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しおりを挟むトイレに少しばかり籠っていたムロはその間に今の状況の整理をしていた。
『朝起きてトイレに入ったら魔王城に居た』
(なんだそれ! そんな事がある訳ないじゃん! ふざけてんの? てかこんな
めちゃくちゃな展開は夢だな! そうに決まってる! 辻褄が合わなすぎるし
絶対そうだろうこれ! それならそれでやりようはあるな、よし!)
ムロはトイレから出ると再び魔王の前にやって来た。
こうしてじっくり見てみると意外としっかりした作りをしているなと感心する。
自分がこんなにも想像力が豊かな人間だったとは思っていなかったムロは新しい
自分を発見出来た気がしてちょっとワクワクした。
「で、どうだピコ? 」
魔王がまた真ん丸い奴に何かを聞いている。
一体何を話しているのかはどうする事も出来なくて、意外と夢の中は不便だなと
思い始めた。
折角だから少しだけ遊ぼうと思っていたムロだが、何だかもう面倒なので起きる
事に決めたが、どうすれば夢から覚めるのかが分からず、自分の頬をつねると
(あれ? 感触がある)
そう思ったら目の前に魔王が居て、そのままブン殴られた。
(まあそうだろうな。さっき確かにう〇こしたもんな)
そう思ったのも一瞬ですぐに意識が飛んだ。
*****
危険を感知しました。
能力『眠る』を自動で発動します。
全てのステータスが自動回復に移ります。
全回復までの所要時間はおよそ30時間です。
*****
ムロが目を覚ますとそこは薄暗く冷たかった。
辺りを見渡してここが何処なのかを確認して分かった事は、ここは牢屋だという
事だった。目の前に見えるのは鉄格子である事から分かる。
そしてムロは思い返す、自分がどうしてこうなったのかを。
(トイレに行ったはずが魔王城に来てしまい、魔王にぶん殴られた)
あの衝撃を思い出し、頬に手を当てるが何もなっていない自分に驚く。
ムロは自分がそんなハイスペックな人間だなんて思った事はないからだ。
「どうなっているんだ? 」
疑問思うムロ
「おや、漸くお目覚めですかな? 」
真ん丸い奴が現れると、牢の中に入って来る。
「だいたい30時間という所ですかな? どうですかな? 何か変わった事は無い
ですかな? ほう、傷もすっかり治っていますな。これは興味深いですな」
真ん丸い奴はムロの身体を撫で回して確認しだしたがムロは一切動かなかった。
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