お姉様といっしょ

菫川ヒイロ

文字の大きさ
上 下
10 / 16

10話

しおりを挟む





 お姉様は当たり前のように機関銃を持って前を行く。
 
 
 バババッ バババッ バババッ
 
 
 増えて来たゾンビたちを薙ぎ払っていくお姉様は
 
 
「これだと楽でいいわ」


 実感のこもった言葉が出る。
 ここまで、私はまったくの足手まといだった。
 何か役に立ちたいとは思うものの、それが見当たらない。
 
 
 お姉様の力なくしてここまで来るなんて事は出来なかっただろう。
 きっとお姉様一人なら、もっと早く進めている事だろうに、
 そう考えると、だんだん暗い気持ちになってきてしまう。
 
 
「みどり、あそこに何かあるわ」


 お姉様が銃口を向けていいる方を見れば、確かに木箱が見える。
 今度は私がうまく扱えるものが入っていればいいけど、
 そう願いながら開けた中身は見事にまた銃器で
 
 
「バズーカね、どうしようかしら。持ち歩くのはちょっとね」


 お姉様はあまり気が進まないようだが
 
 
「お姉様、私が持ってもいいでしょうか? 」


「みどり? 本気なの? 」


「はい、折角の武器ですから」


「重いわよ? 」


「大丈夫です。こう見えても私、体力には自信が」


「そこまで言うのなら、みどりが持つといいわ」


 お姉様に扱い方を教えてもらって、私はバズーカを担ぐ。
 これならきっと私も役に立てるはずだ。
 私達は進む。
 
 




しおりを挟む

処理中です...