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特別編8
第8話『願いごとを書いて飾って』
和気藹々とした雰囲気の中で、そうめんパーティーの時間が進んでいく。
参加者が12人で、風花や加藤など運動部に所属する人達中心に食欲旺盛な人も数人いる。それもあって、途中でそうめんがなくなってしまう事態に。そのため、俺と美優先輩で追加のそうめんを茹でた。事前にそうめんをたくさん買っておいて良かったな。
また、あけぼの荘のアイドル猫・サブロウもやってきた。最近は霧嶋先生に触られることが多いからか、先生の側でのんびりする。そのことに先生はとても嬉しそうにしていた。
そうめんパーティーが始まってから1時間ほど経ったとき、
「みなさん。そろそろ、短冊に願いごとを書いて、笹に飾るのはどうでしょうか?」
美優先輩がそんな提案をしてきた。
日暮れの時間帯になり、パーティーを始めたときに比べてかなり暗くなってきた。空を見上げると、雲が結構取れており、夜空に星がいくつも見えている。今、短冊に願いごとを書いて笹に飾れば叶いやすそうな気がする。
「いいですね」
「あたしも賛成ですっ!」
俺が賛成した直後、風花も賛成の意を示した。
俺と風花が賛成したからだろうか。他の参加者達も短冊に願いごとを書くことに賛成の意を示し……最終的には全員が賛成する結果に。
「分かりました。では、みんなで短冊に願いを書いて、笹に飾りましょう! 必要なものを持ってきますね。由弦君、手伝ってくれるかな?」
「もちろんです」
美優先輩の指示で、俺は101号室に願いごとを書くのに必要なものを取りに行く。先輩曰く、寝室にある先輩の勉強机に必要な物が入った袋があるという。
寝室に行くと、美優先輩の言うように先輩の勉強机の上に、ショッピングセンターの袋が置かれていた。
袋の中を見ると、短冊と油性ペン。レジャーシートに座っても書きやすくするためか、下敷きやバインダーもいくつか入っている。俺はそれらが入った袋を持って、パーティー会場に戻る。
「おっ、明るい」
さっきまでに比べて、パーティー会場が明るくなっている。なぜかと思って、レジャーシートの上を見てみると……明るく灯されたランタンが2つ置かれていた。笹の近くにもランタンが。
「おかえり、由弦君。パーティーが始まったときよりもだいぶ暗くなったからね。願いごとを書くには暗いと思って、物置からLEDランタンを出してきたの」
「そうだったんですか。いい感じに明るいですね」
キャンプっぽい感じがしていいな。昔、夏休みに家族でキャンプに行ったときのことを思い出す。
あと、物置の中にあるってことは、このLEDランタンもあけぼの荘の備品なのだろう。もしかしたら、去年までのパーティーでも、暗くなるとこうして明かりを灯していたのかもしれない。
俺は参加者全員に短冊と油性ペンを配る。下敷きやバインダーについては、必要なら取ってとみんなが取りやすい場所に置いた。自分の短冊と油性ペンを持って、さっきまで座っていた場所に戻る。
「みなさん、短冊に願いごとを書いてください。書き終わった人から、笹に短冊を飾ってくださいね」
『はーい』
美優先輩の言葉に、全員が返事する。
周りを見てみると、風花や加藤など、さっそく短冊に願いごとを書き始めている人がいるな。既に何を書くか決めていたのだろう。
俺はどんな願いごとを書こうかな。確か、去年は……受験生だったのもあって『高校合格!』って書いたっけ。
隣に座っている美優先輩をチラッと見てみると、微笑みながら油性ペンを持つ右手を動かしている。ランタンの明かりに照らされた先輩の横顔がとても美しい。そんな先輩を見ていたら、自然と願いごとが浮かんできた。
「さてと、飾ろっと」
風花は立ち上がり、笹に飾り付けに行く。早いなぁ。
俺は頭に浮かんだ願いごとを、青い短冊に書いていく。もし、美優先輩との願いと少しでも重なっていたら嬉しいなぁと思いながら。
「……よし、書けた」
「由弦君も書いたんだね。じゃあ、一緒に飾りに行こうか」
「そうですね」
俺は美優先輩と一緒にレジャーシートから立ち上がり、笹に飾り付けに行く。
笹の前に行くと加藤と橋本さんがちょうど飾り付けが終わったところだった。美優先輩と俺は、彼らと入れ替わる形で笹の前に立つ。
「隣同士に飾ろうね」
「そうですね」
美優先輩が短冊を笹に飾った後、俺は短冊を飾り付ける。約束通り、先輩の赤い短冊の近くで。
「……飾れました」
「うん。お願いを見てもいい? 私のも見ていいから」
「いいですよ」
「ありがとうっ」
お礼を言うと、美優先輩は俺の短冊を見る。ちなみに、俺は短冊に、
『美優先輩とずっと一緒にいられますように。 桐生由弦』
と書いた。今、俺の心に抱いている一番の願いはこれだから。
恋人の美優先輩はどんな願いを書いたのかな。美優先輩の短冊を見てみると、
『由弦君とずっと一緒にいられますように。 白鳥美優』
と綺麗な文字で書かれていた。少しでも願いが重なっていたらいいなって思っていたけど、こんなにピッタリ重なっているなんて。凄く嬉しい。頬が緩んでいくのが分かる。
美優先輩の方を見ると、そこにはとても嬉しそうな様子でこちらを見ている美優先輩がいた。目が合うと、先輩はニコッと笑う。
「同じ願いだね! 凄く嬉しいよ」
「俺も嬉しいです」
「うんっ! ずっと一緒にいられるように頑張ろうね」
「ええ、頑張りましょう」
俺がそう言うと、美優先輩からキスしてきた。一瞬だけだったけど、先輩の温もりは唇からしっかりと伝わってくる。いつまでも、こうしてキスできる関係でありたい。そうなれるように頑張ろうと胸に誓った。また、先輩と俺の短冊をスマホで撮影した。
それからも、参加者は願いごとを書いた短冊を笹に飾っていく。みんなはどんな願いごとを書いたんだろう。気になる。
やがて、全員が短冊を笹に飾り終わる。短冊の色の種類は結構多いので、12枚飾られているとカラフルだ。
みんな、願いごとを見ていいと言ってくれたので、俺はそれぞれの願いごとを見ていく。
『県大会を頑張る! 行けたらインターハイも頑張る! 姫宮風花』
『友達と一緒に楽しい夏を過ごしたい。 花柳瑠衣』
『みんなの願いが叶いますように。あと、可愛い猫と戯れたい。 霧嶋一佳』
『美味しいものを食べたいし、作りたいな。 大宮成実』
『奏と一緒にサッカー頑張る! 加藤潤』
『潤と一緒に夏を楽しむ! 橋本奏』
『バイトしまくって、もっとお金を稼ぎたい! 佐竹莉帆』
『テニス頑張るぞ! 松本杏』
『志望校合格! 深山小梅』
『二次元の世界にもっと浸りたい! 白金和紀』
それぞれ「らしいなぁ」と思える願いごとだ。どうか、みんなの願いごとが叶いますように。
空を見上げると、さっきよりもさらに空が暗くなっている。そのことで、輝いて見える星の数も増えていて。梅雨はまだ明けていないのに、こんなに綺麗な星空が見えるとは。縁起がいいな。
あと、今日は七夕当日。今頃、織姫と彦星は1年ぶりの再会を果たしているに違いない。2人は夫婦だし、さっきの俺達のように、キスとかしてイチャイチャしているのかもしれないな。
そうめんや料理がまだ残っている。それに、LEDランタンに灯された会場の雰囲気もいい。そうめんパーティーの楽しい時間はしばらく続いたのであった。
参加者が12人で、風花や加藤など運動部に所属する人達中心に食欲旺盛な人も数人いる。それもあって、途中でそうめんがなくなってしまう事態に。そのため、俺と美優先輩で追加のそうめんを茹でた。事前にそうめんをたくさん買っておいて良かったな。
また、あけぼの荘のアイドル猫・サブロウもやってきた。最近は霧嶋先生に触られることが多いからか、先生の側でのんびりする。そのことに先生はとても嬉しそうにしていた。
そうめんパーティーが始まってから1時間ほど経ったとき、
「みなさん。そろそろ、短冊に願いごとを書いて、笹に飾るのはどうでしょうか?」
美優先輩がそんな提案をしてきた。
日暮れの時間帯になり、パーティーを始めたときに比べてかなり暗くなってきた。空を見上げると、雲が結構取れており、夜空に星がいくつも見えている。今、短冊に願いごとを書いて笹に飾れば叶いやすそうな気がする。
「いいですね」
「あたしも賛成ですっ!」
俺が賛成した直後、風花も賛成の意を示した。
俺と風花が賛成したからだろうか。他の参加者達も短冊に願いごとを書くことに賛成の意を示し……最終的には全員が賛成する結果に。
「分かりました。では、みんなで短冊に願いを書いて、笹に飾りましょう! 必要なものを持ってきますね。由弦君、手伝ってくれるかな?」
「もちろんです」
美優先輩の指示で、俺は101号室に願いごとを書くのに必要なものを取りに行く。先輩曰く、寝室にある先輩の勉強机に必要な物が入った袋があるという。
寝室に行くと、美優先輩の言うように先輩の勉強机の上に、ショッピングセンターの袋が置かれていた。
袋の中を見ると、短冊と油性ペン。レジャーシートに座っても書きやすくするためか、下敷きやバインダーもいくつか入っている。俺はそれらが入った袋を持って、パーティー会場に戻る。
「おっ、明るい」
さっきまでに比べて、パーティー会場が明るくなっている。なぜかと思って、レジャーシートの上を見てみると……明るく灯されたランタンが2つ置かれていた。笹の近くにもランタンが。
「おかえり、由弦君。パーティーが始まったときよりもだいぶ暗くなったからね。願いごとを書くには暗いと思って、物置からLEDランタンを出してきたの」
「そうだったんですか。いい感じに明るいですね」
キャンプっぽい感じがしていいな。昔、夏休みに家族でキャンプに行ったときのことを思い出す。
あと、物置の中にあるってことは、このLEDランタンもあけぼの荘の備品なのだろう。もしかしたら、去年までのパーティーでも、暗くなるとこうして明かりを灯していたのかもしれない。
俺は参加者全員に短冊と油性ペンを配る。下敷きやバインダーについては、必要なら取ってとみんなが取りやすい場所に置いた。自分の短冊と油性ペンを持って、さっきまで座っていた場所に戻る。
「みなさん、短冊に願いごとを書いてください。書き終わった人から、笹に短冊を飾ってくださいね」
『はーい』
美優先輩の言葉に、全員が返事する。
周りを見てみると、風花や加藤など、さっそく短冊に願いごとを書き始めている人がいるな。既に何を書くか決めていたのだろう。
俺はどんな願いごとを書こうかな。確か、去年は……受験生だったのもあって『高校合格!』って書いたっけ。
隣に座っている美優先輩をチラッと見てみると、微笑みながら油性ペンを持つ右手を動かしている。ランタンの明かりに照らされた先輩の横顔がとても美しい。そんな先輩を見ていたら、自然と願いごとが浮かんできた。
「さてと、飾ろっと」
風花は立ち上がり、笹に飾り付けに行く。早いなぁ。
俺は頭に浮かんだ願いごとを、青い短冊に書いていく。もし、美優先輩との願いと少しでも重なっていたら嬉しいなぁと思いながら。
「……よし、書けた」
「由弦君も書いたんだね。じゃあ、一緒に飾りに行こうか」
「そうですね」
俺は美優先輩と一緒にレジャーシートから立ち上がり、笹に飾り付けに行く。
笹の前に行くと加藤と橋本さんがちょうど飾り付けが終わったところだった。美優先輩と俺は、彼らと入れ替わる形で笹の前に立つ。
「隣同士に飾ろうね」
「そうですね」
美優先輩が短冊を笹に飾った後、俺は短冊を飾り付ける。約束通り、先輩の赤い短冊の近くで。
「……飾れました」
「うん。お願いを見てもいい? 私のも見ていいから」
「いいですよ」
「ありがとうっ」
お礼を言うと、美優先輩は俺の短冊を見る。ちなみに、俺は短冊に、
『美優先輩とずっと一緒にいられますように。 桐生由弦』
と書いた。今、俺の心に抱いている一番の願いはこれだから。
恋人の美優先輩はどんな願いを書いたのかな。美優先輩の短冊を見てみると、
『由弦君とずっと一緒にいられますように。 白鳥美優』
と綺麗な文字で書かれていた。少しでも願いが重なっていたらいいなって思っていたけど、こんなにピッタリ重なっているなんて。凄く嬉しい。頬が緩んでいくのが分かる。
美優先輩の方を見ると、そこにはとても嬉しそうな様子でこちらを見ている美優先輩がいた。目が合うと、先輩はニコッと笑う。
「同じ願いだね! 凄く嬉しいよ」
「俺も嬉しいです」
「うんっ! ずっと一緒にいられるように頑張ろうね」
「ええ、頑張りましょう」
俺がそう言うと、美優先輩からキスしてきた。一瞬だけだったけど、先輩の温もりは唇からしっかりと伝わってくる。いつまでも、こうしてキスできる関係でありたい。そうなれるように頑張ろうと胸に誓った。また、先輩と俺の短冊をスマホで撮影した。
それからも、参加者は願いごとを書いた短冊を笹に飾っていく。みんなはどんな願いごとを書いたんだろう。気になる。
やがて、全員が短冊を笹に飾り終わる。短冊の色の種類は結構多いので、12枚飾られているとカラフルだ。
みんな、願いごとを見ていいと言ってくれたので、俺はそれぞれの願いごとを見ていく。
『県大会を頑張る! 行けたらインターハイも頑張る! 姫宮風花』
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『みんなの願いが叶いますように。あと、可愛い猫と戯れたい。 霧嶋一佳』
『美味しいものを食べたいし、作りたいな。 大宮成実』
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あと、今日は七夕当日。今頃、織姫と彦星は1年ぶりの再会を果たしているに違いない。2人は夫婦だし、さっきの俺達のように、キスとかしてイチャイチャしているのかもしれないな。
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