251 / 251
特別編11
後編
「氷を削れたし、シロップをかけようか」
「そうですね。どれにしようかな……」
いちご、メロン、レモンと3種類あるのでどれにしようかちょっと迷う。
「私はいちごにするよ。この中では一番好きだし」
「先輩はいちごですか。俺は……メロンにします。一番好きなので」
「分かった。じゃあ、お互いに相手が希望したシロップをかけよう」
「分かりました」
俺はいちご、美優先輩はメロンのシロップをそれぞれ自分で作ったかき氷にかける。
「おぉ、美味しそうです」
「美味しそうだね! せっかく作ったし、写真を撮ろうかな」
「いいですね、撮りましょう」
その後、俺と美優先輩はスマホで自分が食べるかき氷はもちろん、2人のかき氷を並べた写真も撮影した。
「これでOKです」
「私も。……じゃあ、食べようか」
「はい」
俺達は向かい合う形で食卓の椅子に座る。
「いただきますっ」
「いただきます」
俺はスプーンでメロン味のかき氷を掬い、口の中に入れる。
口に入れた瞬間、氷の冷たさと同時に、美優先輩が言ったようにふんわりとした食感を感じて。ふんわりとしているので、口の中で溶けるのと同時にメロン味のシロップの甘い味が伝わってきて。美味しい。先輩が作ってくれたのもあって本当に美味しい。
溶けたかき氷を飲み込むと、かき氷の冷たさが全身へ広がっていって。その感覚がとても気持ちいい。
「……冷たくて美味しいです。メロン味の甘さもいいです」
「いちご味も美味しい! 冷たいのもいいね!」
「ええ。あと、本当にふんわりとしてますね。口の中ですぐに溶けていきました」
「そうだねっ」
「あと、美優先輩が作ってくれたので本当に美味しいです」
「ありがとう。このかき氷も由弦君が作ってくれたものだから本当に美味しいよ!」
美優先輩はニッコリとした笑顔でそう言うと、いちご味のかき氷をもう一口食べる。美味しいのか「う~んっ!」と甘い声を漏らして。滅茶苦茶可愛い。あと、俺が作ったかき氷なので、美味しく食べている姿を見ると嬉しい気持ちになる。
俺ももう一口かき氷を食べると……一口目よりも美味しく感じられた。
「本当に美味しいです。綺麗な山の形をしていますし、ふんわりとしていますし……まるでお店や屋台で買ったもののような感じがします。先輩、作ってくれてありがとうございます。かき氷を食べようと言ってくれたことも」
「いえいえ。由弦君が喜んでくれて嬉しいよ。こちらこそありがとう」
美優先輩は言葉通りの嬉しそうな笑顔でお礼を言ってくれた。
「今後も暑い日が続く間は、たまにおやつとか食事のデザートにかき氷を食べようか」
「いいですね。そうしましょう」
冷たくて美味しいからな。暑い時期に食べるスイーツの定番になりそうだ。
その後も美優先輩とかき氷絡みの話をしながらかき氷を食べていく。
このかき氷……本当に美味しいな。ふんわりとした食感で食べやすいのもあって、どんどんスプーンが進む。しかし、
「あっ!」
急に頭がキーンときた! きっと、かき氷をパクパクと食べたからだろうな。ただ、頭がキーンとなるのはかき氷を食べるときのあるあるだよね。
俺はかき氷が入っているガラスの器を額に当てる。こうすると、容器の冷たさが刺激になって頭の痛みが取れるのだ。昔、雫姉さんが教えてくれた。……おっ、痛みが取れてきた。
「んっ!」
美優先輩も頭がキーンとなったのだろうか。先輩は顔をしかめ、左手を額に当てている。
「頭キーンときた……」
「先輩もですか。……こうして、かき氷が入った器を額に当てると痛みが和らぎますよ」
「うん。お母さんに教えてもらったから知ってる……」
そう言い、美優先輩は自分のガラスの器を額に当てる。綺麗な山の形を作る方法といい、キーンとなった頭の痛みを取る方法といい、先輩は母親の麻子さんからかき氷に関することを色々と教えてもらったのかな。
頭の痛みが取れたので、器を額から離した。
「痛み取れて良かった……」
「……私も取れたよ」
そう言い、美優先輩は器を額から離した。痛みが取れたのもあり、さっきのようなしかめっ面ではなくなっていた。
「かき氷を食べるとキーンってなっちゃうよね」
「あるあるですよね。それに、今回はふわふわで美味しいのでどんどん食べちゃいましたし」
「ふふっ、私も。……そういえば、由弦君も額に当てる方法を知っていたんだね」
「昔、雫姉さんが教えてくれました」
「そうだったんだね」
「ええ。……あと、結構食べましたし、舌の色がシロップの色に変わっているかもしれません」
「そうだね。舌の色が変わるのもかき氷を食べたときのあるあるだよね。じゃあ、私の舌の色が変わっているか見てみてくれる?」
「いいですよ」
これまでもかき氷を食べたときは、舌の色が変わっているかどうか確かめ合うことが何度もあったっけ。
美優先輩は舌を出して、
「ろうはな?」
と言う。おそらく、「どうかな?」と言っているのだろう。舌足らずな感じの喋り方が可愛いな。
美優先輩の舌は大部分がいちご味のシロップの真っ赤な色に染まっている。あと、舌を出している姿は可愛いのはもちろん、ちょっと艶っぽさも感じられた。
「先輩の舌……シロップと同じ真っ赤な色になってますね」
今の舌の状態を伝えると、美優先輩は舌を出したままの状態で「ろっか」と言う。そして、舌を引っ込めて、
「やっぱり変わってたか」
「ええ。……あの、先輩。舌を出した先輩が可愛いので写真を撮りたいのですが、いいですか?」
「ふふっ、いいよ」
可愛い笑顔で快諾すると、美優先輩は再び舌を出して、
「ろうそ」
と言ってきた。おそらく「どうぞ」と言っているのだろう。
「ありがとうございます。では、撮らせてもらいますね」
俺は舌を出している美優先輩をスマホで撮影した。先輩はピースサインをしてくれて。サービス精神旺盛な先輩である。
「可愛い写真が撮れました。ありがとうございます」
「いえいえ。じゃあ、今度は由弦君の舌を見せてほしいな。メロン味のシロップだから、緑色になっているかどうか確かめたい」
「分かりました」
俺は舌を出して、
「ろうなっへまふか?」
と言う。「どうなってますか?」と言ったつもりなんだけど、舌を出していると言いづらいなぁ。ただ、それを面白く思ってくれたのか、美優先輩はクスッと笑った。
「緑色になってるよ」
俺の舌をじっと見ながら美優先輩はそう言った。
やっぱり緑色になっていたか。舌の色が変わるのは、シロップをかけたかき氷を食べたときのあるあるだよな。
「やっぱり変わっていたんですね」
舌を引っ込めてそう言うと、美優先輩は「うんっ」と頷いた。
「ねえ、由弦君。舌を出している姿が可愛かったから、私も写真撮らせてくれる?」
「いいですよ」
「ありがとう! あと、舌を出した状態でツーショットも撮りたいな」
「いいですね。撮りましょう」
その後、美優先輩は舌を出している俺の写真をスマホで撮った。さっきの先輩に倣って、ピースサインもして。
俺の写真を撮りおわった後は、美優先輩が俺の隣の席に移動してきて、舌を出した状態でのツーショット写真を撮影した。ツーショット写真はLIMEというSNSアプリの俺とのトークにアップしてもらった。
「写真撮らせてくれてありがとう」
「いえいえ」
「ありがとね。……ねえ、由弦君。違う味を食べているし、かき氷を一口交換しない? メロン味も食べてみたくて。できれば、食べさせ合いたいな。どうかな?」
美優先輩は俺の目を見つめながらそんなことを言ってくる。
いちご味を食べてみたいし、その上食べさせ合うのは魅力的な提案だ。美優先輩が食べているいちご味のかき氷を食べられるんだし。
「いいですよ。俺も美優先輩が食べているいちご味のかき氷を食べてみたいですし」
「ありがとう!」
美優先輩はとっても嬉しそうにお礼を言った。
「じゃあ、まずは美優先輩にメロン味のかき氷を食べさせてあげますね」
「うんっ」
俺はスプーンでメロン味のかき氷を一口分掬い、今の隣の席に座っている美優先輩の口元までもっていく。
「はい、美優先輩。あーん」
「あ~ん」
美優先輩にメロン味のかき氷を食べさせる。
食べさせた瞬間、「う~んっ!」と可愛らしい声を上げてニッコリとした笑顔になる。滅茶苦茶可愛いんですけど。あと、食べさせたのもあって、小動物的な可愛らしさもあって。
「メロン味も美味しいね! 凄く美味しいよ! 由弦君が食べさせてくれたから、今までで一番美味しいよ」
「そうですか。嬉しいですね」
「食べさせてくれてありがとう!」
「いえいえ」
「じゃあ、お礼にまずは私が食べさせてあげるね」
美優先輩のいちご味のかき氷はさっきまで座っていた向かい側の席にあるので、先輩は向かい側の席まで戻る。先輩はスプーンでいちご味のかき氷を掬い、俺の口元までもってくる。
「はい、由弦君。あ~ん」
「あーん」
俺は美優先輩にいちご味のかき氷を食べさせてもらう。
口に入った瞬間、冷たさと一緒にいちご味のシロップの甘さが口いっぱいに広がる。まあ、かき氷のシロップは同じ味で、色や香りで違う味なのだと脳を錯覚させているらしいけど。それでも、美優先輩が食べさせてくれたいちご味は、俺が食べてきたメロン味と違うと感じるし、どちらも美味しいと思える。
あと、いちご味のかき氷は好きだからこれまでに何度も食べたことがあるけど、美優先輩に食べさせてもらったのが一番甘くて美味しく感じられた。
「いちご味も美味しいですね。先輩が食べさせてくれたので、今までで一番美味しいです」
「嬉しいな」
「食べさせてくれてありがとうございます」
「いえいえ」
美優先輩は優しい笑顔でそう言った。
それからも美優先輩とかき氷絡みの話で談笑しながら、メロン味のかき氷を食べていった。ふわふわで美味しいので難なく食べられた。美優先輩も完食した。
かき氷器の中に氷が少し残っている。また、レモン味のかき氷はまだ食べていないので、残っている氷を全て削り、レモン味のシロップをかけて食べる。
「レモン味はさっぱりとしていて美味しいね」
「美味しいですね。甘いメロン味といちご味を食べた後なので、結構さっぱりした感じがしますね」
「そうだね」
レモン味はさっぱりとした感じで美味しかった。最初に作ったメロン味のかき氷の量よりも少ないのもあり、レモン味のかき氷も完食できた。ごちそうさまでした。
美優先輩と初めて食べたかき氷はとても美味しかったな。今まで以上にかき氷が好きになれた。
特別編11 おわり
□後書き□
これにて、この特別編は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
「そうですね。どれにしようかな……」
いちご、メロン、レモンと3種類あるのでどれにしようかちょっと迷う。
「私はいちごにするよ。この中では一番好きだし」
「先輩はいちごですか。俺は……メロンにします。一番好きなので」
「分かった。じゃあ、お互いに相手が希望したシロップをかけよう」
「分かりました」
俺はいちご、美優先輩はメロンのシロップをそれぞれ自分で作ったかき氷にかける。
「おぉ、美味しそうです」
「美味しそうだね! せっかく作ったし、写真を撮ろうかな」
「いいですね、撮りましょう」
その後、俺と美優先輩はスマホで自分が食べるかき氷はもちろん、2人のかき氷を並べた写真も撮影した。
「これでOKです」
「私も。……じゃあ、食べようか」
「はい」
俺達は向かい合う形で食卓の椅子に座る。
「いただきますっ」
「いただきます」
俺はスプーンでメロン味のかき氷を掬い、口の中に入れる。
口に入れた瞬間、氷の冷たさと同時に、美優先輩が言ったようにふんわりとした食感を感じて。ふんわりとしているので、口の中で溶けるのと同時にメロン味のシロップの甘い味が伝わってきて。美味しい。先輩が作ってくれたのもあって本当に美味しい。
溶けたかき氷を飲み込むと、かき氷の冷たさが全身へ広がっていって。その感覚がとても気持ちいい。
「……冷たくて美味しいです。メロン味の甘さもいいです」
「いちご味も美味しい! 冷たいのもいいね!」
「ええ。あと、本当にふんわりとしてますね。口の中ですぐに溶けていきました」
「そうだねっ」
「あと、美優先輩が作ってくれたので本当に美味しいです」
「ありがとう。このかき氷も由弦君が作ってくれたものだから本当に美味しいよ!」
美優先輩はニッコリとした笑顔でそう言うと、いちご味のかき氷をもう一口食べる。美味しいのか「う~んっ!」と甘い声を漏らして。滅茶苦茶可愛い。あと、俺が作ったかき氷なので、美味しく食べている姿を見ると嬉しい気持ちになる。
俺ももう一口かき氷を食べると……一口目よりも美味しく感じられた。
「本当に美味しいです。綺麗な山の形をしていますし、ふんわりとしていますし……まるでお店や屋台で買ったもののような感じがします。先輩、作ってくれてありがとうございます。かき氷を食べようと言ってくれたことも」
「いえいえ。由弦君が喜んでくれて嬉しいよ。こちらこそありがとう」
美優先輩は言葉通りの嬉しそうな笑顔でお礼を言ってくれた。
「今後も暑い日が続く間は、たまにおやつとか食事のデザートにかき氷を食べようか」
「いいですね。そうしましょう」
冷たくて美味しいからな。暑い時期に食べるスイーツの定番になりそうだ。
その後も美優先輩とかき氷絡みの話をしながらかき氷を食べていく。
このかき氷……本当に美味しいな。ふんわりとした食感で食べやすいのもあって、どんどんスプーンが進む。しかし、
「あっ!」
急に頭がキーンときた! きっと、かき氷をパクパクと食べたからだろうな。ただ、頭がキーンとなるのはかき氷を食べるときのあるあるだよね。
俺はかき氷が入っているガラスの器を額に当てる。こうすると、容器の冷たさが刺激になって頭の痛みが取れるのだ。昔、雫姉さんが教えてくれた。……おっ、痛みが取れてきた。
「んっ!」
美優先輩も頭がキーンとなったのだろうか。先輩は顔をしかめ、左手を額に当てている。
「頭キーンときた……」
「先輩もですか。……こうして、かき氷が入った器を額に当てると痛みが和らぎますよ」
「うん。お母さんに教えてもらったから知ってる……」
そう言い、美優先輩は自分のガラスの器を額に当てる。綺麗な山の形を作る方法といい、キーンとなった頭の痛みを取る方法といい、先輩は母親の麻子さんからかき氷に関することを色々と教えてもらったのかな。
頭の痛みが取れたので、器を額から離した。
「痛み取れて良かった……」
「……私も取れたよ」
そう言い、美優先輩は器を額から離した。痛みが取れたのもあり、さっきのようなしかめっ面ではなくなっていた。
「かき氷を食べるとキーンってなっちゃうよね」
「あるあるですよね。それに、今回はふわふわで美味しいのでどんどん食べちゃいましたし」
「ふふっ、私も。……そういえば、由弦君も額に当てる方法を知っていたんだね」
「昔、雫姉さんが教えてくれました」
「そうだったんだね」
「ええ。……あと、結構食べましたし、舌の色がシロップの色に変わっているかもしれません」
「そうだね。舌の色が変わるのもかき氷を食べたときのあるあるだよね。じゃあ、私の舌の色が変わっているか見てみてくれる?」
「いいですよ」
これまでもかき氷を食べたときは、舌の色が変わっているかどうか確かめ合うことが何度もあったっけ。
美優先輩は舌を出して、
「ろうはな?」
と言う。おそらく、「どうかな?」と言っているのだろう。舌足らずな感じの喋り方が可愛いな。
美優先輩の舌は大部分がいちご味のシロップの真っ赤な色に染まっている。あと、舌を出している姿は可愛いのはもちろん、ちょっと艶っぽさも感じられた。
「先輩の舌……シロップと同じ真っ赤な色になってますね」
今の舌の状態を伝えると、美優先輩は舌を出したままの状態で「ろっか」と言う。そして、舌を引っ込めて、
「やっぱり変わってたか」
「ええ。……あの、先輩。舌を出した先輩が可愛いので写真を撮りたいのですが、いいですか?」
「ふふっ、いいよ」
可愛い笑顔で快諾すると、美優先輩は再び舌を出して、
「ろうそ」
と言ってきた。おそらく「どうぞ」と言っているのだろう。
「ありがとうございます。では、撮らせてもらいますね」
俺は舌を出している美優先輩をスマホで撮影した。先輩はピースサインをしてくれて。サービス精神旺盛な先輩である。
「可愛い写真が撮れました。ありがとうございます」
「いえいえ。じゃあ、今度は由弦君の舌を見せてほしいな。メロン味のシロップだから、緑色になっているかどうか確かめたい」
「分かりました」
俺は舌を出して、
「ろうなっへまふか?」
と言う。「どうなってますか?」と言ったつもりなんだけど、舌を出していると言いづらいなぁ。ただ、それを面白く思ってくれたのか、美優先輩はクスッと笑った。
「緑色になってるよ」
俺の舌をじっと見ながら美優先輩はそう言った。
やっぱり緑色になっていたか。舌の色が変わるのは、シロップをかけたかき氷を食べたときのあるあるだよな。
「やっぱり変わっていたんですね」
舌を引っ込めてそう言うと、美優先輩は「うんっ」と頷いた。
「ねえ、由弦君。舌を出している姿が可愛かったから、私も写真撮らせてくれる?」
「いいですよ」
「ありがとう! あと、舌を出した状態でツーショットも撮りたいな」
「いいですね。撮りましょう」
その後、美優先輩は舌を出している俺の写真をスマホで撮った。さっきの先輩に倣って、ピースサインもして。
俺の写真を撮りおわった後は、美優先輩が俺の隣の席に移動してきて、舌を出した状態でのツーショット写真を撮影した。ツーショット写真はLIMEというSNSアプリの俺とのトークにアップしてもらった。
「写真撮らせてくれてありがとう」
「いえいえ」
「ありがとね。……ねえ、由弦君。違う味を食べているし、かき氷を一口交換しない? メロン味も食べてみたくて。できれば、食べさせ合いたいな。どうかな?」
美優先輩は俺の目を見つめながらそんなことを言ってくる。
いちご味を食べてみたいし、その上食べさせ合うのは魅力的な提案だ。美優先輩が食べているいちご味のかき氷を食べられるんだし。
「いいですよ。俺も美優先輩が食べているいちご味のかき氷を食べてみたいですし」
「ありがとう!」
美優先輩はとっても嬉しそうにお礼を言った。
「じゃあ、まずは美優先輩にメロン味のかき氷を食べさせてあげますね」
「うんっ」
俺はスプーンでメロン味のかき氷を一口分掬い、今の隣の席に座っている美優先輩の口元までもっていく。
「はい、美優先輩。あーん」
「あ~ん」
美優先輩にメロン味のかき氷を食べさせる。
食べさせた瞬間、「う~んっ!」と可愛らしい声を上げてニッコリとした笑顔になる。滅茶苦茶可愛いんですけど。あと、食べさせたのもあって、小動物的な可愛らしさもあって。
「メロン味も美味しいね! 凄く美味しいよ! 由弦君が食べさせてくれたから、今までで一番美味しいよ」
「そうですか。嬉しいですね」
「食べさせてくれてありがとう!」
「いえいえ」
「じゃあ、お礼にまずは私が食べさせてあげるね」
美優先輩のいちご味のかき氷はさっきまで座っていた向かい側の席にあるので、先輩は向かい側の席まで戻る。先輩はスプーンでいちご味のかき氷を掬い、俺の口元までもってくる。
「はい、由弦君。あ~ん」
「あーん」
俺は美優先輩にいちご味のかき氷を食べさせてもらう。
口に入った瞬間、冷たさと一緒にいちご味のシロップの甘さが口いっぱいに広がる。まあ、かき氷のシロップは同じ味で、色や香りで違う味なのだと脳を錯覚させているらしいけど。それでも、美優先輩が食べさせてくれたいちご味は、俺が食べてきたメロン味と違うと感じるし、どちらも美味しいと思える。
あと、いちご味のかき氷は好きだからこれまでに何度も食べたことがあるけど、美優先輩に食べさせてもらったのが一番甘くて美味しく感じられた。
「いちご味も美味しいですね。先輩が食べさせてくれたので、今までで一番美味しいです」
「嬉しいな」
「食べさせてくれてありがとうございます」
「いえいえ」
美優先輩は優しい笑顔でそう言った。
それからも美優先輩とかき氷絡みの話で談笑しながら、メロン味のかき氷を食べていった。ふわふわで美味しいので難なく食べられた。美優先輩も完食した。
かき氷器の中に氷が少し残っている。また、レモン味のかき氷はまだ食べていないので、残っている氷を全て削り、レモン味のシロップをかけて食べる。
「レモン味はさっぱりとしていて美味しいね」
「美味しいですね。甘いメロン味といちご味を食べた後なので、結構さっぱりした感じがしますね」
「そうだね」
レモン味はさっぱりとした感じで美味しかった。最初に作ったメロン味のかき氷の量よりも少ないのもあり、レモン味のかき氷も完食できた。ごちそうさまでした。
美優先輩と初めて食べたかき氷はとても美味しかったな。今まで以上にかき氷が好きになれた。
特別編11 おわり
□後書き□
これにて、この特別編は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編4が完結しました!(2026.2.22)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編7が完結しました!(2026.1.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
∞
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の逢坂玲人は入学時から髪を金色に染め、無愛想なため一匹狼として高校生活を送っている。
入学して間もないある日の放課後、玲人は2年生の生徒会長・如月沙奈にロープで拘束されてしまう。それを解く鍵は彼女を抱きしめると約束することだった。ただ、玲人は上手く言いくるめて彼女から逃げることに成功する。そんな中、銀髪の美少女のアリス・ユメミールと出会い、お互いに好きな猫のことなどを通じて彼女と交流を深めていく。
しかし、沙奈も一度の失敗で諦めるような女の子ではない。玲人は沙奈に追いかけられる日々が始まる。
抱きしめて。生徒会に入って。口づけして。ヤンデレな沙奈からの様々な我が儘を通して見えてくるものは何なのか。見えた先には何があるのか。沙奈の好意が非常に強くも温かい青春ラブストーリー。
※タイトルは「むげん」と読みます。
※完結しました!(2020.7.29)
10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ
桜庭かなめ
恋愛
高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。
あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。
3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。
出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2026.1.21)
※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
ルピナス
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。
そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。
物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。
※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。
※1日3話ずつ更新する予定です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
また読ませて戴きます✨🤗✨✨
ありがとうございます!
こんにちわ。まだ序盤ですが、ワクワクしながら読んでいます(*^_^*)
マサタカさん
読んでいただきありがとうございます!
ワクワクしてもらえて嬉しいです! 楽しんで読んでもらえたら何よりです。