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菫川ヒイロ

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こうして私は聖女になりました。

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 ネイリスは聖女になる為に毎日勉学に励む学生です。
 今日も朝から学院でみっちり勉強をしてきましたが、出されていた課題が出来て
 いなくて先生にこっぴどく怒られてしまいました。
 
 
「ネイリス、いつまでこんな事でもたついているのです? そんな事では立派な
 聖女にはなれませんよ! 」
 
 
 そう叱られたネイリスは罰として草むしりをするように命じられてしまい、
 急いで草むしりを終わらせてすぐに下校、
 家に帰って着替えようかとも思いましたが、
 時間に遅れる事の方が問題なので仕方なくそのまま
 待ち合わせ場所へと急ぎました。
 
 
 今日はロボリード侯爵と会う日だったのです。
 彼は時間にとても厳しい人で、少しでも遅れるとすぐに怒ってしまいます。
 だからネイリスはいつも待ち合わせの時間よりも早く行って
 待っていたのですが……
 
 
 待ち合わせ場所へと急ぐネイリス、伯爵はいつも遅れて来るので
 もしかしたらまだ来ていない可能性に賭けて急ぎましたが、
 そこにはもう伯爵が居りました。
 
 
「遅かったな、ネイリス。1分の遅刻だ」


 懐中時計をみながら伯爵がいいます。
 
 
「すいません。学院で草むしりを…… 」


「そんな事は知らん! お前の事情など私に関係などあるか? 
 まったく愚鈍な奴だ! 大体なんだ、その恰好は! 汚れいるではないか。 
 私と会うというのにそんな汚い身成でよく来れたものだな! 
 だからお前はダメなんだ」
 
 
 私の話など聞く気もない伯爵に着いてそうそうまくし立てられても、
 私はどこかで諦めていました。
 きっとこれからもこれが続くのであろうと……
 
 
「ロビーヌを見てみろ! これこそが私が求めていたものだ。お前とは大違いだ」


 そこで私はようやく伯爵の隣に見知らぬツンとした女性がいる事を認識
 したのです。伯爵に怒られまいと、そればかりを考えていたのですっかり
 周りに目を向ける事を忘れていました。
 
 
 彼が言うように、彼女は綺麗なドレスを着飾っており、
 髪も綺麗に整えられています。
 私なんて、急いで来たせいで髪なんてメチャクチャです。


「まあいい、お前とは今日でおさらばだ。もう、会う事もないだろう。
 お前の様な奴とは婚約破棄だ! さっさと消えろ! 」
 
 
 伯爵は急にそんな事をいいましたが、私にはうまく理解が出来ませんでした。
 
 
「こんにゃく破棄? 」


「違う、何を言っているんだ。婚約破棄だ! 
 お前みたいな愚図とは婚約を破棄する! 」


 婚約破棄? 婚約破棄ってあの婚約破棄? 
 えっ、ちょっと待って。ホントなの? 
 うそ! 信じられない! こんな事ってあるの? 
 ロボリード侯爵ともう会わなくいいなんてそんな事! 
 そんな夢みたいな事がこの世にあるなんて……
 
 
 私はしばらく状況が理解出来ませんでしたが、どうにか理解に至りました。
 
 
「しゃーーーーーーーーーあ!」


 気が付けば私は声を上げていました。
 それは嬉しさのあまりの咆哮で、手はしっかりとガッツポーズをしていました。
 それはそうです、だってこんなに嬉しい事などなかったのですから。
 
 
 だから今まで我慢していたものが一気に噴き出しました。
 
 
「神様、ありがとうございます! マジで感謝です! 
 今まであなたの存在を疑っていました。そりゃそうですよ。
 だってこんな理不尽な相手とこれからずっと生きて行かないといけないなんて、
 そんな地獄がありますか? 何度この人生を恨んだ事か
 でも、もう止めます! だってもう地獄は終わったんですから。
 これからは聖女になる為の勉強、頑張ります! 
 もう私の勉強の邪魔をする人はいなくなったので、嗚呼、ありがとう神様! 
 全てあなたのおかげです」
 
 
 それは、毎日聖女になる為に祈りを捧げていたネイリスの願いが
 成就した瞬間だった。
 
 
 私が天に祈りを捧げると、空から一筋の光がそそがれました。
 
 
 そして街に鐘の音が響き渡り、こうして私は聖女になりました。
 
 
 聖女ネイリス・アルペジオの爆誕です!
 
 
 聖女、それは最も尊ばれる職業。
 
 
 聖女、それは絶対の存在。
 
 
 こうして聖女ネイリスという後世語り継がれる聖女が誕生したのでした。
 
 
 



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