18 / 82
家族
茜
しおりを挟む子供の頃、父に教えてもらった名前の由来。
「キレイだね」
私がそう言えば「そうだね」と返してくれた父。
夕暮れに二人で河川敷を歩くのはその頃の私達の日課だった。
「ママも好きだったんだよ? だから茜って名前にしたんだ」
それを聞いて私は少しだけ自分の中に母親を感じた。
母は私が小さい時に亡くなってしまったから、どんな人だったとかは正直よく
覚えてはいないけど。
こうしてたまに父が母の話をしてくれると、ちょっとだけ母親を感じる事が
出来る瞬間があった。
それが何だか温かいけど、むず痒くて。自分でもよく分からなくて……
父がなんだか寂しそうに見えてしまうから深く考えなかった。
でも今になって、大人になって、もっと母の事を聞いておけば良かったと思う。
父には少し酷な事になってしまったかもしれないけど、それでも母について
もっと話が出来ていたら少しは違ったかもしれない。
そんな父ももうこの世にはいない。
何故か神様は私の家族が気に入っているようだ。
すぐに連れて行ってしまうから私は神様が好きじゃないけれど。
それでも二人が一緒に居られるって事なのだとしたら、悪くはないのかもって
思っている。
二人が眠るお墓の前で私は手を合わせる。
「そっちはどう? 二人で仲良くやってるの? 」
親の心配なんかしてみたりして、一丁前に大人のふりをしてみたり。
そして私は二人に報告するのだ、区切りの時にはいつもここに来て私は話す。
「離婚しました。また一人になっちゃいました」
もう3回目だったから流石にいいかとも思ったけど、これは私なりのけじめ。
「家族って難しいね」
私が何を言ってももう返事は帰って来ない。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる