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旅に出る
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しおりを挟む終わってみれば完勝。
まさかこんなにも私の部隊が強いとは知らなかった。
王位争奪戦が始まっているのに気付いた時にはもう殆んどがお兄様達に掌握され
ていて私は自分が出遅れた事に焦っていた。
私の味方なんてもう誰も居ないと思っていた。
それでもわずかな希望を胸にこうして戦場へと出て来たのはたとえ少数で
あろうとも自分の駒が欲しかったからである。それは全て保身の為であった。
王位に就けないのであればいい所、政略結婚の駒として扱われるだろう事は
ある程度覚悟は出来ていたのでいいが、もし命を狙われたなら私はあまりにも
無防備過ぎた。既に手練れ達はみなお兄様達が抑えてしまっており、私には
余り者の部隊しかなかったのだ。
少しでも戦果を挙げ王国への献身を示し、そして部隊の者達にはこうして身を
さらしておく事で私への忠誠心を植え付けようという考えの元に戦場へやって
来た訳だが、この誰も見向きもしなかった不良品の部隊がこんなにも強かった
なんて私は知らなかったのだ。
というか誰も必要としないレベルでこれだけ強いのであれば、お兄様達の部隊は
もっと強いのでないのか? そう考えが至った私はどうにかして私の側に盾役を
置いておかないといけないと思い今日活躍した戦士たちを食事に誘った。
「連れてまいりました王女様」
隊長さんが連れて来た20人の戦士たちはとても若かった。
こんなに若くてもあんなに強いとはやはり自分の考えが間違っていなかったと
思い、そしてどうすれば彼らが私の為に死んでくれるのかを考えた。
「素晴らしい働きぶりでした、褒美を与えます」
まずは褒美を与える事で私は彼等の印象をよくしようと考えた。
少なくとも嫌な気はしないだろう。そしてこれは他の者達にも有効であろう。
「ありがとうございます。全て王女様のおかげです」
代表して隊長さんはそう言った。
「どうぞみなさん今日は好きに食べて下さい」
そして私は食事を振る舞う。
私の分を使ってもらって少しでもいい物を彼らに食べさせ、胃袋を掴むのだ。
私はまだ死にたくなかったし、有用性を示すのだ。
みんなに私に価値があると思わせなければならない。
そして私は自分のテントへと戻る。
考えなければならない事が増えたのだ。
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