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悠々ライフ
勇者編 5
しおりを挟むふふん!
魔法使いは上機嫌であった。
それはそれでいい事なのだろうが、生憎俺達はそうでもなかった。
最初はそうでもなかったのだ、「よかったね」と言えるぐらいの余裕は俺達に
もあったのだ。
ただ流石に何度も自慢されるとイラっとするのは仕方が無い事ではないだろうか
と思う、まあ特に武闘家のもの凄いプレッシャーがビンビンに感じるのだ。
今にも拳が飛んできそうな勢いである。闘気がね、もう溢れ出しちゃっているん
だよ? だからそろそろそのドスケベボディーの自慢は止めにしてくれないか?
そうしてくれると非常に助かるのだが……
箒が折れた魔法使いの事をどうにか落ち着かせて旅を続ける事になったとはいえ
彼女が歩くという選択肢を選ぶ事は無かった。当然のようにフライを発動して
飛ぶのだが、箒という触媒が無くなった事で魔力消費は激しい。そして何よりも
地面からそこまで浮いていないという単純な問題があった。
重たすぎる問題である。
そしてどんどん消費されて行く魔力に魔法使いの体力が限界を迎えた。
「もう無理」
動けなくなった魔法使いを置いて行く訳にもいかず、仕方なく背負う事になった
俺達にも体力の限界はすぐにやって来た結果、野宿をする事になってしまった
俺達勇者パーティー。別に今までだって野宿はした事があるけど、まさかこんな
形で野宿になるとは思っていなかったのだ。
「どうなんだろうな」
焚火の火をなんとなく眺めていた武闘家が口に出した言葉に反応したのは当然
魔法使いだった。
「何よ! 何がよ! 私が悪いって言いたいんでしょ! 私だって分かっている
のよそれぐらい、でも仕方がないでしょ? こんな事になるなんて思ってなかっ
たんだから。大体、あの国王が金をケチらなければこんな事にはならなかった
のよ! 」
まあそれは誰もが思っている事ではあるけど、だからって馬車なんて乗る事は
なかったと思う。
「飛ばなくてもよくないか」
「なっ! 」
それは更なる追い打ちである。
魔法使いは一瞬言葉を失ったがそれでも彼女は言い返す。
「魔法使いに飛ぶなとか意味分かんないですけど! 飛べない魔法使いなんて
魔法使いじゃないのよ! 飛べないのなら私がここに居る意味なんてない!
そんな事なら私は死んだ方がマシなの、二度とそんな事を言わないで! 」
飛ぶことが彼女にとってのアイデンティティなのだ。
それをするななんて俺達には言えない。そんな残酷な事は言うべきじゃない。
「そこまで言うのなら痩せろ、デブ」
ぷるぷると贅肉が揺れる魔法使い。
嗚呼、どうしてこんな事に……途中まで楽しくやっていたのに、それがこんな事
で最悪の雰囲気になってしまった。
「分かったわよ。痩せればいいんでしょ! 痩せてやるわよ」
その結果が今である。
あんまり変わってなくないか?
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