』
大宮先生からそんな返信が送られてきた。先生方の性格からして、どちらかが早く起きていたなら何かメッセージを送ってくると思う。きっと、2人とも寝坊しちゃったパターンだろうな。
それから1分も経たないうちに扉の開く音が聞こえた。その音がする方を見てみると、霧嶋先生と大宮先生が早足でこちらに向かってきた。
「みんな、ごめんね。遅れちゃったし、連絡も全然しなくて」
「いえいえ、成実先生と一佳先生が無事に来てくれて安心しました。でも、どうして遅れちゃったんですか?」
「メッセージを送ったとおり、ついさっきまで一佳ちゃんと寝てて。昨日の夜はお酒をたくさん呑んだし、一佳ちゃんと同じベッドで抱きしめ合って寝たから、気持ち良くて爆睡しちゃったのね」
「私も同じ感じ。部屋に戻って、ベッドに寝かせてもらったらそのまま寝ちゃって。目を覚ましたら、成実さんが私のことを抱きしめてぐっすりと寝ていたから必死に起こしたの。遅れて申し訳ないわ」
2人とも、昨日の夕食では色々なお酒を楽しく呑んでいたからな。それによるかなりの量のアルコール摂取と、2人で一緒に寝たのが寝坊の原因か。
「まあ、今回の旅行はプライベートですし、多少の遅れは全然気にしませんよ!」
「……それをドヤ顔で言うことが気になってしまうわ、姫宮さん」
「もう、風花ちゃんったら。先生達だってミスすることはあるよ。では、全員揃ったので朝食を食べに行きましょうか」
俺達は朝食の会場である2階のレストランへと向かう。これも最後だと思うと何だか寂しくなるな。
「そういえば、今日は美優のご実家に行くんだよね。どんな感じか楽しみだなぁ。特に美優の部屋は」
「楽しみですよね」
「普通のお部屋だよ。それに、あけぼの荘へ引っ越したときに、部屋から家具を持っていったから、部屋の中にはあんまりないし」
「それでも、大好きな親友の部屋は楽しみなの!」
花柳先輩が興奮してそう言う気持ちも分かる。俺も恋人である美優先輩が、高校に進学する前までどんな部屋で過ごしていたのかとても興味があるし、楽しみにしている。家具とか全然ないと言われても。
「でも、由弦にとっては緊張もするよね。美優先輩の御両親と挨拶するから」
「そうだね。テレビ電話で付き合うことを報告したとはいえ緊張するよ」
「そっか。でも、安心して、由弦。あたし達もサポートするからね! あたしも好きになったほどのいい人だって言うから」
風花は笑顔で俺にサムズアップしてくる。花柳先輩もうんうん、と頷いている。サポートしてくれる気持ちは嬉しいんだけど、挨拶の場で2人が口を開くと何か変な事態になるんじゃないかと不安な気持ちもほんのちょっとあって。
「ふふっ、それぞれの担任教師である一佳ちゃんやあたしもサポートするわ。部活動でも、この旅行でも仲良く過ごしていたって話すから」
「いいですね。あたしは桐生君の担任教師として彼のことを言おうかしら。桐生君は真面目だし、勉強熱心だし、生活態度もいいし、お料理も上手だし、私の家の台所の掃除はしてくれるし、ゴキ……Gも退治してくれるし。そういった素敵なところがあると、担任教師としてアピールするから! 安心しなさい!」
「……と、とりあえずお気持ちは受け取っておきますね」
大宮先生はまだしも、霧嶋先生は話し始めたら脱線しそうで恐いな。
ただ、みんなが俺達の側にいてくれることで安心できるのは事実だ。サポートしたいと言ってくれる人が何人もいるというのは幸せなことだな。
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そう言う美優先輩の笑顔を見て、緊張や不安が解けていく。心がとても温かくなって。これまで先輩が側にいてくれて良かったと思うし、これからもずっと側にいてほしいと思う。
「美優がそう言うなら、あたし達は側にいるだけでいいかもしれないね」
「ですね。2人なら大丈夫そうです」
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「そうですね。2人を信じましょう」
この4人が側にいれば、何とかなりそうかな。実家には朱莉ちゃんと葵ちゃんもいるし。
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