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24 屋敷での生活
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清拭で一応は体は清潔に保たれていると思っていたけど、こうやって頭も体も洗われてみれば、やはり心身ともに晴れやかになる。
風呂が終わった後は、丁寧に全身拭かれて清潔な服に着替えさせられた。
その後は、もう一度紅茶を出され、風呂上りの心地よさを堪能しつつ飲んでいると美味しそうな匂いがしてきた。
ルノーが食事を台車に乗せて運んできて、それを部屋に備え付けられた丸机に乗せた。
俺を丸机に座らせ、ルノーもその向かいに座った。
「今は使用人という扱いになりますが、俺も、ここで食事をしてもいいですか?」
「ん? いいけど」
質問の意味はわからずにそう答えてから、やはり別で食べたいと言うべきだったかと後悔した。
ルノーがここで一緒に食事をすると言うことはあの顔を見なければならないからだ。
だが、ルノーは机の上に乗せた両手を合わせてモミモミとしていて、俺と食事をすることを喜んでくれていることが伝わって来てしまい、今更断るなんて無粋なことはできず、目の前の食事に手をつけた。
肉や魚を焼いて、上からソースをかけただけのような見た目で、一見すると上流階級の人間が食べるような高級そうな料理が出て来て少し気後したが、食べてみるとダージリンの紅茶の時のように、特に美味しい食べ物ではなかった。
この家には使用人はいないのだから、これもルノーが作ったのだろう。
「美味しいよ。わざわざ作ってくれてありがとうな」
「いえ」
「……使用人を増やそうか」
「え」
ルノーは戸惑ったように俺を見た。
「今はルノーしかいないから、一人に負担がかかってしまうだろう。正直、人雇うようなことは考えていなかったんだが、この屋敷の大きさではそうも言っていられないだろう」
「俺一人で大丈夫です。食事は……もう少し努力します。ですから、もう少し様子をみていただけませんか」
真剣な様子のルノーは、目の前で同じ食事をしているのでさすがに自身の料理の腕前を理解しているようで、眉間にシワを寄せた状態で、皿の上の肉を睨みつけながらそう言った。
ルノーが1人でいいと言い、俺の方も特に雇いたいと思っているわけではないので、人を雇う話は簡単に保留になった。
たっぷり眠って風呂に入って食事をして、と、当たり前の人間らしい生活をしてしまえば、俺の昨日までのネガティブさも少しマシになり、荒療治をしてくれたルノーには感謝してもしきれない。
午後からは広すぎる庭をルノーと一緒に散策した。
毒キノコを見つけたり、薬草を見つけたり、ルノーは意外と知識が深く勉強になることが多い。
そんな穏やかな生活は何日か続いた。
なぜだか、ルノーといると楽しく、生きていると言う感覚がはっきりする気がする。
前の世界のエドガーに、顔や声だけでなく、雰囲気や立ち振る舞いが似ているからだろうか。
こうしてルノーと一緒にいると、エドガーに固執していた自分が不思議に思えてくる。
前の世界で付き合っていたから?
お互い大好きだったから?
でも、この世界のエドガーは俺を好きにならないし、この世界のエドガーにも固執しなくても良いはずなんだ。
俺の大好きなエドガー隊長なら、隊長に会いたいと言って必死に生きようとしない俺に死に急ぐのは早いと、そう言ってくれるはずだ。
今自分にできる精一杯のことを頑張って、がむしゃらに生きて、大好きな隊長に会うのはそれからでも遅くない。
そんな風に前向きに考えられるようになったのは間違いなくルノーのおかげだった。
風呂が終わった後は、丁寧に全身拭かれて清潔な服に着替えさせられた。
その後は、もう一度紅茶を出され、風呂上りの心地よさを堪能しつつ飲んでいると美味しそうな匂いがしてきた。
ルノーが食事を台車に乗せて運んできて、それを部屋に備え付けられた丸机に乗せた。
俺を丸机に座らせ、ルノーもその向かいに座った。
「今は使用人という扱いになりますが、俺も、ここで食事をしてもいいですか?」
「ん? いいけど」
質問の意味はわからずにそう答えてから、やはり別で食べたいと言うべきだったかと後悔した。
ルノーがここで一緒に食事をすると言うことはあの顔を見なければならないからだ。
だが、ルノーは机の上に乗せた両手を合わせてモミモミとしていて、俺と食事をすることを喜んでくれていることが伝わって来てしまい、今更断るなんて無粋なことはできず、目の前の食事に手をつけた。
肉や魚を焼いて、上からソースをかけただけのような見た目で、一見すると上流階級の人間が食べるような高級そうな料理が出て来て少し気後したが、食べてみるとダージリンの紅茶の時のように、特に美味しい食べ物ではなかった。
この家には使用人はいないのだから、これもルノーが作ったのだろう。
「美味しいよ。わざわざ作ってくれてありがとうな」
「いえ」
「……使用人を増やそうか」
「え」
ルノーは戸惑ったように俺を見た。
「今はルノーしかいないから、一人に負担がかかってしまうだろう。正直、人雇うようなことは考えていなかったんだが、この屋敷の大きさではそうも言っていられないだろう」
「俺一人で大丈夫です。食事は……もう少し努力します。ですから、もう少し様子をみていただけませんか」
真剣な様子のルノーは、目の前で同じ食事をしているのでさすがに自身の料理の腕前を理解しているようで、眉間にシワを寄せた状態で、皿の上の肉を睨みつけながらそう言った。
ルノーが1人でいいと言い、俺の方も特に雇いたいと思っているわけではないので、人を雇う話は簡単に保留になった。
たっぷり眠って風呂に入って食事をして、と、当たり前の人間らしい生活をしてしまえば、俺の昨日までのネガティブさも少しマシになり、荒療治をしてくれたルノーには感謝してもしきれない。
午後からは広すぎる庭をルノーと一緒に散策した。
毒キノコを見つけたり、薬草を見つけたり、ルノーは意外と知識が深く勉強になることが多い。
そんな穏やかな生活は何日か続いた。
なぜだか、ルノーといると楽しく、生きていると言う感覚がはっきりする気がする。
前の世界のエドガーに、顔や声だけでなく、雰囲気や立ち振る舞いが似ているからだろうか。
こうしてルノーと一緒にいると、エドガーに固執していた自分が不思議に思えてくる。
前の世界で付き合っていたから?
お互い大好きだったから?
でも、この世界のエドガーは俺を好きにならないし、この世界のエドガーにも固執しなくても良いはずなんだ。
俺の大好きなエドガー隊長なら、隊長に会いたいと言って必死に生きようとしない俺に死に急ぐのは早いと、そう言ってくれるはずだ。
今自分にできる精一杯のことを頑張って、がむしゃらに生きて、大好きな隊長に会うのはそれからでも遅くない。
そんな風に前向きに考えられるようになったのは間違いなくルノーのおかげだった。
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