肉便器エンド!? それって最高じゃん

いちみやりょう

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44:告白

仰向けに寝転んだまま右手をあげて、グーパーグーパーと開いてみると、少し動かしづらいものの、だいぶ動くようになっていた。おそらく盛られた薬はすっかり抜けていて、今体が重いのは、昨日散々抱かれたからだろう。

「っ、バトラル……、起きたのか」

クライブの方から、少し緊張した声と気配がした。

「クライブ、おはよう」
「っ」

クライブは、俺を無言でそっと抱き寄せた。その体は少し震えているように感じる。

「バトラル……」
「バイロン?」

クライブに抱き寄せられた俺の背後から、そっとバイロンが覆いかぶさってきて、まるでサンドイッチの具にされているかのような状況に、少しだけ興奮した。
そうしていると、クライブが囁くような声で口を開いた。

「バトラル……ごめん。あんな抱き方をして。初めては……いや、初めてなどは関係なくバトラルのことは一生大切に、優しくしようと決めていたのに」
「私も、すまなかった。軍人で、さらに2人よりも10歳も歳の離れた私が、理性を保つべきだった」

2人は昨日、というよりも昼ごろまで、俺を散々抱いたことを悔いているようだ。暗い声で懺悔され、俺はいたたまれない気持ちになった。

「僕、2人に抱かれて嬉しいよ。昨日も気持ちよかった。2人も気持ちよかったってことでしょ? そうだったら嬉しいと思うんだけど……。だから、そんな暗い顔しないでよ」
「っ、バトラル……っ。無理をしないでくれ。昨日だって、抱いている間もあんなにブルブルと震えて、ずっと怯えていただろう」
「そうだ。あの様子で、平気なわけがない……それなのに私は……」

ブルブルと震えてしまうのは、俺が最高に興奮している時の癖みたいなものだけど、あれのせいでこんなに落ち込まれていると思うと罪悪感も出てくる。

もう、俺がドマゾだと言ってしまおうか。

そもそも、俺がドマゾだということを隠している理由として、もしも断罪される場面になった時、俺が喜ぶ内容であることを知られないようにするためだったのだ。断罪イベントなどかけらも起こりそうにない今、性癖を隠しておく必要などどこにあるのだろうか。目の前の2人が、こんなに落ち込んでいるというのに。

けれど……。もしも俺がそんなアブノーマルな性癖の持ち主だということを2人が知ってしまったら。

今は、俺を愛していると言ってくれる2人も、流石に俺を気味悪く思ったりするかもしれない。もう好きだとか、愛してるだとか、思ってくれなくなるのだろうか。

それは、嫌だな。

ズキリと胸が痛み、服の上から胸を抑えた。

自分は何一つ2人に気持ちや言葉を返してはいないくせに、俺は我がままだ。
でも、2人に嫌われたくない。

俺は人生を横に並んで歩いて行きたいと願いはしていないけど、2人とずっと一緒に居たいと思ってるんだ。2人が幸せになればいいと思ってるし、何気ない日常の中でふと2人の顔が浮かんだり、無理をしていたら励ましてやりたいと思ったりする。誰かが俺に好きだとか愛してるだとか思ってくれなくなるのが嫌だなんて感情は、今まで持ったことがない。初めての感情だった。

だから、俺は。
多分、俺は、2人のことが好きなんだ。

もしも、本当のことを言って嫌われたとしても、2人を落ち込ませたまま現状維持なんて不誠実な真似を、2人に対してしたくないと思った。

「バトラル。許してはくれない……よな。それでも私は、バトラルを逃してあげることはできないよ。ごめんね」
「すまない。バトラル。こんなひどいことをしておいて」
「クライブ、バイロン。僕は逃げようだなんて思ってないよ。それに、ひどいことをされたとも思ってない。だって……、だって僕は」

2人は、刑の執行を待つような、神妙な面持ちで、俺を見ていた。

「僕は……、昨日みたいなセックスが……なんなら昨日より激しいくらいでも良いくらいに好きなんだ……」
「……はい?」

2人は、俺の言葉を咀嚼するようにポカンとした表情でしばらく沈黙した。

「つまり……、えっと。つまりどういうこと?」

やっと、というようにクライブから発せられたのは、そんな言葉だった。

「つまり、僕は、痛かったり苦しかったりするのが、大好きなんだ。だから、昨日みたいなのは、すごく興奮した。あ、その。もちろん、昨日のが初めてのセックスだけど」
「……とても、信じられない」

横で放心状態だったバイロンがそう呟いた。

「そうだと思う。でも本当にそうなんだ……。ブルブル震えちゃうのだって、いつも、嬉しいからなんだ」
「そ、そう、なの?」

クライブの言葉に俺は頷く。

「だから、落ち込まないでほしい……」
「だが」
「それとも……こんな僕、嫌いになった?」

本当は嫌って欲しくはないけど、嫌われたなら足掻いたって仕方がない。悲しいし人を好きになったことがないから失恋も初めてだけど、傷心を胸に、魔物の住む森に行って暮らそう。

「嫌いになるわけがない……だが、その、本当に?」

また、コクリと頷く。
嫌いになってないと聞いて、嬉しくて少し笑った。

「そっか」

クライブが放心状態で呟いた。

「私も、そんなことでバトラルを嫌いになったりしない。今だって変わらず好きだし愛してる」
「っ、ありがとう。2人とも」

一応、2人ともから受け入れてもらえたらしいことに俺はホッと胸を撫で下ろした。

「僕、クライブもバイロンも、大好きだよ……。その、あ、愛してる」
「「っ」」

息を飲んだような音が聞こえ、その後は俺たちが寝室から出てくるのを待ち兼ねていた侍従が扉をノックするまで、2人から交互に唇をむさぼられた。

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