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突然の召喚にドラゴンと戦えとかふざけるんじゃない!
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しおりを挟む「ぐうあぎゃああ」
今俺の前でドラゴンが雄叫びを上げている。
生で見るドラゴンはヌメヌメしていてなかなかに気持ち悪い生き物だった。
「どうしたのよ、早くしないと死ぬわよ? 」
後ろで女が喚いているが、俺にどうしろというのか?
俺、一般人なんですけどね?
*****
俺はその日、街を歩いていた。
特に何か用事があった訳ではないけど、そんな気分だったからだ。
だというのに俺はいつの間にか異世界にいた。
目の前がいきなり真っ白になったかと思ったら、景色が一変していた。
どこをどう見ても街の要素がないその場には女が突っ立っていた。
「私の名前はマグロ! アンタは? 」
「俺の名前はシマダクロ」
突然の自己紹介につい返してしまった。
「そう、じゃあ行くわよ」
マグロは俺の腕をつかんでスタスタ歩き出す。
俺は訳が分からないまま引っ張られる。
それにしてもこの女の握力はどうなっているのか? 腕が引きちぎれそうだ。
「痛い、放せ! おい、聞いているのか? 放せ! 」
俺の言う事は一切無視して突然止まるマグロ。
腕にはマグロの手形がしっかりとついていた。
なんとういう馬鹿力だ。
「まったく何なんだ急に。ここは何処だ? 」
「しぃ~! 」
マグロは人差し指を立てる。そしてその指をそのまま右へ向けたので、俺はその
指の差す方を見る。
「さあ、あのドラゴンをやっつけるのよ! 」
マグロが大声で言った。
*****
「何よ、アンタ。ドラゴンぐらいやつけなさいよ! 折角、召喚したのに無駄に
なるじゃない! 触媒だっていいやつ使ったのに、高かったんだからね! 」
俺とマグロはドラゴンから逃げている最中だった。
そんな中でもマグロは俺を罵倒する。
「全然使えないじゃない! 誰よ召喚した奴が強いって言ったのは! もう、本当
に使えないわ! 仕方がないから、アンタ足止めに使ってあげるわ! 」
マグロは俺に足をかけて転ばすとそのまま逃げていく。
俺はその行動に驚き、マグロを罵り、そしてこの訳の分からないままで人生が
終わる事を覚悟したのだが、その終わりはなかなか来なかった。
そして後ろを確認してみればドラゴンが倒れていた。
「なんじゃこりゃ」
「あらあら、貴方大丈夫? 」
そこにはとてもグラマラスな素敵なお姉さんが居た。
「はい、大丈夫です。俺の名前はシマダクロといいます」
「そう。大丈夫ならいいのだけれど」
「ぎゃああああああ」
俺とお姉さんとの時間を邪魔する声が聞こえて来た。
「まだ、誰かいるの? 助けないと」
さすが素敵なお姉さん。慈愛に満ちたその心が走る度に揺れていた。
俺もお姉さんの後について行くとそこではマグロが蜘蛛の糸に絡まっている姿が
あった。
「あらあら大変。助けてあげないと」
「お姉さん、大丈夫です。これはあいつの趣味なのです。ああやって糸に絡まる事
があいつにとっての最高のご褒美なんです」
「そんな訳あるか! た・す・け・ろ! 」
「ああ言っているわよ」
「お気になさらず、これもプレイの一種です。さあ、お姉さんお茶でもご一緒しま
せんか? 助けて貰ったお礼におごりますよ? 」
俺はお姉さんと一緒にその場を後にする。
マグロが喚いているが、そんな事知った事じゃない! ざまあ見ろ!
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