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特別編5
第10話『彼は来てくれた』
それからも、俺は花柳先輩と霧嶋先生と3人で紅茶を飲みながら談笑し、午前の時間が過ぎていった。その間、美優先輩が起きてくることはなかった。病院の薬がよく効いているのだろうか。
正午過ぎ。
お昼時になったので、俺が3人分の食事を作ることに。
当初、霧嶋先生は、
「今日はもう予定はないけど……ここでお昼ご飯をいただいて、午後もいていいのかしら」
と遠慮していた。ただ、花柳先輩が自分は夕方あたりまでいる予定であることと、霧嶋先生と会えたら美優先輩が喜ぶと思うと説得。それもあって、先生も夕方までここで過ごすことになったのだ。
冷蔵庫とキッチンの棚にどんな食材があるか確認。乾麺のうどんがたくさんあり、揚げ玉もあったので温かいたぬきうどんを作った。
「美味しい! 温かいのもいいわね」
「そうね、花柳さん。さすがは料理部の部員だわ、桐生君」
「ありがとうございます」
花柳先輩と霧嶋先生から美味しいと言ってもらえたのが嬉しくて、同時に安心もする。
お腹が空いているからなのか。それとも外が肌寒いからなのか。2人の箸が止まらない。2人の食べる姿を見ていると、温かいたぬきうどんを作って本当に良かったと思わせてくれる。
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさま」
花柳先輩と霧嶋先生は完食。自分で作ると、完食してくれたときに「美味しい」と言ってくれたときと同じくらいに嬉しくなる。2人とお昼ご飯を食べられて良かった。
今日の朝食は遅めだったけど、2時間弱経っていたし、量は少なかった。なので、2人より後に、俺もたぬきうどんを完食した。
お昼ご飯を作ってくれたお礼にと、食器や鍋の後片付けは花柳先輩と霧嶋先生がしてくれることに。その間、俺はソファーに座って食休みをする。
「ふああっ……」
ソファーが気持ちいいからなのか。それとも、温かいものを食べた直後だからなのか。ソファーに腰を下ろしたら、すぐに眠気が襲ってきた。行儀が悪いけど、少しの間、ソファーで横になろう。
スリッパを脱いで、俺はソファーの上で仰向けの状態になり、ゆっくりと目を瞑る。
毎日座っているから、こうしていると美優先輩の甘い残り香が感じられる。このまま眠りに入ったら、夢の中で美優先輩と会えるだろうか。もし会えたとしたら、その先輩は元気にしているだろうか。元気だったらいいな。
あれ、何だか遠くの方に、笑顔でこっちを見ている美優先輩が――。
「にゃーん」
「へっ?」
猫の鳴き声が聞こえたので、思わず変な声が出てしまった。それと同時にゆっくりと目を開ける。リビングに来る猫の鳴き声といえば、おそらく――。
「サブロウだわ!」
さすがは霧嶋先生。一度鳴き声を聞いただけでサブロウだと分かるのか。
ゆっくりと体を起こしてキッチンの方を見ると、霧嶋先生はうどんのお椀とふきんを持ちながら興奮した様子に。そんな先生のことを、花柳先輩は優しい目つきで見ている。今は花柳先輩の方が年上のように思える。
「拭くのはあたしがやりますから、一佳先生はサブロウのところに行っていいですよ」
「ありがとう、花柳さん! 桐生君、窓を開けてもいいかしら!」
「ええ、いいですよ」
俺がそう言うと、霧嶋先生はふきんとうどんのお椀をキッチン台に置き、小走りで窓へと向かう。その姿はまるで、買い物に来てお菓子売り場へ行く少女のようだ。
霧嶋先生がカーテンを開けると、そこにはこちらを向いて座っているサブロウの姿が。カーテンが動いたからか、それとも霧嶋先生の姿が見えたからか、サブロウは「にゃぉーん」と元気良く鳴いている。1週間くらい前には茶トラ猫と一緒に来ていたけど、あれ以来、茶トラ猫は家に来ていない。たまたま出会っただけだったのだろうか。
ゆっくりと窓を開け、霧嶋先生が膝立ちをすると、サブロウは一歩、家の中に入って霧嶋先生の手に頭をスリスリさせる。
「にゃ~ん」
「あぁ、可愛いわぁ……」
学校では決して出さないような甘い声でそう言う霧嶋先生。サブロウの溺愛ぶりがよく分かる。こういう声で話しかけるのは、あとは二葉さんくらいじゃないだろうか。
霧嶋先生はサブロウの頭を撫でる。
「こんにちは、サブロウ。今日は雨が降っているし、あなたに会えるかと思っていたんだけど、会えたわね。あなたがここに来てくれてとっても嬉しいわ」
「にゃん!」
「いいお返事です。今日も触り心地がとてもよろしい」
「俺、キャットフードと水を用意するので、先生はサブロウと戯れてください」
「ええ! 私に任せなさい!」
自信満々な様子で言うと、霧嶋先生は結構大きな胸を張り、握りしめた右手で「ポン」と自分の胸のあたりを叩く。凄く頼りになりそう。
キッチンに行き、猫用のお皿にキャットフードと水を用意する。背後からサブロウと霧嶋先生が会話しているのか、にゃんにゃんと可愛い声がたくさん聞こえてくる。
「最近は学校でも可愛い姿を見るようになったけど、今の一佳先生の姿を公表したら、さらにファンが増えそうね」
「ですね」
「食器と鍋、洗って拭き終わったわ」
「ありがとうございます。……はい、OKです。じゃあ、俺が片付けますので、花柳先輩はサブロウにキャットフードとお水を持って行ってくれませんか?」
「分かったわ」
サブロウのエサと水の役目を花柳先輩に引き継ぎし、俺は2人が洗ってくれた食器や鍋を元の場所に戻す。
「そういえば……」
花柳先輩って俺や霧嶋先生と比べると、サブロウにそっけない態度を取られていたような。一応、花柳先輩にも触らせてはいるけど。
リビングの方を見ると、サブロウはキャットフードを食べながら、花柳先輩に頭を撫でられていた。食事中だったり、霧嶋先生が側にいたりするからか、サブロウは特に嫌がっているようには見えない。
「猫って触るとより可愛く思えますよね!」
「それ分かるわ!」
サブロウを話題に、花柳先輩と霧嶋先生は楽しくおしゃべりをしている。猫って、人間に癒しと平和をもたらしてくれる生き物なのかもしれない。
食器や鍋の後片付けが終わり、俺もサブロウと戯れることに。サブロウは頭や背中を撫でさせてくれるし、美味しいかって訊くと「にゃん」って返事してくれるので本当にかわいい。今一度、あけぼの荘のアイドルと言われることに納得した。
それから10分ほどしてサブロウの食事は終わり、サブロウは101号室のベランダから去っていった。
サブロウはキャットフードを全て食べたし、俺達はたくさんサブロウに触った。なので、キッチンで後片付けや手洗いをすることに。水が冷たいからか、2人は手を洗うときにちょっと嫌そうにしていた。
花柳先輩と霧嶋先生の手洗いが終わり、俺が猫用のお皿を洗い始めたときだった。
「何か、由弦君と瑠衣ちゃん以外の声がするけど……」
そんな美優先輩の声が聞こえた、リビングの方に振り返る。すると、扉に掴まりながら立っている美優先輩の姿があった。まだ熱が下がっていないのだろうか。美優先輩の頬はほんのりと赤い。
「こんにちは、白鳥さん」
「こんにちは、一佳先生!」
お見舞いに来てくれたのが嬉しいのか、美優先輩はぱあっと明るい笑みを浮かべる。
「今日は午前中にお仕事があって。その帰りに桐生君に連絡したら、あなたが風邪を引いていると聞いてね。なので、11時過ぎからお邪魔しているわ。具合はどうかしら?」
元々は、今週の仕事疲れをサブロウで癒やそうという目的だったけどな。まあ、さっきサブロウとたくさん戯れたので、その目的も果たされたと思われる。
「熱は……朝に比べたらちょっと下がった気がします。一佳先生がお見舞いに来てくれてとっても嬉しいですっ!」
そう言うと、美優先輩はよたよたとした足取りで、霧嶋先生のところへ向かう。
霧嶋先生も美優先輩のところに向かって歩き、美優先輩を受け止めるようにして抱きしめた。美優先輩は両手を先生の背中の方へと回して、顔を胸に埋める。
「一佳先生のおっぱいおおきくてやわらかい。いい匂いする」
えへへっ、と笑って美優先輩は頭をスリスリし始める。どうやら、霧嶋先生の胸が気に入ったようだ。
花柳先輩と俺がいるからか、霧嶋先生は照れくさそう。ただ、嫌に思っていたり、怒っていたりしているようには見えない。先生は美優先輩の頭を撫でる。
「そうなのね。少しでも癒しになるのなら嬉しいわ。あと、体が結構熱いわね」
結構熱いってことは、まだ熱があまり下がっていないのだろうか。
「ううっ。あたしのときは胸に顔を埋めてくれなかった……」
ガチで悔しがっている花柳先輩。まあ……いい匂いはするのかもしれないけど、大きくて柔らかいという感想を美優先輩は言ってくれないかもなぁ。その考えは胸の内に留めておこう。胸だけに。
「もう少し大きく……せめて、風花ちゃんくらいになれば埋めてくれるのかなぁ」
「ど、どうかしらね。まあ、その……高校生になってから胸が大きくなった友人もいるわ。だから、希望は持っていた方がいいわよ、花柳さん」
「はいっ!」
花柳先輩……霧嶋先生の言葉に対して、今までの中で一番いい返事をしたな。
果たして、花柳先輩の胸が大きくなり、美優先輩に顔を埋められ、霧嶋先生のような感想をもらえる日は来るのだろうか。もし、そのときが来たら、俺は今のように少し遠くから眺めたい所存である。そんなことを思いながら、俺は猫用のお皿を片付け、手をしっかりと洗った。
正午過ぎ。
お昼時になったので、俺が3人分の食事を作ることに。
当初、霧嶋先生は、
「今日はもう予定はないけど……ここでお昼ご飯をいただいて、午後もいていいのかしら」
と遠慮していた。ただ、花柳先輩が自分は夕方あたりまでいる予定であることと、霧嶋先生と会えたら美優先輩が喜ぶと思うと説得。それもあって、先生も夕方までここで過ごすことになったのだ。
冷蔵庫とキッチンの棚にどんな食材があるか確認。乾麺のうどんがたくさんあり、揚げ玉もあったので温かいたぬきうどんを作った。
「美味しい! 温かいのもいいわね」
「そうね、花柳さん。さすがは料理部の部員だわ、桐生君」
「ありがとうございます」
花柳先輩と霧嶋先生から美味しいと言ってもらえたのが嬉しくて、同時に安心もする。
お腹が空いているからなのか。それとも外が肌寒いからなのか。2人の箸が止まらない。2人の食べる姿を見ていると、温かいたぬきうどんを作って本当に良かったと思わせてくれる。
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさま」
花柳先輩と霧嶋先生は完食。自分で作ると、完食してくれたときに「美味しい」と言ってくれたときと同じくらいに嬉しくなる。2人とお昼ご飯を食べられて良かった。
今日の朝食は遅めだったけど、2時間弱経っていたし、量は少なかった。なので、2人より後に、俺もたぬきうどんを完食した。
お昼ご飯を作ってくれたお礼にと、食器や鍋の後片付けは花柳先輩と霧嶋先生がしてくれることに。その間、俺はソファーに座って食休みをする。
「ふああっ……」
ソファーが気持ちいいからなのか。それとも、温かいものを食べた直後だからなのか。ソファーに腰を下ろしたら、すぐに眠気が襲ってきた。行儀が悪いけど、少しの間、ソファーで横になろう。
スリッパを脱いで、俺はソファーの上で仰向けの状態になり、ゆっくりと目を瞑る。
毎日座っているから、こうしていると美優先輩の甘い残り香が感じられる。このまま眠りに入ったら、夢の中で美優先輩と会えるだろうか。もし会えたとしたら、その先輩は元気にしているだろうか。元気だったらいいな。
あれ、何だか遠くの方に、笑顔でこっちを見ている美優先輩が――。
「にゃーん」
「へっ?」
猫の鳴き声が聞こえたので、思わず変な声が出てしまった。それと同時にゆっくりと目を開ける。リビングに来る猫の鳴き声といえば、おそらく――。
「サブロウだわ!」
さすがは霧嶋先生。一度鳴き声を聞いただけでサブロウだと分かるのか。
ゆっくりと体を起こしてキッチンの方を見ると、霧嶋先生はうどんのお椀とふきんを持ちながら興奮した様子に。そんな先生のことを、花柳先輩は優しい目つきで見ている。今は花柳先輩の方が年上のように思える。
「拭くのはあたしがやりますから、一佳先生はサブロウのところに行っていいですよ」
「ありがとう、花柳さん! 桐生君、窓を開けてもいいかしら!」
「ええ、いいですよ」
俺がそう言うと、霧嶋先生はふきんとうどんのお椀をキッチン台に置き、小走りで窓へと向かう。その姿はまるで、買い物に来てお菓子売り場へ行く少女のようだ。
霧嶋先生がカーテンを開けると、そこにはこちらを向いて座っているサブロウの姿が。カーテンが動いたからか、それとも霧嶋先生の姿が見えたからか、サブロウは「にゃぉーん」と元気良く鳴いている。1週間くらい前には茶トラ猫と一緒に来ていたけど、あれ以来、茶トラ猫は家に来ていない。たまたま出会っただけだったのだろうか。
ゆっくりと窓を開け、霧嶋先生が膝立ちをすると、サブロウは一歩、家の中に入って霧嶋先生の手に頭をスリスリさせる。
「にゃ~ん」
「あぁ、可愛いわぁ……」
学校では決して出さないような甘い声でそう言う霧嶋先生。サブロウの溺愛ぶりがよく分かる。こういう声で話しかけるのは、あとは二葉さんくらいじゃないだろうか。
霧嶋先生はサブロウの頭を撫でる。
「こんにちは、サブロウ。今日は雨が降っているし、あなたに会えるかと思っていたんだけど、会えたわね。あなたがここに来てくれてとっても嬉しいわ」
「にゃん!」
「いいお返事です。今日も触り心地がとてもよろしい」
「俺、キャットフードと水を用意するので、先生はサブロウと戯れてください」
「ええ! 私に任せなさい!」
自信満々な様子で言うと、霧嶋先生は結構大きな胸を張り、握りしめた右手で「ポン」と自分の胸のあたりを叩く。凄く頼りになりそう。
キッチンに行き、猫用のお皿にキャットフードと水を用意する。背後からサブロウと霧嶋先生が会話しているのか、にゃんにゃんと可愛い声がたくさん聞こえてくる。
「最近は学校でも可愛い姿を見るようになったけど、今の一佳先生の姿を公表したら、さらにファンが増えそうね」
「ですね」
「食器と鍋、洗って拭き終わったわ」
「ありがとうございます。……はい、OKです。じゃあ、俺が片付けますので、花柳先輩はサブロウにキャットフードとお水を持って行ってくれませんか?」
「分かったわ」
サブロウのエサと水の役目を花柳先輩に引き継ぎし、俺は2人が洗ってくれた食器や鍋を元の場所に戻す。
「そういえば……」
花柳先輩って俺や霧嶋先生と比べると、サブロウにそっけない態度を取られていたような。一応、花柳先輩にも触らせてはいるけど。
リビングの方を見ると、サブロウはキャットフードを食べながら、花柳先輩に頭を撫でられていた。食事中だったり、霧嶋先生が側にいたりするからか、サブロウは特に嫌がっているようには見えない。
「猫って触るとより可愛く思えますよね!」
「それ分かるわ!」
サブロウを話題に、花柳先輩と霧嶋先生は楽しくおしゃべりをしている。猫って、人間に癒しと平和をもたらしてくれる生き物なのかもしれない。
食器や鍋の後片付けが終わり、俺もサブロウと戯れることに。サブロウは頭や背中を撫でさせてくれるし、美味しいかって訊くと「にゃん」って返事してくれるので本当にかわいい。今一度、あけぼの荘のアイドルと言われることに納得した。
それから10分ほどしてサブロウの食事は終わり、サブロウは101号室のベランダから去っていった。
サブロウはキャットフードを全て食べたし、俺達はたくさんサブロウに触った。なので、キッチンで後片付けや手洗いをすることに。水が冷たいからか、2人は手を洗うときにちょっと嫌そうにしていた。
花柳先輩と霧嶋先生の手洗いが終わり、俺が猫用のお皿を洗い始めたときだった。
「何か、由弦君と瑠衣ちゃん以外の声がするけど……」
そんな美優先輩の声が聞こえた、リビングの方に振り返る。すると、扉に掴まりながら立っている美優先輩の姿があった。まだ熱が下がっていないのだろうか。美優先輩の頬はほんのりと赤い。
「こんにちは、白鳥さん」
「こんにちは、一佳先生!」
お見舞いに来てくれたのが嬉しいのか、美優先輩はぱあっと明るい笑みを浮かべる。
「今日は午前中にお仕事があって。その帰りに桐生君に連絡したら、あなたが風邪を引いていると聞いてね。なので、11時過ぎからお邪魔しているわ。具合はどうかしら?」
元々は、今週の仕事疲れをサブロウで癒やそうという目的だったけどな。まあ、さっきサブロウとたくさん戯れたので、その目的も果たされたと思われる。
「熱は……朝に比べたらちょっと下がった気がします。一佳先生がお見舞いに来てくれてとっても嬉しいですっ!」
そう言うと、美優先輩はよたよたとした足取りで、霧嶋先生のところへ向かう。
霧嶋先生も美優先輩のところに向かって歩き、美優先輩を受け止めるようにして抱きしめた。美優先輩は両手を先生の背中の方へと回して、顔を胸に埋める。
「一佳先生のおっぱいおおきくてやわらかい。いい匂いする」
えへへっ、と笑って美優先輩は頭をスリスリし始める。どうやら、霧嶋先生の胸が気に入ったようだ。
花柳先輩と俺がいるからか、霧嶋先生は照れくさそう。ただ、嫌に思っていたり、怒っていたりしているようには見えない。先生は美優先輩の頭を撫でる。
「そうなのね。少しでも癒しになるのなら嬉しいわ。あと、体が結構熱いわね」
結構熱いってことは、まだ熱があまり下がっていないのだろうか。
「ううっ。あたしのときは胸に顔を埋めてくれなかった……」
ガチで悔しがっている花柳先輩。まあ……いい匂いはするのかもしれないけど、大きくて柔らかいという感想を美優先輩は言ってくれないかもなぁ。その考えは胸の内に留めておこう。胸だけに。
「もう少し大きく……せめて、風花ちゃんくらいになれば埋めてくれるのかなぁ」
「ど、どうかしらね。まあ、その……高校生になってから胸が大きくなった友人もいるわ。だから、希望は持っていた方がいいわよ、花柳さん」
「はいっ!」
花柳先輩……霧嶋先生の言葉に対して、今までの中で一番いい返事をしたな。
果たして、花柳先輩の胸が大きくなり、美優先輩に顔を埋められ、霧嶋先生のような感想をもらえる日は来るのだろうか。もし、そのときが来たら、俺は今のように少し遠くから眺めたい所存である。そんなことを思いながら、俺は猫用のお皿を片付け、手をしっかりと洗った。
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