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特別編10
第9話『夏休みの始まり』
7月20日、土曜日。
とてもいい気分の中でゆっくりと目を覚ます。うっすらと明るくなっているから、もう朝になっているのか。サーッ、と雨音も聞こえる。
「あっ、由弦君起きた」
美優先輩の声が聞こえたので、声がした方に視線を向けると……いつもの優しい笑顔で俺を見てくる先輩がいる。先輩と目が合うと、先輩はニッコリと笑いかけてくれて。凄く可愛いし、幸せな気持ちになる。
「おはよう、由弦君」
「おはようございます、美優先輩」
朝の挨拶を交わして、俺から美優先輩におはようのキスをする。唇から先輩の柔らかさや温もりを感じられて。そのことで眠気が覚めていく。それと同時に、胸にある幸せな気持ちが膨らんでいって。
少しして、俺から唇を離す。すると、目の前には柔らかい笑顔で俺を見つめる美優先輩がいて。
「10分くらい前に目を覚ましてね。由弦君の可愛い寝顔を見たり、頬にそっとキスしたりしてた。由弦君が起きないように気をつけていたんだけど、起こしちゃったかな?」
「そんなことないですよ。とても気持ち良く起きられましたから」
「それなら良かった」
美優先輩はほっとした様子になる。
「むしろ、先輩がそういったことをしてくれたので、気持ち良く起きられたのかもしれません」
「ふふっ、そうだったら嬉しいな。……キュンとなったよ」
ニコッと笑いかけると、美優先輩は「ちゅっ」と唇を重ねてきた。自分からするキスもいいけど、先輩からされるキスもいいな。
「あと、目を覚ましたら由弦君が視界に入っていたのが嬉しくて。幸せで。それは普段から感じていることだけど、今日が夏休みの初日だからいつも以上に強く感じてる」
「分かります。目を覚ましてすぐに美優先輩の顔を見られて、キスできて。それが幸せだなって思いました。夏休みの最高の始まり方だなって思えます」
「そうだね!」
美優先輩は明るい笑顔で同意してくれる。そのことが嬉しくて、左手で先輩の頭を優しく撫でる。
頭を撫でられるのが気持ちいいのか、美優先輩の笑顔に柔らかさが感じられるように。
「去年の夏休みには、まさかこんなに可愛い恋人がいて、一緒に住んでいる中で高校最初の夏休みを迎えるとは想像もしなかったです。受験生でしたので、陽出学院高校で高校生活を送りたい気持ちはありましたが」
「ふふっ、そうだったんだ。まあ、こういう生活を送っているなんて想像できないよね。私も去年の夏休みには……後輩の男の子と一緒に住んで、その子と恋人になって高2の夏休みを迎えるとは思わなかったし」
「ですよね」
あははっ、と美優先輩と声に出して笑い合う。
受験勉強をしていた去年の夏休みの俺に今の状況を伝えても、全然信じてくれないかもしれないな。
「由弦君っていう恋人がいて、一緒に住んでいるから……今年の夏休みは今までで一番楽しい夏休みになりそうだよ」
「俺も今までで一番楽しい夏休みになりそうです」
「そっか。実際にそうなるように一緒に楽しく夏休みを過ごそうね」
「はい」
俺は美優先輩の目をしっかりと見つめながら返事をして、キスをする。一緒に楽しく過ごしましょうという誓いを込めて。
今日から始まる夏休みの間に美優先輩と何回するだろうか。一緒に暮らしているし、数え切れないくらいにたくさんするんだろうな。
ゆっくりと唇を離すと、美優先輩はニコニコ顔で俺を見つめてくる。
「今のキスは誓いのキスかな?」
「はい。一緒に楽しく過ごしましょうねっていう」
「ふふっ、そっか。一緒にアニメを観たり、課題をしたり、デートしたり、今日から3日間は風花ちゃん達の応援をしたりして楽しく過ごそうね」
「はい。あと、夏休みの間に帰省もしたいですね」
「そうだね。まだ行ったことがないから、夏休みの間に由弦君のご実家には行きたいな。由弦君のご実家や由弦君の部屋がどんな感じなのか興味があるし。由弦君のお父様とはまだ一度も直接会ったことがないから」
「そうですか。美優先輩と一緒に帰省したら、きっと家族みんな喜ぶと思います」
特に雫姉さんと心愛は。ゴールデンウィークに雫姉さんと心愛が泊まりに来たのを通じて、2人は美優先輩ととても仲良くなったから。
美優先輩と一緒なら、きっと楽しい帰省になるだろう。ゴールデンウィークに旅行の帰りに先輩のご実家に寄ったときは風花や花柳先輩達が一緒だったので、もしかしたら、彼女達も連れて行くかもしれないな。
「あと、高校生になったのでバイトにも興味があります。ゴールデンウィーク前に1日だけですけど、佐竹先輩のバイト先で助っ人でバイトをしましたし」
佐竹先輩というのは、103号室に住んでいる2年生の佐竹莉帆先輩のことだ。佐竹先輩は駅前にある喫茶店・ユナユナで接客のバイトをしている。バイトがとても楽しく、シフトによく入っているとのこと。
ゴールデンウィーク前に俺と美優先輩、花柳先輩がユナユナで助っ人でバイトをしたことがある。そのときは、俺と花柳先輩はホールで接客を、美優先輩はキッチンで調理を担当した。あのバイトは楽しかったな。
「バイトするのいいと思うよ。去年の夏休みに、瑠衣ちゃんと一緒にユナユナで助っ人のバイトをしたことがあったな。あとは、フード系のイベントスタッフの単発バイトも瑠衣ちゃんと一緒にやったの」
「そうだったんですか。夏休みって色々なイベントがありそうですもんね。まずは1日だけや短期のバイトをするのも良さそうですね」
「そうだね。短いとやりやすいし。……由弦君と一緒にバイトしたいな。ユナユナでの助っ人バイトでは、私はキッチンで由弦君はホール担当だったけど、できあがった料理を由弦君に渡すときはとてもいいなって思えたし。瑠衣ちゃんともやりたいな」
「そうですか。もし、美優先輩や花柳先輩と一緒ならより頑張れそうです」
「私も」
美優先輩はニコリと笑いながらそう言ってくれる。嬉しいな。
これまでやったバイトは、ゴールデンウィーク前にやったユナユナでの助っ人バイトくらいだ。なので、美優先輩や花柳先輩と一緒だと心強いし頑張れそうだ。
「あとは……一緒に住んでいるんだから、夏休み中は由弦君といっぱいイチャイチャしたいな」
「そうですね。それが夏休みの一番の楽しみかもしれません」
「ふふっ、嬉しいことを言ってくれるね」
美優先輩はそう言うと、俺のことを抱き寄せて、俺の顔を胸に埋めさせる。
昨日寝たときと同じで、今も美優先輩は裸だ。だから、額から鼻のあたりまで美優先輩の豊満な胸に包まれた状態に。胸の柔らかい感触と優しい温もりがはっきりと伝わり、呼吸する度に先輩の甘い匂いが香ってきて。控えめに言って最高だ。
「嬉しいから顔を胸に埋めさせてみたよ。どうかな? 私の胸は」
「……最高です。美優先輩の大きな胸が大好きだなって改めて思います」
「ふふっ。気持ちをストレートに言ってくれて嬉しい。そういうところも好きだよ」
優しい声色でそう言うと、脳天付近で優しく触れられた感覚が。きっと、美優先輩が俺の頭を優しく撫でてくれているのだろう。気持ちがいい。
顔面も脳天も気持ちいいので癒やされるけど、裸のままで美優先輩の胸に顔を埋めているのでドキドキもしてくるな。
「胸から由弦君の温もりを感じられて気持ちいいよ。定期的にかかる吐息も温かくて」
「ははっ、そうですか」
美優先輩に気持ち良さを与えることができて何よりだ。
数分ほど美優先輩の胸の柔らかさなどを堪能した後、ゆっくりと顔を離した。気持ちいいと言っていただけあって、先輩は幸せそうな笑顔になっていた。そんな先輩の笑顔にもまたドキッとさせられる。
「……あの、美優先輩」
「うん?」
「美優先輩の胸に顔を埋めていたら……したくなってきました。夏休み最初の……え、えっちを」
美優先輩の目をしっかりと見つめながら俺はそう言った。したいって誘ったのもあり、体が急に熱くなってくる。
美優先輩はいつもの柔らかい笑みを浮かべて、
「いいよ、由弦君。夏休みの初えっちしようか」
「ありがとうございます」
「いえいえ。由弦君から誘ってくれたことが嬉しいし。こちらこそありがとうだよ。朝からえっちしたことって一度もないから興味あるし」
「確かに……朝からしたことって一度もないですね」
夜にすることが一番多く、それ以外の時間帯だと、たまに夕方に学校から帰ってきたときにするくらいで。朝からしたことは一度もなかった。
「今日は午前中から関東大会を応援する予定がありますから、一回だけしましょう」
「そうだね。……初めての朝えっちで夏休みの初えっちしたら、一緒にお風呂に入ろうか」
「はい」
俺は美優先輩を抱き寄せて、そっとキスをした。
その後は温かいベッドの中で、夏休みの初えっちをした。
美優先輩と付き合い始めてから、たくさん肌を重ねてきたけど、朝にすることや夏休みにするのが初めてだから新鮮で。
昨日は肌を重ねた後はそのまま寝たので、昨晩よりも美優先輩の甘い匂いをはっきりと感じられて。そのことに興奮させられる。薄暗い中で気持ち良くなっている先輩を見ることも。
朝の時間帯に、そして夏休みになって初めて肌を重ねていることに興奮しているのだろうか。美優先輩は昨日の夜以上に積極的に動いていた。
朝に肌を重ねるのもいいものだ。高校最初の夏休みの初日にそれを学んだ。
肌を重ねた後は美優先輩と一緒に浴室に行き、髪や体を洗った。髪と背中は先輩と洗いっこして。
洗い終わった後は美優先輩と一緒に湯船に浸かる。湯船に寄りかかる形で浸かり、先輩のことを後ろから抱きしめて。先輩と湯船に浸かるときの定番の姿勢の一つだ。お湯だけでなく先輩の温もりを感じられて気持ちがいいのだ。
「あぁ、お風呂凄く気持ちいい……」
「本当に気持ちいいですね。朝から先輩と一緒に運動したからでしょうか」
「そうだね。由弦君と一緒に気持ちいい運動をしたからね。お湯の温かさと、背中から伝わる由弦君の温もりが気持ちいいよ」
「俺もです。美優先輩のことを抱きしめているのでより気持ちいいですね」
「ふふっ、嬉しい」
そう言うと、美優先輩はゆっくりと俺の方に振り返ってくる。俺と目が合うとニコッと笑って、そっとキスしてきた。
お湯の温もりも、抱きしめている美優先輩の体の温もりも気持ちいいけど、唇の柔らかさと共に伝ってくる温もりは特別に気持ちがいい。朝から体を動かしたことの疲れが取れていくのが分かる。
美優先輩から唇を離すと、目の前にはうっとりとした笑顔で俺を見つめる先輩がいて。
「朝からえっちするのもいいね。気持ち良かった」
「そうですね。たまにでも、これからは休日の朝にしましょうか」
「そうだね。……えっちもしたから、夏休みの最高のスタートを切れたよ」
「俺もです。美優先輩、ありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそありがとう」
いつもの優しい笑顔で美優先輩はお礼を言ってくれる。そのことが嬉しくて、可愛くて。気付けば、美優先輩を抱きしめる力が強くなっており、先輩にキスしていた。
美優先輩のおかげで最高のスタートを切ることができたな。
高校最初の夏休みは今までで一番の夏休みになる。俺に笑顔を向けてくれる美優先輩を見ながらそう確信した。
とてもいい気分の中でゆっくりと目を覚ます。うっすらと明るくなっているから、もう朝になっているのか。サーッ、と雨音も聞こえる。
「あっ、由弦君起きた」
美優先輩の声が聞こえたので、声がした方に視線を向けると……いつもの優しい笑顔で俺を見てくる先輩がいる。先輩と目が合うと、先輩はニッコリと笑いかけてくれて。凄く可愛いし、幸せな気持ちになる。
「おはよう、由弦君」
「おはようございます、美優先輩」
朝の挨拶を交わして、俺から美優先輩におはようのキスをする。唇から先輩の柔らかさや温もりを感じられて。そのことで眠気が覚めていく。それと同時に、胸にある幸せな気持ちが膨らんでいって。
少しして、俺から唇を離す。すると、目の前には柔らかい笑顔で俺を見つめる美優先輩がいて。
「10分くらい前に目を覚ましてね。由弦君の可愛い寝顔を見たり、頬にそっとキスしたりしてた。由弦君が起きないように気をつけていたんだけど、起こしちゃったかな?」
「そんなことないですよ。とても気持ち良く起きられましたから」
「それなら良かった」
美優先輩はほっとした様子になる。
「むしろ、先輩がそういったことをしてくれたので、気持ち良く起きられたのかもしれません」
「ふふっ、そうだったら嬉しいな。……キュンとなったよ」
ニコッと笑いかけると、美優先輩は「ちゅっ」と唇を重ねてきた。自分からするキスもいいけど、先輩からされるキスもいいな。
「あと、目を覚ましたら由弦君が視界に入っていたのが嬉しくて。幸せで。それは普段から感じていることだけど、今日が夏休みの初日だからいつも以上に強く感じてる」
「分かります。目を覚ましてすぐに美優先輩の顔を見られて、キスできて。それが幸せだなって思いました。夏休みの最高の始まり方だなって思えます」
「そうだね!」
美優先輩は明るい笑顔で同意してくれる。そのことが嬉しくて、左手で先輩の頭を優しく撫でる。
頭を撫でられるのが気持ちいいのか、美優先輩の笑顔に柔らかさが感じられるように。
「去年の夏休みには、まさかこんなに可愛い恋人がいて、一緒に住んでいる中で高校最初の夏休みを迎えるとは想像もしなかったです。受験生でしたので、陽出学院高校で高校生活を送りたい気持ちはありましたが」
「ふふっ、そうだったんだ。まあ、こういう生活を送っているなんて想像できないよね。私も去年の夏休みには……後輩の男の子と一緒に住んで、その子と恋人になって高2の夏休みを迎えるとは思わなかったし」
「ですよね」
あははっ、と美優先輩と声に出して笑い合う。
受験勉強をしていた去年の夏休みの俺に今の状況を伝えても、全然信じてくれないかもしれないな。
「由弦君っていう恋人がいて、一緒に住んでいるから……今年の夏休みは今までで一番楽しい夏休みになりそうだよ」
「俺も今までで一番楽しい夏休みになりそうです」
「そっか。実際にそうなるように一緒に楽しく夏休みを過ごそうね」
「はい」
俺は美優先輩の目をしっかりと見つめながら返事をして、キスをする。一緒に楽しく過ごしましょうという誓いを込めて。
今日から始まる夏休みの間に美優先輩と何回するだろうか。一緒に暮らしているし、数え切れないくらいにたくさんするんだろうな。
ゆっくりと唇を離すと、美優先輩はニコニコ顔で俺を見つめてくる。
「今のキスは誓いのキスかな?」
「はい。一緒に楽しく過ごしましょうねっていう」
「ふふっ、そっか。一緒にアニメを観たり、課題をしたり、デートしたり、今日から3日間は風花ちゃん達の応援をしたりして楽しく過ごそうね」
「はい。あと、夏休みの間に帰省もしたいですね」
「そうだね。まだ行ったことがないから、夏休みの間に由弦君のご実家には行きたいな。由弦君のご実家や由弦君の部屋がどんな感じなのか興味があるし。由弦君のお父様とはまだ一度も直接会ったことがないから」
「そうですか。美優先輩と一緒に帰省したら、きっと家族みんな喜ぶと思います」
特に雫姉さんと心愛は。ゴールデンウィークに雫姉さんと心愛が泊まりに来たのを通じて、2人は美優先輩ととても仲良くなったから。
美優先輩と一緒なら、きっと楽しい帰省になるだろう。ゴールデンウィークに旅行の帰りに先輩のご実家に寄ったときは風花や花柳先輩達が一緒だったので、もしかしたら、彼女達も連れて行くかもしれないな。
「あと、高校生になったのでバイトにも興味があります。ゴールデンウィーク前に1日だけですけど、佐竹先輩のバイト先で助っ人でバイトをしましたし」
佐竹先輩というのは、103号室に住んでいる2年生の佐竹莉帆先輩のことだ。佐竹先輩は駅前にある喫茶店・ユナユナで接客のバイトをしている。バイトがとても楽しく、シフトによく入っているとのこと。
ゴールデンウィーク前に俺と美優先輩、花柳先輩がユナユナで助っ人でバイトをしたことがある。そのときは、俺と花柳先輩はホールで接客を、美優先輩はキッチンで調理を担当した。あのバイトは楽しかったな。
「バイトするのいいと思うよ。去年の夏休みに、瑠衣ちゃんと一緒にユナユナで助っ人のバイトをしたことがあったな。あとは、フード系のイベントスタッフの単発バイトも瑠衣ちゃんと一緒にやったの」
「そうだったんですか。夏休みって色々なイベントがありそうですもんね。まずは1日だけや短期のバイトをするのも良さそうですね」
「そうだね。短いとやりやすいし。……由弦君と一緒にバイトしたいな。ユナユナでの助っ人バイトでは、私はキッチンで由弦君はホール担当だったけど、できあがった料理を由弦君に渡すときはとてもいいなって思えたし。瑠衣ちゃんともやりたいな」
「そうですか。もし、美優先輩や花柳先輩と一緒ならより頑張れそうです」
「私も」
美優先輩はニコリと笑いながらそう言ってくれる。嬉しいな。
これまでやったバイトは、ゴールデンウィーク前にやったユナユナでの助っ人バイトくらいだ。なので、美優先輩や花柳先輩と一緒だと心強いし頑張れそうだ。
「あとは……一緒に住んでいるんだから、夏休み中は由弦君といっぱいイチャイチャしたいな」
「そうですね。それが夏休みの一番の楽しみかもしれません」
「ふふっ、嬉しいことを言ってくれるね」
美優先輩はそう言うと、俺のことを抱き寄せて、俺の顔を胸に埋めさせる。
昨日寝たときと同じで、今も美優先輩は裸だ。だから、額から鼻のあたりまで美優先輩の豊満な胸に包まれた状態に。胸の柔らかい感触と優しい温もりがはっきりと伝わり、呼吸する度に先輩の甘い匂いが香ってきて。控えめに言って最高だ。
「嬉しいから顔を胸に埋めさせてみたよ。どうかな? 私の胸は」
「……最高です。美優先輩の大きな胸が大好きだなって改めて思います」
「ふふっ。気持ちをストレートに言ってくれて嬉しい。そういうところも好きだよ」
優しい声色でそう言うと、脳天付近で優しく触れられた感覚が。きっと、美優先輩が俺の頭を優しく撫でてくれているのだろう。気持ちがいい。
顔面も脳天も気持ちいいので癒やされるけど、裸のままで美優先輩の胸に顔を埋めているのでドキドキもしてくるな。
「胸から由弦君の温もりを感じられて気持ちいいよ。定期的にかかる吐息も温かくて」
「ははっ、そうですか」
美優先輩に気持ち良さを与えることができて何よりだ。
数分ほど美優先輩の胸の柔らかさなどを堪能した後、ゆっくりと顔を離した。気持ちいいと言っていただけあって、先輩は幸せそうな笑顔になっていた。そんな先輩の笑顔にもまたドキッとさせられる。
「……あの、美優先輩」
「うん?」
「美優先輩の胸に顔を埋めていたら……したくなってきました。夏休み最初の……え、えっちを」
美優先輩の目をしっかりと見つめながら俺はそう言った。したいって誘ったのもあり、体が急に熱くなってくる。
美優先輩はいつもの柔らかい笑みを浮かべて、
「いいよ、由弦君。夏休みの初えっちしようか」
「ありがとうございます」
「いえいえ。由弦君から誘ってくれたことが嬉しいし。こちらこそありがとうだよ。朝からえっちしたことって一度もないから興味あるし」
「確かに……朝からしたことって一度もないですね」
夜にすることが一番多く、それ以外の時間帯だと、たまに夕方に学校から帰ってきたときにするくらいで。朝からしたことは一度もなかった。
「今日は午前中から関東大会を応援する予定がありますから、一回だけしましょう」
「そうだね。……初めての朝えっちで夏休みの初えっちしたら、一緒にお風呂に入ろうか」
「はい」
俺は美優先輩を抱き寄せて、そっとキスをした。
その後は温かいベッドの中で、夏休みの初えっちをした。
美優先輩と付き合い始めてから、たくさん肌を重ねてきたけど、朝にすることや夏休みにするのが初めてだから新鮮で。
昨日は肌を重ねた後はそのまま寝たので、昨晩よりも美優先輩の甘い匂いをはっきりと感じられて。そのことに興奮させられる。薄暗い中で気持ち良くなっている先輩を見ることも。
朝の時間帯に、そして夏休みになって初めて肌を重ねていることに興奮しているのだろうか。美優先輩は昨日の夜以上に積極的に動いていた。
朝に肌を重ねるのもいいものだ。高校最初の夏休みの初日にそれを学んだ。
肌を重ねた後は美優先輩と一緒に浴室に行き、髪や体を洗った。髪と背中は先輩と洗いっこして。
洗い終わった後は美優先輩と一緒に湯船に浸かる。湯船に寄りかかる形で浸かり、先輩のことを後ろから抱きしめて。先輩と湯船に浸かるときの定番の姿勢の一つだ。お湯だけでなく先輩の温もりを感じられて気持ちがいいのだ。
「あぁ、お風呂凄く気持ちいい……」
「本当に気持ちいいですね。朝から先輩と一緒に運動したからでしょうか」
「そうだね。由弦君と一緒に気持ちいい運動をしたからね。お湯の温かさと、背中から伝わる由弦君の温もりが気持ちいいよ」
「俺もです。美優先輩のことを抱きしめているのでより気持ちいいですね」
「ふふっ、嬉しい」
そう言うと、美優先輩はゆっくりと俺の方に振り返ってくる。俺と目が合うとニコッと笑って、そっとキスしてきた。
お湯の温もりも、抱きしめている美優先輩の体の温もりも気持ちいいけど、唇の柔らかさと共に伝ってくる温もりは特別に気持ちがいい。朝から体を動かしたことの疲れが取れていくのが分かる。
美優先輩から唇を離すと、目の前にはうっとりとした笑顔で俺を見つめる先輩がいて。
「朝からえっちするのもいいね。気持ち良かった」
「そうですね。たまにでも、これからは休日の朝にしましょうか」
「そうだね。……えっちもしたから、夏休みの最高のスタートを切れたよ」
「俺もです。美優先輩、ありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそありがとう」
いつもの優しい笑顔で美優先輩はお礼を言ってくれる。そのことが嬉しくて、可愛くて。気付けば、美優先輩を抱きしめる力が強くなっており、先輩にキスしていた。
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