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神託が下る頃
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しおりを挟む帰り道も結局、神様達は俺の周りをうろちょろして面倒だ。
二柱になってこれだけ面倒なのだったら、三柱になったらどうなるんだ?
そう考えるとさすがに聞いておかないといけないと思った。
「おい、お前ら。一体何をしに来たんだ? 」
「何だよ雄一。もう無視するゲームは終わったのか? 」
「ゲームじゃねえよ。何勝手にゲームして楽しんでんだよ! 」
「なかなかに楽しかったぞ、雄一」
「てか、お前は誰だよ! 何で増えた? 」
「誰って神様に決まっているだろうが! もっと敬え雄一」
分かってはいたが結局こういう感じになって会話が成立しないのだ。
すげー面倒くせえ。
「なあ、明日も増えるのか? 」
「いや、それは無い」
だから、どうせ答えてはくれないだろうと思って聞いたのだが、
ちゃんと返事が帰って来た。どうやらもう、増える事はないらしい。
「そうか、ならいい」
「まあな。増えるも何も、明日なんて来ないからな」
急にそんな事をいう神様。
「最後に結構楽しめたわ、いい働きだったぞ雄一」
「お前ら何を言っているんだ? 」
「ほら、雄一見てみろよ! 綺麗だぞ」
神様が空を指さし、俺はその先にあるものを見た。
赤く丸い物が落ちて来ている。
「おい、嘘だろ? 何だよあれ! 」
「もう終わるんだ、知ってどうする雄一。お前らしくもない」
確かに無駄な事はしない主義の俺ではあるが、理解できない現状に取り乱す。
「この世界が終わるだけだ、雄一。
最後の観光はお前のおかげでいいものになったよ。
なかなか見どころのある人間だったぞ、雄一。じゃあな」
「なんだよそれ、何とかしろよ! お前ら神様なんだろ? 助けろよ」
俺が叫んだ時にはもう神様は居なくなっていて、空には赤く丸い物と扇子が……
「扇子!? 」
ひらひらと舞う扇子はすぐに消し炭になった。
「扇子!!!!!!!!!!!!! 」
それが俺の最後の言葉となった。
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