ホラー倉庫

菫川ヒイロ

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ラビリンス

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 まあ協力プレイが悪いとは言わないし、きっとその方が効率的だし目的を達成
 しやすいのだろう。今の私のようにぼっちでこのゲームに挑むなんて事をする人
 なんて殆んどいないだろうし、実際絶望を感じている。
 
 
「やあお嬢さん、一人かい? 」


 どうにか変人達との別れを済ませる事に成功したのに、こんな仕打ちは流石に
 酷いと思うのだ。
 
 
「どう見たって一人だろうが! 」


 確かにあの人達とは違う場所へと繋がってはいたが、もう少し余裕が欲しかった
 のだ。こんなにいきなりのピンチは聞いていない。
 
 
「まあまあ落ち着きなよ。久々の食事なんだから、ゆっくり味わおうじゃないか」


 今、私の目の前にいるのは頭が三つある生き物である。
 ケロべロスのような、否どちらかといえばキマイラに近い方の奴である。
 ドアを潜ってそうそうこんなのとご対面するなんて聞いていない。
 本当に狂っているとは思うのだ。
 
 
「それもそうだな、じゃあ俺が頭を食べてもいいか? 」


「何を言っているんだ。俺が頭だろ? 」


「別に誰が食べても胃袋は一つなんだから一緒だろ? 」


「「それもそうか」」
 
 
「じゃあ俺が頭を食べるよ」


「「何でだよ! 」」


 こうしておかしな会話をしている事だとか。もうずっとそのまま言い合いをして
 おいて欲しいぐらいだったけど、そういう訳もいかないのが世の常だ。
 涎を撒き散らしながらの会話も終わりを迎える。
 
 
 ぷぽらぺっぽん
 それはどれだか信じられるかという事にかかっている。
 信じる者は救われる。魔法とは常に使う者を試し、その思いに答えるものだ。
 一撃で敵を切り裂く事が出来る。
 
 
「ぷぽらぺっぽん」

 
 私はまだ死にたくはない。
 だからどんな事でも出来るし、信じる事が出来た。
 自分が魔法使いだろうが魔法少女だろうが何だっていい、取り敢えずは目の前に
 いるこの化け物を倒せるのであれば何にだってなってやる。
 
 
 その思いが通じたのだろう。
 化け物の首が飛んでいた。三つの頭が見事に別々の方向へと飛んでいた。
 その顔はまだ自分の首が斬られた実感がないのか何かを言おうとしている。
 でももう何かを話すなんて事など出来はしないのだ。
 
 
 首の断面から溢れ出て来る血は深い緑色をしており、昆虫みたいだなとなんとな
 く思いながら眺めていた。
 
 





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