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47 図書室
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最近にしては珍しく、図書室で1人で勉強をしていると、向かいの席に誰かが座った。
「彼氏とうまくいってるんだって?」
「東堂……、どこから聞いたんだよ。まぁ、へへ。そうなんだよ。かなりうまくいってる」
「天海から聞いた。だが、本当にそんなに浮かれきった顔をしているとは思わなかったが」
東堂は呆れたような顔をしながらも、やれやれと言うように笑った。
生徒会室に行かなくなり、東堂と話す機会もめっきり減ってしまったので、俺はせっかくの機会だと、東堂に向かって居住まいを正した。
「東堂。謝るのが遅れてしまったけど、悠人と聡太の件、俺も一応当事者だってのに、悪かった」
悠人と聡太というのは、生徒会の双子のことだ。
あの時は知らなかったとはいえ、俺だけ能天気に過ごしていたのが気にかかっていた。
「謝るな。奴らの惚れっぽさは尋常じゃないからな。あの2人と私がトラブルになったのは紫のせいじゃない。現に今は紫の親衛隊の中の生徒とそれぞれ付き合ってるらしいしな。むしろ私は、あの期間、紫も忙しいのに生徒会の仕事を手伝ってくれていたことに本当に感謝してるんだ」
「そんなの。俺も意外と勉強になったから」
「そう言ってもらえると助かるが……。バンド、かなり人気だったな?」
「ああ。まぁ、あいつらが元々人気だったからな。だけど不思議だけど、俺のチェキも全部買ってもらえたんだよな。あまりに不思議だったからこういう現象がなんなのか調べて見たんだけど、箱推しってやつらしい」
俺がそう言うと東堂は呆れたように息を吐いてから笑った。
「それは微妙に違う気がするが……。お前、勉強に熱を入れるのは良いことだが、そんな調べなくても良いことまで調べるな」
「でも俺の将来に何が必要になるかなんて誰にも分からないだろう? 知識は多い方が良い」
「お前の将来に箱推しなんて単語が必要になることがあるとは思えないが。ああ、そうだ。紫のことをうちの父親も気に入っていたぞ。お前は本当に人たらしだな」
「まじ? 東堂の親父さんっていったら、東堂自動車の社長じゃん。気に入ってもらえたんなら嬉しい。だけど俺が人たらしなんじゃなくて、お前らが俺みたいなのを受け入れてくれる良いやつなんだよ」
前の学校で人に気に入られることなんてなかったしな。
「紫は鈍感なところあるからな」
東堂はそう言ってはは、と穏やかに笑った。
そのあとはしばらく無言で、東堂は近くの棚から取った小説を読んでいて、俺は手元のノートを凝視していた。穏やかな時間が流れる図書室で、俺は思い切って口を開いた。
「……あのさ、今度の休みにみんなでどこか遊びに行かない?」
「遊びに? 珍しいな」
東堂は目を見開いて驚いた顔をした。
「そうかな?」
「ああ。だってお前隙あらば勉強するだろう?」
「そうかな。まぁ、でも俺もここに居られるのあと3ヶ月だからさ」
東堂だけは事情を知っているので、そう伝えるとまたわずかに目を見開いた。
「……ああ。そうだったな」
「うん。だからここで仲良くなったみんなと遊びに行きたいと思ってる。東堂も来てくれるだろ?」
「ああ。もちろん」
東堂がうなずいてくれたので俺はホッと体から力を抜いた。
ただれた友人関係ばかりを築いてきた俺は、まともな友人ができたのは初めてだ。だから、健全な遊びに誘うのも初めてで気がつかない間に体に力が入っていたようだった。
「彼氏とうまくいってるんだって?」
「東堂……、どこから聞いたんだよ。まぁ、へへ。そうなんだよ。かなりうまくいってる」
「天海から聞いた。だが、本当にそんなに浮かれきった顔をしているとは思わなかったが」
東堂は呆れたような顔をしながらも、やれやれと言うように笑った。
生徒会室に行かなくなり、東堂と話す機会もめっきり減ってしまったので、俺はせっかくの機会だと、東堂に向かって居住まいを正した。
「東堂。謝るのが遅れてしまったけど、悠人と聡太の件、俺も一応当事者だってのに、悪かった」
悠人と聡太というのは、生徒会の双子のことだ。
あの時は知らなかったとはいえ、俺だけ能天気に過ごしていたのが気にかかっていた。
「謝るな。奴らの惚れっぽさは尋常じゃないからな。あの2人と私がトラブルになったのは紫のせいじゃない。現に今は紫の親衛隊の中の生徒とそれぞれ付き合ってるらしいしな。むしろ私は、あの期間、紫も忙しいのに生徒会の仕事を手伝ってくれていたことに本当に感謝してるんだ」
「そんなの。俺も意外と勉強になったから」
「そう言ってもらえると助かるが……。バンド、かなり人気だったな?」
「ああ。まぁ、あいつらが元々人気だったからな。だけど不思議だけど、俺のチェキも全部買ってもらえたんだよな。あまりに不思議だったからこういう現象がなんなのか調べて見たんだけど、箱推しってやつらしい」
俺がそう言うと東堂は呆れたように息を吐いてから笑った。
「それは微妙に違う気がするが……。お前、勉強に熱を入れるのは良いことだが、そんな調べなくても良いことまで調べるな」
「でも俺の将来に何が必要になるかなんて誰にも分からないだろう? 知識は多い方が良い」
「お前の将来に箱推しなんて単語が必要になることがあるとは思えないが。ああ、そうだ。紫のことをうちの父親も気に入っていたぞ。お前は本当に人たらしだな」
「まじ? 東堂の親父さんっていったら、東堂自動車の社長じゃん。気に入ってもらえたんなら嬉しい。だけど俺が人たらしなんじゃなくて、お前らが俺みたいなのを受け入れてくれる良いやつなんだよ」
前の学校で人に気に入られることなんてなかったしな。
「紫は鈍感なところあるからな」
東堂はそう言ってはは、と穏やかに笑った。
そのあとはしばらく無言で、東堂は近くの棚から取った小説を読んでいて、俺は手元のノートを凝視していた。穏やかな時間が流れる図書室で、俺は思い切って口を開いた。
「……あのさ、今度の休みにみんなでどこか遊びに行かない?」
「遊びに? 珍しいな」
東堂は目を見開いて驚いた顔をした。
「そうかな?」
「ああ。だってお前隙あらば勉強するだろう?」
「そうかな。まぁ、でも俺もここに居られるのあと3ヶ月だからさ」
東堂だけは事情を知っているので、そう伝えるとまたわずかに目を見開いた。
「……ああ。そうだったな」
「うん。だからここで仲良くなったみんなと遊びに行きたいと思ってる。東堂も来てくれるだろ?」
「ああ。もちろん」
東堂がうなずいてくれたので俺はホッと体から力を抜いた。
ただれた友人関係ばかりを築いてきた俺は、まともな友人ができたのは初めてだ。だから、健全な遊びに誘うのも初めてで気がつかない間に体に力が入っていたようだった。
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