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婚約破棄された兄が居なくなりました、探しに行きたくないです。
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しおりを挟む「ねえ、本当に行くの? 」
「当り前でしょ! 私達、家族が迎えに行かなくてどうするのよ! 」
「パパも行くの? 」
「仕方が無いからな、流石にクエストを出すのも恥ずかしいし」
正直私は乗り気ではない。
大体、兄に婚約者が居たなんて聞いた事無かったし。
それに、婚約破棄されたぐらいで何をしてくれているのか?
私が兄の為に何かをしなくてはならないとかありえないでしょ!
「ねえママ。クエストにしない? 」
「ダメよ。そんな事したらあの子、立ち直れなくなっちゃうでしょ! 」
こうなってしまってはどう仕様もない。
家ではママが言う事が絶対なので逆らうなんて事は出来ないのだ。
それにしても
「ねえ、その恰好は何なの? 」
流石に口を出してしまうその恰好。
「え? ああ昔のやつを引っ張り出してきたの、似合ってる? 」
明らかに時代を感じさせるその服装に、私は残念な気持ちになった。
「いいね、それ。昔を思い出すな~ あの頃の母さんはそれはそれは綺麗でな。
まあ、今も綺麗なんだけど」
「何よそれ! 」
子供の前でイチャつくのは止めて欲しい。
*****
「ねえ、本当に行くの? 」
「ここまで来て何言っているのよ。ねえ~ペロ~」
何故これからダンジョンに潜ろうとしているのに、
飼い犬を連れて来ているのか?
それはペロも大事な家族だからである。
「よし、じゃあ行くか。久しぶりだからな、ちょっと緊張しちゃうなパパ」
「そお? 私は意外と平気。むしろちょっとワクワクしてるくらいよ! 」
「さすがママ、頼りにしているよ! 」
「任せときなさい! 」
「はあ~」
そんな二人の掛け合いを見て私は溜息をつく。
*****
「あ、ちょっとペロ! どこ行くの! 」
ダンジョンに入って早々ペロが単独で進んでしまった。
あのバカ犬、今夜のご飯は無しだ!
「ほら、敵よ! 準備して! 」
「よし、ここはパパに任せなさい! 行っくぞ~、あっ」
パパは攻撃する前に蹲る。
「どうしたのパパ? 攻撃されたの? 」
「違うわ、ぎっくり腰よ! 」
ママが解説してくれる。
「す、すまん。張り切り過ぎた」
「そう。ママどうするの? 」
「無理無理無理無理。私がドラゴンなんて倒せる訳ないじゃない! 」
「ですよね~。 んじゃ、ちょっと片付けるから動かないでね」
私はもって来た剣でドラゴン3匹を屠った。
「おお、さすがドラゴンスレイヤー。すごいな」
「そんな事はどうでもいいのよ。とりあえず今回は撤退よ。このままじゃ先には
進めないもの」
「す、すまん」
「あ! ペロは? ペロはどうするの? 」
「分かった、私が見つけて来るから二人は先に帰ってて」
面倒臭いがママの望みを叶えなければいけないのだ。
私は二人をダンジョンから出すとペロ探しを始めた。
「おーい、ペロ。どこだ! さっさと出てこないと今日のご飯は無しだぞ~ 」
「わん! わん! 」
バカ犬の鳴き声がする。
意外とすぐに見つかったので良かった。
見つからなかった場合は他の犬を連れて帰るところだった。
「ほら帰るよ! もう、どうしてこんな時にって兄ちゃん」
ペロがマーキングした所に兄が居た。
兄を見つけたペロにはご褒美をあげなくてはいけない。
「ほら、兄ちゃん帰るよ」
犬の小便臭い兄と一緒に帰宅する事となった私。
やっぱり探しになんて来るんじゃなかった。
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