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特別編10
第12話『関東大会での風花の戦い②-女子100m自由形-』
7月21日、日曜日。
関東大会2日目。
俺達の住む東京都は朝からよく晴れている。ネットで調べると、関東大会が実施される山梨県も今日は晴天らしい。東京都も山梨県も明日以降も晴れが続く予報なので、どちらの地域も今日にも梅雨明けが発表されるだろう。
今日も花柳先輩の家で陽出学院高校水泳部の応援をする。ただ、今日はサッカー部の活動がお休みなので、加藤と橋本さんも一緒に。
また、花柳先輩の御両親は都心の方へデートに行く。今日は日曜日だし、何日も前から今日から天気が良くなると予報されていたので、デートをすることに決めていたそうだ。俺達7人で「楽しんできてください」と送ると、御両親は嬉しそうに家を出発していった。
7人と大人数であり、花柳先輩の御両親がデートで不在なのもあり、今日はリビングで応援することに。花柳先輩が部屋からノートパソコンを持ってきて、リビングの大画面テレビに繋げて、大会の模様を見ることに。
長いソファーが2つあり、俺と美優先輩、霧嶋先生と大宮先生がそれぞれ座り、花柳先輩と加藤と橋本さんはキッチンにある食卓から椅子を持ってきて座ることに。
風花は2日目の今日は女子100m自由形に出場する。昨日の女子400m個人メドレーに続いてインターハイ出場を決めてほしいな。そうなるためにも、東京から応援しよう。
今日は午前9時半からスタートした。
今日も午前中は各種目の予選だ。
時々、陽出学院高校水泳部の部員達が予選に登場する。そのときは応援で盛り上がって。また、
「田中さん、今日もとってもいいわよ!」
「木村君! 後半になって調子が上がってきたわね!」
と、霧嶋先生は今日も授業を受け持っていたり、去年までに教えたことがあったりする部員には一生懸命になって応援している。また、
「斉藤さーん! 頑張ってー!」
「頑張れ、斉藤!」
と、橋本さんと加藤は、同じ中学出身で同じクラスにもなったことがある斉藤さんという1年生の女子部員に特に大きな声で応援していた。同中出身なら応援に力が入るか。あとは、一生懸命応援する担任の姿に感化された可能性もありそうだ。ちなみに、斉藤さんは予選でインターハイ出場を決めた。
陽出学院高校水泳部の部員達は、各種目に設定されている全国大会の標準記録を突破してインターハイ出場を決める部員もいれば、インターハイ出場はまだ決められずとも決勝進出を決めた部員、予選落ちをしてしまった部員と様々だ。
たまに、笑顔になっている部員や悔しがっている部員の姿も映し出されて。その姿に心が震わされる。結果は違うけど、みんな真剣に試合に臨んだからだろう。
そして、午前10時半頃。
風花が出場する女子100m自由形の予選が開始された。
事前に大会の要項を調べたら、この種目の予選は全6組。風花は何組目に登場するのだろうか。
女子100m自由形の予選が進んでいき、
「あっ、風花ちゃん出てきた! 頑張って!」
予選第4組に風花が登場。そのことに美優先輩がいち早く反応した。
「頑張れ、風花!」
「風花ちゃん頑張って!」
「姫宮さん、頑張って!」
「頑張ってね、風花ちゃん!」
「頑張って、風花! 東京にいるし配信だけど、大きな声が出ちゃうね」
「そうだな、奏。頑張れよ、姫宮!」
俺達6人も画面に映っている山梨県の会場にいる風花に向かって大きな声援を送る。
風花が画面に映る。風花は笑顔で手を振っていて。きっと、会場で応援している部員や家族に向けてだろう。
「一佳ちゃん。女子100m自由形の全国大会の標準記録って何秒?」
大宮先生は霧嶋先生にそう問いかける。
霧嶋先生はトートバッグから紙を取り出して、
「ええと……59秒03ですね」
と答えた。59秒03か。これがインターハイ出場を決めるために必要な条件になるのか。
風花は都大会の決勝で59秒67を出していた。都大会の後も調子がいいそうだし、昨日は個人メドレーでインターハイ出場を決めていたから、その勢いに乗って自由形もインターハイ出場を決められる確率は十分にあるだろう。
風花は3レーンのスタート台の近くにある椅子に座り、水泳帽とゴーグルを装着する。その中で風花は真剣な様子になっていく。
「おおっ、姫宮の雰囲気が変わったな。きっと、ああやって気持ちを切り替えるんだろうな」
「そうだろうね。水泳の授業でも、タイムを計るときに水泳帽とゴーグルを付けると風花はあんな雰囲気になるよ。かっこよくてキュンってなるんだよね。しかも速いし」
加藤と橋本さんはそんなことを言う。スポーツをやっていたり、風花と一緒に授業を受けていたりする2人らしい言葉だと思う。
審判員が笛を鳴らすと、選手達は各レーンのスタート台に立つ。風花の2種目目の戦いが始まるんだ。
「風花が1位になれるように、そして標準記録を突破できるようにみんなで応援しましょう」
俺は美優先輩達に向かってそう言う。先輩達はみんな笑顔で「そうだね」と頷いた。
『Take your marks』
昨日からたくさん聞いてきたアナウンスが流れると、選手達はスタートの構えを見せる。決勝進出とインターハイ出場決定に向けて頑張れ、風花!
――ピッ。
スタート音が鳴り響き、選手達は勢い良くプールに飛び込んだ。
風花はスタート音にいい反応をした。
3レーンの風花は10mほど潜ってから水面から上がり、クロールで泳ぎ始める。自由形という種目ではあるけど、速さを求めて全員クロールだ。
「風花ちゃん、首位争いをしてる!」
「そうね、白鳥さん! 姫宮さん、いいスタートよ!」
美優先輩と霧嶋先生の言う通り、風花は4レーンと5レーンの選手と首位争いをしている。
「風花、今日も速いね!」
「そうだな! 姫宮って本当に速いんだな!」
「プールサイドで何度も見たことあるけど凄く速いよ! 風花なら絶対にインターハイ出場を決められるよ! 頑張って、風花!」
「姫宮、頑張れ!」
加藤と橋本さんは風花に向けて大きな声で応援してくれる。水泳の大会で風花を応援する姿を見るのはこれが初めてだからとても嬉しく思う。
「橋本さんの言う通りだな。風花なら決められるぞ! 頑張れ!」
「頑張って、風花ちゃん!」
「風花ちゃん、頑張って!」
俺、花柳先輩、大宮先生も風花に向けて声援を送る。
風花は4レーンと5レーンの選手と首位争いを繰り広げたまま、50mのターン。試合は後半戦に突入する。
ターンして少ししてから、風花は首位争いをしている4レーンと5レーンの選手と少しずつ差を広げ始める。風花はどの泳ぎも速く泳げるオールラウンダーだけど、一番得意なのはクロール。さすがの泳ぎだ。
「姫宮さん、4レーンと5レーンの生徒を離し始めたわ!」
「これなら1位行けそうだね、一佳ちゃん!」
「おお、速いなぁ、姫宮!」
「速いよね! かっこいいよ、風花! 頑張って!」
「その調子で泳げばインターハイ決められるよ! 風花ちゃん、頑張って!」
「美優の言う通りね! 頑張って、風花ちゃん!」
後半になって加速していく風花の泳ぎを見てか、みんな興奮した様子で応援している。みんなの応援の声がより大きくなる。
「風花、頑張れ! そのままゴールまで行くんだ!」
俺もみんなに負けじと大きな声で風花を応援する。
その後もみんなで風花のことを応援していく。
風花は他の生徒との差をどんどん広げていって。最終的には首位争いをしていた4レーンと5レーンの選手とは体1つ分近い差を付けて、1位でゴールした!
「よし、風花1位だ!」
「そうだね、由弦君! あとはタイムだね!」
そう。標準記録である59秒03を突破すれば、予選でもインターハイ出場が決定する。結構調子が良かったように見えたけど、どんなタイムになっているだろうか。
100mのレースなので、それから程なくして全ての選手がゴールする。
そして、映像は電光掲示板に切り替わり、
『1位:姫宮風花 (陽出学院・東京) 58.92』
「58秒92! インターハイ出場決定です!」
『やったー!』
俺がインターハイ出場が決まったことを言うと、本日最大の喜びの声がリビングに響き渡った!
昨日と同じように、俺は隣に座っている美優先輩と抱きしめ合い、花柳先輩が椅子から立ち上がって後ろから美優先輩を抱きしめている。2人とも嬉しそうで。
また、霧嶋先生と大宮先生、加藤と橋本さんもぎゅっと抱きしめ合っていて。4人とも嬉しそうにしており、霧嶋先生は昨日と同じく涙を浮かべている。
「凄いよね、風花ちゃん。予選でインターハイを決められるんだもん!」
「ですね! さすがは風花ですよ!」
「速かったものね!」
「授業でも凄いと思っていましたけど、インターハイ出場を決められるほどだなんて。本当に風花は凄いよ!」
「凄えな、インターハイ! 競技は違うけどいい刺激になるぜ!」
「本当に姫宮さんは凄いわ! 2種目でインターハイだもの!」
「凄い子だよね、一佳ちゃん!」
みんな、インターハイ出場を決めた風花について称賛の言葉を言う。風花の友達だし、隣人だし、風花から泳ぎ方を教えてもらったのもあって凄く嬉しい気持ちになる。
このレースで1位になったのもあってか、風花の姿が映し出される。電光掲示板を見てインターハイ出場を決められたと分かったのか、風花はとても嬉しそうにしている。
「風花、今日もおめでとう!」
「おめでとう! 2種目決められて凄いよ、風花ちゃん!」
「本当に凄いわね!」
「インターハイ出場おめでとう! 姫宮!」
「風花、おめでとう!」
「姫宮さん、2種目目おめでとう! 今日もおめでとうって言えて嬉しいわ!」
「おめでとう、風花ちゃん!」
画面に映っている風花に向けて、俺達は祝福の言葉を送った。昨日も思ったけど、風花には聞こえないと分かっていても、おめでとうって言うと温かい気持ちになれる。
俺達はLIMEのグループトークで、今言ったような祝福のメッセージを送った。
その後も予選レースは進んでいき、最終的には風花は全体5位で決勝進出が決定した。
予選が終わってからすぐに風花から、
『ありがとうございます! 予選でインターハイ出場を決められて嬉しいです! 決勝でも思いっきり泳ぎます!』
というメッセージが届いた。2種目めをインターハイ出場が決められて嬉しい気持ちが伝わってくる。予選ではいい泳ぎをしていたし、きっと決勝でもいい泳ぎができることだろう。
また、風花のメッセージを見ていると、関東地方が梅雨明けしたことの速報ニュースの通知が届いた。予想通りだったか。
その後も俺達は陽出学院高校の水泳部を応援していく。途中、大会の昼休みに合わせて、俺達も俺と美優先輩と花柳先輩が作ったそうめんを食べて。
午後2時半頃に行なわれた決勝レースでも、風花は58秒90と安定した泳ぎを見せて、第5位に入賞した。風花、インターハイ出場と入賞おめでとう。
関東大会2日目。
俺達の住む東京都は朝からよく晴れている。ネットで調べると、関東大会が実施される山梨県も今日は晴天らしい。東京都も山梨県も明日以降も晴れが続く予報なので、どちらの地域も今日にも梅雨明けが発表されるだろう。
今日も花柳先輩の家で陽出学院高校水泳部の応援をする。ただ、今日はサッカー部の活動がお休みなので、加藤と橋本さんも一緒に。
また、花柳先輩の御両親は都心の方へデートに行く。今日は日曜日だし、何日も前から今日から天気が良くなると予報されていたので、デートをすることに決めていたそうだ。俺達7人で「楽しんできてください」と送ると、御両親は嬉しそうに家を出発していった。
7人と大人数であり、花柳先輩の御両親がデートで不在なのもあり、今日はリビングで応援することに。花柳先輩が部屋からノートパソコンを持ってきて、リビングの大画面テレビに繋げて、大会の模様を見ることに。
長いソファーが2つあり、俺と美優先輩、霧嶋先生と大宮先生がそれぞれ座り、花柳先輩と加藤と橋本さんはキッチンにある食卓から椅子を持ってきて座ることに。
風花は2日目の今日は女子100m自由形に出場する。昨日の女子400m個人メドレーに続いてインターハイ出場を決めてほしいな。そうなるためにも、東京から応援しよう。
今日は午前9時半からスタートした。
今日も午前中は各種目の予選だ。
時々、陽出学院高校水泳部の部員達が予選に登場する。そのときは応援で盛り上がって。また、
「田中さん、今日もとってもいいわよ!」
「木村君! 後半になって調子が上がってきたわね!」
と、霧嶋先生は今日も授業を受け持っていたり、去年までに教えたことがあったりする部員には一生懸命になって応援している。また、
「斉藤さーん! 頑張ってー!」
「頑張れ、斉藤!」
と、橋本さんと加藤は、同じ中学出身で同じクラスにもなったことがある斉藤さんという1年生の女子部員に特に大きな声で応援していた。同中出身なら応援に力が入るか。あとは、一生懸命応援する担任の姿に感化された可能性もありそうだ。ちなみに、斉藤さんは予選でインターハイ出場を決めた。
陽出学院高校水泳部の部員達は、各種目に設定されている全国大会の標準記録を突破してインターハイ出場を決める部員もいれば、インターハイ出場はまだ決められずとも決勝進出を決めた部員、予選落ちをしてしまった部員と様々だ。
たまに、笑顔になっている部員や悔しがっている部員の姿も映し出されて。その姿に心が震わされる。結果は違うけど、みんな真剣に試合に臨んだからだろう。
そして、午前10時半頃。
風花が出場する女子100m自由形の予選が開始された。
事前に大会の要項を調べたら、この種目の予選は全6組。風花は何組目に登場するのだろうか。
女子100m自由形の予選が進んでいき、
「あっ、風花ちゃん出てきた! 頑張って!」
予選第4組に風花が登場。そのことに美優先輩がいち早く反応した。
「頑張れ、風花!」
「風花ちゃん頑張って!」
「姫宮さん、頑張って!」
「頑張ってね、風花ちゃん!」
「頑張って、風花! 東京にいるし配信だけど、大きな声が出ちゃうね」
「そうだな、奏。頑張れよ、姫宮!」
俺達6人も画面に映っている山梨県の会場にいる風花に向かって大きな声援を送る。
風花が画面に映る。風花は笑顔で手を振っていて。きっと、会場で応援している部員や家族に向けてだろう。
「一佳ちゃん。女子100m自由形の全国大会の標準記録って何秒?」
大宮先生は霧嶋先生にそう問いかける。
霧嶋先生はトートバッグから紙を取り出して、
「ええと……59秒03ですね」
と答えた。59秒03か。これがインターハイ出場を決めるために必要な条件になるのか。
風花は都大会の決勝で59秒67を出していた。都大会の後も調子がいいそうだし、昨日は個人メドレーでインターハイ出場を決めていたから、その勢いに乗って自由形もインターハイ出場を決められる確率は十分にあるだろう。
風花は3レーンのスタート台の近くにある椅子に座り、水泳帽とゴーグルを装着する。その中で風花は真剣な様子になっていく。
「おおっ、姫宮の雰囲気が変わったな。きっと、ああやって気持ちを切り替えるんだろうな」
「そうだろうね。水泳の授業でも、タイムを計るときに水泳帽とゴーグルを付けると風花はあんな雰囲気になるよ。かっこよくてキュンってなるんだよね。しかも速いし」
加藤と橋本さんはそんなことを言う。スポーツをやっていたり、風花と一緒に授業を受けていたりする2人らしい言葉だと思う。
審判員が笛を鳴らすと、選手達は各レーンのスタート台に立つ。風花の2種目目の戦いが始まるんだ。
「風花が1位になれるように、そして標準記録を突破できるようにみんなで応援しましょう」
俺は美優先輩達に向かってそう言う。先輩達はみんな笑顔で「そうだね」と頷いた。
『Take your marks』
昨日からたくさん聞いてきたアナウンスが流れると、選手達はスタートの構えを見せる。決勝進出とインターハイ出場決定に向けて頑張れ、風花!
――ピッ。
スタート音が鳴り響き、選手達は勢い良くプールに飛び込んだ。
風花はスタート音にいい反応をした。
3レーンの風花は10mほど潜ってから水面から上がり、クロールで泳ぎ始める。自由形という種目ではあるけど、速さを求めて全員クロールだ。
「風花ちゃん、首位争いをしてる!」
「そうね、白鳥さん! 姫宮さん、いいスタートよ!」
美優先輩と霧嶋先生の言う通り、風花は4レーンと5レーンの選手と首位争いをしている。
「風花、今日も速いね!」
「そうだな! 姫宮って本当に速いんだな!」
「プールサイドで何度も見たことあるけど凄く速いよ! 風花なら絶対にインターハイ出場を決められるよ! 頑張って、風花!」
「姫宮、頑張れ!」
加藤と橋本さんは風花に向けて大きな声で応援してくれる。水泳の大会で風花を応援する姿を見るのはこれが初めてだからとても嬉しく思う。
「橋本さんの言う通りだな。風花なら決められるぞ! 頑張れ!」
「頑張って、風花ちゃん!」
「風花ちゃん、頑張って!」
俺、花柳先輩、大宮先生も風花に向けて声援を送る。
風花は4レーンと5レーンの選手と首位争いを繰り広げたまま、50mのターン。試合は後半戦に突入する。
ターンして少ししてから、風花は首位争いをしている4レーンと5レーンの選手と少しずつ差を広げ始める。風花はどの泳ぎも速く泳げるオールラウンダーだけど、一番得意なのはクロール。さすがの泳ぎだ。
「姫宮さん、4レーンと5レーンの生徒を離し始めたわ!」
「これなら1位行けそうだね、一佳ちゃん!」
「おお、速いなぁ、姫宮!」
「速いよね! かっこいいよ、風花! 頑張って!」
「その調子で泳げばインターハイ決められるよ! 風花ちゃん、頑張って!」
「美優の言う通りね! 頑張って、風花ちゃん!」
後半になって加速していく風花の泳ぎを見てか、みんな興奮した様子で応援している。みんなの応援の声がより大きくなる。
「風花、頑張れ! そのままゴールまで行くんだ!」
俺もみんなに負けじと大きな声で風花を応援する。
その後もみんなで風花のことを応援していく。
風花は他の生徒との差をどんどん広げていって。最終的には首位争いをしていた4レーンと5レーンの選手とは体1つ分近い差を付けて、1位でゴールした!
「よし、風花1位だ!」
「そうだね、由弦君! あとはタイムだね!」
そう。標準記録である59秒03を突破すれば、予選でもインターハイ出場が決定する。結構調子が良かったように見えたけど、どんなタイムになっているだろうか。
100mのレースなので、それから程なくして全ての選手がゴールする。
そして、映像は電光掲示板に切り替わり、
『1位:姫宮風花 (陽出学院・東京) 58.92』
「58秒92! インターハイ出場決定です!」
『やったー!』
俺がインターハイ出場が決まったことを言うと、本日最大の喜びの声がリビングに響き渡った!
昨日と同じように、俺は隣に座っている美優先輩と抱きしめ合い、花柳先輩が椅子から立ち上がって後ろから美優先輩を抱きしめている。2人とも嬉しそうで。
また、霧嶋先生と大宮先生、加藤と橋本さんもぎゅっと抱きしめ合っていて。4人とも嬉しそうにしており、霧嶋先生は昨日と同じく涙を浮かべている。
「凄いよね、風花ちゃん。予選でインターハイを決められるんだもん!」
「ですね! さすがは風花ですよ!」
「速かったものね!」
「授業でも凄いと思っていましたけど、インターハイ出場を決められるほどだなんて。本当に風花は凄いよ!」
「凄えな、インターハイ! 競技は違うけどいい刺激になるぜ!」
「本当に姫宮さんは凄いわ! 2種目でインターハイだもの!」
「凄い子だよね、一佳ちゃん!」
みんな、インターハイ出場を決めた風花について称賛の言葉を言う。風花の友達だし、隣人だし、風花から泳ぎ方を教えてもらったのもあって凄く嬉しい気持ちになる。
このレースで1位になったのもあってか、風花の姿が映し出される。電光掲示板を見てインターハイ出場を決められたと分かったのか、風花はとても嬉しそうにしている。
「風花、今日もおめでとう!」
「おめでとう! 2種目決められて凄いよ、風花ちゃん!」
「本当に凄いわね!」
「インターハイ出場おめでとう! 姫宮!」
「風花、おめでとう!」
「姫宮さん、2種目目おめでとう! 今日もおめでとうって言えて嬉しいわ!」
「おめでとう、風花ちゃん!」
画面に映っている風花に向けて、俺達は祝福の言葉を送った。昨日も思ったけど、風花には聞こえないと分かっていても、おめでとうって言うと温かい気持ちになれる。
俺達はLIMEのグループトークで、今言ったような祝福のメッセージを送った。
その後も予選レースは進んでいき、最終的には風花は全体5位で決勝進出が決定した。
予選が終わってからすぐに風花から、
『ありがとうございます! 予選でインターハイ出場を決められて嬉しいです! 決勝でも思いっきり泳ぎます!』
というメッセージが届いた。2種目めをインターハイ出場が決められて嬉しい気持ちが伝わってくる。予選ではいい泳ぎをしていたし、きっと決勝でもいい泳ぎができることだろう。
また、風花のメッセージを見ていると、関東地方が梅雨明けしたことの速報ニュースの通知が届いた。予想通りだったか。
その後も俺達は陽出学院高校の水泳部を応援していく。途中、大会の昼休みに合わせて、俺達も俺と美優先輩と花柳先輩が作ったそうめんを食べて。
午後2時半頃に行なわれた決勝レースでも、風花は58秒90と安定した泳ぎを見せて、第5位に入賞した。風花、インターハイ出場と入賞おめでとう。
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