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2話
しおりを挟む私はお姉様の身に危険が迫っている事が分かっていても
体が強張って動くことが出来ずにいた。
私はただその光景を見ていることしか出来なかったのだ、
後ろから襲ってきたゾンビがお姉様に投げ飛ばされていく様を。
ゾンビは壁に打ち付けられるとドスっと重たいが音と共に動きを止めた。
「あら、何かしらこれ」
お姉様は投げ飛ばしたゾンビを見て言う。
「お姉様、大丈夫ですか? 」
固まっている場合ではないと思ったら、動けるようになっていた私は
お姉様に何もなかったか確認する。
「ええ、大丈夫よみどり。 それよりこれは何なのかしら?」
お姉様は壁にぶつかって大分つぶれてしまったゾンビを見て言う。
「殿方かしら? 」
どうやらお姉様は性別が気になるらしいが、それは置いておく。
「お姉様、おそらくゾンビかと思いますが、たぶん」
私も詳しくなんて分からないけど、この見た目はゾンビで間違いないと思う。
「そう、これがゾンビなのね。初めて見たわ」
「私もです」
私の返事にお姉様は首を傾げるが、納得してくれたようで
「行きますよ、みどり」
お姉様は手に持っていたゾンビの手をぽいっと投げ捨てて、再び歩き出した。
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