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1話
しおりを挟む気づいた時にはもう、私はそこに居た。
今朝はいつも通り学校に登校したはずなのに……
私は辺りを見渡すが、まったく知らない部屋で
部屋の中にはテーブルと椅子しかなかったが、部屋の中にはもう一人居た。
私はその姿を見て安心し、そして尋ねた。
「お姉様、ここは何処なのでしょう? 」
「さぁ、知らないわ」
その、いつもと変わらない淡泊な返事と態度に
パニックになりそうだった私を落ちくかせてくれた。
こんな不測の事態でも落ち着いているお姉様はさすがだ。
私は再び部屋を見渡してみたが、
何か手掛かりになりそうなものは見当たらなかった。
「そうね、とりあえずここから出てみましょう。
このままここに居ても、何も分からないわ」
お姉様の言葉に、私は頷く。
そして私達はその部屋を出る事にした。
部屋を出てみれば、通路が続いている。
どうやらここを進んで行くしか無いようだ。
どうも不気味な感じがするこの通路を、私はお姉様の制服の裾を掴んで歩く。
「みどり、歩きにくいわ」
お姉様にそう言われてしまっては掴んでいる訳にもいかず、手を放す私。
でもやっぱり怖いので、お姉様の側を出来るだけ離れないようにして歩いた。
ぶおあ~
先の曲がり角から、何だか嫌な音が聞こえてくる。
「お姉様、何か聞こえます」
「そうね」
お姉様は気にする素振りもなく、そのまま進むんで行くが
私は怖くて足を止めてしまった。
「どうしたのみどり、体調がすぐれないの? 」
私が付いて来ていない事に気づいたお姉様は心配して戻って来てくれたが、
私は嫌な予感がして仕方なかった。
だからそれが見えた時、私の予感が当たっていた事に気が取られ
反応が遅れてしまった。
「う、後ろ! お姉様! 後ろ! 」
私はどうにか声を上げたが、それはすでにお姉様に襲いかかっていた。
その腐った死体、ゾンビが。
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