19 / 129
悠々ライフ
勇者編 8
しおりを挟む確かにそこには村があったと言う。
でも俺達の目の前に広がるそこには村があったという形跡がまったく見当たらな
いのだ。そこはもうすでに木々が生い茂っていたからだ。
「どういう事だ? ここはもうマクベ大森林の中なのか? 」
「いや、それはないはずだ。どう考えてもまだ距離があるはずだ。地図にもここが
森だという表記はない、それなのにこんなにも……ありえるのか? 」
俺の問いに答えたヒーラーが魔法使いに聞く。
「そんな魔法を私は知らないし、聞いた事もないわ。そもそも幻術って訳でもない
し寧ろ疑うのであればその地図の方かもしれないわ。本当はここに村何て無かっ
たとかそういう方が納得出来ない? 」
「何だよそれ。怖すぎるだろ」
武闘家は意外とそっち系の話には弱かったりするのだ。
「あり得ない事ではないがあまりにも話が大きくなりすぎていないか? そもそも
国王にまで上がって来た話の結末がそんな事ってあるか? まあ村が無かったと
しても冒険者が帰って来ないというのは本当だと思うぞ」
「確かにな。俺達を見たら大体は魔石と鬼の話だったしな」
「その話も口裏を合わせているだけだったり? 」
「何の為に? 俺達をここに近づけようとしない理由って何だよ。何を隠している
んだ? そもそも鬼の話までしてどういう事だよ」
「おい、何かおかしくないか? 」
そして武闘家が異変を感じた。
ゆっくりと、じんわりと広がっていく白い靄。
それは確実に濃くなって行き、周囲が確認出来なくなっていた。
「おい、みんな居るか? 」
とりあえず大きな声を出してみたが誰からの反応も無かった。
どうなったのだこの状況、明らかにおかしい、俺達を分断させてどうするつもり
なのだろうか?
俺は剣を構え臨戦態勢を取る。
「立ち去れ」
そんな声が聞こえて来た。
「ここから立ち去れ」
何度も何度も警告される。
「金目の物は置いていけよ」
「なんで? 」
「なんでってそりゃあ金になるからだろうが、馬鹿なのか? 死にたくなければ
金目の物を置いてさっさと立ち去れ、アチッ! 」
辺りが見えるようになったと思ったらそこには火を持った魔法使いが居た。
そしてそこにはウッドラビットも居たのだ。
「止めろ! それ以上近づけるな! アチッ! 分かった、分かったからそれ以上
は火を近づけないでくれ。いや、下さい。お願いしますから~ 」
何とも無様な状況である。
人を惑わして遊ぶのが好きな奴らではあるが、こうして場所を特定されて火を
近づけられればもはや何も出来ないのだ。それにしてもここのウッドラビットは
物を要求するとか変わっている。
「おい、ここら辺で鬼が出ると聞いたが本当か? 」
「鬼? 何だそれは、聞いた事がない」
「本当に? 嘘だったら燃やすわよ? 」
「いやだなぁ~。本当ですって、俺は何も知らないんです。ええ。本当に何も。
西の方へ行けば何かあるとかないとかそんな事は一切何も知らないんで、どうか
これ以上火を近づけるのは止めてく・だ・さ・い~や~ 」
「西か、じゃあ行くか」
そして俺達は動き出す。
「お~い。ちょっと~。この火は消していかないんですか~? 」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる