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特別編10
プロローグ『球技大会①-サッカー-』
特別編10
7月17日、水曜日。
期末試験が終わってから1週間以上が経った。
現在は午前中のみ授業があり、お昼に下校となる半日期間だ。恋人の白鳥美優先輩や友人の花柳瑠衣先輩曰く、通っている私立陽出学院高等学校では、学期問わず期末試験や学年末試験が終わってから終業式の前日までは半日期間になるそうだ。
ただ、今日だけは夕方までの日程となっている。
球技大会が開催されるからだ。
うちの高校の球技大会は、毎年、1学期の期末試験が終わってから終業式までの間の期間に実施される。
種目はバスケ、卓球、サッカー、ドッジボールの4種目。バスケと卓球は男女別で、サッカーは男子のみ、ドッジボールは女子のみ実施される。全種目、学年関係なくトーナメント戦で実施される。また、卓球は個人戦であり、それ以外の種目はクラス対抗のチーム戦だ。
参加する種目は6月中にあったロングホームルームの時間に決めた。俺・桐生由弦は、高校で出会った親友の加藤潤と一緒にサッカーに出場する。また、友人であり隣人の姫宮風花と、加藤の恋人の橋本奏さんはドッジボールに出場する。
また、美優先輩と花柳先輩もドッジボールに出場する。もしかしたら、風花と橋本さんが、先輩方と戦うことがあるかもしれないな。
中学までも球技大会はあったけど、高校の球技大会はどんな感じだろうか。中学までよりも楽しめたらいいな。恋人がいる中で球技大会に参加するのは初めてだし、きっと楽しい大会になるだろう。そうなるように頑張りたい。
開会式はテレビ中継の形で行なわれる。きっと、生徒数が多いことや、競技ごとに会場が違うため生徒達の移動を考えてのことだろう。
中学まではこういうイベントの開会式や閉会式は、校庭か体育館に全校生徒が集まってやっていたな。今みたいに暑い時期だと気怠かったことを覚えている。
涼しい教室でテレビを見ればいいので、校長先生のお話や球技大会の実行委員長によるスポーツマンシップに則って正々堂々と戦う選手宣誓の言葉はしっかりと聞くことができた。
「それでは、みなさん。それぞれの種目を頑張ってください! 先生も会場を廻ってみんなの応援をするわ!」
開会式が終わると、担任の霧嶋一佳先生が元気良くそう言った。風花が先日出場した水泳の都大会の応援で分かったけど、霧嶋先生って試合の応援を一生懸命にやるタイプだからなぁ。
霧嶋先生の言葉もあってか、我らのクラス・1年3組の志気が上がった。あとは、下は赤いジャージで上は半袖の白いVネックのTシャツといういつもとは違う服装なのも志気が上がる理由かもしれない。似合っているし。
霧嶋先生から、自分の出場する試合にちゃんと出れば、他の時間は自由に過ごしていいと伝えられた。それは美優先輩と花柳先輩からも聞いており、先輩方は去年の球技大会では友人の応援以外では涼しい教室でゆっくり過ごしていたらしい。
霧嶋先生は各種目のトーナメント表を黒板に貼る。また、先生は事前に1年3組チームや、うちのクラスの生徒のところに赤ペンで印を付けておいてくれている。
加藤と一緒にサッカーのトーナメント表を見ると、
「うちのクラス、第1試合だ」
うちのクラスを見つけた。うちのサッカーの初戦は、全体の第1試合だ。
「本当だ。さっそく試合できるなんて嬉しいぜ!」
加藤は嬉しそうな笑顔でそう言う。さすがはサッカー部に入っているだけのことはある。
ちなみに、対戦相手は1年6組。同学年のチームと戦えるのは運がいいな。
「ドッジボールは……第6試合だね、奏。相手は1年9組か」
「うん、そうだね。時間に余裕があるから、サッカーの応援ができるね」
「奏と姫宮が応援してくれるのは嬉しいな」
「そうだな。……2年4組のドッジボールの初戦はいつだろう。美優先輩と花柳先輩も応援してくれたらもっと嬉しいな」
「そうだね。ええと、2年4組は……」
と、風花はドッジボールのトーナメント表を見ていく。
「……あった。第5試合だよ」
「おお、第5試合か。それなら、先輩達もサッカーの応援をして大丈夫だな」
それが分かり、サッカーのやる気がさらに上がる。美優先輩が見る中でかっこいいプレーをしたいものだ。
「第5試合ってことは、どっちも1回戦に勝利したら2年4組と戦うことになるね」
「えっ、そうなんだ! 美優先輩や瑠衣先輩と戦いたいな!」
風花は目を輝かせながらそう言う。先輩でもあり、友人でもある美優先輩と花柳先輩といるクラスと戦いたいのか。水泳をやっている風花らしいな。
美優先輩と花柳先輩もドッジボールだし、風花と橋本さんが戦う姿が見られるかもしれないと思っていたけど、そうなる可能性は結構高そうだ。
LIMEというSNSアプリに俺、美優先輩、風花、花柳先輩、加藤、橋本さんがメンバーのグループトークがある。そこに風花が、まずは俺と加藤が出場するサッカーを応援しませんかとメッセージを送り、先輩方から承諾の返事をもらった。先輩方がうちのクラスに迎えに来て、一緒に会場に向かうことになった。
また、サッカーがうちのクラスでは最初の試合であるため、霧嶋先生も応援してくれるとのことだ。
それから程なくして、美優先輩と花柳先輩が来たので、俺達は水筒やタオルなどの荷物を持って、6人でサッカーの会場である校庭に向かう。
また、先輩方のクラスの担任であり、俺も所属している料理部の顧問の大宮成実先生は、男子バスケが第1試合なのでそちらの応援に向かうとのこと。ただ、うちのクラスのサッカーも応援しているとのこと。嬉しいな。
昇降口で外用のシューズに履き替え、校舎の外に出る。
外に出ると……7月の半ばだけあって蒸し暑いな。雲は多いけど、切れ間から日が差しているし。今日はずっとこんな天気らしい。梅雨明けしていないけど、雨が降る心配がないのは運がいい。
校庭に行くと……グラウンドには白線でラインが引かれており、ゴールが2つ設置されている。あれが試合のコートかな。
「おおっ、ちゃんとコートが用意されてるな。こういうのを見るとテンション上がってくるぜ!」
と、言葉通りのテンション高めな様子でそう言う加藤。さすがはサッカー部だけのことはある。サッカー少年の血が騒ぐのかもしれない。そんな加藤に橋本さんは「ふふっ」と楽しそうに笑う。
「加藤の言うこと……分かるな。あそこで試合するんだって思えるし。それにもうすぐ試合だから」
「そうか。桐生がそう言ってくれて嬉しいぜ」
加藤は嬉しそうに言った。
外は蒸し暑いし、屋外で実施する種目はサッカーだけだけど、校庭には意外と生徒がいるな。第1試合に出場する生徒はもちろん、両チームを応援する生徒、サッカー好きな生徒、第2試合以降に出場する生徒とかだろうか。
「由弦君、ゴールキーパーなんだよね。頑張ってね!」
「はい、頑張ります」
美優先輩の目を見ながらそう言う。
事前にサッカーに出場する生徒で話し合い、チームの中で一番背が高いのが理由で俺がゴールキーパーになった。中学までも授業や球技大会でキーパーをすることは何度もあったので快諾した。
「加藤君もね」
「潤、桐生君、頑張ってね! ここから応援してるよ!」
「由弦、加藤君、頑張ってね」
「桐生君、加藤君、頑張りなさいね」
美優先輩達は俺達にエールを送ってくれる。
「……間に合ったわ。桐生君も加藤君も頑張ってね。姫宮さん達と応援してるわ」
霧嶋先生が俺達のところにやってきて、俺達のことを見ながらそんな言葉を掛けてくれた。急いで来たのか、先生の頬がほんのりと赤くなっており、息はちょっと荒くなっている。
「ありがとうございます。キーパーとして頑張ります」
「ありがとうございます。サッカー部の部員として、うちのチームが点を取れるようなプレーをしていきたいです」
加藤は爽やかな笑顔でそう言った。うちのチームにはサッカー部所属でサッカーの上手い加藤がいるから、加藤を中心に攻撃を展開していくことになっている。
橋本さんの提案で、俺と加藤はみんなとグータッチする。橋本さん曰く、中学時代から部活などの試合前にはこうしてグータッチするのが恒例なのだそうだ。こうしてグータッチをすると、試合を頑張ろうって思えていいな。
「ねえ。由弦君」
「何ですか?」
美優先輩は頬をほんのりと赤くしている。どうしたんだろう?
「由弦君が活躍できるように……おまじないかけるね」
そう言うと、美優先輩は俺のすぐ目の前まで近づき、俺にキスしてきた。その瞬間、周りから黄色い声が聞こえてきた。
数秒ほどして、美優先輩から唇を離す。すると、目の前には恍惚とした笑顔で俺を見つめる先輩がいた。
「どう……かな? 頑張れそう?」
「……凄く頑張れそうです。ありがとうございます、美優先輩」
美優先輩の頭を優しく撫でる。
キスのおまじないまでしてくれたんだ。美優先輩にかっこいいところを見せたい。
「ふふっ、美優先輩らしいおまじないですね」
「恋人の白鳥さんだからこそできることね。ちょっとドキッとしてしまったわ」
「可愛いですねぇ、一佳先生。……桐生君。美優にキスしてもらったんだから頑張りなさいよ。ボールを止めなさい」
「ふふっ。私も美優先輩を見倣って潤におまじないかけよっと」
そう言うと、橋本さんは加藤に「ちゅっ」とキスのおまじないをする。再び周囲から黄色い声が聞こえてきた。
「頑張ってね、潤」
「おう。桐生達と頑張ってくるぜ」
加藤はいつもの爽やかな笑顔でそう言い、橋本さんの頭を撫でる。爽やかな空気が2人を包んでいるように見えた。
「まもなく、第1試合を始めまーす! 1年3組と1年6組の出場メンバーのみなさんはコートの中に入ってくださーい!」
サッカー担当の係と思われる男子生徒が大きな声でアナウンスしてきた。
俺と加藤はサッカーに出場するクラスメイト達と一緒にコートに入っていく。その際、俺は美優先輩に、加藤は橋本さんに荷物を預けて。
「恋人におまじないをかけられたし、頑張らないとな」
「そうだな、加藤」
「……キーパー、任せたぞ」
「ああ。攻撃は加藤を頼りにしてる」
「おう」
俺はキーパーとして、相手からゴールを守らないとな。
その後、アナウンスしてくれた生徒から、青いゼッケンを受け取る。また、誰がゴールキーパーなのか判別するために、俺だけは水色の1番のゼッケンを受け取った。
また、相手の1年6組の生徒は赤いゼッケンを受け取っており、ゴールキーパーの生徒はピンクのゼッケンを受け取っていた。
「桐生。相手チームのゼッケン3番……あの茶髪の奴。あいつ、サッカー部なんだ」
「そうなんだ」
「あいつ、ドリブルもシュートも上手いから、あいつには特に警戒してくれ」
「分かった」
相手もサッカー部の生徒がいるんだ。ゼッケン3番の茶髪の生徒……覚えたぞ。加藤並みのイケメンだ。サッカー部の生徒がいるってことは、相手もその生徒を中心に攻撃してくるだろう。
それからすぐに、審判を務める男性教師の指示でセンターラインに整列した。
「これより、1年3組対1年6組の試合を始めます」
『お願いします』
両チーム挨拶をして、俺はゴールの前まで向かった。その際、美優先輩達から「頑張ってー!」と声をかけられたので手を振る。
センターサークルには加藤の姿が。足元にはボールがある。どうやら、うちのチームからのキックオフのようだ。
――ピーッ!
男性教師がホイッスルを鳴らし、1年3組の初戦がスタートした。加藤がうちのクラスの生徒にパスを出す。
試合時間は7分。ゴールキーパーの俺はとにかく、俺の後ろにあるゴールを守ることを考えてプレーしよう。
うちのチームはサッカー部部員が加藤だけだけど、野球部や短距離専門の陸上部の生徒などもいるから、足の速い生徒は何人もいる。それもあり、テンポ良く相手チームのゴールに迫っていく。
「加藤!」
野球部の生徒が加藤にパスを回す。
加藤にパスが通り、加藤はすぐさま相手のゴールに向かってシュート!
『おおっ!』
加藤のシュートが見事に決まった! うちのチームが先制点を取ったぞ!
1対0。
シュートを決めた加藤は近くにいるうちのチームの生徒とハイタッチしている。加藤、明るい笑顔だな。俺も加藤に向かって拍手を送る。
「潤! かっこいいよー!」
橋本さんの黄色い絶叫が響き渡る。橋本さんの方を見ると、橋本さんはとても喜んだ様子だ。美優先輩達とハイタッチを交わしていて。いい光景だ。
「加藤君凄いね!」
「さすがはサッカー部!」
「いいシュートだったわ!」
「いいわよ、加藤君! この調子でみんなも頑張って!」
美優先輩達も加藤に向かって称賛の言葉を送る。
あと、さっきの加藤のシュートはとても速いシュートだったな。だから、相手のゴールキーパーの生徒は一歩も動けていなかった。加藤が警戒していたゼッケン3番の生徒も上手いらしいし、あのくらいのシュートが来ると覚悟しておいた方がいいだろう。
ゴールが決まったので、センターサークルから相手チームのボールでプレーが再開される。
予想通り、相手チームはゼッケン3番の生徒中心にプレーしている。3番の生徒には加藤がマークしているけど、3番の生徒はパスのやり取りが上手いな。
相手チームがボールを上手くパスしながら、うちのゴールに近づいてくる。3番の生徒を中心に警戒しないと。
そして、ペナルティエリアの中で、3番の生徒が味方からパスを受け取った次の瞬間、
「いけっ!」
ゴールに向かってシュートしてきた!
俺から見て右側の方にボールが飛んでくる。ただ、シュートをしてきた瞬間にすぐに体が動き、必死に右手を伸ばして、
――バシンッ!
右手にボールがしっかりと触れた。それもあって、ボールは弾かれ、ゴールに入ることはなく、ゴール横のエンドラインからコートの外に出た。
「ナイスブロック! 桐生!」
加藤は爽やかな笑顔でそう言い、俺と左手でハイタッチする。
「ありがとう。やっぱり、3番の生徒がシュートしてきたな」
「そうだな」
「加藤の忠告があったおかげで守れたよ。あとは、遠くからだけど、加藤の速いシュートを見ていたし」
それらがなかったら、さっきの相手のゴールキーパーのように、一歩も動くことができずにゴールを決められていたかもしれない。
「由弦君、かっこいいよー!」
美優先輩の黄色い声援が聞こえてきた。そちらを見ると、美優先輩はニッコリとした笑顔で手を振ってくる。先輩にかっこいい姿を見せられて嬉しいぜ。
「由弦凄いね! シュート止めたよ!」
「結構速いシュートだったわよね! 桐生君やるじゃない!」
「シュートをした生徒もサッカー部だし結構上手いんだけど、桐生君止めたね!」
「サッカー部の生徒のシュートを止めたのね! 桐生君、この調子よ!」
風花達も俺に向けて賛辞の言葉を送ってくれる。サッカー部の生徒のシュートを止めたのもあって、みんな凄く褒めてくれるな。嬉しいな。
「さあ、桐生。相手のコーナーキックだ。次も守るぞ」
「ああ」
最後に俺の右手が触れて、ゴールラインを割ったからな。相手チームのコーナーキックからプレー再開となる。
コートの端にあるコーナーアークに、さっきシュートしてきたゼッケン3番の生徒がいる。きっと、彼がコーナーキックをするのだろう。
――ピーッ!
と、ホイッスルが鳴り、ゼッケン3番の生徒がコーナーキックをする。
ボールはゴール前にいる生徒達のところに飛んでいき、
「おりゃあっ!」
相手チームの中で最も背の高いゼッケン5番の生徒がジャンプして、ゴールに向かってヘディングシュートをしてきた。ただ、そのシュートは俺にめがけて飛んできたので、俺はボールを両手で抱きしめる形でキャッチした。
「ナイス、桐生!」
「おう!」
今度は真正面だったから、落ち着いたボールをキャッチすることができた。良かった。
「加藤!」
俺は加藤に向かってパスを送った。
それからも試合が進んでいく。
うちのチームは加藤中心に、相手チームはゼッケン3番の生徒を中心にプレーするスタイルだ。
加藤は状況に応じてシュートやパスをしていき、うちのクラスは加藤によって追加点を挙げることができた。
ただ、相手チームも上手い。ボールが自分のものになると、ゼッケン3番の生徒を中心にゴールまで迫っていき、何本もシュートを放っていく。それらのシュートに俺は何とか食らいつき、ゴールを守っていく。
――ピーッ!
「そこまで!」
7分が経ち、試合終了となった。
得点板を見ると……2対0。うちのクラスの勝利だ!
うちのクラスのチームメイトはみんな喜び、コートの外にいる美優先輩達はハイタッチしている。
審判の教師の指示で両チームの選手はセンターラインで整列する。
「2対0で1年3組の勝利です!」
審判の男性教師がそう言い、コートには拍手の音が鳴り響いた。美優先輩達などから「おめでとう!」などの声がたくさん聞こえてきて。
高校では初めての球技大会で初勝利。友達と一緒に、恋人や友人達が見守る中でそれができてとても嬉しい。
7月17日、水曜日。
期末試験が終わってから1週間以上が経った。
現在は午前中のみ授業があり、お昼に下校となる半日期間だ。恋人の白鳥美優先輩や友人の花柳瑠衣先輩曰く、通っている私立陽出学院高等学校では、学期問わず期末試験や学年末試験が終わってから終業式の前日までは半日期間になるそうだ。
ただ、今日だけは夕方までの日程となっている。
球技大会が開催されるからだ。
うちの高校の球技大会は、毎年、1学期の期末試験が終わってから終業式までの間の期間に実施される。
種目はバスケ、卓球、サッカー、ドッジボールの4種目。バスケと卓球は男女別で、サッカーは男子のみ、ドッジボールは女子のみ実施される。全種目、学年関係なくトーナメント戦で実施される。また、卓球は個人戦であり、それ以外の種目はクラス対抗のチーム戦だ。
参加する種目は6月中にあったロングホームルームの時間に決めた。俺・桐生由弦は、高校で出会った親友の加藤潤と一緒にサッカーに出場する。また、友人であり隣人の姫宮風花と、加藤の恋人の橋本奏さんはドッジボールに出場する。
また、美優先輩と花柳先輩もドッジボールに出場する。もしかしたら、風花と橋本さんが、先輩方と戦うことがあるかもしれないな。
中学までも球技大会はあったけど、高校の球技大会はどんな感じだろうか。中学までよりも楽しめたらいいな。恋人がいる中で球技大会に参加するのは初めてだし、きっと楽しい大会になるだろう。そうなるように頑張りたい。
開会式はテレビ中継の形で行なわれる。きっと、生徒数が多いことや、競技ごとに会場が違うため生徒達の移動を考えてのことだろう。
中学まではこういうイベントの開会式や閉会式は、校庭か体育館に全校生徒が集まってやっていたな。今みたいに暑い時期だと気怠かったことを覚えている。
涼しい教室でテレビを見ればいいので、校長先生のお話や球技大会の実行委員長によるスポーツマンシップに則って正々堂々と戦う選手宣誓の言葉はしっかりと聞くことができた。
「それでは、みなさん。それぞれの種目を頑張ってください! 先生も会場を廻ってみんなの応援をするわ!」
開会式が終わると、担任の霧嶋一佳先生が元気良くそう言った。風花が先日出場した水泳の都大会の応援で分かったけど、霧嶋先生って試合の応援を一生懸命にやるタイプだからなぁ。
霧嶋先生の言葉もあってか、我らのクラス・1年3組の志気が上がった。あとは、下は赤いジャージで上は半袖の白いVネックのTシャツといういつもとは違う服装なのも志気が上がる理由かもしれない。似合っているし。
霧嶋先生から、自分の出場する試合にちゃんと出れば、他の時間は自由に過ごしていいと伝えられた。それは美優先輩と花柳先輩からも聞いており、先輩方は去年の球技大会では友人の応援以外では涼しい教室でゆっくり過ごしていたらしい。
霧嶋先生は各種目のトーナメント表を黒板に貼る。また、先生は事前に1年3組チームや、うちのクラスの生徒のところに赤ペンで印を付けておいてくれている。
加藤と一緒にサッカーのトーナメント表を見ると、
「うちのクラス、第1試合だ」
うちのクラスを見つけた。うちのサッカーの初戦は、全体の第1試合だ。
「本当だ。さっそく試合できるなんて嬉しいぜ!」
加藤は嬉しそうな笑顔でそう言う。さすがはサッカー部に入っているだけのことはある。
ちなみに、対戦相手は1年6組。同学年のチームと戦えるのは運がいいな。
「ドッジボールは……第6試合だね、奏。相手は1年9組か」
「うん、そうだね。時間に余裕があるから、サッカーの応援ができるね」
「奏と姫宮が応援してくれるのは嬉しいな」
「そうだな。……2年4組のドッジボールの初戦はいつだろう。美優先輩と花柳先輩も応援してくれたらもっと嬉しいな」
「そうだね。ええと、2年4組は……」
と、風花はドッジボールのトーナメント表を見ていく。
「……あった。第5試合だよ」
「おお、第5試合か。それなら、先輩達もサッカーの応援をして大丈夫だな」
それが分かり、サッカーのやる気がさらに上がる。美優先輩が見る中でかっこいいプレーをしたいものだ。
「第5試合ってことは、どっちも1回戦に勝利したら2年4組と戦うことになるね」
「えっ、そうなんだ! 美優先輩や瑠衣先輩と戦いたいな!」
風花は目を輝かせながらそう言う。先輩でもあり、友人でもある美優先輩と花柳先輩といるクラスと戦いたいのか。水泳をやっている風花らしいな。
美優先輩と花柳先輩もドッジボールだし、風花と橋本さんが戦う姿が見られるかもしれないと思っていたけど、そうなる可能性は結構高そうだ。
LIMEというSNSアプリに俺、美優先輩、風花、花柳先輩、加藤、橋本さんがメンバーのグループトークがある。そこに風花が、まずは俺と加藤が出場するサッカーを応援しませんかとメッセージを送り、先輩方から承諾の返事をもらった。先輩方がうちのクラスに迎えに来て、一緒に会場に向かうことになった。
また、サッカーがうちのクラスでは最初の試合であるため、霧嶋先生も応援してくれるとのことだ。
それから程なくして、美優先輩と花柳先輩が来たので、俺達は水筒やタオルなどの荷物を持って、6人でサッカーの会場である校庭に向かう。
また、先輩方のクラスの担任であり、俺も所属している料理部の顧問の大宮成実先生は、男子バスケが第1試合なのでそちらの応援に向かうとのこと。ただ、うちのクラスのサッカーも応援しているとのこと。嬉しいな。
昇降口で外用のシューズに履き替え、校舎の外に出る。
外に出ると……7月の半ばだけあって蒸し暑いな。雲は多いけど、切れ間から日が差しているし。今日はずっとこんな天気らしい。梅雨明けしていないけど、雨が降る心配がないのは運がいい。
校庭に行くと……グラウンドには白線でラインが引かれており、ゴールが2つ設置されている。あれが試合のコートかな。
「おおっ、ちゃんとコートが用意されてるな。こういうのを見るとテンション上がってくるぜ!」
と、言葉通りのテンション高めな様子でそう言う加藤。さすがはサッカー部だけのことはある。サッカー少年の血が騒ぐのかもしれない。そんな加藤に橋本さんは「ふふっ」と楽しそうに笑う。
「加藤の言うこと……分かるな。あそこで試合するんだって思えるし。それにもうすぐ試合だから」
「そうか。桐生がそう言ってくれて嬉しいぜ」
加藤は嬉しそうに言った。
外は蒸し暑いし、屋外で実施する種目はサッカーだけだけど、校庭には意外と生徒がいるな。第1試合に出場する生徒はもちろん、両チームを応援する生徒、サッカー好きな生徒、第2試合以降に出場する生徒とかだろうか。
「由弦君、ゴールキーパーなんだよね。頑張ってね!」
「はい、頑張ります」
美優先輩の目を見ながらそう言う。
事前にサッカーに出場する生徒で話し合い、チームの中で一番背が高いのが理由で俺がゴールキーパーになった。中学までも授業や球技大会でキーパーをすることは何度もあったので快諾した。
「加藤君もね」
「潤、桐生君、頑張ってね! ここから応援してるよ!」
「由弦、加藤君、頑張ってね」
「桐生君、加藤君、頑張りなさいね」
美優先輩達は俺達にエールを送ってくれる。
「……間に合ったわ。桐生君も加藤君も頑張ってね。姫宮さん達と応援してるわ」
霧嶋先生が俺達のところにやってきて、俺達のことを見ながらそんな言葉を掛けてくれた。急いで来たのか、先生の頬がほんのりと赤くなっており、息はちょっと荒くなっている。
「ありがとうございます。キーパーとして頑張ります」
「ありがとうございます。サッカー部の部員として、うちのチームが点を取れるようなプレーをしていきたいです」
加藤は爽やかな笑顔でそう言った。うちのチームにはサッカー部所属でサッカーの上手い加藤がいるから、加藤を中心に攻撃を展開していくことになっている。
橋本さんの提案で、俺と加藤はみんなとグータッチする。橋本さん曰く、中学時代から部活などの試合前にはこうしてグータッチするのが恒例なのだそうだ。こうしてグータッチをすると、試合を頑張ろうって思えていいな。
「ねえ。由弦君」
「何ですか?」
美優先輩は頬をほんのりと赤くしている。どうしたんだろう?
「由弦君が活躍できるように……おまじないかけるね」
そう言うと、美優先輩は俺のすぐ目の前まで近づき、俺にキスしてきた。その瞬間、周りから黄色い声が聞こえてきた。
数秒ほどして、美優先輩から唇を離す。すると、目の前には恍惚とした笑顔で俺を見つめる先輩がいた。
「どう……かな? 頑張れそう?」
「……凄く頑張れそうです。ありがとうございます、美優先輩」
美優先輩の頭を優しく撫でる。
キスのおまじないまでしてくれたんだ。美優先輩にかっこいいところを見せたい。
「ふふっ、美優先輩らしいおまじないですね」
「恋人の白鳥さんだからこそできることね。ちょっとドキッとしてしまったわ」
「可愛いですねぇ、一佳先生。……桐生君。美優にキスしてもらったんだから頑張りなさいよ。ボールを止めなさい」
「ふふっ。私も美優先輩を見倣って潤におまじないかけよっと」
そう言うと、橋本さんは加藤に「ちゅっ」とキスのおまじないをする。再び周囲から黄色い声が聞こえてきた。
「頑張ってね、潤」
「おう。桐生達と頑張ってくるぜ」
加藤はいつもの爽やかな笑顔でそう言い、橋本さんの頭を撫でる。爽やかな空気が2人を包んでいるように見えた。
「まもなく、第1試合を始めまーす! 1年3組と1年6組の出場メンバーのみなさんはコートの中に入ってくださーい!」
サッカー担当の係と思われる男子生徒が大きな声でアナウンスしてきた。
俺と加藤はサッカーに出場するクラスメイト達と一緒にコートに入っていく。その際、俺は美優先輩に、加藤は橋本さんに荷物を預けて。
「恋人におまじないをかけられたし、頑張らないとな」
「そうだな、加藤」
「……キーパー、任せたぞ」
「ああ。攻撃は加藤を頼りにしてる」
「おう」
俺はキーパーとして、相手からゴールを守らないとな。
その後、アナウンスしてくれた生徒から、青いゼッケンを受け取る。また、誰がゴールキーパーなのか判別するために、俺だけは水色の1番のゼッケンを受け取った。
また、相手の1年6組の生徒は赤いゼッケンを受け取っており、ゴールキーパーの生徒はピンクのゼッケンを受け取っていた。
「桐生。相手チームのゼッケン3番……あの茶髪の奴。あいつ、サッカー部なんだ」
「そうなんだ」
「あいつ、ドリブルもシュートも上手いから、あいつには特に警戒してくれ」
「分かった」
相手もサッカー部の生徒がいるんだ。ゼッケン3番の茶髪の生徒……覚えたぞ。加藤並みのイケメンだ。サッカー部の生徒がいるってことは、相手もその生徒を中心に攻撃してくるだろう。
それからすぐに、審判を務める男性教師の指示でセンターラインに整列した。
「これより、1年3組対1年6組の試合を始めます」
『お願いします』
両チーム挨拶をして、俺はゴールの前まで向かった。その際、美優先輩達から「頑張ってー!」と声をかけられたので手を振る。
センターサークルには加藤の姿が。足元にはボールがある。どうやら、うちのチームからのキックオフのようだ。
――ピーッ!
男性教師がホイッスルを鳴らし、1年3組の初戦がスタートした。加藤がうちのクラスの生徒にパスを出す。
試合時間は7分。ゴールキーパーの俺はとにかく、俺の後ろにあるゴールを守ることを考えてプレーしよう。
うちのチームはサッカー部部員が加藤だけだけど、野球部や短距離専門の陸上部の生徒などもいるから、足の速い生徒は何人もいる。それもあり、テンポ良く相手チームのゴールに迫っていく。
「加藤!」
野球部の生徒が加藤にパスを回す。
加藤にパスが通り、加藤はすぐさま相手のゴールに向かってシュート!
『おおっ!』
加藤のシュートが見事に決まった! うちのチームが先制点を取ったぞ!
1対0。
シュートを決めた加藤は近くにいるうちのチームの生徒とハイタッチしている。加藤、明るい笑顔だな。俺も加藤に向かって拍手を送る。
「潤! かっこいいよー!」
橋本さんの黄色い絶叫が響き渡る。橋本さんの方を見ると、橋本さんはとても喜んだ様子だ。美優先輩達とハイタッチを交わしていて。いい光景だ。
「加藤君凄いね!」
「さすがはサッカー部!」
「いいシュートだったわ!」
「いいわよ、加藤君! この調子でみんなも頑張って!」
美優先輩達も加藤に向かって称賛の言葉を送る。
あと、さっきの加藤のシュートはとても速いシュートだったな。だから、相手のゴールキーパーの生徒は一歩も動けていなかった。加藤が警戒していたゼッケン3番の生徒も上手いらしいし、あのくらいのシュートが来ると覚悟しておいた方がいいだろう。
ゴールが決まったので、センターサークルから相手チームのボールでプレーが再開される。
予想通り、相手チームはゼッケン3番の生徒中心にプレーしている。3番の生徒には加藤がマークしているけど、3番の生徒はパスのやり取りが上手いな。
相手チームがボールを上手くパスしながら、うちのゴールに近づいてくる。3番の生徒を中心に警戒しないと。
そして、ペナルティエリアの中で、3番の生徒が味方からパスを受け取った次の瞬間、
「いけっ!」
ゴールに向かってシュートしてきた!
俺から見て右側の方にボールが飛んでくる。ただ、シュートをしてきた瞬間にすぐに体が動き、必死に右手を伸ばして、
――バシンッ!
右手にボールがしっかりと触れた。それもあって、ボールは弾かれ、ゴールに入ることはなく、ゴール横のエンドラインからコートの外に出た。
「ナイスブロック! 桐生!」
加藤は爽やかな笑顔でそう言い、俺と左手でハイタッチする。
「ありがとう。やっぱり、3番の生徒がシュートしてきたな」
「そうだな」
「加藤の忠告があったおかげで守れたよ。あとは、遠くからだけど、加藤の速いシュートを見ていたし」
それらがなかったら、さっきの相手のゴールキーパーのように、一歩も動くことができずにゴールを決められていたかもしれない。
「由弦君、かっこいいよー!」
美優先輩の黄色い声援が聞こえてきた。そちらを見ると、美優先輩はニッコリとした笑顔で手を振ってくる。先輩にかっこいい姿を見せられて嬉しいぜ。
「由弦凄いね! シュート止めたよ!」
「結構速いシュートだったわよね! 桐生君やるじゃない!」
「シュートをした生徒もサッカー部だし結構上手いんだけど、桐生君止めたね!」
「サッカー部の生徒のシュートを止めたのね! 桐生君、この調子よ!」
風花達も俺に向けて賛辞の言葉を送ってくれる。サッカー部の生徒のシュートを止めたのもあって、みんな凄く褒めてくれるな。嬉しいな。
「さあ、桐生。相手のコーナーキックだ。次も守るぞ」
「ああ」
最後に俺の右手が触れて、ゴールラインを割ったからな。相手チームのコーナーキックからプレー再開となる。
コートの端にあるコーナーアークに、さっきシュートしてきたゼッケン3番の生徒がいる。きっと、彼がコーナーキックをするのだろう。
――ピーッ!
と、ホイッスルが鳴り、ゼッケン3番の生徒がコーナーキックをする。
ボールはゴール前にいる生徒達のところに飛んでいき、
「おりゃあっ!」
相手チームの中で最も背の高いゼッケン5番の生徒がジャンプして、ゴールに向かってヘディングシュートをしてきた。ただ、そのシュートは俺にめがけて飛んできたので、俺はボールを両手で抱きしめる形でキャッチした。
「ナイス、桐生!」
「おう!」
今度は真正面だったから、落ち着いたボールをキャッチすることができた。良かった。
「加藤!」
俺は加藤に向かってパスを送った。
それからも試合が進んでいく。
うちのチームは加藤中心に、相手チームはゼッケン3番の生徒を中心にプレーするスタイルだ。
加藤は状況に応じてシュートやパスをしていき、うちのクラスは加藤によって追加点を挙げることができた。
ただ、相手チームも上手い。ボールが自分のものになると、ゼッケン3番の生徒を中心にゴールまで迫っていき、何本もシュートを放っていく。それらのシュートに俺は何とか食らいつき、ゴールを守っていく。
――ピーッ!
「そこまで!」
7分が経ち、試合終了となった。
得点板を見ると……2対0。うちのクラスの勝利だ!
うちのクラスのチームメイトはみんな喜び、コートの外にいる美優先輩達はハイタッチしている。
審判の教師の指示で両チームの選手はセンターラインで整列する。
「2対0で1年3組の勝利です!」
審判の男性教師がそう言い、コートには拍手の音が鳴り響いた。美優先輩達などから「おめでとう!」などの声がたくさん聞こえてきて。
高校では初めての球技大会で初勝利。友達と一緒に、恋人や友人達が見守る中でそれができてとても嬉しい。
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