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特別編10
エピローグ『インターハイも頑張ると意気込んだ。』
「これで夕ご飯の準備OKですかね」
「そうだね。由弦君、瑠衣ちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様。楽しく準備できたわ」
「楽しかったですね。先輩方、お疲れ様でした」
「ふふっ。私も楽しかったよ」
午後7時20分。
俺と美優先輩と花柳先輩で、夕ご飯の準備を終わらせた。メインは風花のリクエストしたハンバーグだ。あとはコンソメ仕立ての野菜スープと、夕方に近所のスーパーで買ったバターロール。
美優先輩と花柳先輩がハンバーグ、俺が野菜スープを担当した。
ハンバーグはタネを作った状態であり、あとは焼けば完成だ。風花にできたてを食べてほしいので、風花が帰ってきたらハンバーグを焼くことにしている。
金曜日以来に風花と会えるし、美優先輩と花柳先輩と一緒だから夕食の準備を楽しくすることができた。
夕方頃に風花から連絡があり、風花は午後7時半頃に陽出学院高校の前に到着するらしい。予定通りであれば、あと少しで風花が帰ってくるだろう。
風花が帰ってくるまでは、食卓の椅子に座って麦茶を飲みながら、3人で談笑して過ごしていく。
そして、午後7時40分。
――ピンポーン。
インターホンが鳴った。時間からして風花だろうか。
美優先輩は期待の表情をして食卓の椅子を立ち上がり、廊下へ行く扉の側にあるモニターへ向かう。
「はい。……あっ、風花ちゃん!」
インターホンを鳴らしたのは風花だったか。それもあってか、途中から美優先輩の声のトーンが上がったな。
『風花です。帰ってきました!』
「おかえり。すぐに行くね。……風花ちゃんだよ。2人も出迎える?」
「ええ」
「もちろんよ!」
直接会うのは金曜日以来だからな。
俺と花柳先輩は食卓の椅子から立ち上がって、美優先輩と一緒に風花を出迎えるために玄関へ行く。
美優先輩が扉を開けると、そこにはハーフパンツと水泳部の半袖のTシャツを着た風花が立っていた。風花はいつもの明るい笑顔になって、
「ただいまです! 帰ってきました!」
と、元気良く言ってくれた。
無事に帰ってきて、元気な姿を見せてくれたことにほっとする。風花と出会ってから、こんなにも風花と会わないのは初めてだったから。まあ、大会の生配信で風花の様子を見ていたけどさ。自然と頬が緩んでいく。
俺と同じような気持ちなのか、美優先輩と花柳先輩も優しい笑顔を風花に向けていた。
『おかえり』
3人で声を揃えて風花にそう言った。
風花のすぐ目の前に立っている美優先輩は風花のことを抱きしめる。
「み、美優先輩?」
「久しぶりに会うから抱きしめたくなっちゃって。こんなに風花ちゃんと会わないことは今までなかったし」
「そういえば……そうですね。美優先輩の優しい温もりやいい匂いを感じると、伯分寺に帰ってきたんだなって実感できます」
風花は穏やかな笑顔でそう言うと、美優先輩の背中に両手を回した。
「風花ちゃん。関東大会お疲れ様。出場した3種目ともインターハイ出場を決められるなんて凄いよ。よく頑張ったね。おめでとう! 試合の様子を由弦君達と一緒に観たけど、感動したよ」
美優先輩は優しい声色でそう言い、風花の頭を撫でる。
「美優先輩の言う通りだな。3種目ともインターハイ出場を決められて凄いよ。おめでとう! そして、お疲れ様」
「風花ちゃん、3種目インターハイ出場おめでとう! 美優達と一緒に配信で観たけど、とてもいい泳ぎだったよ。興奮したし、感動したよ!」
俺と花柳先輩も関東大会での風花の泳ぎを称賛し、インターハイ出場を決めた祝福の言葉を送った。それもあってか、風花はニッコリとした可愛い笑顔になり、
「ありがとうございます! みんなの応援もおかげもあって、3種目全部でインターハイ出場を決められました。ありがとうございました! 来月のインターハイも頑張ります!」
と、大きな声で言った。生配信でも風花の笑顔を見たけど、直接笑顔を見られるととても嬉しくて、胸が温かくなっていく。
風花の関東大会での泳ぎは見事だった。きっと、来月のインターハイでも健闘できることだろう。
その後、美優先輩が抱擁を解くと、今度は花柳先輩が風花と抱きしめ合う。頑張りを讃える意味なのか、花柳先輩は風花の頭を撫でた。
風花と花柳先輩の抱擁が終わった後、俺は風花とハイタッチした。そのとき、風花はとても嬉しそうで。
「じゃあ、風花ちゃんが帰ってきたし、ハンバーグを焼こうか」
「そうね、美優」
「野菜スープも温め直しましょう」
「もうすぐ食べられるんですね。大会ではハンバーグも一つの糧になりました」
「ふふっ。用意するから、風花ちゃんは荷物を家に置いてきて」
「分かりました! あと、ホテルの売店で、山梨へ行ったお土産と応援のお礼で信玄餅を買ってきました。なので、デザートに食べましょう!」
「そうだね! ありがとう、風花ちゃん!」
「嬉しいわ、風花ちゃん。ありがとう!」
「ありがとう、風花」
俺達3人がお礼を言うと、風花は持ち前の明るい笑顔を見せてくれた。
その後、美優先輩と花柳先輩はハンバーグを焼き、俺は野菜スープを温めている間にリビングの食卓に配膳する。
ハンバーグが焼き上がり、スープも温まったところで、風花が家にやってきた。
ハンバーグや野菜スープをよそって、俺達4人は食卓の椅子に腰を下ろす。座っている場所は金曜日に冷やし中華を食べたときと同じく、美優先輩と隣同士で、風花とは向かい合っている。
「うわあっ、美味しそうですっ!」
風花は目を輝かせながら、自分の前に置かれたハンバーグや野菜スープを見ている。
「風花ちゃんのお口に合えば嬉しいな」
「そうね。風花ちゃんにリクエストされたハンバーグだし」
「ですね。俺の作った野菜スープも口に合うと嬉しいよ」
「料理部の3人が作ったんですから、きっと美味しいですよ。では、いただきます!」
『いただきます!』
風花の号令で、夕食を食べ始める。
美優先輩と花柳先輩の特製ハンバーグを食べよう。ナイフとフォークを使って、デミグラスソースのかかったハンバーグを一口分切り分ける。その際、肉汁がハンバーグからジュワッと溢れ出してきて。本当に美味しそうだ。
切り分けたハンバーグを一口食べると、
「美味しい」
咀嚼する度に旨味たっぷりの肉汁が出てきて。デミグラスソースとの相性が抜群でとても美味しい。
「美味しいよね、由弦! とっても美味しいです、美優先輩、瑠衣先輩!」
風花はニッコリとした笑顔でそう言うと、ハンバーグを一口分切り分けて口の中に入れる。とっても美味しいからか、風花は幸せそうな笑顔でモグモグと食べている。先輩方がハンバーグを作っている姿を見ていたから、風花に美味しく食べてもらえて嬉しい。
「美味しくできて良かったよ」
「良かったわ。まあ、美優のレシピで作ったから、美味しくできるとは思っていたけどね」
「そうだったんですね! 本当に美味しいです!」
「良かったですね、美優先輩、花柳先輩」
「ええ、良かったわ」
「うんっ。あと、由弦君の作った野菜スープも美味しいよ」
「そうなんですねっ。では、スープをいただきますね」
俺の作った野菜スープを食べてくれるのか。なので、俺は風花のことをじっと見てしまう。
風花はスプーンで人参や玉ねぎ、キャベツといった具を掬い、口の中に入れる。メインのハンバーグに合わせてコンソメ仕立てにしたけど、どうだろうか。
「うんっ、美味しい」
「良かった」
「コンソメと野菜の優しい味わいがして。本当に美味しいよ。さすがは由弦だね」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」
風花に美味しく食べてもらえて嬉しいよ。野菜を使った料理なので安心感もある。
「こんなに美味しい料理を作ってもらえて、あたしは幸せ者です。ありがとうございます!」
風花は持ち前の明るい笑顔で俺達に向けてそうお礼を言ってくれる。ほんと、風花のために夕食を作って良かったって思えるよ。
それからは関東大会のことや、泊まったホテルでのこと、風花が山梨でご家族と会ったときのことなどで話が盛り上がりながら夕食を楽しんだ。
今日もレースがあったからか、風花はモリモリと食べてくれて。風花の食べる姿は見ていて気持ちがいい。4人とももちろん完食したけど、風花が一番乗りだった。
夕食の後はデザートで風花が勝ってきてくれた信玄餅をいただいた。きな粉と黒蜜が餅と合っていてとても美味しかった。
「ごちそうさまでした! 美味しい夕ご飯とデザートを食べて元気が出ました! これからはインターハイに向けて頑張っていきます!」
信玄餅を食べ終わったとき、風花は元気良くそう言った。
風花、インターハイも頑張れよ。そして、今日までの関東大会、お疲れ様。
特別編10 おわり
次のエピソードから特別編11になります。
「そうだね。由弦君、瑠衣ちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様。楽しく準備できたわ」
「楽しかったですね。先輩方、お疲れ様でした」
「ふふっ。私も楽しかったよ」
午後7時20分。
俺と美優先輩と花柳先輩で、夕ご飯の準備を終わらせた。メインは風花のリクエストしたハンバーグだ。あとはコンソメ仕立ての野菜スープと、夕方に近所のスーパーで買ったバターロール。
美優先輩と花柳先輩がハンバーグ、俺が野菜スープを担当した。
ハンバーグはタネを作った状態であり、あとは焼けば完成だ。風花にできたてを食べてほしいので、風花が帰ってきたらハンバーグを焼くことにしている。
金曜日以来に風花と会えるし、美優先輩と花柳先輩と一緒だから夕食の準備を楽しくすることができた。
夕方頃に風花から連絡があり、風花は午後7時半頃に陽出学院高校の前に到着するらしい。予定通りであれば、あと少しで風花が帰ってくるだろう。
風花が帰ってくるまでは、食卓の椅子に座って麦茶を飲みながら、3人で談笑して過ごしていく。
そして、午後7時40分。
――ピンポーン。
インターホンが鳴った。時間からして風花だろうか。
美優先輩は期待の表情をして食卓の椅子を立ち上がり、廊下へ行く扉の側にあるモニターへ向かう。
「はい。……あっ、風花ちゃん!」
インターホンを鳴らしたのは風花だったか。それもあってか、途中から美優先輩の声のトーンが上がったな。
『風花です。帰ってきました!』
「おかえり。すぐに行くね。……風花ちゃんだよ。2人も出迎える?」
「ええ」
「もちろんよ!」
直接会うのは金曜日以来だからな。
俺と花柳先輩は食卓の椅子から立ち上がって、美優先輩と一緒に風花を出迎えるために玄関へ行く。
美優先輩が扉を開けると、そこにはハーフパンツと水泳部の半袖のTシャツを着た風花が立っていた。風花はいつもの明るい笑顔になって、
「ただいまです! 帰ってきました!」
と、元気良く言ってくれた。
無事に帰ってきて、元気な姿を見せてくれたことにほっとする。風花と出会ってから、こんなにも風花と会わないのは初めてだったから。まあ、大会の生配信で風花の様子を見ていたけどさ。自然と頬が緩んでいく。
俺と同じような気持ちなのか、美優先輩と花柳先輩も優しい笑顔を風花に向けていた。
『おかえり』
3人で声を揃えて風花にそう言った。
風花のすぐ目の前に立っている美優先輩は風花のことを抱きしめる。
「み、美優先輩?」
「久しぶりに会うから抱きしめたくなっちゃって。こんなに風花ちゃんと会わないことは今までなかったし」
「そういえば……そうですね。美優先輩の優しい温もりやいい匂いを感じると、伯分寺に帰ってきたんだなって実感できます」
風花は穏やかな笑顔でそう言うと、美優先輩の背中に両手を回した。
「風花ちゃん。関東大会お疲れ様。出場した3種目ともインターハイ出場を決められるなんて凄いよ。よく頑張ったね。おめでとう! 試合の様子を由弦君達と一緒に観たけど、感動したよ」
美優先輩は優しい声色でそう言い、風花の頭を撫でる。
「美優先輩の言う通りだな。3種目ともインターハイ出場を決められて凄いよ。おめでとう! そして、お疲れ様」
「風花ちゃん、3種目インターハイ出場おめでとう! 美優達と一緒に配信で観たけど、とてもいい泳ぎだったよ。興奮したし、感動したよ!」
俺と花柳先輩も関東大会での風花の泳ぎを称賛し、インターハイ出場を決めた祝福の言葉を送った。それもあってか、風花はニッコリとした可愛い笑顔になり、
「ありがとうございます! みんなの応援もおかげもあって、3種目全部でインターハイ出場を決められました。ありがとうございました! 来月のインターハイも頑張ります!」
と、大きな声で言った。生配信でも風花の笑顔を見たけど、直接笑顔を見られるととても嬉しくて、胸が温かくなっていく。
風花の関東大会での泳ぎは見事だった。きっと、来月のインターハイでも健闘できることだろう。
その後、美優先輩が抱擁を解くと、今度は花柳先輩が風花と抱きしめ合う。頑張りを讃える意味なのか、花柳先輩は風花の頭を撫でた。
風花と花柳先輩の抱擁が終わった後、俺は風花とハイタッチした。そのとき、風花はとても嬉しそうで。
「じゃあ、風花ちゃんが帰ってきたし、ハンバーグを焼こうか」
「そうね、美優」
「野菜スープも温め直しましょう」
「もうすぐ食べられるんですね。大会ではハンバーグも一つの糧になりました」
「ふふっ。用意するから、風花ちゃんは荷物を家に置いてきて」
「分かりました! あと、ホテルの売店で、山梨へ行ったお土産と応援のお礼で信玄餅を買ってきました。なので、デザートに食べましょう!」
「そうだね! ありがとう、風花ちゃん!」
「嬉しいわ、風花ちゃん。ありがとう!」
「ありがとう、風花」
俺達3人がお礼を言うと、風花は持ち前の明るい笑顔を見せてくれた。
その後、美優先輩と花柳先輩はハンバーグを焼き、俺は野菜スープを温めている間にリビングの食卓に配膳する。
ハンバーグが焼き上がり、スープも温まったところで、風花が家にやってきた。
ハンバーグや野菜スープをよそって、俺達4人は食卓の椅子に腰を下ろす。座っている場所は金曜日に冷やし中華を食べたときと同じく、美優先輩と隣同士で、風花とは向かい合っている。
「うわあっ、美味しそうですっ!」
風花は目を輝かせながら、自分の前に置かれたハンバーグや野菜スープを見ている。
「風花ちゃんのお口に合えば嬉しいな」
「そうね。風花ちゃんにリクエストされたハンバーグだし」
「ですね。俺の作った野菜スープも口に合うと嬉しいよ」
「料理部の3人が作ったんですから、きっと美味しいですよ。では、いただきます!」
『いただきます!』
風花の号令で、夕食を食べ始める。
美優先輩と花柳先輩の特製ハンバーグを食べよう。ナイフとフォークを使って、デミグラスソースのかかったハンバーグを一口分切り分ける。その際、肉汁がハンバーグからジュワッと溢れ出してきて。本当に美味しそうだ。
切り分けたハンバーグを一口食べると、
「美味しい」
咀嚼する度に旨味たっぷりの肉汁が出てきて。デミグラスソースとの相性が抜群でとても美味しい。
「美味しいよね、由弦! とっても美味しいです、美優先輩、瑠衣先輩!」
風花はニッコリとした笑顔でそう言うと、ハンバーグを一口分切り分けて口の中に入れる。とっても美味しいからか、風花は幸せそうな笑顔でモグモグと食べている。先輩方がハンバーグを作っている姿を見ていたから、風花に美味しく食べてもらえて嬉しい。
「美味しくできて良かったよ」
「良かったわ。まあ、美優のレシピで作ったから、美味しくできるとは思っていたけどね」
「そうだったんですね! 本当に美味しいです!」
「良かったですね、美優先輩、花柳先輩」
「ええ、良かったわ」
「うんっ。あと、由弦君の作った野菜スープも美味しいよ」
「そうなんですねっ。では、スープをいただきますね」
俺の作った野菜スープを食べてくれるのか。なので、俺は風花のことをじっと見てしまう。
風花はスプーンで人参や玉ねぎ、キャベツといった具を掬い、口の中に入れる。メインのハンバーグに合わせてコンソメ仕立てにしたけど、どうだろうか。
「うんっ、美味しい」
「良かった」
「コンソメと野菜の優しい味わいがして。本当に美味しいよ。さすがは由弦だね」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」
風花に美味しく食べてもらえて嬉しいよ。野菜を使った料理なので安心感もある。
「こんなに美味しい料理を作ってもらえて、あたしは幸せ者です。ありがとうございます!」
風花は持ち前の明るい笑顔で俺達に向けてそうお礼を言ってくれる。ほんと、風花のために夕食を作って良かったって思えるよ。
それからは関東大会のことや、泊まったホテルでのこと、風花が山梨でご家族と会ったときのことなどで話が盛り上がりながら夕食を楽しんだ。
今日もレースがあったからか、風花はモリモリと食べてくれて。風花の食べる姿は見ていて気持ちがいい。4人とももちろん完食したけど、風花が一番乗りだった。
夕食の後はデザートで風花が勝ってきてくれた信玄餅をいただいた。きな粉と黒蜜が餅と合っていてとても美味しかった。
「ごちそうさまでした! 美味しい夕ご飯とデザートを食べて元気が出ました! これからはインターハイに向けて頑張っていきます!」
信玄餅を食べ終わったとき、風花は元気良くそう言った。
風花、インターハイも頑張れよ。そして、今日までの関東大会、お疲れ様。
特別編10 おわり
次のエピソードから特別編11になります。
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