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家族
鼻歌
しおりを挟むふふふふっふふふー
「何それ? 」
子供に聞かれて自分が知らない内に鼻歌を歌っていた事に気付く。
「何だったかな? 」
自分でも何の曲なのかよく思い出せなくて、どうしてこんな曲を口ずさんでいた
のか分からなかった。
*****
「これって何の曲か知ってる? 」
旦那に聞いても分からず、友達に聞いても分からなかったので、母親に聞いて
見たら教えてくれた。
「それ、お婆ちゃんが良く歌ってたやつよ。懐かしいわね」
そう言われて不意に思い出す祖母との記憶。
私は両親が離婚してからよく祖母の家に預けられる事があった。
私にとっての祖母はとても厳しい人だった。
何をするにもいつも叱れた。
今となっては、それがマナーとして役に立っているのでよかったと思えるが、
当時はそんな風には到底思えなくて、ただただ祖母が怖くて、預けられるのが
嫌だった。
でもそんな祖母が雨の日に口ずさむ歌があった。
あの厳しくて怖い祖母が口ずさむその姿は私にとっては新鮮だった。
それが切っ掛けだっただろうか? 祖母と過ごす事が苦痛ではなくなったのは。
「これって何の曲? 」
「さあ? 私も知らないわ」
母からは答えは得られなかった。
「そう言えばお婆ちゃん、昔、歌ってた事があるって聞いた事あったな」
「なにそれ? 歌手だったて事? 」
「よくは知らないけど、そういう事なのかな」
結局、何も分からないまま。
私は雨の日にはその歌を口ずさみながら少し苦い思い出に浸る。
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