109 / 129
こうして私は聖女になりました。
1
しおりを挟むネイリスは聖女になる為に毎日勉学に励む学生です。
今日も朝から学院でみっちり勉強をしてきましたが、出されていた課題が出来て
いなくて先生にこっぴどく怒られてしまいました。
「ネイリス、いつまでこんな事でもたついているのです? そんな事では立派な
聖女にはなれませんよ! 」
そう叱られたネイリスは罰として草むしりをするように命じられてしまい、
急いで草むしりを終わらせてすぐに下校、
家に帰って着替えようかとも思いましたが、
時間に遅れる事の方が問題なので仕方なくそのまま
待ち合わせ場所へと急ぎました。
今日はロボリード侯爵と会う日だったのです。
彼は時間にとても厳しい人で、少しでも遅れるとすぐに怒ってしまいます。
だからネイリスはいつも待ち合わせの時間よりも早く行って
待っていたのですが……
待ち合わせ場所へと急ぐネイリス、伯爵はいつも遅れて来るので
もしかしたらまだ来ていない可能性に賭けて急ぎましたが、
そこにはもう伯爵が居りました。
「遅かったな、ネイリス。1分の遅刻だ」
懐中時計をみながら伯爵がいいます。
「すいません。学院で草むしりを…… 」
「そんな事は知らん! お前の事情など私に関係などあるか?
まったく愚鈍な奴だ! 大体なんだ、その恰好は! 汚れいるではないか。
私と会うというのにそんな汚い身成でよく来れたものだな!
だからお前はダメなんだ」
私の話など聞く気もない伯爵に着いてそうそうまくし立てられても、
私はどこかで諦めていました。
きっとこれからもこれが続くのであろうと……
「ロビーヌを見てみろ! これこそが私が求めていたものだ。お前とは大違いだ」
そこで私はようやく伯爵の隣に見知らぬツンとした女性がいる事を認識
したのです。伯爵に怒られまいと、そればかりを考えていたのですっかり
周りに目を向ける事を忘れていました。
彼が言うように、彼女は綺麗なドレスを着飾っており、
髪も綺麗に整えられています。
私なんて、急いで来たせいで髪なんてメチャクチャです。
「まあいい、お前とは今日でおさらばだ。もう、会う事もないだろう。
お前の様な奴とは婚約破棄だ! さっさと消えろ! 」
伯爵は急にそんな事をいいましたが、私にはうまく理解が出来ませんでした。
「こんにゃく破棄? 」
「違う、何を言っているんだ。婚約破棄だ!
お前みたいな愚図とは婚約を破棄する! 」
婚約破棄? 婚約破棄ってあの婚約破棄?
えっ、ちょっと待って。ホントなの?
うそ! 信じられない! こんな事ってあるの?
ロボリード侯爵ともう会わなくいいなんてそんな事!
そんな夢みたいな事がこの世にあるなんて……
私はしばらく状況が理解出来ませんでしたが、どうにか理解に至りました。
「しゃーーーーーーーーーあ!」
気が付けば私は声を上げていました。
それは嬉しさのあまりの咆哮で、手はしっかりとガッツポーズをしていました。
それはそうです、だってこんなに嬉しい事などなかったのですから。
だから今まで我慢していたものが一気に噴き出しました。
「神様、ありがとうございます! マジで感謝です!
今まであなたの存在を疑っていました。そりゃそうですよ。
だってこんな理不尽な相手とこれからずっと生きて行かないといけないなんて、
そんな地獄がありますか? 何度この人生を恨んだ事か
でも、もう止めます! だってもう地獄は終わったんですから。
これからは聖女になる為の勉強、頑張ります!
もう私の勉強の邪魔をする人はいなくなったので、嗚呼、ありがとう神様!
全てあなたのおかげです」
それは、毎日聖女になる為に祈りを捧げていたネイリスの願いが
成就した瞬間だった。
私が天に祈りを捧げると、空から一筋の光がそそがれました。
そして街に鐘の音が響き渡り、こうして私は聖女になりました。
聖女ネイリス・アルペジオの爆誕です!
聖女、それは最も尊ばれる職業。
聖女、それは絶対の存在。
こうして聖女ネイリスという後世語り継がれる聖女が誕生したのでした。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さくなった夫が可愛すぎて困ります
piyo
恋愛
夫が、ある日突然、幼児の姿になってしまった。
部下の開発中の魔法薬を浴びてしまい、そのとばっちりで若返ってしまったらしい。
いつも仏頂面な夫が、なんだかとっても可愛い――。
契約結婚で、一生愛とは無縁の生活を送ると思っていたノエルだったが、姿が変わってしまった夫を、つい猫可愛がりしてしまう。
「おい、撫でまわすな!」
「良いじゃありませんか。減るもんじゃないし」
これまで放置されていた妻と、不器用に愛を示す夫。
そんな二人が、じれじれ、じわじわとお互いの距離を詰めていく、甘くて切ない夫婦再生の物語
※完結まで毎日更新
※全26話+おまけ1話
※一章ほのぼの、二章シリアスの二部構成です。
※他サイトにも投稿
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる